戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第902話 狂人の戦士

イツキを撃破した頃、地上では響たちは外に出ていた。

 

真島「んで、どないすんやねん」

 

外に出て、真島はキラメイレッドの方を向いて、彼の考えた案を聞いた。

 

キラメイレッド「ファイアたちを呼びます!」

 

聞かれたキラメイレッドは自信満々の様子で言う。

 

冴島「ファイアって、あのでっかくなる石のことか?」

 

キラメイブラック「なるほど。ファイアたちで一気に屋上へ上り、突入すると言うことか」

 

なぜファイアたちを呼ぶのか分からない冴島に、キラメイブラックがその理由を察して言うとキラメイレッドは頷く。

 

クリス「それなら早く呼んでくれ」

 

キラメイレッド「任せて!」

 

?「そうはさせるか!」

 

ファイアたちを呼ぼうとした矢先、聞き覚えのある男の声と共に、正面の足元に火花が飛び怯まされてしまう。

 

キラメイイエロー「お前は!」

 

正面を全員の視線が行くと、そこには倒したと思われていた戦士鉄の爪がいた。

 

キラメイグリーン「生きてたの!?」

 

切歌「どんだけタフなんデスか!?」

 

生きていた戦士鉄の爪を見て、キラメイグリーンと切歌が驚いて声を上げてしまう。

 

戦士鉄の爪「ごふ…もはや…我が道は断たれたも同然…ならば!」

 

吐血しながらぶつぶつ言っている戦士鉄の爪はどこからか注射器の様な物を取り出した。

 

その中には緑色の液体で満たされ、中心には黒い何かが蠢いているように存在していた。

 

戦士鉄の爪「本来なら、これを元にクライムを再興するはずだったが…こうなったら貴様らぐらいは道連れだ!」

 

そう言うと戦士鉄の爪は注射器を自身の胸部に突き刺すと中にあった物を注入した。

 

戦士鉄の爪「ぐっ…!あぁ…ガアァァァァァァァァァァァァァ!」

 

注入後に注射器を引き抜き、捨てた瞬間に背中がボコボコと蠢いたかと思いきや黒い触手が伸びて周辺のゾンビの死骸やT-002の死骸に絡まると戦士鉄の爪の方へと引きずり込んで吸収・巨大化していく。

 

やがて戦士鉄の爪の姿は変わり、身長は3M弱はあり、両腕が肥大化して槍の様に長く鋭い三本の爪、体も肥大化し岩の様にゴツゴツとし背中からは触手のような黒いものが動き、両脚はがっしりとしているが、筋肉がむき出しとなっていた。

 

戦士鉄の爪?「コレガ…コレコソガ、コノウィルスノ力ナノダナ!」

 

変わり果てた自身の姿に、戦士鉄の爪は歓喜するように叫ぶ。

 

バーサーククロー「モハヤ私ハ戦士鉄ノ爪デハナイ!ウィルスニヨッテ生マレ変ワッタ、バーサーククローダ!!」

 

戦士鉄の爪がウィルスによって変異した【バーサーククロー】は高らかに名乗る。

 

真島「気色悪くなりよって!」

 

バーサククローにそう言って、真島はショットガンを構えるが引き金を引くより速く触手が伸び、真島の腹部にボディブローを叩き込んだ。

 

真島「ごふ!?」

 

ボディブローを叩き込まれた真島は吹き飛ばされ、ミレニアムタワーの外壁に叩きつけられた。

 

冴島「兄弟!?」

 

バーサククロー「余所見ヲスルトハ余裕ダナ!!」

 

真島を心配し、視線を離した冴島にバサーククローが一瞬で接近し右手の爪で横に凪払うように吹き飛ばした。

 

冴島「どわ!?」

 

吹き飛ばされた冴島も真島の隣にある柱に叩きつけられてしまう。

 

キラメイイエロー「こいつ!」

 

バーサククロー「遅イワ!!」

 

キラメイショットをキラメイイエローが構えた瞬間、バーサククローは左手の爪を弾丸のように射出した。

 

キラメイイエロー「な、ぐあ!」

 

射出された爪に反応できず、キラメイイエローはダメージを負って倒れる。

 

キラメイレッド「為くん!」

 

キラメイグリーン「この!」

 

倒れたキラメイイエローを見て、キラメイレッドとグリーンがキラメイショットを構えるが、バーサククローは再度装填されるように映えてきた新たな爪を射出する。

 

「「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

射出された爪に反応できず、キラメイレッドとグリーンもダメージを負って倒れる。

 

クリス「もってけ全部だ!!」

 

そこへクリスが小型ミサイルを大量に発射、雨の如く小型ミサイルがバーサククローに向かって飛翔する。

 

バーサククロー「ヌア!!」

 

向かって来るミサイルをバーサククローは念力で全て受け止めた。

 

響「どりやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

切歌「デェェーーーーーース!!」

 

そこへ左右から響と切歌が同時に攻撃を仕掛けてくる。

 

バーサククロー「ナメルナ!!」

 

左右から攻撃を仕掛けてきた響と切歌をバーサククローは背中から触手を展開。

 

2人の体に巻き付かせ地面に叩きつけた。

 

「「がは!!」」

 

地面に叩きつけられてしまった2人は肺から強制的に空気が押し出される。

 

クリス「お前ら…ぐあ!?」

 

触手に絡め取られて地面に叩きつけられた2人を見て、クリスが心配している隙に触手が両手に絡み付き、がら空きとなった腹部に太い触手が殴る。

 

バーサククロー「マズハ、黄色ノ小娘、貴様カラダ!」

 

地面に叩きつけられている響にバーサククローは近づく。

 

バーサーククロー「死ネェ!!」

 

響に近づいたバーサククローは槍状の爪で突き刺そうとした。

 

響が死を覚悟した時、一輪の赤いバラがバーサククローの爪の先端に刺さった。

 

バーサーククロー「コ、コノバラハ!?」

 

バラに見覚えがあるのか、バーサククローは一瞬戸惑いを見せるとバラが飛んできた方を見た。

 

そこにはパブのオーナーが歩いてきていた。

 

オーナー「ある時はパブのオーナー、ある時はベテラン警察官…しかしその正体は!」

 

来ていた服を脱ぎ捨てると白いスーツとソフト帽に虹色のリボンを着こなし、ステッキを持った男性となった。

 

番場「ジャッカー電撃隊行動隊長・番場壮吉。またの名を!」

 

ビッグワン「ビーッグ、ワン!!」

 

胸ポケットのバラの花弁に口づけをした後、それを空に投げつけると同時にジャンプすると白を基調に仮面と胸部辺りが虹色になっている戦士【ビッグワン】に変身した。

 

バーサーククロー「ヌウ、ビッグワン!」

 

現れたビッグワンにバーサククローはかつての倒された忌まわしい記憶が過る。

 

ビッグワン「哀れだな、鉄の爪。前世でもシャインに良いように操られ、この世界でも蛇竜に良いように操られるなど、戦士の名が泣くぞ!」

 

バーサククローと成り果てた鉄の爪にビッグワンは皮肉る様に言う。

 

バーサーククロー「黙レ、ビッグワン!貴様1人来タトコロデ、コノ戦局ヲ覆スコトナド出来ンゾ!」

 

ビッグワン「誰が1人で来たと言った?」

 

バーサーククロー「何、マサカ!?」

 

ビッグワンの一言に驚いていると、どこからか【スペードのA】、【ダイヤのJ】、【クローバーのK】、【ハートのQ】の四枚が触手を切り裂き、クリスを解放すると地面に刺さった。

 

カードが来た方を見るとそこには4人の戦士たちが姿を現していた。

 

スペードエース「スペード、エース!」

 

ダイヤジャック「ダイヤ、ジャック!」

 

クローバーキング「クローバー、キング!」

 

ハートクイン「ハート、クイン!」

 

ビッグワン「ビーッグ、ワン!」

 

『我ら、ジャッカー電撃隊!!』

 

スペードの仮面に、赤い姿の【スペードエース】、ダイヤの仮面に、青い姿【ダイヤジャック】、クローバーの仮面に、緑の姿【クローバーキング】、ハートの仮面に、ピンクの姿【ハートクイン】、そして合流した行動隊長【ビッグワン】の5人の戦士たちこそ、【JAKQ】こと【ジャッカー電撃隊】である。

 

キラメイレッド「ジャッカー電撃隊!?」

 

キラメイイエロー「大先輩じゃねーか!」

 

キラメイグリーン「どうしてここに!?」

 

大先輩(二代目スーパー戦隊)であるジャッカーに驚いてキラメイレッドたちは聞く。

 

ビッグワン「蛇竜とかいう奴が全並行世界でなにやら企んでいると聞いてね。ここまで来たんだ」

 

聞かれてビッグワンが代表として答えるとキラメイレッドたちの方を見た。

 

ビッグワン「ここは我々に任せて君たちは早く二階堂を止めるんだ」

 

キラメイブラック「しかし…」

 

ビッグワンに先に行くように言われて戸惑いを見せる。

 

あのバーサククローはウィルスによってかなりの力を得ている。

 

いくらかつて倒したことがある相手でもジャッカーだけでどうにかなるかは分からないからだ。

 

スペ―ドエース「時間がない。どうやら蛇竜は二階堂ですら知らない計画を実行しようとしている」

 

ダイヤジャック「神室町だけでなく、この世界そのものを破壊する計画のようだ」

 

クリス「んだと!?」

 

蛇竜の世界そのものを破壊する計画があると聞いて驚く。

 

クローバーキング「分かったら早く行け!」

 

キラメイレッド「分かりました!」

 

響「みんな、行こう!」

 

促されるように響たちは戦線から離れた場所へ向かい、ファイアたちを呼びにいく。

 

バーサーククロー「オノレェ…コウナレバ、貴様ラヲ倒シアノ小娘共ヲ血祭リニ上ゲテクレル!クライマァ!!」

 

邪魔をされた上に、因縁の相手であるジャッカーの姿を見たバーサククローは怒りを露わにしてクライマーたちを呼び出した。

 

ビッグワン「さあ、行くぞ!」

 

ビッグワンの掛け声と同時にジャッカーとクライマーが一斉に走り出す。

 

スペードエース「ジャンプ一閃赤い風!唸って踊る核の鞭!」

 

洋弓とムチに変形する武器【スペードアーツ】で、スペードエースはクライマーたちの体を絡めると投げ飛ばす。

 

ダイヤジャック「スピード一番青い星!ギラリギラギラ電気剣!」

 

電気エネルギーを帯び、伸縮自在で、短剣にもなる細身の剣【ダイヤソード】で、ダイヤジャックはクライマーが放ったマシンガンの弾を両断する。

 

クローバーキング「パンチ一撃緑の火!目から火の出る重力パンチ!」

 

重力エネルギーを帯びたグローブで、左腕に装着している【クラブメガトン】で、クローバーキングは剣を持ったクライマーを剣をへし折って殴り飛ばす。

 

ハートクイン「ヒラリ一点桃の花!咲かせて散らす磁力盾!」

 

周囲が鋭い刃になっており、盾【ハートキュート】を投げて射線にいたクライマーたちを切り裂く。

 

スペードエース「真っ赤に燃える正義の血潮!悪を切り裂けアトム打ち!」

 

弓状態のスペードアーツを使い、核エネルギーを込めた矢を放つ【スペードアーツ アトム射ち】で自身に向かっていた残りのクライマーたちを一掃する。

 

ダイヤジャック「怒りのエレキで鍔鳴りさせて、守ってみせるぜ青い地球!」

 

電気エネルギーを込めて敵を切り裂く【エレキ斬り】をすれ違いざまに放ってクライマーたちを斬り倒した。

 

クローバーキング「重いパンチが唸りを上げりゃ、緑の風が渦を巻く!」

 

拳部分は鎖分銅になっていて、これを振り回して攻撃する【クラブメガトン回転打ち】を繰り出して周辺にいたクライマーを倒した。

 

ハートクイン「娘18涙を捨てて、戦場(いくさば)に咲く桃の花!」

 

ハートキュートから磁力線を放射して敵を操って【同じ動きを延々とリピートさせる】等で弄ぶ【ハートキュート磁力パワー】を繰り出す。

 

ハートクイン「もう一ついかが?」

 

クライマー『もう結構~~……』

 

散々弄ばれたクライマーたちは、そう拒否して全員バタンキュー。

 

ハートクイン「可愛いわよ」

 

ビッグワン「はあぁ!!」

 

変身前から愛用し、4大エネルギーを纏っている杖【ビッグバトン】でクライマーを薙ぎ倒していた。

 

バーサククロー「使エヌ奴ラメ!」

 

そこへバーサククローが襲いかかる。

 

ビッグワン「おっと!」

 

ヒラリとかわしてビッグワンは距離を取る。

 

バーサククロー「ぬぅ!!」

 

距離を取るビッグワンにバーサククローは一気に距離を縮めようと地面を蹴って接近する。

 

ビッグワン「せいや!」

 

しかしビッグワンはビッグバトンで接近してきたバーサククローの顔面を殴打し、さらに距離を取る。

 

バーサククロー「オノレ!!」

 

近づけないならとバーサククローは爪を射出しようと狙いを定める。

 

スペードエース「といや!」

 

バーサククロー「ナニ!?」

 

そこへ、スペードエースがムチ状態のスペードアーツでバーサククローの爪を絡め取り、斜線をずらして押さえつけた。

 

ダイヤジャック「はあぁぁっ!!」

 

スペードエースが押さえつけている隙にダイヤジャックがダイヤソードで爪を破壊する。

 

バーサククロー「ヌガアァァァァァァァァァァ!!」

 

爪を破壊されながらも、もう片方の槍状の爪で攻撃を仕掛けようとする。

 

クローバーキング「うおらッ!!」

 

槍状の爪を今度はクローバーキングがクラブメガトンの左ストレートで破壊する。

 

ハートクイン「ハートキュート!!」

 

クローバーキングが破壊した爪の欠片をハートクインがハートキュートの磁力で操り、バーサククローの体に反射して胸部に突き刺した。

 

バーサククロー「ヌアァァ!?」

 

自身に爪を突き刺され、バーサククローは数歩後退する。

 

ビッグワン「今だ!」

 

そこへビッグワンが、ビッグバトンの先端に4大エネルギー(核・電気・重力・磁力)を集中する。

 

ビッグワン「ビッグワンフィニッシュ!!」

 

4大エネルギーをビッグバトンの先端に集中させると、バーサククローの頭を殴りつけた。

 

バーサククロー「グア!!」

 

ジャッカーの連携攻撃とビックワンの必殺技【ビッグワンフィニッシュ】を受けて、バーサククローは怯んでしまう。

 

スペードエース「よし、ジャッカーコバック!!」

 

怯んだバーサククローを見て、合図を出したスペードエースに続くように、ダイヤジャック、クローバーキング、ハートクインがバーサククローの周囲を取り囲むようにスクラムを組み、頭部を密着させると、4大エネルギーを送り込むと、4人同時にバーサククローを蹴り上げる。

 

そして蹴り上げたバーサククローに向かって、4人は右腕を突き出してエネルギーをスパークさせる。

 

スパークした瞬間、バーサククローは爆発した。

 

これがジャッカー4人による必殺技【ジャッカーコバック】である。

 

バーサククロー「グオォォォォ!」

 

しかし、ジャッカーコバックでは倒しきれなかったのかバーサククローが呻き声を上げながら着地した。

 

ビッグワン「これでトドメだ!ビッグ、ボンバー!!」

 

ダイヤジャック「セット1!」

 

クローバーキング「セット2!」

 

ハートクイン「セット3!」

 

スペードエース「行くぞコンバイン!セーット、オン!!」

 

今度はビッグワンの合図のもと、ダイヤジャックが右車輪、クローバーキングが左車輪、ハートクインが砲架、スペードエースが砲身を合体させる。

 

ビッグワン「ジャッカー必殺武器!」

 

最後にビッグワンが掛け声と共に砲弾を込める。

 

ビッグワン「ビッグ、ボンバー!!」

 

掛け声と同時に大砲が火を噴いて、込められた砲弾を発射する。

 

バーサーククロー「グオ!!」

 

砲弾を受けたバーサククローは体のど真ん中に大穴を開けられ、数歩後退する。

 

バーサーククロー「オ、オノレェ…ジャッカー…マタシテモォォォォ…!!」

 

断末魔を上げてバーサククローはその場に膝を着いたのと同時に大爆発を起こして消滅した。

 

ビッグワン「ビッグ、ワン!」

 

4人『ジャッカー!!』

 

大爆発を起こして消滅したバーサククローを見てジャッカーは決めポーズを取り、勝利を宣言したのだった。

 

ビッグワン(後は頼むぞ、若き戦士たちよ)

 

ミレニアムタワーを見上げてビッグワンは向かわせた若き戦士たちの健闘を祈るのだった。

バイオハザード5篇について!

  • 明日からでもいいからOTE篇と交互に!
  • OTE篇のあとでいいよ!

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