戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第870話 バッティングセンターで

パーカー「ぶえくし!」

 

盛大にくしゃみをするパーカーの声が響き渡る。

 

真島「なんや、風邪かいな?」

 

くしゃみをしたパーカーに真島は冗談交じりに言う。

 

パーカー「いや、多分他のやつらが俺らが居なくなったことに気付いて追いかけてきている頃だろうよ」

 

くしゃみの原因が他のメンバーが自分達にいないことに気づいて追いかけてきていると言う。

 

?「そいつは不味いなぁ…」

 

他のメンバーが追いかけて来ていると聞いて、ワインレッドに白ストライプが入ったジャケットに黒のシャツをだらしなく着用し、金のネックレスと腕時計を身に着けるなどちょいワル風の服装をし、髪は黒のセミショートで、後ろに流し、口周りに無精ひげを蓄えている男性が言う。

 

真島「せやったら急がなアカンな。行くで、あんちゃんに金貸し」

 

他のメンバーに追い付かれて色々言われる前に向かおうと真島はパーカーと消費者金融会社スカイファイナンス社長で、2人をストレス発散のバッティングセンターに誘った【秋山 俊】に言う。

 

秋山「っと行ってもこの上がバッティングセンター近くなんです」

 

言われたが、秋山は地上へ続く梯子を見上げながら言う。

 

秋山「お二人とも覚悟はいいですか?」

 

2人に視線を移しながら秋山は聞く。

 

真島「愚問やな」

 

パーカー「あぁ、その通りだぜ」

 

秋山に聞かれた2人は自信満々の顔をしながら言う。

 

秋山「では、行きますか」

 

2人の返事を聞いて秋山は笑いながら先頭で登り始め、2人もその後に続いた。

 

 

 

秋山「人がいない…」

 

マンホールを退かして登りきると秋山は周辺に誰もいないことに驚いていた。

 

パーカー「壁を一つ挟んで感染エリアだからな。住人はとっくに避難してるだろうよ」

 

壁一つ挟んでゾンビたちがひしめく感染エリアのために周辺地域の住人は自衛隊や警察の指示で避難していると言う。

 

真島「行くで」

 

そんな話しはどうでもいいのか、真島は2人に言うと二階堂がいると思われる【吉田バッティングセンター】へ向かって行く。

 

二階堂「ようここが分かりましたなあ!真島さん」

 

3人がバッティングセンターに入ると二階堂が金髪で、全身白のスーツを着た日系アメリカ人の男性と待っていたかのように歩いてきた。

 

パーカー(ん?アイツ、どこかで…)

 

二階堂と共に歩いている男性を見てパーカーは思い当たる節があった。

 

真島「あんたのごっつい体臭のおかげや!すぐにわかったでえ!」

 

そう言いながら真島たちは止めに入ろうとした二階堂の部下たちを銃で脅しながら退かすとバッティングコートに入る。

 

パーカー「お前さんが二階堂か。おとなしくしてもらおうか?」

 

そう言いながらパーカーは二階堂に拳銃を構える。

 

二階堂「せっかく来ていただいたんですがね……あんたの相手してるほどヒマやないんですわ」

 

真島「つれないのお……ノリの悪い関西人や」

 

余裕の態度を崩さない二階堂が言うと真島は手荒な真似をすると遠回しに言う。

 

すると何かに気づいた秋山は後ろを振り向いた。

 

秋山「ちょっ、お二人さん…!?」

 

「「!?」」

 

驚いている秋山に釣られて2人も振り向くと驚いてしまった。

 

?「ギャシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」

 

虫のように天井に張り付いている怪物が雄叫びを上げると3人の前に降り立った。

 

二階堂「そいつがお相手しますよって。堪忍したってください!」

 

そう言って二階堂は男性と共にその場を離れていく。

 

真島「ビビっとんのか?」

 

銃を構えながら真島は秋山に聞く。

 

秋山「あっはは…ビビってなんかないッスよ?」

 

苦笑いしながら秋山は強がりを言う。

 

真島「ええ心がけや」

 

パーカー「よく言った」

 

秋山の言葉を聞いて2人は笑いながら言う。

 

パーカー「そんじゃ!」

 

真島「いくでえ!」

 

秋山「おっしゃあ!」

 

3人は襲い掛かってきたB.O.W.【土蜘蛛(ツチグモ)】に向かって気合いを入れるのだった。


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