戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第751話 蒼雷獣

?「ゴルオォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

突如として降り立った怪獣は鋭い爪で近くにあった建造物を切り裂くように破壊していく。

 

建造物を破壊する怪獣を見て、公園にいた人々はパニックになって逃げ惑い始めた。

 

マリア「怪獣!?」

 

突然現れた怪獣にマリアも驚いていたが、すぐに冷静になって少女の方を見た。

 

マリア「貴女は逃げなさい!ここは私が!」

 

少女に避難するよう言うが、少女は避難するどころか怪獣に向かって走り出した。

 

マリア「ちょっと、そっちは危ないわよ!!」

 

走り出した少女を見てマリアは止めに叫ぶが、既に聞こえなかった。

 

少女「ウォウゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

少女は走り、人が回りからいなくなると遠吠えを上げるように叫ぶと身体が光って巨大化しながら姿が変わった。

 

?「ガルウォオォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」

 

少女は獣人の姿からライオンに似ており、オレンジの外骨格に覆われた前足と青い体表、そして白い鬣が特徴で、ライオンや狼の遠吠えに似ている声を上げる四足歩行の怪獣になった。

 

マリア「あれは!?」

 

怪獣となった少女を見てマリアはある姿が脳裏浮かんだ。

 

この獅子ヶ丘に伝わる伝説に現れた怪物…。

 

マリア「蒼雷獣!?」

 

少女が変身した怪獣が獅子ヶ丘に伝わる伝説の雷獣『蒼雷獣』であると察した。

 

男「来たか、蒼き雷獣。ラグストーンよ、奴の力を試してやれ!」

 

ラグストーン「ゴルオォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」

 

木の陰で状況を観察していた男が言うと、男が呼び寄せた怪獣『催眠魔獣 ラグストーン』が蒼雷獣に向かっていく。

 

蒼雷獣「ガルウォオォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」

 

蒼雷獣は獅子に力を入れて地面を蹴ると高速移動するかのように地上を走る。

 

ラグストーン「ゴルオォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」

 

走る蒼雷獣にラグストーンは爪で攻撃しようとするが、すぐに背後に回り込む。

 

蒼雷獣「ガルウォオォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」

 

背後に回り込んだ蒼雷獣はラグストーンの後頭部に向かって走り出して踏み台にして跳躍した。

 

ラグストーン「!?」

 

踏み台にされたラグストーンは顔面から地面に叩きつけられてしまう。

 

蒼雷獣「ガルウォオォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」

 

跳躍した蒼雷獣はそのままラグストーンの腹部に向かって前足の爪を突き刺した。

 

ラグストーン「!?」

 

爪を突き刺されたラグストーンは何とか起き上がろうとしたが、全く動けなかった。

 

蒼雷獣「ガルウォオォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」

 

ラグストーンの身体に爪を突き立てた蒼雷獣は雄叫びを上げて、蒼い電撃を放った。

 

マリア「つ、強い…」

 

マリア(あの力、リルと互角だわ!)

 

ラグストーンを一方的に圧倒している蒼雷獣を見てマリアはその力がリルと互角と確信した。

 

蒼雷獣「ガルウォオォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」

 

さらに雷撃の威力を上げる蒼雷獣。

 

ラグストーン「ゴ…ゴルオォォォ………」

 

雷撃を喰らい続けたラグストーンは黒焦げになり、身体から白い煙が上がって動かなくなり、目から光が消えた。

 

蒼雷獣「ガルウォオォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!」

 

ラグストーンを倒した蒼雷獣は勝利の雄たけびを響き渡らせるのだった。

 

マリア「凄い…」

 

ラグストーンを一方的に倒した蒼雷獣を見てマリアは唖然としていた。

 

?(やはり、素晴らしい戦闘力だ。必ず、捕まえてくれる。私の復讐のために!)

 

ラグストーンを倒されながらも男は笑ってその場を後にしたのだった。


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