戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

630 / 1219
第471話 不死身の屍

マリアと翼がミラアルクと戦っている頃、煙の中へ引きずり込まれたガウとリルは異様な亜空間に迷い込んでいた。

 

そこは血のように赤く輝いている月のような惑星とその惑星により照らされた大地、そして生物の骨がそこら中に転がっていた。

 

リル「かう、かうかう?」

 

訳:ここ、どこだ?

 

ガウ「がうがう、がうがうがう」

 

訳:分かんない、でも長くはいたくないな

 

リル「かう、かうかうかうかう」

 

訳:じゃあ、早く翼たちを捜そう

 

翼たちを捜そうと2人が移動しかけた時だった。

 

突如、地面から人魂が出てきて惑星の方へ吸い寄せられるように上っていく。

 

人魂に驚いて歩みを止めて見上げた瞬間だった。

 

周囲が暗くなったかと思いきや、惑星から2人に向かって何かが降りてきた。

 

咄嗟に左右にそれぞれジャンプして回避する。

 

遅れて落ちてきたものが地面を砕き着地した。

 

タイラント?「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

2人がさっきまでいた場所に降り立ち、雄たけびを上げるのは『暴君怪獣 タイラント』であったがその姿は変わっており、かつてカリオストロがバルベルデの空港で繰り出したノイズタイラントやEXノイズタイラントとは違っていた。

 

全身が骨のみで、肉体は存在しない、両目は赤く輝いておりどこかこの空間を照らす惑星のような色である、ゾンビなどのアンデッドを思わせるその姿をしたタイラント―数多の怨念を吸収して蘇った冥界の怪獣『EXタイラント デスボーン』(以後の表記は"デスボーン")であった。

 

ガウ「がうぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

リル「がうぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

普段はお化けやゾンビなどのホラーが大の苦手なガウは怖いのを押し殺してゴジラに、リルはミレニアムゴジラにそれぞれ変身し、デスボーンと対峙したのだった。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

2人が変身してデスボーンは左腕となっている鉄球を射出してきた。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ゴジラがデスボーンの射出してきた鉄球を受け止めるとミレニアムゴジラが赤い放射火炎を発射する。

 

デスボーン「グワガアァッ!?」

 

ミレニアムゴジラの放射火炎をモロに喰らってデスボーンはその場に崩れるように倒れ、目の輝きが消えた。

 

デスボーンが倒れてゴジラはキャッチしていた鉄球を投げ捨てる。

 

ゴジラ「グルルルル…」

 

ミレニアムゴジラ「グルルルル…」

 

たった一発の放射火炎であっけなく倒せたと2頭が思っていた時だった、周囲から再び人魂が出てくるとデスボーンに吸収されていく。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

人魂を吸収して消えていたデスボーンの目が再び輝き、立ち上がると雄たけびを上げる。

 

「「!?」」

 

復活したデスボーンを見て驚く。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

復活したデスボーンは腹部があった箇所の空洞から紫色の光ー怨念エネルギーを集めていく。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

怨念エネルギーを集めていたデスボーンにゴジラは放射火炎を発射した。

 

デスボーン「グワガアァッ!!」

 

放射火炎が自身が集めていた怨念エネルギーにぶつかり誘爆、爆発に飲まれた。

 

ゴジラ「グルルルルル…」

 

今ので倒せただろうと思った、その瞬間だった。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

爆煙の中からデスボーンが出現し、集めていた怨念エネルギーを光線として発射してきた。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

 

デスボーンの怨念エネルギーの光線攻撃を喰らいゴジラは吹き飛ばされ、地面に叩き付けられてしまった。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル!?」

 

ゴジラ(父親)が吹き飛ばされたのを目の当たりにして驚き、デスボーンから目を離してしまった。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

ミレニアムゴジラ「!?」

 

鳴き声を聞いてデスボーンの方に向くと目の前にデスボーンが居り、鉄球部分でミレニアムゴジラの顔面を殴った。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

間を入れず、デスボーンは鎌の部分でミレニアムゴジラを斬り付けた。

 

ミレニアムゴジラ「ゴギャアァァァァァァッ!!」

 

斬り付けられたミレニアムゴジラは大きく後退し、膝を付いてしまう。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

膝を付いてしまったミレニアムゴジラにデスボーンは鎌を振り上げ、さらにダメージを与えようとしていた。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

鎌を振り上げたデスボーンだったがそこへゴジラがダッシュしてきて、デスボーンにタックルを叩き込み吹き飛ばした。

 

ゴジラ「グルルルルル!!」

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル、ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

心配しているゴジラにミレニアムゴジラは大丈夫というように鳴いた。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

案の定というか、ゴジラのタックルを喰らっておきながらもデスボーンは全くその体に傷すら無かった。

 

ゴジラ「グルルルルル!!」

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル!!」

 

何度やっても人魂を吸収して蘇る不死身の相手(デスボーン)に対して親子怪獣は気を引き締め直して構えるのだった。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

ゴジラとミレニアムゴジラの親子に向かってデスボーンは鉄球を発射してきた。

 

デスボーンが放った鉄球を見てゴジラとミレニアムゴジラの親子はそれぞれが左右に別れて回避する、目標を失った鉄球は地面を砕いた。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

鉄球を避けたゴジラは放射火炎を発射する。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

ゴジラの放射火炎をデスボーンはさっきまでとは比べ物なならない速さで後ろへ跳んで回避した。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

ゴジラの放射火炎を後ろへ跳んで回避したデスボーンは腹部だった空洞に怨念エネルギーを集め、光線として発射した。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ゴジラに向かって発射された怨念エネルギーの光線をミレニアムゴジラが赤い放射火炎を発射して相殺した。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ミレニアムゴジラがデスボーンの怨念エネルギー光線を相殺させた時、ゴジラがジャンプして空中で回転しながら踵落としをデスボーンの頭部に叩き込んだ。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!?」

 

ゴジラの踵落としを喰らい、後退するデスボーン。

 

ゴジラ「グルルルルル!!」

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル!ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

後退したデスボーンにゴジラはミレニアムゴジラに合図をすると同時に蒼白いと赤の放射火炎を同時に発射した。

 

ゴジラの蒼白い放射火炎とミレニアムゴジラの赤い放射火炎が混じり合い、紫色の放射火炎となりデスボーンに襲いかかった。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!?!?」

 

紫色の放射火炎がデスボーンを飲み込み、爆発が起きた。

 

ゴジラ「グルルルルル……」

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル……」

 

紫色の放射火炎に飲み込まれ、爆発したデスボーンを見てゴジラとミレニアムゴジラは互いに互いの顔を見合い勝利したと思った。

 

だが、爆煙を突き破っていくつもの人魂が向かって来た。

 

ゴジラ「グルルルルル!?ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

人魂を見てゴジラはミレニアムゴジラを突き飛ばした。

 

ミレニアムゴジラ「!?」

 

突き飛ばされたことに驚きながら突き飛ばされるミレニアムゴジラ。

 

ミレニアムゴジラを突き飛ばしたゴジラに人魂が入り込んだ。

 

ゴジラ「ゴギャアァァァァァァッ!?!?」

 

人魂が入り、苦しみ出すゴジラ。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

爆煙の中から人魂を吸収しながら復活したデスボーンが出てきた。

 

その腹部であった空洞から人魂を繰り出し、繰り出された人魂がゴジラのなかに入り、苦しませていた。

 

デスボーンの体内にある怨念が解放され、相手を喰らい尽くす技ー『怨念解放』によりゴジラを苦しませていたのだ。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

父親を苦しませるデスボーンにミレニアムゴジラは怒りの声を上げて向かっていく。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

向かって来るミレニアムゴジラにデスボーンが鳴くと周囲の地面から鎖が飛び出してきた。

 

飛び出してきた鎖はミレニアムゴジラの体全身に絡み付き、動きを封じ込めた。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル!グルルルルル!!」

 

鎖を引き千切ろうと力を入れるミレニアムゴジラだが引き抜くどころか千切ることすらできなかった。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」

 

ミレニアムゴジラの動きを封じたデスボーンはさらに怨念を解放し、ゴジラの体内に侵入させ内部から喰らわせる。

 

ゴジラ「ゴギャアァァァァァァ!ゴギャアァァァァァァ!!」

 

怨念により内部から喰われて苦しむゴジラ。

 

もはやこれまでかと思われた時だった。

 

どこからか2人の女性の歌ーマリアと翼の歌い声が聞こえてきた。

 

2人もまた戦っている、ならばこんな所で殺られているわけにはいかない。

 

ゴジラ「グルルルルル!!」

 

マリアと翼の歌ー『不死鳥のフランメ』を聞いてゴジラは再び立ち上がった。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!?」

 

自身以外が憑り付けば体内から喰らい尽くす怨念の塊である人魂を受けておきながら立ち上がったゴジラに驚く。

 

ゴジラ「グルルルルル……ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

雄叫びを上げるゴジラの体が同時に黄金に輝いた。

 

黄金に輝いたゴジラの右手には翼から受け取った剣、左手にはマリアの“アマルガム”時の龍を象った手甲のアームドギアがあった。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

マリアと翼の“アマルガム”と呼応したゴジラは雄叫びを上げると一気にデスボーンとの間合いを一蹴りで詰めると剣で斬りかかった。

 

デスボーンは鎌でガードしようとするが剣は鎌を溶かしながら切り裂いた。

 

鎌が切られてすぐに人魂が集まってきてデスボーンを回復させようとするが回復しなかった。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!?」

 

切られた鎌が再生せず、デスボーンは驚いていると突然、空間自体が太陽に照らされたように明るくなった。

 

明るくなった原因を見ると龍型の手甲から巨大な火の玉を作り出しているゴジラがいた。

 

その火の玉の輝きは太陽そのものであった(・・・・・・・・・・)

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァ!?グワガアァァァァ!?」

 

太陽の光を受けてデスボーンは苦しみだし、体が砂のように崩壊し始めた。

 

デスボーンは怨念の人魂により不死身の力を得ていた。

 

だが、それは聖なる太陽の前では無力。

 

幽霊やアンデッドが太陽を嫌うようにデスボーンもまた太陽が苦手なので体が崩壊し始めたのだ。

 

ゴジラ「グルルルルル…ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

訳:安らかに眠れ怨念たち…これが手向けだぁ!!

 

太陽の輝きを有する火の玉を火炎として打ち出した。

 

デスボーン「グワガアァァァァァァァァァ………………………」

 

火炎に飲まれ、灰となるデスボーン。

 

だが、その表情は恨みを忘れ安らかになっていた。

 

ゴジラ「グルルルルル…」

 

ガウ「がう!」

 

安らかに逝ったデスボーンを見てゴジラはガウに戻った。

 

リル「かうかうー!」

 

声がする方を見るとリルがこちらに向かってきていた。

 

どうやらデスボーンが倒されたことで鎖が消えて自由になれたようだ。

 

2人が合流した瞬間、亜空間に亀裂が入ったかと思いきや“バリイィィーーーン”とガラスが割れるような音と共に元の空間に戻ってきた。

 

元の場所ではマリアと翼もミラアルクに引導を渡し終えていた。

 

その後、切歌と調も合流して残すは響とクリスだけとなっていたのだった。

 

だが、外ではすでにシェム・ハによる人類改造計画が始まろうとしていた。

 

 

響「クリスちゃん!あれ!」

 

合流場所へクリスと共に向かっていた響はふと外を見て叫んだ。

 

クリス「!?、あたし達の帰る場所が…」

 

響に言われてクリスも外を見て言葉を失った。

 

響「どうなってるの…」

 

訳が分からないでいる響たちの後ろからヴァネッサとエルザが来た。

 

ヴァネッサ「始まったようね…」

 

外を見てヴァネッサはそう呟いた。

 

彼女たちが見たもの、それは赤くなった地球(・・・・・・・)であった。




調「舞台は月。遠く離れた月遺跡。みんなとはぐれてばらばらになって気が付けば切ちゃんと二人っきり。二人っきり…?頑張らなきゃ!うん!何はさておき頑張るぞ!よし!」

エルザ「私めもガウと頑張るであります!」

ガウ「がうがう!?」
訳:何を!?

響「やっぱり、玉取ろうか。ガウくん」

ガウ「がうがう!?がうがうがう…がう、がうがう…がぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーー!!」
訳:何で!?嫌だよ…って、なにズボンを下げて…ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーー!!

エルザ「大丈夫であります、私めは玉無しでも構わないであります!」

ナダ「それフォローになってないで」

クリス「死んだやつが出てくんなよ」

ナダ「さて、それはどうやろうな」

クリス「ま、まさか…」

ナダ「IFルートを楽しみにしときや!!」

クリス「まだしないだろ!!」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。