負けられない戦い(恋)   作:獣狩りの狩人

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遅くなりました。ごめんなさい。
違うんや。サボってたとかじゃなくて仮面ライダーとウルトラマンが面白すぎるのが悪いんや。

ことり「それ、サボってたっていうんじゃない?」

さぁ、行ってみよう。第4話

ことり「逃げた」


夏祭りの代わりに

私達が彼に告白した時から5日が過ぎて、朝に皆で集まっているときに真姫ちゃんから私達の耳にとんでもないニュースが飛び込んできた。

 

「えぇッ!!夏祭りの日を含めた日しか合宿が出来ない!?」

 

そう私達µ'sの予定していた第2回ラブライブ東京地区最終予選に向けての合宿が真姫ちゃんの別荘を借りることになっていたのだけれど、お家の人の都合上で別荘を借りることが出来るのがその時しかないのだった。

 

「どっどうしよう?」

 

私は隣にいる彼に聞いてみる。

 

「どうしたもこうしたもないだろ。その日しか無いんだったらしょうがないと思うけど」

 

「でも…」

 

あの約束がある夏祭りの日を無くすことはどうしてもできなかった。皆も不安そうに見ている。でも彼は、笑って

 

「気にすんな。ちゃんと夏祭りに行けなくなったとしても返事はその日に必ずする。約束だ」

 

そう言って私の頭を撫でてくれる。

 

気持ちぃよぉ…ヒゥ!?

 

私の背中に氷を落とされたような衝撃が走った。見れば周りの皆の目が絶対零度より冷たい目をしている。いや、絶対零度なんて味わったことないけど。よく見れば隣の彼も顔に冷や汗が出ている。そして、彼は私を撫でていた手をどけた。あぁぁもうちょっと欲しかったぁ。

 

「うんじゃ、行こうか」

 

「「「「「「「「「うん」」」」」」」」」

 

今日は終業式なので午前中で終わり、私達はまた部室に集まった。

 

「さて、明日から合宿だから早く帰って準備しろよ。」

 

「「「「「「「「「は~い」」」」」」」」」

 

「じゃ、俺は帰るから」

 

そう言って彼は部室を出ていった。彼が出ていくのを確認すると私達は顔を寄せあって

 

「行ったわね」

 

「じゃぁ行こうか」

 

「彼の後を着けるわよ」

 

そう。私達は全員彼の家を知らない。だから、彼の家を調べるためにストーキ…ゲフンゲフン。追跡するのだ。

今日は終業式。持ち物も少ない。いざLet'go!

 

「とは言うもののどこにもいかないわね」

 

「ええ」

 

「うん」

 

「アッ!?どこかに入っていくよ」

 

穂乃果ちゃんが声をあげた。

 

「?アクセサリー屋さん」

 

「どうして?」

 

「もしかして私達に渡すために…」

 

ポンと私達全員の顔が真っ赤になった。

 

「駅前まできちゃったね」

 

「誰かを待ってるのかな」

 

「多分そやとおもうで」

 

そんな彼のもとに女性が一人歩いてきた。二十歳ぐらいの人の綺麗な女性だ。

 

「誰だろう?」

 

「さぁ?」

 

私達全員知らない人だった。その女性に対して彼は何かを話して箱を渡していた。

その箱はさっきの店で買った物だった。その女性は箱を受け取った瞬間に彼を抱き締めていた。彼も嫌ではなさそうで

引き剥がしたりはしなかった。その事に大ダメージを受けていて瀕死な全員の前にまた誰かやってきた。

 

「ちょっ…あれってAーRASEのツバサさんじゃない!?」

 

「どうして彼と一緒に!?」

 

アイドルオタクの花陽ちゃんとにこちゃんが反応する。他のメンバーはもう驚く気力が無くなっていてなにも言わない。そんなツバサさんも楽しそうに彼と話しているのを見て私達は全員なにも言わずに解散した。

 

 

ーーーーーー次の日ーーーーーーー

 

「おはよー」

 

「おはよー」

 

「おはようございます」

 

「アッ海未ちゃんもおはよー」

 

「ええ」

 

集まった私達の顔は暗い。そんな中に彼がやってきた。

 

「どうしたんだ?なんか暗いぞ。」

 

私達は顔をうつ向いたままなにも言わない。が、その中で穂乃果ちゃんが聞いた。

 

「あの…昨日駅前で会っていた人は誰なの?」

 

他のメンバーはなにも言わないが、耳だけはちゃんと傾けているようだった。

彼は笑って

 

「なんだ。見てたのか。あの人は…」

 

ゴクリ

 

「俺の姉さんだ」

 

「エッ?」

 

ガバッ

 

その言葉を聞いた途端全員顔をあげた。

 

「お姉さん?…」  これは私

 

「お姉さんになに渡してたの?」 これは絵里ちゃん

 

「なんでツバサさんと知り合いなのよ?」 にこちゃん

 

フゥとため息をつくのが残りのメンバー

 

彼は後ずさりながら答えていく。

 

「姉さんに渡したのはプレゼントだよ。」

 

「なんでよ。私達全員何も貰ってないのに…」

 

「昨日が姉さんの誕生日だからだよ」

 

「ツバサさんとは?」

 

「ツバサとは姉さんがAーRASEのダンスを教えているからな。それで知り合った。一応AーRASEのメンバーとは良く遊びに行くぞ」

 

「ズルい」

 

「すみませんでした」

 

「まぁまぁこのくらいでいいんじゃない」

 

私達の顔は彼が来る前のお通夜のような状態から一転して明るかった。そして真姫ちゃんの別荘に行くために寝台列車に乗らなきゃ行けないんだけど、そこで彼が爆弾を落とした。

 

「アッそうだ。俺が予約した寝台列車の部屋は二人組だから二人組作れよ。余った人は悪いけど俺と同じ部屋な」

 

彼はそう言って切符を取りに行く。彼の残したその言葉に私達はお互いを見合った。その視線は燃えていた。

 

「これは譲れないな」

 

「私もよ」

 

「「「「「「「「「ジャンケン」」」」」」」」」  

 

私達は手を振り上げ降り下ろす。

 

「「「「「「「「「ポン!」」」」」」」」」

 

穂乃果ちゃん以外全員パー穂乃果ちゃんだけがチョキ。よってこの勝負穂乃果ちゃんの勝ちとなった。

 

「ヤッタァァァァァ」

 

「クッ。しくじった」

 

「やってしもうたわ」

 

「決まったか?」

 

そう言って彼が戻ってくる。

 

「うん。決まったよ」

 

「組み合わせは?」

 

「凛ちゃんと花陽ちゃん。海未ちゃんとことりちゃん。絵里ちゃんと希ちゃん。にこちゃんと真姫ちゃんだよ」

 

「なるほど。りんぱな。ことうみ。のぞえり。にこまき。か。ということは穂乃果が俺と同じ部屋か。ごめんな」

 

「別にいいよ。あなたは分からないかもしれないけれどね。好きな人と一緒に入れて私は嬉しいの」

 

「そっか。ありがとな」

 

「別に感謝される事なんてしてないよ」

 

「いやいや。今だから言えるけど俺はお前のその明るいところに救われたんだ。俺がお前達と一緒にいたいと思った一番の原因なんだぞ。だから、ありがとな」

 

「エヘヘ」

 

むう。なんか二人でいい雰囲気作ってるぅ。これは破壊せねば。

 

「はいはい。行くよ。時間ないわよ」

 

絵里ちゃんナイス。私は目線でそう送る。

絵里ちゃんからは、当たり前よとの返信が。

 

そうやって私達は合宿所に向かう。

 

 

 

 

この物語の終わりはもう近い。

 


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