戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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バレンタイン2024!!

2024年2月14日(水曜日)。

 

この日は一年に一度だけ訪れる甘い日。

 

老若男女問わず、チョコレートを買ってはお世話になった人に日頃の感謝を込めて、または好きな人への愛情表現としてチョコを渡していた。

 

しかし、一部の人にとっては甘くて地獄の日なのである。

 

スペース「なるほど。それでシンフォギアどもがこのような体たらくなのですな」

 

呆れかえっているスペースの眼前に、口の周りを茶色くした響たちが倒れており、その先には山のごとく詰みあがったハート形や四角形の箱があった。

 

毎年恒例つばマリファンたちから届けられたチョコレートの数々である。

 

翼「年々増加の一途を辿っているんだ…うっぷ」

 

口の周りをチョコで汚しながら翼は倒れる。

 

スペース「無理して食す必要は無いだろうに…」

 

響「何を言ってるの…こんなにたくさんのチョコを無駄に出来ないよ」

 

調「あと何よりこんな大量のチョコを保管する冷蔵庫とかないし…」

 

無理するなというスペースに響と調は弱りながらも食べていた。

 

スペース「やれやれ…他のS.O.N.G.職員にも手伝ってもらえばよかろう。国連直轄タスクフォースなら…」

 

クリス「全員、この日は有給消化の名目で逃げたぞ」

 

仕事がないエージェントたちに頼めばと提案するが、全員逃げ出していることをクリスが言う。

 

スペース「兄者は…」

 

切歌「リルくんは味に飽きたって言ってどこかへ行ったデス…」

 

スペース(あぁ…だから今日は母上の家でゲームをしているのか)

 

本部に来る前に立ち寄ったエルザとエウルの家にリルがいた理由を察する。

 

マリア「それはそうと…なんで貴方がここにいるの?」

 

スペース「少しここの司令官と相談事があったのだが、現状でいないのなら後日にするとこだ」

 

マリア(ホロは留守番)に聞かれてスペースは答えると引き上げようとする。

 

マリア「そう…つまり貴方は今暇なのね?」

 

スペース「は?確かに次の政務まで時間は多少あるが…」

 

用がなくなったスペースの肩をマリアがっしりと掴んだ。

 

スペース「な、なにを…!?」

 

振り払おうとしたが、振り払えずマリアを見ると右手には茶色いものを持っていた。

 

マリア「だったら貴方も、て・つ・だっ・て~!」

 

悪魔のような笑みを浮かべながらマリアはチョコをスペースの口にねじ込む。

 

スペース「ぬあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」

 

チョコをねじ込まれてしまい、スペースの悲鳴が響き渡るのだった。




ヴィズ「総統!お帰りになられましたか」

宇宙大怪獣帝国首都星バランにある官邸府に帰ってきたスペースをヴィズ副総統が出迎えた。

スペース「ヴィズ…全帝国臣民及び将兵に伝えよ」

ヴィズ「は?」

弱々しく語りだしたスペースにヴィズはきょとんとしていると、スペースは振り向いた。

スペース「地球時間で2月14日は、地球に行くことを制限すると…ごふ……」

口の周りを茶色く汚したスペースはそう言って倒れ伏したのだった。

ヴィズ「そ、総統ぉ!?」

突然のことにヴィズは慌ててしまうのだった。

この一件以来、帝国では2月14日に地球へ行く規制が掛けられたとか。

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