戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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番外編 バレンタインデー編

2月14日、それは男性も女性もソワソワする日である。

 

響「ふんふんふ~ん♪」

 

上機嫌で響はS.O.N.G.本部の通路を歩いていた。

 

その手にはハートの形をした包みがあった。

 

響「ガウくん、喜んでくれるかな~♪なんたって今日はバレンタインデーだからね~♪」

 

そう、2月14日のこの日はバレンタインデー…好きな人または日頃お世話になった人にチョコを渡す日なのだ。

 

響もまた日々お世話になっているガウへ感謝を込めて手作りチョコを作って持ってきたのだ。

 

響「ガーウく…わひゃあぁぁぁ!?」

 

発令室のドアを開けた瞬間、大量の箱が雪崩のように押し寄せてきて飲み込まれたのだ。

 

響「な、なにこれ~…」

 

何とか脱出して大量の箱を見て言う。

 

弦十郎「ひ…響…くん…」

 

響「し、師匠!?どうしちゃったんですか!?」

 

声を聞いて見ると箱に埋もれてしまっている弦十郎の姿があった。

 

いや、弦十郎だけではない…緒川や友里、藤尭、翼たちも箱に埋もれてしまっていた。

 

響「み、みんなもどうしちゃったの!?」

 

翼「じ、実は…」

 

マリア「これ…全部、私と翼のファンがくれたバレンタインチョコよ」

 

響「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

数百個はあろう箱が全て翼とマリアのファンが送ってきたというチョコの量に響は驚いて声を上げる。

 

調「勿体ないからみんなで食べてたけど…」

 

切歌「も、もう…食べられない…デース…」

 

クリス「しばらく…チョコは…みたくねぇ…」

 

どうやらチョコを食べ過ぎてしまっているようだ。

 

響「じ、じゃあガウくんも…」

 

翼「いや…ガウならまだ来ていない…」

 

響「そうですか…じゃあ、私も手伝います!」

 

マリア「お願い…」

 

響も加わり何とかチョコを処理しようとする。

 

数時間後……。

 

響「も…もう…ダメ…」

 

手伝いのためにチョコを食べていた響も倒れてしまった。

 

まだ数百個近くは残っていた。

 

翼「ま、まだこんなに…」

 

マリア「もう…入らない…わ…」

 

数百個のチョコの山を見てゲンナリしていた。

 

響(ご…ごめん…ガウ…くん…)

 

倒れてしまった響の意識が遠退く。

 

その時だった。

 

ガウ「がう!?」

 

発令室の扉が開いてガウがやって来て惨状を見て驚いた。

 

ガウ「がう?」

 

何気に箱を拾うガウ。

 

ガウ「………」スンスン

 

箱から甘い匂いを感じる。

 

甘い匂いを感じてガウは箱を開ける。

 

ガウ「がう?」

 

中に入っていたのはハート型をした茶色いものだった。

 

ガウ「………」かぷ

 

とりあえず口に入れてみる。

 

ガウ「!!?」

 

食べたガウはその甘さに感激していた。

 

ガウ「がうー!!」

 

甘く美味しいそれにガウは気に入って片っ端から箱を開けては食べ始めた。

 

響「が、ガウくん!?」

 

切歌「凄い勢いで食べてるデス!?」

 

凄い勢いでチョコを食べるガウに驚く響たち。

 

その勢いままにガウは数百個はあったハズのチョコを全て平らげた。

 

クリス「ど、どんだけの勢いで食ったんだ!?」

 

調「あれだけのチョコを…」

 

マリア「凄いわ…」

 

数百個のチョコを全て平らげたガウに驚く。

 

ガウ「けふ…」

 

大量のチョコを食べて満足したのか横になるガウ。

 

響「だ、大丈夫かな~…あんなに食べちゃって…」

 

数百個近くあったチョコを全て食べてしまって虫歯や病気にならないか心配する。

 

エルフナイン「大丈夫ですよ。ガウくんはどんなにチョコを食べても太りませんし、鼻血や虫歯にも病気にもなりませんから」

 

翼・マリア「「!!?」」

 

エルフナインの言葉に翼とマリアに衝撃が走った。

 

どれだけ食べても太らない、虫歯にも病気にもならないと聞いて世界をまたにかけるアーティストである2人に衝撃が走らないわけがない。

 

翼・マリア「「その仕組み、ぜひ教えて!/くれ!」」

 

エルフナイン「えぇ!?」

 

滅茶苦茶なことを言っている翼とマリアに驚くエルフナイン。

 

響「そっか…じゃあ、ガウくん」

 

響もどれだけ食べても太らない、虫歯にも病気にもならないと聞いてガウにチョコの入った箱を渡した。

 

ガウ「がう?」

 

箱を受け取ってガウは何かと聞く。

 

響「今日はバレンタインデーってお世話になった人にチョコを渡す日なんだ」

 

ガウ「がう…」

 

響から渡して貰ったチョコの箱を開けるガウ。

 

開けるとゴジラに似たような形をしたチョコが入っていた。

 

ガウ「がう~!がうがう!がうー!」

 

チョコを見たガウは嬉しそうに尻尾を振っていた。

 

響「ちょっと不恰好だけど…味は保証するから大事に食べてね」

 

ガウ「がうー!」

 

響の言葉にガウは頷くのだった。




一方、別の世界では…。

銀パ「『バレンタインチョコ、1個しか貰えなかった、お母さんから』…とか。『へへ、勝った、俺は2個。姉ちゃんから』…とか。バレンタイン終わりに教室で嬉々として喋ってる奴ら…明日からお前たち全員死刑!んなもんなカカオとお母さんが生まれた時から使い古されてんだよ!もう止めるべきだろ、こんな茶番!バレンタインでチョコ貰った奴もやった奴も全員死刑で、ファイナルアンサー!?」

眼鏡掛け機「ファイナルアンサー!!」

ここにチョコを貰えなかった悲しき2人の侍が叫んだとか叫ばなかったとか…。

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