戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第797話 やり過ぎ特訓

翼「そうか…敵は本格的に動き始めたということか」

 

フェイト「それに新型の魔導機兵まで出てくるなんて…」

 

あしゅら男爵とブロッケン伯爵、そしてビークラッシャーの襲撃から数時間後、一般人の避難誘導を終えた翼とフェイトは事情を聞いて少し落ち込んで言う。

 

あしゅら男爵とブロッケン伯爵率いるDr.ヘル製の機械獣軍団から逃れる一般人の避難誘導に手間取ってしまい戦線に来られなかったことを悔いているのだ。

 

なのは「そんない落ち込まないでよフェイトちゃん」

 

響「そうですよ、翼さんたちが避難を誘導していてくれたおかげで被害はあまりなかったんですから」

 

落ち込む2人になのはと響が諌める。

 

フェイト「ありがとう、なのは」

 

諌めてもらってフェイトはお礼を言う。

 

翼「それにしても、ビークラッシャーか…立花たちが苦戦するほどならばかなりの実力を有しているのだろう」

 

話題をビークラッシャーの話に翼は切り替えた。

 

シンフォギアの中で、一番の攻撃力を誇る響や変身前とは言え戦闘力だけなら響にも比肩を取らないリルですら追い詰めたと聞いたときは信じられなかった。

 

はやて「ムカデに、蜂に、サソリ、カマキリ…どれも虫の中でも凶暴な分類やな」

 

ヒサメ「闇の四鎧将って名乗ってるだけはあるよね」

 

ビークラッシャーの元となった昆虫たちは昆虫界でも狂暴性が高く、また肉食であることから"闇の四鎧将"の肩書きにも負けぬ強さがあると感じて言う。

 

シディ「だが、また現れても今度はヒサメ達もいる。その時は力を合わせれば勝てるはずだ」

 

ビークラッシャーが現れた時は未知の敵であったが、今度は同じ轍を踏まずにさらに他の仲間がいれば勝てるとシディは言う。

 

甲児『光子力ビーム!!』

 

鉄也『サンダー!ブレェェェーーーーーーーーク!!』

 

すると空の一角にてマジンガーZとグレートマジンガーが光子力ビームとサンダーブレークを放ち、相手に命中させる。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

光子力ビームとサンダーブレークを受けたミレニアムゴジラだが、全くダメージを感じさせずに雄叫びを上げ、ダブルマジンガーに放射火炎を発射した。

 

甲児「くそ、光子力ビームとサンダーブレークを同時に受けてもケロッとしてやがる!」

 

光子力ビームとサンダーブレークを同時に受けながらもダメージを感じさせないミレニアムゴジラに甲児は言う。

 

鉄也「流石は怪獣王と言ったところか…訓練であることを忘れそうだ!」

 

片や鉄也は楽しくなる気持ちを押さえながらも笑って言う。

 

現在、響たちは陸上自衛隊の富士演習場にて対機械獣及び魔導機兵の訓練を行っていた。

 

自衛隊が保有する軍用レイバー・ヘルダイバーや帝国軍の機動兵器SBF・スペルグフよりも巨大で高い機動性と攻撃力を見せつけるダブルマジンガーに自衛官たちは驚きが隠せず、口を大きく開けてしまっていた。

 

カゲチヨ「うへー…あれマジで訓練なのかよ…」

 

ダブルマジンガーとミレニアムゴジラの訓練を見てカゲチヨは引き気味に言う。

 

シロー「兄貴も鉄也さんも訓練ってことは分かってるだろうけど、相手が相手だからな…」

 

普段なら訓練だと分かっていくらかセーフティーを掛けてくれている兄・甲児と鉄也とその相手をするミレニアムゴジラを見てシローは少し心配していた。

 

ヒサメ「それを言った向こうも…」

 

カゲチヨとシローの言葉を聞いてヒサメが別方向をチラっと見ると空の一角がピカッと光った。

 

未来「はあぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

神獣鏡を纏った未来が周囲に展開した丸鏡からビームを一斉射する。

 

シグナム「そんなもの!」

 

放たれたビームをシグナムはレヴァンティンで両断、未来に接近する。

 

未来「このっ!!」

 

丸鏡から放ったビームを全て落とされて、未来はアームドギアからビームを放った。

 

シグナム「はあぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

だがシグナムはそのビームすらも両断し、未来にレヴァンティンを突き立てる。

 

刹那、未来は丸鏡の1つを手掴みして盾代わりにしてレヴァンティンを防いだ。

 

シグナム「良い反応だ!」

 

未来「ありがとうございます!」

 

咄嗟に丸鏡を盾代わりにして防いだのをシグナムは誉め、未来は嬉しそうに言う。

 

カゲチヨ「どっちも次元が違いすぎんだろ…」

 

両方の戦いが訓練の名を借りた完全な実戦であることにカゲチヨは呆れていた。

 

甲児「ダブル!」

 

鉄也「バーニング!」

 

「「ファイヤァァァァァァァァァッ!!」」

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

そこへダブルマジンガーが最大合体技『ダブルバーニングファイヤー』を放ち、それに対抗するようにミレニアムゴジラが最大威力の放射火炎を発射した。

 

『あ…』

 

それを見た面々は目を点にして同時に言った。

 

甲児「うわあぁぁぁぁ!?」

 

鉄也「くっ!?」

 

ミレニアムゴジラ「グルルルル!?」

 

案の定、威力の高過ぎる攻撃同士がぶつかり合い、大爆発が発生。

 

マジンガーZは吹き飛ばされ、グレートマジンガーは空中でブースターを最大にして耐え、ミレニアムゴジラも両足に力を入れて踏ん張っていた。

 

シロー「あちゃ~」

 

響「リルくんやり過ぎ…」

 

訓練の行く末を見守っていた面々は呆れた様子になり、響とシローが特に呆れていたのだった。




とある場所にて1匹の黒猫がいた。

黒猫「ちょっと、どういうこと!?」

誰もいない場所でそう叫ぶと奥から少年が現れた。

少年「なんだ、藪から棒に?」

現れた少年は黒猫に聞いた。

黒猫「なんだじゃないわ!どうして新型の魔導機兵を勝手に動かしたの!?私に協力してくれるんじゃなかったの!?」

新型魔導機兵を自信に無断で使った少年に黒猫は激怒した様子で問いただした。

少年「なんだ、そのことか。それは気にするな、あれはお前の計画を邪魔する輩を始末するために送ったんだ。まあ、勝手に動かしたことは謝ろう」

問いただされて、少年は頭を深く下げて言う。

黒猫「べ、別にそういうことなら…それに、あの戦闘で新型の魔導機兵の欠点も分かったから…」

素直に謝られてしまうことに黒猫は予想外だったのか、慌てた様子になって言う。

少年「それなば良かった。だが、いつまでもウカウカしてられん。アレの完成はいつになる?」

黒猫の言葉聞いた少年は頭を上げて聞いた。

黒猫「もう少しよ。あと2日もあれば完成するわ」

少年「そうか…あと2日か」

あと2日で完成すると聞いて、少年は黒猫には分からないように手で口元隠して不適に笑っていたのだった。

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