戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第831.5話 蛇竜の戦力

弦十郎「さて、目下の問題は蛇竜が復活させた怪人たちだな」

 

S.O.N.G.本部発令室にて弦十郎の召集で響たちとキラメイジャーたちは集まっていた。

 

緒川「現在把握しているだけでこれだけの怪人たちが蛇竜の手により復活、彼の指示で動いているようです」

 

緒川が言うと発令室のメインスクリーンに蛇竜が甦らせた怪人たちが映し出された。

 

デストロン幹部 ドクトルG(ゲー)

 

犯罪組織 クライム指揮官 鉄の爪・アイアンクロー

 

暗黒科学デスダーク最高幹部 デスマルク大元帥

 

宇宙忍郡ジャカンジャ幹部 サンダール

 

ヴァグラス女幹部 エスケイプ

 

デーボス軍幹部 恨みの戦騎エンドルフ

 

ヨドン軍怪人 邪面師・ミュージック邪面

 

邪電戦隊 ネジレンジャー

 

暗黒四鎧将 ビークラッシャー

 

各組織の戦闘員たちなど、単純な戦力比では圧倒的に敵側が優勢であった。

 

しかも各組織の戦闘員だけでなく、たった1人で戦隊を相手取れる悪の組織の幹部たちまでも蛇竜の手により復活している状況だった。

 

さらに…。

 

弦十郎「並行世界の悪の組織の幹部や戦闘員が復活するならばそれだけと判断できるが…」

 

翼「プラーガですか」

 

1番の懸念は蛇竜がパヴァリア光明結社残党錬金術師【キム・ジェイン】に強化させたプラーガだった。

 

充瑠「プラーガってなんですか?」

 

プラーガを知らないキラメイジャーの面々は聞いてきた。

 

クリス「そう言えばお前らは知らなかったな」

 

プラーガを知らないキラメイジャーたちにクリスたちは話した、プラーガの恐ろしさを。

 

製薬会社【アンブレラ】が引き起こしたアメリカ中西部にあった森林に囲まれた小さな都市【ラクーンシティ】の悲劇。

 

そしてラクーンシティから始まったバイオテロとB.OW.との戦いを。

 

為朝「なんだよ、ゲームでありそうなウイルスや寄生生物はよ…」

 

eスポーツの選手である為朝はT-ウイルスやその亜種、Gウイルス、プラーガのことを聞いて顔をひきつらせる。

 

小夜「それに製薬会社が守るべき人をウイルスの実験台にして生物兵器を造ってるなんて…」

 

医者である小夜は製薬会社がウイルスから守るべき人々を逆にウイルスの人体実験の材料にしていたことに憤りを感じていた。

 

瀬奈「そのプラーガってのを蛇竜は錬金術師に強よくしたんだよね?そんなのばら蒔かれたら大変じゃん!」

 

時雨「それだけじゃない、そのT-ウイルスやB.O.W.とやらが俺たちの世界に現れれば大変だぞ」

 

蛇竜が保有しているだろうT-ウイルスや各B.O.W.が並行世界にばら蒔かれでもしたら対応することは出来ないだろうと話す。

 

ガルザ「治すではなく、感染させ兵器として利用しようとは…」

 

マブシーナ「みなさんとは真逆の…人間の欲深い闇の部分を垣間見た気がしますわ」

 

充瑠たちや響たちが輝く光の心で世界を救うに対し、アンブレラのように自分たちの利益のためにどのような非人道的な実験も厭わない、いわば闇の部分に感じて、クリスタリア人であるガルザとマブシーナは言う。

 

宝路「光あるところには闇がある、それが人間だと理解しているが…」

 

無鈴「こればっかりは否定しずらいところだね」

 

いい人もいれば、悪い人もいる。

 

それが人間であるが、アンブレラが行った悪行は範疇を越えていた。

 

セレナ「怪人だけじゃなくて、ウイルス兵器まで持ってるなんて…蛇竜って人はどうしてそこまでして並行世界を破壊しようと?」

 

弦十郎「それが分かれば対抗策も打ちやすくなるんだがな」

 

セレナの質問に弦十郎はそう遠回しに分からないと答える。

 

すると警報音が鳴り響き、S.O.N.G.本部が激しく揺れた。

 

弦十郎「なにがあった!」

 

藤尭「敵襲です!」

 

友里「本部左舷に反応10!これは…ビークラッシャーとネジレンジャーです!!」

 

警報音と揺れの原因がビークラッシャーとネジレンジャーによる襲撃と報告する。

 

弦十郎「先制攻撃か!」

 

響「師匠!私たちが出ます!」

 

リル「かうかう!」

 

弦十郎「頼んだぞ!」

 

ビークラッシャーとネジレンジャーの襲撃に対応するために響たちと充瑠たちは出撃するのだった。




ビークラッシャーとネジレンジャーがS.O.N.G.本部を襲撃していた同時刻、蛇竜はある場所に来ていた。

そこはベヒモスがあった格納庫のような場所とは違い、壁や地面を覆い尽くすように赤黒い茨が伸びていた。

そして蛇竜の目の前には赤黒い茨が絡み付いている蒼白く巨大な鉱石があった。

蛇竜「……」

鉱石を見上げた蛇竜は、茨が無い鉱石の部分に触れようと手を伸ばした。

その瞬間、鉱石から蒼白い火が蛇竜を拒むように放たれた。

蛇竜「ッ…」

鉱石が放った蒼白い火に拒まれ、蛇竜は伸ばしていた手を引っ込めると鉱石を見た。

蛇竜が手を引っ込めたのと同時に鉱石は放っていた火を消した。

蛇竜「まだ、これ程の力があったか…」

火を放って自身を拒んだ鉱石を見て、蛇竜は不適に笑って言う。

蛇竜「だがそれも無駄な努力だ。いずれ全ての並行世界は消滅する。お前の力でな。それまで何も出来ない自身を恨み続けるんだな」

蛇竜はそう言うと踵を返して去っていった。

鉄面臂「………」

蛇竜が去ったあと、部屋の柱の影から鉄面臂が現れて、鉱石を見つめていた。

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