戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第472話 錬金術VS神 前編

月遺跡で戦いが起きている頃、シェム・ハは風鳴宗家の屋敷の地下にいた。

 

シェム・ハ「ふふふ…愉悦に震える」

 

画面に映るユグドラシルを見て言う。

 

シェム・ハ「ユグドラシルの根は既に地球中心各域に到達。そして怪物共がその使命を果たせば我…」

 

そこまでシェム・ハが言った時、自身の右腕が小刻みに震えていることに気づいた。

 

シェム・ハ「よくも足掻く。強い思いが成せる奇跡か」

 

震えている右腕を見てシェム・ハは不敵に笑う。

 

 

 

未来「だって!私はまだ響に!」

 

精神内にて黒い帯のようなのに縛られた未来がシェム・ハに言う。

 

シェム・ハ「腑に落ちぬ。そも我を受け入れたのはお前であろうに」

 

未来「え!?」

 

シェム・ハに言われて未来は驚く。

 

シェム・ハ「繋がりたい。想いを届けたいともがいていたのは誰であったか」

 

未来「違う!あれは!私は!」

 

半ば図星だったのか未来は否定はしていたがシェム・ハは不敵に笑う。

 

シェム・ハ「身も心も捧げよ。先んじて呪詛より放たれし依代の少女よ」

 

本来の姿となり、シェム・ハは未来に言う。

 

シェム・ハ「我はシェム・ハ。来るべき星の未来、お前の名もそのような意味を持つのであろう?」

 

未来「響…!」

 

シェム・ハの言葉に反応するように未来を縛る黒い帯が全身を包み込んだ。

 

 

 

その頃、S.O.N.G.本部は種子島から作戦地点であるユグドラシルのある風鳴宗家屋敷に向かっていた。

 

藤尭「間もなくこちらも作戦地点に到達します!」

 

エルフナイン「翼さん!マリアさん!ガウくん!リルくん!僕達もユグドラシルを全力攻略します!だから!」

 

月遺跡で戦っている翼たちにエルフナインは言う。

 

その時、警報音が鳴り響いてきた。

 

藤尭「ユグドラシルの稼働確認!地球中心各域に向かって潜行中!」

 

友里「みんなの頑張りでバラルの呪詛は死守できているのになぜユグドラシルが…!?」

 

バラルの呪詛がまだ解除されていないのにユグドラシルが稼働し始めたことに驚く。

 

弦十郎「やはり…こいつの仕業だろうな」

 

モニターが切り替わり、ユグドラシルの真上にいるシェム・ハを見て呟くと弦十郎は発令室を出ようとする。

 

緒川「司令!どちらへ!?」

 

出ていこうとする弦十郎を緒川が呼び止めた。

 

弦十郎「装者とガウが不在の今、あの神話級の超常に対抗できるのは…」

 

エルフナイン「待ってください!対抗するって…どうするつもりですか?」

 

生身で神であるシェム・ハに挑もうする弦十郎にエルフナインが聞くが弦十郎は答えられなかった。

 

エルフナイン「僕に考えがあります!」

 

答えられなかった弦十郎にエルフナインが言う。

 

 

 

シェム・ハ「生々流転。間もなくである」

 

起動するユグドラシルを見てシェム・ハは言う。

 

シェム・ハ「この星の迷いを断ち輪が力へと改造し、我の抑止力であったモノたちを洗脳した後には、彼方へと去った同胞の喉元へと攻め入ってやろうぞ」

 

天を仰ぎ見るシェム・ハはかつては共に地球の生命の進化を促してきた仲間たちのことを言う。

 

シェム・ハ「高鳴りが抑えられぬ…ああ…そうさな。人間共はこういう時に歌の一つでも口ずさむのであったな。ん…?果ての荒野に1人立つ者がいようとは」

 

高鳴る鼓動を感じながら言うシェム・ハだったが視界にある少女ーエルフナインが映った。

 

 

 

キャロル『怖いか?』

 

エルフナイン「あまりの怖さに腰が抜けそうです」

 

語りかけてきたキャロルにエルフナインが正直な気持ちを言う。

 

エルフナイン「だけど!あの時未来さんは逃げなかった、今だってリルくんも戦ってる。だから僕も怖くたって逃げたくありません」

 

浚われたあの時、未来は逃げようとせず自分を守ろうとしてくれた。

 

リルも今はガウや響たちと肩を並べて月遺跡で戦っている。

 

エルフナイン「それに!今の僕は一人じゃありません!何があってももう逃げない!約束する!」

 

キャロルを見てエルフナインは言う。

 

シェム・ハ「向こう見ずな。我に歯向かう鈍付くがまだいようとは」

 

エルフナインの前に来たシェム・ハは不敵に笑いながら言う。

 

エルフナイン「僕もそう思います…それでも!」

 

キャロル「俺の錬金術をナメてくれるな!」

 

主人格がキャロルからエルフナインに切り替わり、ダウルダブラを纏う。

 

ダウルダブラを纏ってすぐに糸で玉を作りシェム・ハに放ったがシェム・ハ自身には当たらなかった。

 

シェム・ハ「粗忽だぞ。どこを狙っている?」

 

自身に当たらなかった攻撃にシェム・ハは言う。

 

だが、その場にキャロルはいなかった。

 

振り向くとユグドラシルへ真っ直ぐ向かうキャロルがいた。

 

シェム・ハ「悪くない考えだ。我でなく直接ユグドラシル主幹を狙うとは」

 

真っ直ぐユグドラシルへ向かうキャロルを見てシェム・ハはキャロルの狙いを見て言うと攻撃しようとしたその時だ。

 

チタノザウルス「クワワワアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

タッコング「ギグワアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーー!!」

 

ザザーン「ガガアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーー!!」

 

シーゴラス「グウォオォォォォォォーーーーーーーーーーーーー!!」

 

シェム・ハの後ろの断崖の海からチタノザウルス率いる水棲怪獣軍団(『オイル怪獣 タッコング』、『ヘドロ怪獣 ザザーン』、『津波怪獣 シーゴラス』)が姿を現した。

 

シェム・ハ「!?」

 

現れた怪獣たちにシェム・ハは驚く。

 

チタノザウルス「クルルルル…クワワワアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーー!!」

 

出現したチタノザウルスはシェム・ハを見て拳を握り殴ってきた。

 

チタノザウルスの拳が地面を砕き、地形を変えるのだった。


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