響たちが本部にて、古代ミケーネの兵器である機械獣の報告を受けている時、リルはリュイと共に掃除し終えた翼の暮らすマンションの部屋で留守番していた。
大型のTV画面に『Finish!』と出ると、真ん中で区切られた画面の右側にて、笠の色は白の下地に赤をしたキノコのような帽子を被った人物がカートの上で喜んでいるのに対し、左側の画面にいる緑色の恐竜のようなみためのキャラがカートの上で泣いていた。
リル「………」
コントローラーを持って、リルは口をあんぐりさせて画面を見ていた。
リュイ「~♪」
片やリュイは嬉しそうにして画面を見ていた。
実は留守番していて暇だったので、翼の部屋に切歌や響、マリアが持ち込んでいたゲーム機で遊ぶことにして、配管工のおっさんたちが仲間と共にマシンに乗ってコースを爆走するレースゲームをしていた。
最初はコントロールが分からなかったリュイが遅れをとっていたが、なんとその後のレースでは全てリュイの圧勝に終わっていた。
リルもプロというわけではないが、このゲームはそこそこの実力を持っていた。
しかし、リュイ相手にはそれは通じず、連続最下位をワーストで更新していた。
リル「かうかう!」
訳&メモ:もう一回!
悔しくて、年下相手であることを忘れてリルは再戦を願う。
リュイ「いいよ…」
リュイもリュイで、楽しいらしく嬉しそうに言う。
いざ再戦しようとキャラクター選択を開始した時だ、下が騒がしくなった。
リル「かう?」
訳:なに?
ベランダに出て、下を覗くと小型機械獣たちがマンションの壁をよじ登って来ていた。
リル「かう!?」
訳:機械獣!?
よじ登って来ている機械獣を見てリルはすぐに部屋に戻った。
リュイ「どうしたの?」
状況が理解できていないリュイは戻ってきたリルに聞いた。
リル「かうかうかーう!かうかう…」
訳&メモ:少し怖い奴らが来た!すぐに準備を…
逃げる準備をするようにリュイに言っているとガラスが割れる音がして振り向くと3体の小型機械獣が窓を割って侵入していた。
リル「かう!かうかう!!」
訳:まずい!逃げるよ!!
侵入して来た小型機械獣を見て、リルはリュイの手を引いてドアから外へ出た。
普段のリルなら物の数ではないが、リュイがいたのでは思う存分戦うことはできないと判断したのだ。
軍服の人物「逃がしはしないぞ、この私の手で、捕まえてくれる!!」
マンション近くのビルの屋上にて、軍服の人物が言う。
部屋から出たリルはリュイを抱えて非常階段を使い、地上に降りていた。
しかし…。
リル「!?」
通りに出た瞬間に左右から小型機械獣が迫ってきていた。
完全に取り囲まれてしまい、最悪はリュイを抱えたまま強行突破を考えていると小型機械獣たちが一斉にリルたちに飛びかかってきた。
何十体とリルとリュイの上に重なり、小さな山となった。
瞬間、小型機械獣たちの隙間から赤い光が輝いたかと思いきや巨大な何かが現れて、小型機械獣たちを吹き飛ばした。
ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
雄叫びを上げて起き上がるミレニアムゴジラは体を震い、いまだにくっついている小型機械獣を振り落とした。
ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
近づいてくる小型機械獣たちに右から左へと交互に放射火炎を放った。
シンフォギアの攻撃すら防ぐ小型機械獣ですらミレニアムゴジラの放射火炎の威力を防ぎきることはできずに体を溶かしてしまった。
リュイ「りるが…おっきくなった…!?」
ミレニアムゴジラの手の中で、リュイは驚いていた。
ミレニアムゴジラ「グルルルルル……」
リュイの反応を見てミレニアムゴジラは久しぶりの感覚を感じていた。
軍服の人物「アイツがミレニアムゴジラとやらか。悪いが、その手の奴は頂くぞ。行け、デスクロスV9!」
小型機械獣を凪払ったミレニアムゴジラを見た軍服の人物はそう叫んだ。
ミレニアムゴジラ「グルルルル?」
周囲にいた小型機械獣やマンションを登りきり、飛び付こうとした小型機械ををあらかた倒したミレニアムゴジラは周囲を警戒していると妙な気配を感じた。
辺りをキョロキョロしていると地面に亀裂が入る。
リュイ「りる…した…!」
ミレニアムゴジラ「グルルルル!?」
リュイに言われて下を見た瞬間、地面から4枚のプロペラのような鋭い刃が飛び出してきた。
咄嗟にミレニアムゴジラはリュイが乗っている手を胸元から離した。
刃は腹部から右肩に掛けてミレニアムゴジラの皮膚を切り裂いた。
ミレニアムゴジラ「ゴギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
皮膚を切り裂かれたミレニアムゴジラは悲鳴を上げて片ひざを付いてしまう。
リュイが乗っていない手で傷口を抑えるが、傷が広すぎて塞げなかった。
リュイ「りる…!」
切られたミレニアムゴジラの傷を見てリュイは心配する。
ミレニアムゴジラ「グルルルル…」
心配されたミレニアムゴジラは大丈夫と言うように喉を鳴らして、振り向いて自身を切り裂いた相手を見る。
相手は空におり、ミレニアムゴジラを見つめていた。
手足は無く、四枚の鋭い刃物であるウイングを持つ巨大機械獣『デスクロスV9』が再び回転カッターのように回転しながらミレニアムゴジラに向かって行くのだった。