戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第813話 知らされる絶望

ベロニカが荷電粒子砲を発射する少し前、響たちが上陸したポイントにてムカデリンガー、ビーザック、キルマンティスの3人とスペースが戦っていた。

 

キルマンティス「シェリャアッ!!」

 

フェリンガースナイプでキルマンティスがスペースに斬りかかる。

 

スペース「そらっ!!」

 

キルマンティス「ぐおあっ!!」

 

スペースはフェリンガースナイプを結晶槍で受け止めるとキルマンティスの腹部を思いっきり蹴って、飛ばした。

 

ムカデリンガー「この!!」

 

スペース「そらっ!!」

 

ムカデリンガー「ぐあっ!!」

 

ハンドレッドフィーラーでスペースを挟もうとするが、跳躍で回避され、逆に結晶槍で切り付けられてしまった、

 

ビーザック「おのれ!!」

 

スペース「ふっ、はあぁっ!!」

 

ビーザック「げほっ!」

 

空中にいるスペースをハードックショッカーで突き刺そうとするが、尻尾に巻き取られるように止められて踵落としを頭に叩き込まれた。

 

ムカデリンガー「俺たち3人がかりで押されているだと!?」

 

ビーザック「何なんだ、アイツの強さは!?」

 

スペース「これでも宇宙大怪獣帝国総統だ。貴様ら程度、我で1人で十分だ」

 

自身の強さに驚くムカデリンガーたちにスペースは言う。

 

スペース「さて、さっさと兄者たちの所へ向かわねばならん。一気に止め…!?」

 

リルたちの元へ急ごうとスペースは止めを刺そうと結晶槍を構えた時だ、突如轟音が轟いた。

 

スペース「なんだ!?」

 

轟音に流石のスペースも驚いたのか周囲を警戒する。

 

ムカデリンガー「どうやら始まったようだな」

 

スペース「何か知っているようだな」

 

轟音を聞いて驚いている自身とは反対に待っていたかのように言うムカデリンガーたちに聞く。

 

ビーザック「コイツ(ベロニカ)はあしゅらたちが攫ってきた子供の生体エネルギーとアマゾン細胞を取り込み続けて進化を続けている」

 

キルマンティス「そして今のは進化し、新たな力を使ったんだよ」

 

スペース(進化し続けるだと?前に遭遇し、我の力でようやく封じ込めた完全生命体のような能力か…チッ、厄介な。だが帝国軍の戦力は150万隻、どのような力でもこの数ならば…)

 

問いの答えを聞いてスペースは少し昔に出会った"攻撃すれば、その攻撃を習得・反撃する完全生命体"との戦いを思い出したが、いくら特殊能力があろうと150万隻から成る艦隊がそう簡単には負けないだろうと思っていた。

 

しかし、ある報告がスペースの耳に上がってきた。

 

クラーケン『総統、一大事です!』

 

スペース「クラーケンか、何かあった?」

 

通信機からクラーケンの声がしてスペースはムカデリンガーたちに視線を離さずに聞いてきた。

 

クラーケン『先ほどヴァロルド提督より一報が、地球救援艦隊の1割を喪失したと!』

 

スペース「なんだと!?」

 

クラーケンの報告を聞いて150万隻の1割、約15万隻の戦力がいきなり喪失したと聞いてスペースは驚く。

 

スペース「どういうことだ!!」

 

クラーケン『それが、変異したベヒモスの腹部が開き中から砲身が確認され、そこから亜高速までに加速した物質を検知しました!』

 

スペース「"亜音速にまで加速した物質"だと…まさか!?荷電粒子砲か!?」

 

15万隻の艦艇が一撃で失われ、さらにその要因が"亜音速にまで加速した物質"="荷電粒子砲"であることを推測する。

 

スペース「なぜそんなものが…」

 

ムカデリンガー「忘れていないか?コイツは異世界の古代兵器だ」

 

スペース(すでに荷電粒子砲あるいはそれに類似する兵器があったということか!)

 

ムカデリンガーに言われて、ベヒモス時点で荷電粒子砲に類似する古代兵器があったとスペースは予測する。

 

ビーザック「さてと、俺たちは引き上げるとするか」

 

スペース「なに?」

 

キルマンティス「俺たちの目的は荷電粒子砲発射までお前らを足止めすること」

 

ムカデリンガー「そしてそれが成就した今、あの小僧は完全にベロニカと同化したということだ」

 

スペース「貴様ら!!」

 

時間稼ぎだと聞いてスペースは結晶槍を構えて逃がさないように向かっ行く。

 

ムカデリンガー「ムカデニックボム!!」

 

だがムカデリンガーが胸から展開した触手から放つ高圧電流の球『ムカデニックボム』を発射した。

 

放たれたムカデニックボムはスペースの足元に命中、爆発が起きて怯ませた。

 

スペース「くそ、逃げられたか…」

 

怯みから立ち直ったスペースが見たときにはムカデリンガーたちの姿は無かった。

 

スペース「はやく兄者たちに知らせなくては!」

 

"荷電粒子砲"の存在とリュイの現状を伝えようとスペースは急いでリルたちの元へ向かうのだった。

 

 

 

時は戻り、現在。

 

シグナム「では、リュイは…」

 

"荷電粒子砲"が放たれた時点でリュイは消滅してしまったと聞かされてシグナムはショックを受けてレーヴァテインを落として、膝から崩れてしまった。

 

少年「荷電粒子砲が完成した時点ですでにこの世にはいない」

 

シグナム「そんな…」

 

追い討ちを掛けるように少年に言われてシグナムの目に涙が浮かび上がる。

 

ヒサメ「シグナムさん…」

 

カゲチヨ「くそ……」

 

シディ「間に合わなかったのか…」

 

ショックを受けているシグナムにヒサメが駆け寄り、カゲチヨとシディもショックを受けていた。

 

響「まだリュイが完全に消えたとは限りませんよ!」

 

未来「そうですよ!」

 

翼「完全に取り込まれてしまったと言うのはお前らの戯れ言だろ!」

 

リル「かうかう!」

 

はやて「せや!その可能性だってあるで!」

 

だが響たちは諦めずに言う。

 

少年「なら確かめてみるか?あの世に行けば会えるぞ!デスコーピオン!」

 

デスコーピオン「あぁ」

 

諦めないでいる響たちを絶望させようと少年とデスコーピオンは槍とスローターシザースを構えるのだった。


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