戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G

第842話 移動手段

ネジレッドが繰り出したノイズ怪獣、レザーバック、オオタチ、ナイフヘッドの三体を何とか倒したミレニアムゴジラとグレイトフルフェニックス、スモッグジョーキー。

しかしその損害は大きく、S.O.N.G.本部はレザーバックの電磁パルス(EMP)攻撃で機能不全となり、近くの海上自衛隊基地で修理を受けていた。

しかも修理にはかなり時間がかかるらしく、本部内部の機器を全て入れ替え及びEMP対策のシステム搭載などの改修作業もある為だった。

現在S.O.N.G.とキラメイジャーは海上自衛隊基地の一室を間借りして対策を考えていた。

緒川「整備班の話によると本部の機能が完全回復するまで1ヶ月はかかる見込みのようです」

弦十郎「くそ、ネジレッドの奴め」

緒川の報告で、本部の修理と改修に1ヶ月は掛かることに弦十郎は毒づいた。

藤尭「これでしばらくは動けなくなったってことか…俺たちがまともに動けなくする、今考えればそれが奴らの狙いだったのかも」

蛇竜が新たに復活させた面々ではなく、すでに復活させたネジレンジャービークラッシャーたちが現れ、すぐにノイズ怪獣を放ったのもリルを引き離すことではなく、元からレザーバックの電磁パルス(EMP)攻撃でS.O.N.G.本部を機能不全に陥らせるのが目的だったのではと言う。

弦十郎「嘆いていても現実は変えられん。ともかく現在の状況は今まで以上に不味い」

そう言って弦十郎は現実を受け止めた上で、響たちに視線を移した。

弦十郎「本部は現在修理と改修作業中の為に動けない。それは俺たちの足を奪ったと同意義だ」

島国故である日本をS.O.N.G.が短時間で移動できるたのは、潜水艦である本部の性能の面が大きい。

しかし現状の本部は修理と改修作業により動くことができなかった。

為朝「その間に奴らが攻めてくるのはほぼ間違いないだろうな」

翼「確かに。この機に乗じて遠方で事件を起こせば、私たちが到着するまで時間がかかるのは間違いない」

移動手段が乏しくなったS.O.N.G.とキラメイジャーに対し、遠方の町を攻撃すれば、到着まで時間がかり、その間に町を制圧ないし、壊滅させられるには十分な戦力であった。

さらに蛇竜にはT-ウイルスを始め、多くのウイルス兵器やウイルス(それら)から産み出された生物兵器B.O.W.を大量に保有していると考えられた。

それらを散布すれば、日本で第二のラクーン事件を引き起こすことは可能であった。

響「そうなったら、どうすれば…」

切歌「そうデス!魔進の皆さんもさっきの合体ロボみたいになれるなら、アタシたちと一緒に向かうというのどうデスか?」

アイデアが浮かんだ切歌が言うが…。

ファイア「それは俺たちも考えたけどよ」

マッハ「ジェッタやヘリコと違い、私たちは地上を走りますから時間が掛かります」

ショベロー「それに地下を潜れる宝路殿のドリジャンでならば最短だろうが、なにしろ時間が掛かるからのぅ」

ファイア、マッハ、ショベローの3人が自分達は地上を走らねばならないと言い、さらに宝路の相棒のドリジャンも地面を掘れるが、時間がかかると言う。

ガルザ「魔進たちに乗った上で、ハコブーに乗せれば問題ない…っと言いたいが、ドリジャンは流石に無理だな」

ジェッタ「オイラたちにもそれぐらい乗せられる力があれば…」

ヘリコ「私たちだけじゃ、ファイアを持ち上げるので精一杯だよ～!」

迅速に現場へ向かえる手段がない現状に頭を悩ませる。

充留「いや、まだやり方はあるよ!みんな!」

頭を悩ませる面々に充留が言うと全員の視線が集まる。

セレナ「本当にあるんですか?」

充留「あるよ!みんな、彼を忘れてない?」

セレナの問いに充留は自信満々に言うとキラメイジャーの面々に言う。

キラメイジャー『あぁ!』

為朝「アイツがいたか!」

瀬奈「うん、なんでか忘れてた!」

時雨「確かにアイツなら山だろうと海だろうと難なくいける!」

小夜「うん、確かにそうだよ!」

宝路「これなら現場まで一気に行ける!」

ガルザ「クリスタリア出身ながら彼を忘れていたとは、不覚だった」

無鈴「僕もすっかり忘れていたよ」

マブシーナ「私もです!」

充留の言葉を聞いて、キラメイジャーは誰かを思い出して口々に言う。

リル「かうかう!?」

訳:誰のこと!?

調「心当たりがあるんですか?」

リルが驚いて、調が聞くとキラメイジャーの面々は振り向いて頷く。

すると警報音が基地内に響き渡った。

友里「海上自衛隊より入電!ポイントS46にエンドルフと邪面師が出現したと!」

警報音を聞いて友里が自衛隊から伝えられた情報を報告する。

クリス「くそ、やっぱり出てきやがったか!」

翼「やはりと言えば聞こえはいいが…」

やはり攻めてきたことにクリスと翼は言うと充留を見る。

充留「大丈夫!任せてよ!」

見られた最速で行ける移動手段が本当にあるのか充留は自信満々だった。