戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第786話 初めてのお好み焼き

検査を終えたリルとリュイ、付き添いのシグナムと合流した響たち一行は行きつけのお好み焼き『ふらわー』へ来ていた。

 

響「おばちゃーん!いつものお好み焼きー!!」

 

勢い良く扉を開いて響が注文する。

 

おばちゃん「はいよ。あら、今日は初めましてさんもいっぱいだね~」

 

響から注文を受けたおばちゃんはなのはたちやカゲチヨたちを見て言う。

 

未来「はい、みんな歌関係の友達で」

 

あばちゃん「そうかい。それにしても可愛い友達もいるもんだね」

 

未来の言い訳を聞いて、おばちゃんはなのは、フェイト、はやて、そしてリュイを見て言う。

 

"可愛い"と言われてなのは、フェイト、はやての3人は照れていた。

 

リュイは初めてのお店に少し緊張しているのか、おばちゃんに見られてシグナムの後ろに隠れていた。

 

おばちゃん「あらあら。それじゃあ、みんな座って。今日は腕によりをかけて作って上げるわ」

 

響「わーい!やったー!」

 

おばちゃんが言うと響が一番嬉しそうにするのだった。

 

数分後、おばちゃん特製のお好み焼きが人数分完成した。

 

おばちゃん「はい、ふらわー特製お好み焼き出来上がり」

 

人数分完成させたおはが一行に言う。

 

カゲチヨ「た、たった数分で12人分作れるって何者なんだよ!?」

 

おばちゃん「響ちゃんたちやガウくんたちが良く来るからね。慣れちゃったんだよ」

 

たった数分で、12人分を同時に作り上げたおばちゃんに驚くカゲチヨに言う。

 

シディ「ガウ?」

 

聞き慣れない名前が出てきてシディが聞く。

 

"ガウ"の名を聞いて、響たちは反応し、少し暗い雰囲気になった。

 

おばちゃん「ガウくんはリルくんのお父さんだよ。ただ、行方不明らしいんだけどね」

 

シディ「あ…」

 

ヒサメ「す、すみません」

 

ガウが現在行方不明になったと聞いて、シディは聞いてはならないことを聞いてしまったとしまったと顔をし、ヒサメが慌てて謝った。

 

リル「かうかうーかう。かうかうかう、かうーかうーかうかう」

 

訳&メモ:気にしないで。確かに行方不明だけど、生きてるって分かってるから

 

謝ってきたヒサメたちにリルは言う。

 

なのは「強いんだね、リルくん」

 

ヒサメたちに言うリルを見て、なのははその強さを見て感心していた。

 

響「うん。そうだよ」

 

感心しているなのはに響が言うが、お腹が"ぐううぅ~~"っと鳴り響いた。

 

はやて「凄いお腹の音やな」

 

フェイト「色々と台無しだ…」

 

シグナム「なんと」

 

リュイ「おなか…すごいおと…」

 

カゲチヨ「ヒサみてーだな」

 

ヒサメ「カゲ、それどういう意味?」

 

シディ「見事な音だな」

 

響のお腹の音を聞いて、面々は口々に言う。

 

翼「立花…」

 

未来「響…」

 

リル「かうー…」

 

訳&メモ:響ママ…

 

片や翼たちは呆れ返っていた。

 

響「あははは…なんかすいません……」

 

皆に言われて、空気をぶち壊してしまったことに響は物凄く反省していた。

 

未来「それじゃあ、食べようか」

 

響のお腹の音を聞いて、呆れた未来が言うと全員が頷いた。

 

リュイ「……くろい…」

 

食べようとした時、掛かっているソースを見て言う。

 

響「もしかして、リュイくんってお好み焼きは初めて何ですか?」

 

リュイの反応を見て響はシグナムに聞く。

 

シグナム「あぁ、ミッドにはこういう店はなかなか無いからな」

 

未来「そうなんですか。リュイくん、これはお好み焼きって言うんだよ」

 

リュイ「おこにょみ…?」

 

やはりお好み焼きを知らないのか、リュイは首をかしげた。

 

シグナム「食べてみれば分かるだろうな。ほら」

 

食べさせてみれば分かるだろうとシグナムは箸でお好み焼きを一口サイズに切り分けて、リュイに差し出した。

 

リュイ「…あむ」

 

差し出されたお好み焼きをリュイは食べた。

 

香ばしいソースが口に広がり、蒸し焼きになった千切りキャベツがしんなりと歯ごたえとなり、豚肉や麺、天かすなど様々な具材が何層にも重なり、一口で色々な味や食感が広がった。

 

リュイ「おい…しい…!すごく…おいしい!」

 

初めて食べたお好み焼きに、リュイは感動していた。

 

カゲチヨ「うおっ!?マジでうめー!」

 

ヒサメ「本当だ!これなら、いくらでも食べれる!」

 

シディ「ああ、旨い!」

 

はやて「なんや、これに勝てそうな気がせーへん…」

 

フェイト「はやてが敗けを認めた!?」

 

なのは「それだけ美味しいんだよ」

 

あばちゃん「あらあら、嬉しいことを言ってくれるわね」

 

自分の料理を食べて、美味しいと言ってくれる面々に、おばちゃんは嬉しそうに言う。

 

響「でしょでしょ~?おばちゃんのお好み焼きは天下一品なんだよ」

 

未来「何で響が得意気なの?」

 

得意気に話す響に未来は呆れて言う。

 

おばちゃん 「あ、響ちゃん、未来ちゃん、リルくん。これ、いつものだよ」

 

食べている響におばちゃんがプラスチックの容器が入った袋を渡してきた。

 

響「ありがとうございます!」

 

リル「かうかうー!」

 

訳&メモ:ありがとう!

 

未来「すいません、いつも」

 

渡された袋を受け取り、響と未来は言う。

 

ヒサメ「それは?」

 

翼「ガウの忘れ形見へのお土産だ」

 

袋を見て、ヒサメが聞くと翼が言う。

 

カゲチヨ「忘れ形見?」

 

響「そうだ!食べ終わったら皆で行ってみようよ!」

 

意味深な言葉を聞いて、カゲチヨが聞くと響がそう提案するのだった。


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