カゲチヨ「って、なんだこのバカデカイ家はぁ!?」
ふらわーで食事を終わらせた一行は巨大な豪邸に来て、驚いていた。
響「あははは…やっぱり驚いちゃうよね~…」
豪邸を前に驚いているカゲチヨたちに響たちは苦笑いしていた。
未来「とりあえず、中に入ろうか」
驚く面々に、未来は言うとインターホンを鳴らした。
?『はい…って、みなさんでありましたか。すぐに門を開けるであります』
インターホンから女性の声が聞こえると、豪邸前の門が開いた。
門が開くと響たちを先頭に一行は豪邸へ向かって行く。
響「おっじゃましまーす!」
豪邸前まで行くと響が扉を開けて、中へ入ると玄関であるにも関わらず、かなり大きめのシャンデリアがあり、部屋へ繋がる扉がいくつもあり、中央には2階へ通じる階段があった。
はやて「ほ、ほんまに大豪邸やな…」
なのは「次元が違う…」
フェイト「うん…」
中に入って、自分達の見ている光景が信じられない様子であった。
エルザ「ようこそであります、みなさん」
声の方を見ると赤子を抱えたピンク色のセミロングで、頭には犬耳、尾てい骨からは髪と同じピンク色の尻尾を持った女性『エルザ』が降りてきていた。
響「エルザちゃーん、エウルちゃーん!」
リル「かうー!」
訳:2人ともー!
降りてきたエルザと赤子『エウル』を見て、響とリルは一目散に近づいた。
ヒサメ「えっと、あの人は?」
翼「彼女たちはガウの妻のエルザと娘のエウルだ」
ヒサメに聞かれ、翼はエルザとエウルを紹介する。
シディ「ガウと言うとリルの父親だっな」
カゲチヨ「ん?ちょっと待て、そのガウって人がリルの父親なら、先代の王様なんだろ、ってことは…」
エルザとエウルがガウの妻と娘と聞いて、カゲチヨは何やら察する。
未来「はい。エルザちゃんは怪獣たちの皇太后で、エウルちゃんはお姫様です」
カゲチヨ「マジかよ!?」
未来がエルザとエウルが怪獣たちとっては皇太后と姫になると言うとカゲチヨは驚いて叫ぶ。
リュイ「つばさたち…どーしてなかいいの?」
いくら国連直轄機関であるにしても、皇太后や姫であるエルザとエウルに会えることにリュイは不思議な顔をして聞いてきた。
翼「ああ、それはガウ自身が我々S.O.N.G.に協力してくれていたからな」
未来「私たちと色々な敵と戦ってきたからね。結婚した後も変わらなかったんだ。この豪邸に移り住む前も私と響が暮らしてる寮に住んでたんだ」
シグナム「だからあんなに仲がいいのか」
翼と未来から理由を聞いて、シグナムは納得する。
エルザはエウルが産まれてから、いつものように寮での生活は申し訳ないとして寮を出ると申し出たのだ。
エルザとエウルの立場を考えれば、普通の家やマンションではセキュリティに問題があった。
そこで、スペースが2人のためにと東京の一等地に豪邸を造り上げたのだ。
しかも地球では考えられない程のセキュリティを敷いており、下手に侵入したら侵入者が細切れになる程である。
2人はこの豪邸に移り住むことになったのだ。
響「あ、これふらわーのおばちゃんから」
ふらわーのおばちゃんから預かったお好み焼きの入った袋をエルザに手渡した。
エルザ「いつもすまないであります」
エウルを抱えたまま袋を受けとる。
エルザ「皆さん、そのままでは何ですがどうぞお上がりください」
玄関先にいるカゲチヨたちを見てエルザは笑顔でそう言ったのだった。
同刻、陸上自衛隊朝霞駐屯地の地下に研究施設があった。
施設には八王子駐屯地にて回収された蝶アマゾンの遺体と思われるものがあった。
自衛官A「S.O.N.G.の報告では、アマゾンは生命活動を停止した場合、黒い体液になり、すぐに跡形もなく蒸発するそうだが…」
黒くなって動かない蝶アマゾンを見て、自衛官は言う。
自衛官B「どうみても溶けていないな…生命活動は無いようだが…」
自衛官C「ん?今動かなかったか?」
自衛官A「まさか、そんなはず…」
死んでいるはずの蝶アマゾンが動いたかと聞かれて、動くわけがないと言った瞬間、蝶アマゾンが起き上がり、アマゾンに覚醒したときのように周囲に衝撃波と熱波を起こして自衛官たちを吹き飛ばし、羽化するように姿を変えた。
アゲハチョウの幼虫に似た姿からロングコート状の極彩色の羽を持った姿『蝶アマゾン成虫態』になった。
蝶アマゾン「クルルルル…」
羽化した蝶アマゾンはまだ息がある自衛官に近づくと首に噛みつき捕食したのだった。