キャロル「どうやら城外の不細工はエネルギーの塊でありそいつをこの依代に宿すことが儀式のあらましのようだな」
未来とリルが寝かされている部屋にてキャロルは近くにあった機械を弄りながらヴァネッサたちの企みを言う。
エルフナイン『祭壇から無理に引きはがしてしまうと未来さんとリルくんを壊してしまいかねません…』
キャロル「面倒だが手順に沿って儀式を中断させるほかになさそうだ」
無理矢理に出来ない以上はと判断したキャロルをエルフナインは見た。
キャロル「どうした?」
エルフナイン『意外だなと思って。僕はまだキャロルのことを全然知らないんですね』
キャロル「…そうじゃない!気に入らない連中に貸しを押し付けるチャンスなだけだ!」
エルフナインに言われてキャロルはまた顔を赤めらせながら言う。
エルフナイン『はい!』
キャロル「さて…連中もおっとり刀で駆けつけてきたようだな。こちらも取り掛かるぞ!」
モニターに映るS.O.N.G.のヘリを見ながらキャロルが言ったその時だった。
未来の隣に寝かされていたリルが輝きだした。
キャロル「なんだ?」
エルフナイン『リルくんが光って…』
キャロル・エルフナイン「『!?』」
リルが輝きだしたのを見て驚いているとリルの体が光の粒となって消えてしまった。
キャロル「今のはまさか!?」
リルが光の粒となって消えたのを見てキャロルは慌てて機械を弄る。
キャロル「間違いない、アイツらリトルの中にすでに神の力の一部を仕込んでやがった!!」
エルフナイン『じゃあ、リルくんはガウくんと同じ…』
キャロル「いや、ゴジラのとは少し違う、こいつは…眷属だ!!」
機械を殴りながらキャロルは言うのだった。
ガウ「がう!がうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーー!!」
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
チフォージュ・シャトー前の上空から少し離れた場所に着いてガウはヘリから飛び降りるとゴジラとなって着地した。
理由は神の力が作戦の邪魔をするのなら、それを迎撃する役割を担うためである。
その時だった、チフォージュ・シャトー周辺から光の粒が出てきた。
ゴジラ「グルルルル?」
光の粒を見て警戒しながらもゴジラは首をかしげる。
クリス「なんだ!?」
翼「今度はいったい、何が!?」
光を見て翼たちも警戒する。
そして光はゴジラの前に集結するとある怪獣の姿となった。
光が消えてその姿が露わになった。
やや前傾姿勢の身体に、爬虫類的な顔つきで、背びれに至っては激しく燃え盛る炎の如き形状をしているが、その姿、顔は正にゴジラそのものであった。
ゴジラ?「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
光が消えて、目を開いた怪獣は大気を揺るがすほどの雄たけびを上げた。
ゴジラ「!?!?」
雄たけびだけで吹き飛ばされそうになり、ゴジラは踏ん張るがズルズルと数メートルほど場所を動かされてしまった。
マリア「なっ!?」
調「もしかしてあれって…」
切歌「ゴジラデスか!?」
チフォージュ・シャトーから現われた光が集まり、誕生したゴジラ?に驚く。
ゴジラ?「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
出現したゴジラ?はゴジラ見るなり、炎の様な赤い放射火炎を放った。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
対するゴジラは蒼白い放射火炎を放って対抗する。
赤と蒼の放射火炎がぶつかり合う。
互いの放射火炎は相殺、爆発が起きる。
ゴジラ?「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
爆発と同時に2体のゴジラは動き、互いを掴み合った。
ゴジラ・ゴジラ?「「グルルルルル!!」」
互いに力は互角であるのか、全く押せていなかった。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
押し合いで互角の状況にゴジラは喉を鳴らして翼たちに首を動かして先へ行くように言う。
このままではいずれ均衡状態が続いて未来たちを助け出せないと判断したのだ。
クリス「ガウ…お前……」
翼「行くぞ、雪音!ガウが抑えている内に!!」
クリス「あぁ!!」
ゴジラに言われて翼たちは急ぎ、チフォージュ・シャトーへ向う。
ゴジラ?「グルルルルル…ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
翼たちがチフォージュ・シャトーへ向かったのを見てゴジラ?は全力のパワーでゴジラを突き飛ばし、翼たちを追いかけようとする。
まるで近づかんとする不逞の輩から神の力を守ろうという感じであった。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
そうはさせまいとゴジラは放射火炎を発射した。
ゴジラ?「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
だがゴジラ?は直ぐに振り向いて赤い放射火炎を発射する。
再び赤と蒼の放射火炎がぶつかり合い、相殺。
再び爆発が起きる。
ゴジラ?「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
爆煙からゴジラ?は飛び出してゴジラに突進する。
ゴジラ「グルルルルル!!」
ゴジラ?の突進を受け止めたゴジラは首を掴み、背負い投げのように投げ飛ばした。
ゴジラ?「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
だが、ゴジラ?は投げ飛ばされながらも空中で赤い放射火炎を放った。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」
予想外の攻撃に反応できず、ゴジラは数歩後退するがダメージはそこまでなかった。
ゴジラ「…………」
ゴジラ?と戦い続けてゴジラは何かを感じていた。
戦わないといけないのは頭では分かってはいるが心の中では"戦いたくない"、"戦ってはいけない"と叫びが聞こえていたのだ。
ゴジラ「グルルルルル……」
ゴジラの頭の中でk心の叫びがゴジラ?の正体が何なのか野生の勘や直感で示唆しているのだろうが"絶対にあり得ない"と言い聞かせて戦いに集中するのだった。