戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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サソリ怪人「こんな所に俺たちを呼び出して、何の用だ?」

とある場所にて、サソリ怪人たちは来て呼び出した張本人である少年に聞く。

少年「ずいぶんな言い草だな…何のために貴様らを黄泉の世界から蘇らせたと思っている?なぜ、邪魔な魔導師どもを始末しない?」

ムカデ怪人「そういうな。こっちにはこっちの準備があるんだからな」

少年の問いにムカデ怪人が言う。

少年「ならば、その準備を済ませてとっとと始末しに行け!」

カマキリ怪人「そう慌てんなよ」

ハチ怪人「そうだぜ、短期は損気っていうだろ?」

催促する少年にカマキリ怪人とハチ怪人が少し小馬鹿にしたように言う。

少年「貴様ら…!!」

カマキリ怪人とハチ怪人に小馬鹿にされ、少年は槍を出したが、サソリ怪人がすぐに止めに入った。

サソリ怪人「お前に催促されなくとも、魔導師どもは必ず始末してやる。それまで吉報を待っていろ」

少年の攻撃を防いだサソリ怪人は肩を叩いてそう言うと踵を返して去っていく。

他の3人もサソリ怪人の後を追うように去っていくのだった。

少年「チッ、アイツら…」

少年(使い勝手の悪い連中だ…だが、実力は折り紙付きだ)

去っていく怪人たちを見送りながら少年はそう思っていたのだった。


第792話 英雄の話

リュイが拐われて翌日、S.O.N.G.本部に弦十郎はある人物からの連絡を待っていた。

 

藤尭「司令、時空管理局の指揮官から通信が入っています」

 

弦十郎「繋げ」

 

藤尭が通信が来たっ聞いて弦十郎が繋ぐように言うとメインスクリーンに緑の髪をした女性が映し出された。

 

リンディ『初めまして、風鳴司令。私は時空管理局所属巡航艦 アースラ艦長、リンディ・ハラオウンです』

 

緑の髪をした女性、時空管理局所属巡航艦 アースラ艦長『リンディ・ハラオウン』は名乗る。

 

弦十郎「S.O.N.G.司令官、風鳴 弦十郎です」

 

リンディが名乗り、弦十郎も名乗った。

 

弦十郎「ようやく、お顔を見れましたな、リンディ提督」

 

ようやく会えたと弦十郎は言う。

 

リンディ『こちらもです。それとこの度は私たちの不始末で、この世界に多大なご迷惑をお掛けした事を謝罪します』

 

頭を下げてリンディは謝罪する。

 

弦十郎「いえ、こちらはそう言った類の事件には慣れておりますので」

 

似たような事件をよく扱う組織なので、弦十郎は言うとリンディは頭を上げた。

 

弦十郎「それで、リンディ提督。早速ですが、お互いに情報の交換をしておきましょう」

 

リンディ『そうですね、こちらが新たに入手したアーテルに関する情報です』

 

弦十郎「では、こちらはこれまで現れた巨大機械獣ことミケーネ帝国の機械獣軍団及びそれらを操っていた黒幕に関する情報です」

 

お互いにこれまでの情報をデータとして交換しあう。

 

弦十郎「それと、これはまだ確定ではないのですが…」

 

リンディ『フェイトさんたちから聞いています。そちらの世界の星間国家が今回の事件に介入を画策していると』

 

弦十郎が言うより早くリンディが今回の事件に宇宙大怪獣帝国が介入の準備をしていると言う。

 

弦十郎「えぇ、それに関して少しご相談が…」

 

 

 

半壊された屋敷の片付けをしていたリルは荷物を運んでいたが、途中痛みが走り、倒れてしまった。

 

リル「かう~…」

 

ブロッケーンT9の鉄十字ドリルで貫かれ、手当された肩を擦りながらリルは痛みに耐えていた。

 

響「リルくん!無茶したら駄目だよ、まだ怪我も治ってないんだから」

 

無茶しているリルを見て、響は近付いてきた。

 

リル「かう…」

 

響「大丈夫だよ。ほら、ここで少し休んで」

 

響に肩を借りながら近くのソファーに座る。

 

甲児「責任を感じるのはいいことだが、あまり気負いするなよ」

 

鉄也「傷を癒すのも戦士の務めだからな」

 

甲児と鉄也は無理しているリルに言う。

 

甲児「鉄也が言えた義理かよ」

 

鉄也「その言葉、そっくりそのまま返すぞ、甲児」

 

無理したことがあるのか、2人は言う。

 

エルザ「みなさん、少し休憩をしてほしいであります」

 

なのは「昼食の用意もできたよー」

 

シディ「みんな、食べてみてくれ」

 

そこへエルザ、なのは、シディが鍋を持ってやって来た。

 

現在、屋敷の片付けをしているのはエルザ、なのは、シディ、響、リル、その手伝いで甲児、鉄也である。

 

翼、フェイトは買い出しに、未来、はやて、ヒサメ、カゲチヨたちはシグナムの見舞いに向かっている。

 

響「わーい!待ってましたー!」

 

昼食を持ってきたエルザたちを見て、響は真っ先に言う。

 

 

 

響「あ、そういえば、甲児さんと鉄也さんって、どうしてマジンガ―に乗ったんですか?」

 

昼食のカレーを食べながら響はふと甲児と鉄也に聞いてきた。

 

甲児「ん…そうだな、なんていうか運命…って、感じかな」

 

シディ「ウヌ?運命?」

 

甲児の言葉にシディは聞き返した。

 

鉄也「ああ、運命だ」

 

続けて、鉄也がマジンガ―に乗り、戦うことになったのを『運命』と言って、甲児と鉄也の2人は語り出した。

 

自分たちが、マジンガーに乗り、Dr.ヘル率いる地下帝国や機械獣を生み出した古代ミケーネ帝国との激戦に次ぐ激戦。

 

自分たちに未来を託して、命を落とした多くの仲間や家族たちのことを。

 

傷つき心を折られそうになった時、いつも側で支えてくれた大切な人や仲間たちのことを。

 

そして、掴み取った平穏と幸せのある世界を。

 

響「なんだか、甲児さんたちの話を聞いてると私たちが経験したことによく似てますね」

 

甲児と鉄也の話を聞いて、響は自分たちが経験してきたことと似たようなことがあると言う。

 

甲児「なら、聞かせてくれよ。この世界で、君たちが経験したことをさ」

 

興味が湧いたのか、甲児が言うと響はエルザやリルと顔を見合わせて語った。

 

胸の唄を信じて振るった、この拳を。

 

多くの人たちから託された沢山の想いを。

 

自分たちを信じて、過去の恨みを捨て去り、共に戦った偉大なる父を。

 

大好きな陽だまりを、助けられる誰かを、全部守るために戦い続ける覚悟を。

 

そして、その想いと覚悟は2000年の呪いを砕き、神も殺す呪われた拳も祝福へと変えられることを。

 

鉄也「そうか。君たちも俺たちのように…」

 

甲児「いつか、この世界にも平和が来るといいな」

 

響「はい!」

 

リル「かう!」

 

平和を掴み取った2人の英雄に言われて響とリルはこの世界でも平和を掴み取ると頷いたのだった。


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