戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第869話 不穏な二人

響「あーあ。堂島さんが向こうの会長さんと話を付けるまでなにもするなって言われたけど…」

 

切歌「国連直轄のアタシたちまで動くなって言われちゃったデス…」

 

花屋たちのいる部屋から堂島に追い出された響たちは文句を言っていた。

 

レイモンド「ジャパニーズマフィアのボスが言っていたことも分からなくもないが…状況が状況だけに悠長すぎるな」

 

懐からタバコとライターを取り出して一服しながらレイモンドは言う。

 

充瑠「でも、憶測だけで犯人を決めるのは少し確証が無さすぎるっていうか…」

 

充瑠の言う通り、今回のバイオテロを主導したのはほぼ間違いなく二階堂であり、その背後には近江連合、そして蛇竜が協力しているのは明らかではあった。

 

しかしそのほとんどが状況証拠でしかなく、確たる証拠は無かった。

 

ジェシカ「あなた達、丁度よかった」

 

するとジェシカがやってきた。

 

レイモンド「どうした、ジェシカ」

 

ジェシカ「ねえ、パーカー見なかった?さっきから探してるんだけど見当たらなくて…」

 

来た理由をレイモンドに聞かれて、ジェシカはパーカーがいないことを言う。

 

響「トイレとかじゃないんですか?」

 

ジェシカの問いに響は言う。

 

レイモンド「怪獣王でもないんだ。こんな緊急時にトイレなんていくものか」

 

安全地帯に来ているとはいえ戦時である現状、リルでもない限りトイレに行くなどパーカーでもあり得ないと言う。

 

冴島「おう、丁度よかった」

 

クリス「おい、ものすごく嫌な予感がするんだが?」

 

次に現れた冴島を見てクリスは言う。

 

冴島「なんの話や?」

 

クリスの反応を見て、冴島は首を傾げて聞き返した。

 

クリス「こっちの話だ。んで、なんか用か?」

 

聞き返されたクリスはそう言って、用件を聞いた。

 

冴島「せや、嬢ちゃんたち。真島の兄弟を見とらんか?」

 

切歌「真島さんもいなくなったデスか?」

 

真島がどこにいるかと聞かれて驚く。

 

冴島「どういうことや?」

 

切歌の反応を見て冴島は聞く。

 

瀬奈「実はこっちもパーカーさんがいなくなったんです」

 

冴島「なんやそれ」

 

パーカーもいなくなったと聞いて冴島は眉を潜める。

 

為朝「これは…クリスの言う通り、嫌な予感がするな」

 

充瑠「それってもしかして…」

 

ガルザ「あの2人は堂島氏の言うことなど聞かずに、二階堂のいるバッティングセンターへ向かったとみるべきだな」

 

『!?』

 

2人が堂島の言うことを聞かずに、勝手にバッティングセンターへ向かったと考えを聞いて驚く。

 

冴島「まあ、真島兄弟がそうそう言う事聞くわけあらへんわな」

 

ジェシカ「こっちもよ」

 

犯人と目される人物が近くにいるのに黙ってみている2人ではないと冴島とジェシカは苦笑いしながら言う。

 

レイモンド「とにかく2人が向かったという確証を得よう。情報収集だ」

 

そう提案するレイモンドに全員が同意して頷くとすぐさま情報収集を開始するのだった。

 

 

 

レイモンド「皆で集めた情報によると、うちのパーカーとそちらの真島はスーツを着た男と共に二階堂のいるバッティングセンターへ向かったと見て良いようだな」

 

1時間後、情報収集した響たちは集めた情報を共有して、結果的にパーカーと真島はスーツを着た男性と共に、二階堂ぎいるバッティングセンターへ向かったということがわかった。

 

ジェシカ「はあ…何してるのよ、アイツ」

 

案の定と言う風にジェシカは呆れて言う。

 

ガルザ「バッティングセンター付近はまだ感染区域外のようだが、いつそこも感染区域になるか分からない」

 

クリス「さっさと連れ戻しに行くぞ!!」

 

バッティングセンター付近がいつ感染区域になるか分からないため、急いで2人を連れ戻しに向かうことになるのだった。


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