ビースト「あぐ…あっ!く、このぉ…!!」
噛みつかれたビーストはナツノメリュウの口を掴むと何とか無理矢理開かせると背負い投げのように投げ飛ばした。
ビースト「ぐっ…」
ナツノメリュウを投げ飛ばしたビーストは膝をつき傷口を手で押さえた。
指の隙間から光が漏れるように出ていた。
さらにビーストのカラータイマーが青から赤に代わり、点滅を始めた。
ビースト「はぁ…はぁ…はぁ…」
息を荒らしながらビーストは噛みついたナツノメリュウを見る。
ナツノメリュウ?「ギャオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
投げ飛ばされたナツノメリュウはすでに立ち上がり、カイライゴルザが横に来ていた。
ナツノメリュウの姿はさっきと変わり、体のあちこちの血管が浮かび上がって、毒々しい模様となり、目は真っ赤になり、体全身から黒いオーラが溢れ出て、他の傀儡怪獣と同じになっていた。
ビースト「くそっ、もう傀儡化してたのかよ…」
傀儡化されたナツノメリュウこと『傀儡伝説怪龍 カイライナツノメリュウ』を見てビーストは毒づく。
カイライナツノメリュウ「ギャオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
カイライゴルザ「ゴルシュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
口から青い火炎を放つカイライナツノメリュウと超音波光線を発射するカイライゴルザ。
ビースト「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
2体の傀儡怪獣の攻撃を食らって悲鳴を上げてしまう。
響「竜響くん!」
カイライナツノメリュウとカイライゴルザの攻撃に晒されるビーストを見てカイライハヌマーンの首を殴ってへし折っていた響は叫ぶ。
未来「あの怪獣、もう傀儡化されてたの!?」
すでに傀儡化されていたカイライナツノメリュウを見て驚く。
響「早く助けにいかないと!」
現在、ミレニアムゴジラはカイライガルラと戦いながらカイライハヌマーンたちを倒しており、到底ビーストの救援には行けないと判断した響は自ら行こうと跳躍する。
だが…。
カイライメルバ「ピリャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
跳躍して着地したビルに向けてカイライメルバが怪光線を目から発射して破壊する。
響「うわわわっ!?」
着地したばかりの響は破壊され、崩れるビルに飲み込まれそうになる。
未来「響!」
そこへ未来が飛んできて響を掴んでビルから離れた。
未来「大丈夫?」
響「うん。ありがとう、未来」
心配して聞いてきた未来に響は言うとカイライメルバを見る。
カイライメルバ「ピリャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
ビーストを攻撃するカイライナツノメリュウとカイライゴルザへの視線を妨げるように翼を広げて威嚇の声を上げる。
響「あの怪獣を何とかしないと、竜響くんを助けられない!未来!!」
未来「うん、行くよ!響!!」
ビーストの救援を邪魔するカイライメルバを見て響と未来は向かって行く。
ビースト「うあ…」
カイライナツノメリュウとカイライゴルザの攻撃に晒され続けていたビーストは一旦2体の攻撃が止むと、倒れないように踏ん張りをきかせる。
カイライゴルザ「ゴルシュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
ビーストに止めを刺そうとカイライゴルザが接近を開始した。
至近距離から直接止めを刺そうとしているのだ。
ビースト(くっ、こいつは…アレを使うしかねーか…)
近づいてくるカイライゴルザを見てビーストは何かを考えていた。
カイライゴルザ「ゴルシュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
ビーストの目の前まで来たカイライゴルザは自身の鋭い爪のある腕を振り上げた。
その瞬間だった、ビーストの腕が発熱しているのか激しく白い煙が出た。
ビースト「デリャアァァァッ!!」
同時にビーストの気合いの声と共に放たれた拳がカイライゴルザを貫いた。
そして発熱した腕がカイライゴルザを内部から焼き始める。
カイライゴルザ「ゴルシュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!?!?」
焼かれるカイライゴルザは苦しみの声を上げながら爆発した。
カイライナツノメリュウ「!?」
相方が爆発したのを見てカイライナツノメリュウは驚く。
ビースト「さあ、こっからが…本気の戦いだぜ!!」
カイライナツノメリュウを見ながらビーストは言うのだった。