戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G

第882話 武器商人と細菌

弦十郎「全員無事で何よりだ」

神室町の郊外にあるS.O.N.G.臨時本部にて、弦十郎は一時帰還した響たちの無事を確認していた。

響たちがこの臨時本部に来たのは今から数時間前に遡る。

数時間前、クリムゾン・ヘッドが溶解した時のこと。

真島「これで一旦は終わりみたいやな」

クリムゾン・ヘッドが溶けたあと、周辺を真島が警戒しながらゾンビたちが近くにいないことを言う。

秋山「はあ～…マジで疲れったっす」

ゾンビが近くにいないことを知った秋山は座り込んで言う。

周囲の面々が安堵していると郷田はその場を離れようとする。

パーカー「おい、どこへ行く気だ?」

その場を離れようとする郷田をパーカーが呼び止めた。

郷田「これは俺のケジメや。邪魔するなや」

呼び止められた郷田はそう言ってその場を去っていくのだった。

パーカー「おい!」

レイモンド「よせ、パーカー」

去ろうとする郷田を止めようとするパーカーをレイモンドが止めた。

パーカー「だが…」

レイモンド「こちらはかなり消耗しているんだ。少しは休息がいる」

止めらて怒るパーカーをレイモンドが休息が必要だと言うと、パーカーもそれを実感していたのか納得せざるしかなかったのだ。

そして、迎えに来たS.O.N.G.とBSAA所属のヘリで帰還したのだ。

真島たちは今回のことを堂島に伝える為に賽の河原へ向かった。

クリス「アタシらのことより、状況はどうなってんだ?」

自分たちの安否より、神室町の状況を聞いた。

弦十郎「現在神室町の約7割が感染区域に指定され、閉鎖されている。自衛隊やBSAAも損害が大きくなっている」

クリスに聞かれて弦十郎は神室町の感染区域の拡大と事態収拾に動いている自衛隊とBSAAの被害も拡大していることを伝える。

同時にメインスクリーンに自衛隊が設置した壁に群がるゾンビたちが映し出された。

為朝「くそ、あの壁じゃ時間稼ぎにしかなんねえのかよ」

群がるゾンビたちを見て、為朝が言う。

瀬奈「感染区域にはまだ生存者がいるんですか?」

そう瀬奈が聞くと、弦十郎は頷く。

響「じゃあ、早く助けに行かないと!」

頷いた弦十郎を見て響は言うと出撃しようする。

?『その前にお話ししたいことが』

出撃しようとした響を止めるように堂島とパーカーがメインスクリーンに映し出された。

堂島『改めまして、国連の皆さん。私は東城会六代目会長堂島大吾と申します』

パーカー『国連直轄対バイオテロ部隊BSAA　面部隊隊長パーカー・ルチアーニだ』

弦十郎「国連直轄超異常災害対策部隊S.O.N.G.司令官、風鳴弦十郎です」

三組織の指揮官がお互いに自己紹介を行った。

堂島『この度は我々極道同士の抗争に巻き込んでしまい、申し訳ありません』

弦十郎「頭を上げてください。事情はこちらも把握しています。」

頭を下げる堂島に弦十郎は言う。

堂島『ありがとうございます』

弦十郎に言われて堂島は頭を上げる。

堂島『それで今回の事件、どうやら郷田龍司は関係なく、二階堂の単独によるものが濃厚のようです』

近江連合会長と会談して、確信を得た堂島が言う。

パーカー『こっちでも情報を掴んだぜ』

堂島に続いてパーカーは言うとある人物の写真を映し出した。

二階堂と共にいた男性だった。

パーカー『二階堂と一緒にいたヤツだ。名前はDD。日系アメリカ人の武器商人だ』

二階堂と共にいた男性が武器商人【DD】であると言う。

レイモンド『最近になってこいつが細菌兵器を開発しているという情報を掴んで、BSAAで極秘にマークしていた。細菌の名は、タナトス。今回使われたのもタナトスであると解析班から報告が上がっている』

DDが開発した細菌兵器【タナトス】が今回のバイオテロに使われたものであるとレイモンドが言う。

パーカー『4日前に極東支部のBSAAが奴の拠点に強襲を仕掛けたが、もぬけの殻だったそうだ』

堂島『4日前となるとちょうど二階堂が郷田と接触した日ですね』

弦十郎「ということは既に二階堂はバイオテロを…」

BSAAが4日前にDDのアジトに踏み込んだが既にもぬけの殻で、同時刻に二階堂が郷田と東京で接触していたことは、既に二階堂はバイオテロを計画していたことを察する。

リル「かうかう…」

訳:それって結構不味いんじゃ…

計画的な剤バイオテロならば更なる被害が予測されることをリルが心配するのだった。