戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第894話 覚悟の鉄の爪

ミレニアムタワー前にて、鉄の爪・アイアンクロー率いるゾンビ軍団とT-002が響たちと交戦を始めた頃、最上階の部屋に二階堂は様子を見ていた。

 

二階堂「桐生は、まだ来とらんようやな」

 

最上階の部屋から双眼鏡でゾンビたちを倒している面々の中に桐生がいないことを確認する。

 

二階堂「ほんまに桐生の奴は神室町(ここ)に来てるんやろうな?」

 

振り向いて今回のバイオテロの支援をしてくれた人物である蛇竜に二階堂は確認する。

 

蛇竜「その娘が貴様の言う桐生一馬の泣き所であるなら、見捨てるという選択肢は奴にはなにだろう?」

 

果物が盛られた篭がある机の前にあるソファに座っている蛇竜は柱に縛り付けられている遥を見ながら桐生に見捨てるという選択肢はないことをいう。

 

蛇竜「それに、ビーザックから神室町に入ったと連絡は来ている。気にせずとも来るだろうよ」

 

さらに続けて蛇竜はビーザックが桐生がすでに神室町に入っており、ここに辿り着くのは時間の問題だろうという。

 

蛇竜「それとも…俺の部下共が時間稼ぎすら出来ないとでも?」

 

二階堂「国連の嬢ちゃんたちやゴジラはともかく、真島や冴島さえ殺せてない奴やないか」

 

迎撃している指揮官であるアイアンクローがバッティングセンターでの失態を言う。

 

蛇竜「あぁ。だから奴にとっては、これが最後のチャンスなんだよ」

 

ニヤリと笑いながら蛇竜は机に置かれていた果物からリンゴを1つを取ると皮ごと噛りながら言う。

 

 

 

アイアンクロー「……」

 

戦況を見ながらアイアンクローは昨晩のことを思い出していた。

 

アイアンクロー「ぐあはっ!!」

 

鈍い音と衝撃波がアイアンクローを襲い、壁に叩きつけられ、地面に落下した。

 

デスコーピオン「随分と間抜けをしてくれたな、アイアンクロー」

 

アイアンクローを吹き飛ばしたであろうデスコーピオンがネジレッドと共に見下ろしながら言う。

 

ネジレッド「こんな奴が俺たちと同じ幹部とは、片腹痛いな。ふん!」

 

地面に倒れているアイアンクローの腹部にネジレッドが蹴りを叩き込む。

 

ネジレッド「シンフォギアやゴジラ共は兎も角、ただの人間ごとき1人も始末出来ないのか!」

 

デスコーピオン「オマケに貴重なノイズ怪獣や貴様用に甦らせた部下すら使っておきながら敗れおって」

 

アイアンクローに顔を踏みつけながら厳しく攻め立てる。

 

蛇竜「まあ、そこまでにしておけ」

 

奥から蛇竜が布に覆われた巨大なカプセルを引っ張ってくる女性と共にやって来て言う。

 

「「蛇竜様」」

 

現れた蛇竜を見て、デスコーピオンとネジレッドはアイアンクローの制裁を止めて片ひざを付いて礼を表した。

 

アイアンクロー「ぐっ…がはっ…じ、蛇竜…」

 

吐血しながらアイアンクローは蛇竜を見る。

 

蛇竜「アイアンクロー、最後のチャンスをくれてやる」

 

アイアンクロー「な、なに?」

 

蛇竜の言葉を聞いてアイアンクローは反応する。

 

蛇竜「明日、シンフォギアとゴジラ、そしてその協力者がミレニアムタワーに来る。コイツとゾンビどもを傘下に入れて迎撃に当たれ。1人でも討ち取れば、バッティングセンターの失敗はチャラにしてやる」

 

蛇竜がそう言うと女性はカプセルを覆う布を剥がすと中には緑の液体に入ったT-002が露になった。

 

蛇竜「戦果を期待するぞ」

 

そう言うと蛇竜は奥へ女性とネジレッド、デスコーピオンと共に戻っていく。

 

アイアンクロー「お、おのれぇ!!」

 

残されたアイアンクローが悔しさと怒りの籠った声をあげるのだった。

 

 

 

戻って現在。

 

T-002「グウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

リルと交戦していたT-002が肥大化した左腕で殴りかかる。

 

リル「かう!」

 

T-002の攻撃をリルは後ろに跳んで回避し、地面が砕かれた。

 

流石のリルでもT-002を相手に防戦を続けているが精一杯だった。

 

しかし、ゾンビたちはキラメイジャー、シンフォギア、冴島、真島の前に次々に討ち取られていた。

 

キラメイブラック「はあぁぁぁぁっ!!」

 

そこへクラッシュエンドでゾンビを両断したキラメイブラックは跳躍する。

 

キラメイブラック「アイアンクロ―、覚悟!!」

 

跳躍したキラメイブラックはクラッシュエンドを振り上げてアイアンクローに斬りかかる。

 

アイアンクロー「この私を…なめるなぁ!!」

 

キラメイブラック「なに!?ぐあっ!!」

 

斬りかかったキラメイブラックにアイアンクローは言うと纏っていたマントを翻して姿を変え、手から念導波を放って吹き飛ばした。

 

冴島「姿が、変わりよった!?」

 

姿が変わったアイアンクローに冴島はゾンビを殴り飛ばして驚く。

 

戦士鉄の爪「我が名は、戦士鉄の爪!」

 

全身銀色のスキンヘッドという容姿になったアイアンクローこと【戦士鉄の爪】が名乗りを上げた。

 

真島「けったいな姿になりよってからに!喰らえ!!」

 

姿が変わった戦士鉄の爪に真島はショットガンの引き金を引いて散弾をばら蒔く。

 

戦士鉄の爪「むん!」

 

しかし戦士鉄の爪は念力で散弾を止めると跳ね返した。

 

真島「なんやと!?うおっ!!」

 

散弾を跳ね返されて真島は驚きながらも左に跳んで回避する。

 

響「だ、弾丸を跳ね返したぁ!?」

 

キラメイイエロー「ただ姿が変わっただけじゃないみたいだな」

 

今まで弾丸をバリアなどで防ぐ敵はいても、念力で跳ね返す相手は初で、驚いていう。

 

クリス「だがここで引き下がれるか!」

 

キラメイレッド「うん、クリスさんの言う通りだよ!」

 

キラメイグリーン「ここで引き下がったらみんなに会わせる顔がないもんね!」

 

切歌「いっちょやったるデース!」

 

戦士鉄の爪になったアイアンクローが今までとは違うのは明らかだが、だからと言って引き下がる理由にはならないと言って構える。

 

戦士鉄の爪「覚悟するがいい!貴様らに味わされた屈辱、何倍にしても返してくるわ!!」

 

片や蛇竜から与えられた最後のチャンスを生かすべく、戦士鉄の爪は決戦を覚悟するのだった。




ダラケー「2023年はこれで最後!」

弟「次回投稿は2024/1/12からです。来年もまたよろしくお願いします」

ダラケー「ではよいお年を~!」

バイオハザード5篇について!

  • 明日からでもいいからOTE篇と交互に!
  • OTE篇のあとでいいよ!

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