戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

1110 / 1219
第824.5話 もう一人の夢見た子

キラメイジャーと協力体制を結んで翌日、リルはS.O.N.G.本部で弦十郎たちといた。

 

理由はこれから画面越しにとある人物に会うためだ。

 

S.O.N.G.のメインスクリーンが起動し、ノイズが走ったかと思いきや1人の人物が映し出された。

 

スペース『兄者、数日ぶりだな』

 

リル「うん、スペースも元気そうだね」

 

メインスクリーンに映し出された相手である宇宙大怪獣帝国総統のスペースを見てリルは言う。

 

スペース『早速報告だが、父上に化けている不届き者である蛇竜をこちらの諜報部にも調査させた。しかし、我が軍の諜報部をもってしても情報がつかめていない。引き続き調査を続行させるつもりだ』

 

悔しそうな声でスペースは言う。

 

宇宙大怪獣帝国は宇宙空間を主戦場にし、さらに惑星そのものが一国であるため、地球の諜報部より優れた諜報能力がある。

 

そんな自軍の諜報部でも蛇竜の正体に関する情報を得ることができなかったことが悔しかったのだ。

 

リル「そっかぁ…」

 

スペースから情報や正体を知ることができなかったと聞いて、リルは少し残念がって言う。

 

蛇竜がもかしたら行方不明になっていた父ガウではないかと思い、もしそうならばリル自身も覚悟を決められると考えていた。

 

スペース『あまり1人気負いしないでくだされ。もし、あれが父上で、その時が来れば我も覚悟を決め、手を貸しますゆえ』

 

そんなリルの心情を察したスペースは言う。

 

リル「ありがとう、スペース」

 

スペースに言われてリルは考えを見透かされたことを苦笑しながら御礼を言う。

 

スペース『では兄者、しばらく達者で』

 

リル「スペースもね」

 

またの再会を願って通信を終わらせた。

 

弦十郎「ガウに似た容姿を持つ敵か…厄介なのが現れたなもんだ」

 

リルとスペースの会話を聞いていた弦十郎は今まで倒されてきた並行世界の強力な怪人や戦闘ロボットたちを意図も簡単に復活させ、戦力とする能力を持つ蛇竜の出現によりこれまで以上の危機感を感じていた。

 

藤尭「蛇竜…バルベルデで遭遇したあのヨナルデパズトーリの生まれ変わり…」

 

友里「そして、全ての並行世界を破壊する破壊の王…」

 

【バルベルデ事変】にて遭遇した蛇神にして邪神【ヨナルデパズトーリ】の生まれ変わりであり、全ての並行世界の破壊を目論んでいる蛇竜には藤尭と友里も危機感を感じていた。

 

弦十郎「なんにしてもガウの可能性があろうとなかろうとリルや響くんたちに期待するしかあるまい、な?」

 

リル「かう!」

 

蛇竜の正体がガウ本人かもしれないし、そうでないかもしれない、だがどちらかが真実であろうと今までと変わらず、リルや響たちに期待すると弦十郎が言うとリルは強く頷いた。

 

すると着信音が発令室に響き渡る。

 

弦十郎「どうした?」

 

友里「アフリカに向かったマリアさんとホロちゃんからです。無事にBSAAと合流できたそうです」

 

弦十郎が聞くと国連直轄対バイオテロ部隊【BSAA】の協力しにアフリカへ向かったマリアと勝手についてきてしまったホロが展開していたBSAAと合流した知らせだと友里は言う。

 

弦十郎「そうか。蛇竜でこっちはあまり手が離せない状況で、地球の反対側ではバイオ兵器の密売とはな…」

 

今回のBSAAの任務はアフリカにて行われるバイオ兵器の密売阻止である。

 

本来ならS.O.N.G.からすればお門違いだが、今回取引されるバイオ兵器【B.O.W.】は寄生生物【プラーガ】の改良型を使用しているという情報があり、プラーガ改良をしたのはパヴァリア光明結社残党錬金術師【キム・ジェイン】で、それを依頼したのは他でもない蛇竜本人である。

 

蛇竜に関する事件は国連の取り決めで。特異災害担当であるS.O.N.G.が管轄している。

 

そのために本来ならお門違いのバイオテロ絡みでも蛇竜が関わっているならばS.O.N.G.も介入せねばならないのである。

 

藤尭「きな臭い噂もありますからね」

 

弦十郎「世界を変える"ウロボロス計画"か…」

 

最近になり、BSAAが得た【ウロボロス計画】を話題に出す。

 

ウロボロス計画はいまだに解明されていない計画で、今は噂程度しか情報がなかった。

 

それがアフリカで行われる可能性もあり、マリアとホロの身を按じていた。

 

セレナ「こんにちは!」

 

そんな話をしていると、並行世界にいるマリアの妹【セレナ・カデンツァヴナ・イヴ】が入ってきた。

 

友里「あら、セレナちゃん。いらっしゃい」

 

セレナが入ってきて友里は言う。

 

セレナ「あの、マリア姉さんはどこにいますか?」

 

周囲を見回してマリアがいないことを確認して居場所を聞く。

 

弦十郎「マリアくんか?マリアくんなら今アフリカにいて、日本にはいなんだ」

 

セレナ「そうですか…」

 

マリアが日本にいないと聞いてセレナは残念がった。

 

リル「かうかう?」

 

訳&メモ:どうかしたの?

 

セレナ「実は、マリア姉さんに相談があったんですけど…」

 

弦十郎「相談とは?」

 

セレナ「最近、妙にリアルな悪夢を見るようになって…それでマリア姉さんに相談しようと…」

 

『…………』

 

セレナがマリアに相談しようとしている【妙にリアルな悪夢】について弦十郎たちはまさかと思っていた。

 

弦十郎「…確認だが、その妙なリアルな悪夢とは?」

 

セレナ「えっと、妙な格好をした人たちが「ベチャベチャ」言いながら襲い掛かってきて、それで戦ってたんですが攻撃か効かなくて…」

 

弦十郎「その妙な格好の人と言うと…」

 

リル「かうかうかうー」

 

訳&メモ:こんな感じだったよね…

 

セレナから内容を聞いて2人が言うと藤尭がメインスクリーンにベチャットたちの姿を映し出した。

 

セレナ「あ!それです!でも、なんで知ってたんですか?」

 

ベチャットを見てセレナは驚いて聞いた。

 

リル「かうかうーかうかう」

 

訳&メモ:コイツら、現実にいるんだよね

 

セレナ「えぇ!?」

 

夢で見た怪人たちが実在すると聞いてセレナは余計驚いて声をあげるのだった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。