翼「ただいま戻りました」
ダブラスM2を撃破し、ガラダK7を退かせて数時間後響、未来、翼の3人が帰還して発令室に入ってきた。
弦十郎「みんなご苦労だった。それで被害はどうだった?」
翼「特車二課にはこれと言って人的被害などはありませんでした」
未来「強いて言うなら、多少特車二課の畑と整備班用のハゼ漁用の漁船に被害が出たくらいです」
弦十郎「そ、そうか…」
被害状況を聞いて警察組織としてはありえない単語が2つ出てきたことに弦十郎は少し呆れそうになった。
響「師匠、リルくんとユウコさんは大丈夫ですか?」
弦十郎「あぁ。2人とも大したケガはしていない。ただ、ユウコくんの機体はしばらく動かせそうにないのとリルは右頬に傷が残るようだ」
響に聞かれて2人が命に別状はないが、ユウコの愛機であるスペルグフWはダブラスM2により電子系統が損傷してしまいしばらく動かせなくなってしまった。
リルは手の平の傷はすぐに再生したが、顔の右側に受けた傷だけは再生しきれず傷が残ると言う。
響「そうですか…」
リルに傷が残ってしまうことは予想外だったが無事であることが何よりも安心できることだった。
翼「リルに傷を残すほどのロボット…いったい誰がそんなものを」
G細胞の再生機能ですら再生しきれないほどの傷を付けたガラダK7をいったい誰が作ったのかと翼は考える。
弦十郎「さあな。今現在自衛隊の方でリルが撃破したロボットの調査が行われている。その結果によっては敵の正体が分かるはずだ」
誰が作ったかはリルが撃破したダブラスM2を自衛隊が回収し、調査することを言う。
翼(機械を食うことで数を増やす機械に加え、リルに傷を残した巨大ロボット…いったい誰が何の目的で…)
機械を食う機械に、リルに傷を付けたガラダK7やダブラスM2と続けざまに出現した機械たちが誰が何の目的で作り上げて放ったのか謎が余計に深まることになった。
弦十郎「それとこれは決定事項前なのだが、例の機械と巨大ロボットの総称を"機械獣"として呼称することになった」
未来「機械獣…機械の獣…」
全体的な機械たちの総称が機械の獣である『機械獣』に決まり、とりあえずは"得たいの知れない機械"では失くなった。
すると発令室の扉が開いて、全員の視線が出入り口に集まった。
出入り口には響たちに保護された男の子がいた。
響「あれ?君は…」
男の子「うぅ…」
響が近寄るより早く男の子はある人物に駆け寄った。
翼「お、おい!?」
男の子が駆け寄って抱きついたのは翼で、突然抱きつかれた翼は慌ててしまった。
未来「まさか響じゃなくて翼さんの方なんて」
響「未来、それどういう意味?」
誰にでも懐かれる響ではなく、ある意味逆の立ち位置にいる翼に抱きついたことに未来は意外な顔をしていた。
翼「そ、それよりこの状況を何とかしてくれないか!?」
慣れない状況に戸惑う翼は助けを求める。
響「なんとかって言われましても…」
未来「ねえ、僕。お姉さんが困ってるからちょっと離れてもらっていいかな?」
とりあえず男の子を翼から離そうと未来が近寄るが、男の子は翼の背後に隠れてしまった。
響「隠れちゃった…」
未来「結構人見知りなのかな?」
隠れた男の子を見て2人は話す。
響「ねえ、君。どうしてここに来たの?」
今度は響が近寄って聞くと男の子は少し泣きそうな顔を覗かせる。
男の子「あくま…くる…」
泣きそうな声で男の子は言う。
「「「悪魔?」」」
男の子の言っている意味が分からない3人は首をかしげているとまた発令室の扉が開いたのだった。