戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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ガウ?「うがあああああああああああああああああああああああああああッ!!」

リル?「がああアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」

町中に響き渡るギアに似た鎧を纏ったガウとリルに似たの2人の少女の声。

その声は悲しく、苦しみが混じっていた。

そして体は黒い部分にマグマのような赤い発光部位があり、目は充血したかのように赤くなっていた。

クリス「行くぞ!」

未来「今度こそ、成功させる!」

響「絶対に…絶対にあの子たちを救うんだ!!」

アンク「行くぞ、映司!」

映司「あぁ、アンク!」

少女の前にギアを纏った響、クリス、マリアの3人は右腕が異形の金髪の男性―『アンク』とハネッ毛気味の黒髪にエスニックな服装の男性―『映司』といた。

響たちがなぜ、こんな状況になっているかというとそれは今から2週間前にまで遡る。


XD・Different songs spin, the future篇
第355話 倒れる仲間と原因不明と決意の固さ


未来「響、もう朝だよ」

 

リディアンの寮にて未来はいまだに寝ている響を起こしていた。

 

響「う~ん…あと5分……」

 

そう言って響は眠ろうとする。

 

未来「そう言ってもう30分経ってるじゃない!」

 

無理矢理、響からタオルケットを剥ぎ取る未来。

 

響「本当にあと5分~…」

 

未来「そんなこと言うならもう朝ごはん抜きにするよ」

 

響「グッモーニィィィィーーーーン!!」

 

"朝ごはん抜き"で響は覚醒し、起き上がった。

 

響「あれ?ガウくんとリルくんは?」

 

いつもなら未来と同じくらいに起きるガウとその次くらいに起きるハズのリルがいないことに気づいて聞く。

 

未来「まだ下の段で寝てるよ。また、(うな)されてたみたいだけど」

 

2人して下の段のベッドを覗くと寄り添って眠ってるガウとリルがいた。

 

顔色は悪く、やつれ、目の下には隈ができていた。

 

最近になってガウとリルは魘されて寝付けずにいるのだ。

 

事情を聞いてみたがガウとリルもよく分からず、ただ哀しくて、怖いだけであるとしかなかった。

 

響「ガウくん…リルくん…」

 

2人を心配する響。

 

ガウ「がう~…」

 

するとガウが目を開けた。

 

未来「あ、ごめん。起こしちゃった?」

 

響「まだ寝てて大丈夫だよ?」

 

ガウ「がう…」

 

未来と響に言われてガウは再び目を閉じて眠り始めた。

 

響「大丈夫かな、2人とも……」

 

やつれてるいるガウとリルを見て心配する。

 

怪獣であるガウやリルには人間が普段使う薬は効果が無く、そもそもガウたち(怪獣全般)は病気ということすらあり得ない話である。

 

(稀に前のガウのようにストレスや疲れで体調を崩す者はいる。)

 

未来「響、心配するのはいいけど、早く学校行かないとまた(・・)居残りになるよ?」

 

"また"を強調して未来は言う。

 

響「ぎょっ!!そうだったぁ!ガウくんとリルくんがこんな状態で私が居残りなんてしたら大変だよ~!!」

 

実は響はガウとリルの様子が心配で遅刻が増加、次に遅刻したら居残り授業をさせられることになっているのだ。

 

ガウはそんな響に悪いと思ってはいるのだが体調が優れずに言えずにいた。

 

響「急がなくっちゃあぁ!!」

 

慌ててベッドから降りて準備をする。

 

未来「そんなに慌てないで」

 

慌てて準備をする響に未来はそう言って手伝いをするのだった。

 

 

 

ガウ「がうぅぅ…」

 

リル「かうぅぅ…」

 

響が慌てて準備をしている頃、ガウとリルは2人して同じ夢を見ていた。

 

大きく抉られ、クレーターとなった地面、辺りは森だったのだろうか、焼け焦げた木々が薙ぎ倒されて、辺りは小さい火が揺らめいていた。

 

そのクレーターの中心部に2人はおり、その前には黒炭のように焦げた何かとそれを抱える自分たち。

 

黒炭のように焦げた何かを抱えて悲しくなっていた。

 

それが何だったのか知っているように(・・・・・・・・)……。

 

 

 

ガウ「がう…がう!!」

 

堪らず目を覚まして起き上がるガウ。

 

リル「かう~…」

 

少しあとになってリルも起き上がった。

 

マリア「あら、目が覚めたみたいね」

 

ガウ・リル「「!」」

 

声を聞いてその方向を見るとマリアと翼が心配そうに見ていた。

 

ガウ「がう…がうがう?」

 

訳:なんで…2人が?

 

翼とマリアがいることに首を傾げる。

 

翼「立花と小日向から事情を聞いてな。2人が帰ってくるまでお前たちの面倒をと頼まれたんだ」

 

マリア「翼1人じゃ不安だなら私もね」

 

ガウ「がう…」

 

訳:あ…(察し…)

 

マリア「それより、2人とも食欲はある?一応、お粥を作ったから食べてね」

 

ガウ「がうがう…」

 

訳:ありがとう…

 

リル「かう~…」

 

訳:とー…

 

ゆっくりとベッドから降りてお粥のあるテーブルに向かうガウとリル。

 

翼「立花たちから聞いていたが本当にやつれているな」

 

マリア「そうね。何があったのかしら…」

 

やつれているガウとリルを見て2人は言う。

 

するとドサリと何かが落ちる音がした。

 

その方向を見ると椅子から落ちているガウとリルだった。

 

マリア「ガウ、リル!?」

 

落ちているガウとリルを見て2人は駆け寄る。

 

翼「意識が無い!?」

 

マリア「早くエルフナインに診せないと!」

 

意識が無いと分かるなり2人を抱えて翼とマリアは寮を後にした。

 

 

 

響「エルフナインちゃん、ガウくんたちはどんな様子なの?」

 

ガウとリルが倒れたと聞いて響はS.O.N.G.の医務室に着くなり、そこにいたエルフナインに聞く。

 

後ろから事情を聞いたクリス、未来、切歌、調が来た。

 

エルフナイン「それが原因が全く分からないんです」

 

響「分からないって…」

 

エルフナイン「すみません…どの検査でも異常が見つからなくて……」

 

響「ガウくん…リルくん……」

 

ベッドの上で苦しんでいるガウとリルを窓越しに見て響は心配する。

 

その時だ、艦内に警報音が鳴り響いた。

 

弦十郎『こんな時にすまない!ギャラルホルンが起動した!』

 

クリス「このタイミングで起動ってまさか!?」

 

弦十郎の招集を聞いてクリスが言うと何かを察した。

 

調「今回はガウくんとリルくんが並行世界の何かに干渉している?」

 

切歌「前に響さんが並行世界の響さんの思いが混じった時みたいにデスか?」

 

響「それって…」

 

切歌と調の言葉を聞いて響は自身が体験したあの事を思い出した。

 

かつてグレ響こと『日向を失った響』の世界にて並行世界の響とこの世界の響の想いがギャラルホルンを通して混ざり、一時的にこっとの響と並行世界の響を苦しめたことがあったのだ。

 

未来「それじゃあ、並行世界のことを解決すればガウくんとリルくんを助けることができるの?」

 

クリス「さあな。だが並行世界の何かを解決すればガウとリルに何かの変化があるかもしれないな」

 

響「なら急ごう!こうしてる間にもガウくんとリルくんが苦しむのを見たくない」

 

クリス「ああ、そうだな」

 

未来「だったら私も行く!」

 

響「み、未来!?ダメだよ、未来はちゃんとした装者じゃないし…」

 

未来が来ると言い出して響は驚いて言う。

 

未来「ガウくんとリルくんに私は助けられてばかりだから、こんな時ぐらい私も力になりたい!」

 

響「分かった…師匠には私が言っとくよ!」

 

未来の決意の固さを察して響は言う。

 

未来「ありがとう、響」

 

響の言葉を聞いて未来は言う。

 

クリス「なら早く行くぞ!」

 

クリスに言われて全員が医務室を後にする。

 

だが並行世界の向こうで待ち受ける何かを知る時、大きな決断を迫られるのをまだ知らない。




?「遂に始まったぞ、XD篇だ!」

?「あのさ、僕たちまだ出番無いんだけど?」

?「それに噂じゃ出ないで終わるかも知れないわよ?」

?「俺、そんなの嫌だー!」

?「そもそも、私たちの名前のところ「?」ですが…」

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