戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第804.5話 機械の獣の群れ

静かな夜の富士山麓。

 

だが、数秒後に爆音と共に何本ものミサイルが翔んでいき、周囲に着弾。

 

爆発が起き、木々を薙ぎ払い、静寂を破壊する。

 

爆炎の中を悠然と行進する巨大な影が大地を、空を覆い尽くす。

 

あしゅら男爵「「聞け!愚かなる人間どもよ!」」

 

アシュラーP1に乗り、あしゅら男爵が叫ぶ。

 

あしゅら男爵(男側)「不死身の破壊者にして、無敵の殺戮兵器!」

 

あしゅら男爵(女側)「天才科学者Dr.ヘルが造りたもうた芸術品!」

 

あしゅら男爵「「我が機械獣たちが!今こそ、この世界を恐怖と絶望で覆いつくすのだ!!」」

 

そうあしゅら男爵が言うと大量にいるガラセクトV2を筆頭に、ガラダK7、ダブラスM2、ジェノサイダーF9、デスクロスV9の機械獣軍団が展開していた自衛隊に襲い掛かる。

 

自衛隊も10式戦車や66式メーサー殺獣光線車、92式メーサータンク、24連装ロケット砲車などで機械獣軍団を迎撃する。

 

ブロッケン伯爵「雑魚どもはすっこんでいろ!!」

 

ブロッケーンT9が剣で自衛隊の攻撃を弾き落とし、空を飛ぶガラセクトV2が斧部分からレーザーを発射して10式戦車を吹き飛ばし、地を歩くガラセクトV2が66式メーサー殺獣光線車、92式メーサータンク、24連装ロケット砲車を斧で叩き割る。

 

あしゅら男爵(男側)「今まではマジンガーどもに邪魔されてしまったが、もはやマジンガーも怪獣王もこの地球にはいない!」

 

あしゅら男爵(女側)「我々の望み、Dr.ヘル様の復活の為!」

 

ブロッケン伯爵「その強さを見せつけるのだ!!」

 

次元の裂け目に飛ばし、例え脱出しても8万4000光年彼方の宇宙にいるダブルマジンガーや響たちの邪魔がないことを良いことに、機械獣軍団は一斉に自衛隊に襲い掛かる。

 

だが、夜空からビームが一線して何体かのガラセクトV2を撃ち抜き破壊した。

 

あしゅら男爵「「なに!?」」

 

ブロッケン伯爵「あれはなんだ!?」

 

ビームが降り注いだ夜空を見上げると、そこにはパラシュートで落下しているロボットの部隊がいた。

 

着地したロボットはパラシュートをパージして、右腕の速射砲を向ける。

 

隊長「これ以上奴らを進行させるな!全部隊、攻撃開始!!」

 

陸上自衛隊第一空挺団所属純国産軍用レイバー、99式空挺レイバー・ヘルダイバーを第二次地球攻防戦争時に、レジスタンスの技術提供で光学兵器の運用が可能となったヘルダイバー改部隊が40mm陽電子ビーム速射砲で機械獣軍団に攻撃を開始した。

 

宇宙大怪獣帝国の軍艦やスペルグフの65mm陽電子ビームライフルに比べ、40mm陽電子ビーム速射砲は威力は劣るが、命中精度と手数には優れており、機械獣軍団にも十二分に威力を発揮。

 

続々とガラセクトV2を撃ち抜き、破壊していく。

 

あしゅら男爵「「おのれ、まだ邪魔な虫どもがいたか!」」

 

ブロッケン伯爵「機械獣よ、そんな雑魚などさっさと蹴散らしてしまえ!!」

 

あしゅら男爵とブロッケン伯爵が言うとガラダK7が頭についているブーメランを投げ、ダブラスM2が口部分からメーザーを放ち、デスクロスV9が回転しながら突進し、ジェノサイダーF9が爆撃する。

 

ガラダK7、ダブラスM2、デスクロスV9、ジェノサイダーF9の攻撃でヘルダイバー改の何機かが破壊されてしまう。

 

隊長「怯むな!何としてもここを抑えるんだ!!」

 

鼓舞する隊長に答えるように部隊は機械獣たちの攻撃に怯むことなく攻撃する。

 

あしゅら男爵(男側)「えぇい!なんというしぶとさだ!」

 

あしゅら男爵(女側)「とっととくたばればいいものの!」

 

普段なら撤退するところを粘っているヘルダイバー改部隊にあしゅら男爵は苦々しく見ながら言った時だ。

 

?「ギガグオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

獣の声を機械音にしたような鳴き声がしたかと思いきや青いビームが何本も夜空に弧を描きながらヘルダイバー改部隊に降り注いだ。

 

隊長「なんだ!?ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

突然降り注ぎ、続々と僚機を破壊していくビームに驚いていると隊長機も被弾してしまった。

 

ブロッケン伯爵「来たか!」

 

ヘルダイバー改部隊を襲い掛かったビームを見て、ブロッケン伯爵は笑いながら振り向く。

 

隊長「な、なにが…!?」

 

頭から血を流し、体が機体に挟まれながらも息がある隊長が破損し、外が見えるようになったコックピットからビームが来た方を見ると機械獣ではない機械の獣の群れが向かって来ていた。

 

ベヒモス「ギガグオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

その中で巨大な体躯を持つ『ベヒモス』が雄叫びを上げ、魔導機兵が一斉に機械獣軍団と共に自衛隊に襲い掛かった。

 

ベヒモス「ギガグオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

胴体の左右からベヒモスはヘルダイバー改部隊を壊滅させたビームを放ち、さらに角部分から電撃を放ち、周囲にいる自衛隊を木々ごと吹き飛ばした。

 

 

 

少年「フフフ…これほどとはな。流石は古代兵器」

 

ベヒモスの上にて、自衛隊を圧倒するベヒモスを見て少年は言う。

 

アーテル「何が古代兵器よ!こんな武装、ベヒモスには無かったわよ!!」

 

ビームや電撃を放つベヒモスを見て、首輪でベヒモスの体に繋げられているアーテルは言う。

 

その隣には縛られているみことがいた。

 

少年「それはそうだろうな。こいつはベヒモスであってベヒモスではないからな。アマゾンの力を吸収し、自己進化を続ける疑似生命体、それがコイツだ」

 

リュイと融合させ、擬似生命体へと改造したベヒモスを言う。

 

少年「それに、お前だって元々同じことをしようとしていたじゃないか」

 

アーテル「!?」

 

不適に笑いながらアーテルに顔を近づけて言うと、アーテルはドキッとする。

 

少年「おい、夢野 みこと。いいことを教えてやる」

 

アーテル「や、やめて!」

 

みことの方を見て、少年が何かを言おうとすると慌てアーテルが止める。

 

少年「コイツは元々お前を依り代にしてベヒモスを起動させるつもりだったんだよ」

 

みこと「え…」

 

少年の暴露にみことは衝撃を受ける。

 

少年「最初からお前の事なんざただ利用するだけの道具としか見てなかったわけだ。ハハハハハ!」

 

みこと「本当なの…アーテル…」

 

少年の言葉を聞いて、みことらアーテルを見て言う。

 

みこと自身はアーテルを信じていたのに、アーテルは自身を今のリュイのようにする気でいて、利用していたのか聞く。

 

アーテル「違うのみこと!これは…」

 

少年「言い訳するなよ。最初に俺にベヒモスの事を教えてくれた時言っただろ?"ベヒモスの依り代になる人間を捜してくれ"ってさ」

 

言い訳しようとするアーテルを少年は邪魔してさらに言う。

 

みこと「アーテル…」

 

アーテル「ち、違うの、みこと!私の話を…」

 

みこと「もういいよ…やっぱり、アーテルも私の事なんかどうでもよかったんだね…」

 

信じていたのに騙されたと分かりショックが大きく、みことはアーテルから反らした。

 

アーテル「み、みこと…」

 

今までのことが本当だったのか、アーテルは何と言ったら良いか分からなくなってしまった。

 

少年「いい顔だな」

 

みこととアーテルの顔を見て少年は不適に笑い、視線をリュイに移した。

 

リュイ「あが…ぐっ…」

 

必死に抵抗しているのか、リュイは苦しそうにしていた。

 

少年「ふっ、小さいクセにどこまでも足掻くか。ハッ!」

 

必死に抵抗しているリュイの腹部を少年は殴った。

 

リュイ「がはっ!?」

 

殴られたリュイは気絶してしまったのか、ダラリと首がだれてしまった。

 

少年「パーツはパーツらしくしていろ」

 

そうリュイに少年は言うと夜空を見上げると、そこには航空自衛隊の航空機が飛行していた。

 

少年「さて、どうでる?」

 

航空自衛隊の航空機が見えているのか、少年はそう言う。

 

 

 

中井「子供だと!?」

 

官邸にて、中井防衛大臣が報告に驚いていた。

 

秘書「はい!機械獣と魔導機兵の後に現れた巨大ロボットの額に…」

 

秘書が航空自衛隊が撮影した写真を中井に見せた。

 

中井「これは…まだ10歳も満たないじゃないか!!」

 

写真を見て、ベヒモスの額にいるリュイを見て叫ぶ。

 

秘書「このままでは子供の命が…」

 

中井「総理にこのことを至急知らせろ!他の報告は後回しだ!」

 

秘書「はい!」

 

すぐに総理に最優先に報告するように指示を出した。

 

中井(くっ、こんな時にS.O.N.G.との連絡付かぬとは…我々だけで何とかせねば…!)

 

S.O.N.G.と連絡がとれなくなったことに中井は苦々しく思いながら、対策を考えていたのだった。


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