戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第307話 わたし……やくただず?

ガスドリンカーズに取り引きを翼とクリスが持ちかけられている時、響はシャロンと共に部屋に戻っていた。

 

響「シャロンちゃん、ヤントラ・サルヴァスパの力は使わないでほしい」

 

シャロン「……(ふるふる)」

 

ヤントラ・サルヴァスパの力を使わないように言う響にシャロンは首を横に振って嫌がる。

 

響「嫌って……」

 

嫌がるシャロンに響は困っていた。

 

クリス「戻ったぞ」

 

翼「何をしているんだ?」

 

困っているとクリスと翼が帰って来た。

 

響「実はシャロンちゃんにヤントラ・サルヴァスパの力を使わないでって言ったんですが嫌がって……」

 

帰って来て中でも聞かれて事情を話す響。

 

翼「なに?」

 

クリス「お前……死ぬかもしれないんだぞ!!」

 

事情を聞いてクリスは怒鳴った。

 

シャロン「!?」

 

怒鳴られてシャロンは驚く。

 

翼「雪音!!」

 

クリス「……ごめん。怒鳴っちまって」

 

翼に言われて我に返り、謝る。

 

翼「だが、私も同意見だ。みんな、シャロンを心配しているんだ……」

 

シャロン「………」

 

怒鳴られたショックがあるのか、まだ落ち込んでいるシャロン。

 

響「シャロンちゃん。もし言いたいことがあるなら、書いてみて。ね?」

 

シャロン「……(こく)」

 

言われてシャロンはノートに言いたいことを書いた。

 

『わたし……やくたたず?』

 

響「シャロンちゃん……」

 

シャロンが書いた言葉を見て響は抱きついた。

 

響「そんなことない!役立たずなんかじゃ、ない……シャロンちゃんから、わたしたちはちゃんとたくさんのものを貰ってるよ?シャロンちゃんが傍にいると、とても温かい気持ちになる。それがあるから、私たちは戦えるんだ」

 

抱きついてシャロンに言う響。

 

シャロン「………」

 

言われてシャロンは響を見ていた。

 

翼(誰かの役に立つか立たないかだけでしか己の価値を計れぬとは……不憫な子だ)

 

そんなシャロンを見て翼は正直にそう思っていた。

 

すると通信機から着信が鳴った。

 

翼「二課からの緊急通信だ」

 

通信相手を見て翼は出る。

 

翼「……はい。分かりました、ただちに出動します。雪音、立花。ノイズが出現したそうだ」

 

クリス「ノイズ?こんな時に……ッ!」

 

翼「同感だが、対応しないわけにもいくまい」

 

通信機を仕舞い、ノイズが出たことを伝える。

 

響「ごめんね、シャロンちゃん。大事な話の最中なのに……」

 

シャロン「………」

 

クリス「今度こそちゃんと待っててくれ。いいな?」

 

響「行ってくるね、シャロンちゃん」

 

シャロン「………」

 

出撃する響たちをシャロンは黙って見送る。

 

 

 

オズワルド「ノイズ…ふん、そんな雑魚に興味は無い。それより……」

 

研究所にてオズワルドはモニターを見ていたが直ぐに視線を別のに移した。

 

オズワルド「いったいどういうつもりだ、貴様ら」

 

視線の先にはガスドリンカーズがおり、オズワルドは金色の雪の使用などを問いただした。

 

ヴォルガー「つもりも何も俺たちは1番邪魔になりそうな奴の動きを封じただけだぜ」

 

オズワルド「何を白々しい…」

 

ヴォルガー「そういうなよ。それより、そろそろ来るんじゃねーのか」

 

オズワルド「…………」

 

ヴォルガーにしらばっくれられてオズワルドは仕方なくモニターの方に視線を戻した。

 

 

 

クリス「ハッ、七面鳥撃ちだな!」

 

フライング型を撃ち抜くクリス。

 

そこへ大型のノイズが体当たりしてきた。

 

クリス「おっと!?」

 

体当たりしてきた大型ノイズを回避する。

 

翼「油断大敵だぞ、雪音!」

 

油断していたクリスに翼は言う。

 

クリス「悪い!」

 

言われてクリスは叫んだ。

 

響「はああああああああーーーーーー!!」

 

クリスに体当たりしてきた大型ノイズを響はブーストして跳躍するとドリルナックルで吹っ飛ばした。

 

翼「掃討完了、か?」

 

クリス「たぶんな」

 

翼「いや、待て!」

 

全部倒したかと思いきやカルマノイズが姿を現した。

 

響「あれって…カルマノイズ!?」

 

クリス「この間の奴か!?」

 

翼「貴様に付き合うのも飽きてきた。そろそろ終幕としよう!!」

 

クリス「ああ……今度こそ、叩き潰してやる!!」

 

響「絶対に負けない。負けてやるものか。シャロンちゃんが待ってるんだから!!」

 

想いに突き動かされて響はカルマノイズに突っ込む。

 

響「はああああああああーーーーーー!!」

 

パイルバンカーパンチを繰り出してカルマノイズを攻撃する。

 

パンチが効いたのか少し後退するカルマノイズ。

 

響「大分手応えを感じるようになってきました!」

 

翼「私たちも、大分奴との戦いに慣れてきたからな」

 

クリス「このまま押し切れる気もするが……」

 

翼「また、逃げられては厄介だ」

 

クリス「だったら、アレで決めるしかないだろ!!」

 

カルマノイズの足場をガトリングガンで崩す。

 

翼「奴の足場を崩したか」

 

クリス「今だ!!」

 

響「うん、S2CAで!」

 

翼「応!」

 

響「S2CA――トライバースト!!」

 

3人の力を響に収束させる。

 

 

 

オズワルド「な!?」

 

ヴォルガー「!?」

 

オズワルド「なんだ、このエネルギー反応は!?」

 

『S2CAトライバースト』のエネルギー反応に驚く。

 

オズワルド「くッ!この力、まさか!?」

 

ヴォルガー「とんだ奥の手を隠してたみたいだな。旦那のお友達は」

 

オズワルド「八紘め!!」

 

奥歯を噛み締めてオズワルドは言う。

 

 

 

響「S2CA――トライバースト!!」

 

翼「私たち、一振りの刃と化して…」

 

クリス「ぶちかませぇぇぇーーーーーー!!」

 

響「はああああああああーーーーーー!!」

 

3人の力―『S2CAトライバースト』がカルマノイズに向かって行くが着弾直前、何かが割って入ってきた。

 

響「な!?」

 

クリス「そんな…バカな……」

 

翼「オートマシンがカルマノイズを庇っただと!?」

 

響「いったい、どういうこと!?」

 

カルマノイズをオートマシンが庇い、護ったことに驚く。

 

驚いているとカルマノイズは姿を消した。

 

翼「くっ。またもや逃げられた」

 

クリス「クソ、折角追い詰めたってのによ」

 

逃げられて地団駄を踏む。

 

響「うう……!」

 

突然、膝を着いてしまう響。

 

クリス「おい、大丈夫か!?」

 

膝を着いてしまった響を心配するクリス。

 

響「だ、大丈夫……ちょっと疲れただけだから!」

 

翼「S2CAの反動だろう……。マリアがいない現状では、その負担は立花に集中しているはずだ」

 

クリス「無理してんじゃねー。ったく、もっと先輩を頼れよな」

 

翼「同感だ。だがもう少しだけ戦えるか、立花?」

 

周りを取り囲むオートマシンたちを見て聞く。

 

響「いけます!!」

 

立ち上がって響は言う。

 

翼「なるべくフォローはする。しかし、この状況は死力を尽くす以外無い……」

 

オートマシンたちを見て翼は言う。

 

響「まさか、こんなにオートマシンが出て来るなんて」

 

翼「絶体絶命、か。だが、何としても活路を切り開かねば……」

 

クリス「あのチビの力も、ガウに頼るわけにはいかない。アタシたちでなんとかするぞ!!」

 

翼「ああ…その通りだ」

 

響「シャロンちゃんとガウくんのためにも!!」

 

オートマシンたちに突っ込んでいくのだった。


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