戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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響「今日はガウくんが反省するにか」

クリス「お前が言える立場か?てか課題はどうした?」

響「ぎょっ!?」

調「まさかまだ終わってなかったなんて…」

響「だって今のイベント、未来が活躍するし、未来の歌とカードが欲しいんだもん!!」

クリス「そんなのは課題終わらせてからやれ!つーわけで携帯没収な」

響「そんな~!!」


第57話 ガウ、反省

松代第三小学校に逃げたマリアたちはおばあちゃんを降ろしていた。

 

おばあちゃん「ありがとね」

 

マリア「いえ」

 

切歌「お水貰ってくるデスよ」

 

調「待って切ちゃん、私も一緒に!」

 

水を貰ってこようと切歌と調は行ってしまう。

 

おばあちゃん「ふふ、元気じゃのう」

 

二人の姿を見ておばあちゃんは微笑んだ。

 

マリア「お母さん、お怪我はありませんか?」

 

おばあちゃん「大丈夫じゃよ。むしろアンタらでの方が疲れたじゃろうに…わしぐずぐずしていたせいで迷惑をかけてしまったねぇ」

 

マリア「いえ、私たちに守る力があればお母さんをこんな目には…」

 

おばあちゃん「そうじゃ。せっかくだからこのトマト、アンタも食べておくれ」

 

背負っていた篭を下ろして中に入っていたトマトを一つ取り出してマリアに渡す。

 

マリア「わ、私…トマトはあんまり…」

 

断ろうとしたマリアだが笑顔で渡してくるおばあちゃんにマリアは断れずトマトを受け取った。

 

マリア「ではちょっとだけいただきます。はむっ…甘い…フルーツみたい!」

 

一口食べて今までのトマトと違い青臭くなく、代わりに甘いということに驚く。

 

おばあちゃん「トマトを美味しくするコツは厳しい環境に置いてあげることギリギリまで水を与えずにいると自然と甘味を蓄えていくもんじゃよ」

 

マリア「厳しさに枯れたりしないのですか?」

 

おばあちゃん「むしろ甘やかし過ぎるとダメになってしまう。大いなる実りは厳しさを耐えた先にこそじゃよ」

 

マリア「厳しさを耐えた先にこそ…」

 

おばあちゃん「トマトも人間もきっと同じじゃ。あ、それとこれ。あの坊やに渡しておいてくれないかい?手伝ってくれたお礼にって」

 

新しいトマトをガウに渡すようにマリアに頼んで渡すおばあちゃん。

 

マリア「はい。必ず渡します」

 

 

 

弦十郎「このバカたれが!!」

 

ガウ「ぎゃう!!」

 

移動車両内で弦十郎の怒声とげんこつがガウの頭と耳を直撃した。

 

ガウ「きゃう~…」

 

殴られた頭を抑えながら泣きそうになるのを耐えるガウ。

 

弦十郎「床に大穴開けて勝手に抜け出してどれだけ迷惑が掛かっていると思ってるんだ!!」

 

ガウ「がうー…」

 

ガウが軟禁されていた部屋の床には巨大な大穴が開いていてそこから逃げ出したことが分かったのだ。

 

緒川「まあまあ、司令。結果的にはガウくんがいてくれたおかげで怪獣は倒せたんですから」

 

エルフナイン「そうですよ。なので今回は大目に見てください」

 

弦十郎「二人が言うなら仕方あるまい。だが今後こんなことをするようならげんこつじゃ済まないからな」

 

ガウ「が、がう~」

 

緒川とエルフナインの二人に言われて弦十郎はそう忠告した。

 

エルフナイン「それより極秘資料の解読は難航しているようですね」

 

極秘資料の解読が難航していることはエルフナインが言う。

 

友里「司令、鎌倉からの入電です」

 

弦十郎「直接来たか…ガウ、お前は隠れていろ」

 

ガウ「がう?…がう」

 

弦十郎に言われてガウはデスクの下に隠れた。

 

弦十郎「繋いでくれ」

 

友里「はい。出します」

 

ガウが隠れたのを確認した弦十郎は友里に言うと画面の中央に簾で全体を隠した老人が映った。

 

?『無様な。閉鎖区域の侵入だけでなく仕留め損なうとは…』

 

弦十郎「いずれもこちらの詰めの甘さ。申し開きできません」

 

?『機関本部の使用は国連へ貸しを作る特措だ。だがそのために国土安全保障の要を危険に晒すなど罷りならん』

 

弦十郎「無論です」

 

?『これ以上夷狄に八州を踏み荒らさせるな』

 

そう言うと通信を切った。

 

弦十郎「ふぅ…流石にお冠だったな」

 

緒川「それにしても司令、ここ松代まで追ってきた敵の狙いはいったい…」

 

弦十郎「狙いはバルベルデドキュメント…または装者との決着…或いは…」

 

パヴァリア光明結社の狙いが何なのか危惧する弦十郎。

 

老人と弦十郎の会話をガウは隠れていたデスクの下から見ていたが老人から嫌な感じが自身の心から感じていた。

 

 

 

ガウ「がう~…」

 

その日の夜は満月が昇っており、ガウは松代第三小学校の近くの建物に上り月を見ていた。

 

弦十郎により軟禁状態から解放されて月を見ていたのだ。

 

ガウ「がう…」

 

老人と弦十郎の会話を聞いて以来…いや、ブレードヘッドと戦って以来ガウは自身の様子が変化していることに気付いていた。

 

人を見るたびに何かが心の奥底から出ようとしているのを感じた。

 

響「あ、いたいた」

 

声に反応して振り向くと響が登ってきていた。

 

響「ほわあぁ~、月が綺麗に見えるんだね」

 

ガウ「がう~」

 

ガウの隣に座って響は言う。

 

響「師匠から聞いたよ。部屋の床に大穴開けて抜け出してげんこつ喰らったって?」

 

ガウ「が、がう~…」

 

弦十郎のげんこつを喰らったことを話されてガウの脳内にげんこつを喰らったことが横切って恐怖でビクビクした。

 

響「あははは…結構堪えたみたいだね…」

 

ビクビクしているガウを見て苦笑いする響。

 

響「まぁ、師匠のげんこつ受けてたんこぶできないだけ凄いよ」

 

ガウ「がうがう」

 

後ろ頭を掻きながら照れるガウ。

 

響「褒めてないからね」

 

ガウ「がう…」

 

しょげるガウ。

 

響「でも、マリアさんたちやおばあちゃんを助けてくれてありがとう」

 

ガウの体を自身に寄せて言う。

 

ガウ「がう…がう~」

 

寄せられたガウは尻尾を振って喜ぶ。

 

その時だった、響のポケットから通信機の呼び出し音がした。

 

響「はい、響です!」

 

弦十郎『アルカ・ノイズが現れた!場所は風鳴機関本部のバリケード前だ!すでにマリアくんたちが避難誘導をしている!』

 

響「分かりました。ガウくんと至急向かいます!行くよガウくん!」

 

ガウ「がう!」

 

アルカ・ノイズが現れて現場に向かう二人だった。

 

だが、これが響たち装者がガウと共に戦うのが最後であることをまだ彼女たちは知らない。




響「ぶつ…ぶつ…ぶつ…」

ガウ「がう?がうがーう」

響「未来未来未来未来未来未来未来未来未来未来………」

ガウ「……」

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