これから話すのは、私と同級生であり音ノ木唯一の男子生徒そして、私の命を救ってくれた大切な彼と私の恋のお話。
それは、1年前のある日。
私は、南ことり。
u'sというスクールアイドルグループのメンバーなんだけど、そのu'sのことを快く思わない人達からの嫌がらせを受けることが増えてきた。
その都度、彼が助けてくれたんだけど。
ある時私は連れ去られてとある倉庫に監禁されて2~3人の男達に拳銃を突きつけられ殺されかけていた。
「お前が、μ'sのメンバーの南ことりだな。俺はお前たちのせいで、俺達のプロデュースしてきたアイドルが売れなくなり、会社わクビにされ嫁や子供にも逃げられたんだ。その責任を取って貰うぞ」
リーダー格の男がそう言うと、拳銃を突きつけてくる。
「そうだ!そうだ!」
それに賛同するように、周りの男たちが声を上げる。
その光景を見ながら私は、死を覚悟した。
(私、死ぬのかなぁ。助からないのかな。)
死を覚悟したはずなのに、涙が溢れてくる。
(助けてよ。助けてよ。誰か、誰か助けて。)
その時、大きな音を立てて扉が開かれる。
「えっ‥」
私は、そんな気の抜けた声を出してしまう。
だって‥だってそれは、扉の所に来るはずのない人が、入って来る音だったのだから。
「大丈夫か?ことり。」
彼は、私の方を向いていつもの突きつけられた銃など一切気にしていない笑顔を見せてくれる。
でも、次に男達の方を向いた彼は、向けられていないはずの私ですら感じる、膨大な寒気を感じる何かを放っていた。
本能的に理解した、これは殺気だと。
それを受けて男達も理解したようだ。自分達はあの男の逆鱗に触れたのだと。決して開けてはいけないパンドラの箱を開けたのだと。
男達はその恐怖心から逃れるために銃を向ける。
そして、その恐怖心に突き動かされるように銃の引き金を引くことにより、3つの銃が火を噴く。
彼は、胸元から1丁のハンドガンを取り出した。
私には銃の名前なんて分からなかったが、後に聞くとあの銃の名前はベレッタM92F。
そして、飛んできた弾丸に向け、銃の引き金を3回引く。
すると、信じられないことが起こった。
男達が打った弾丸が彼が放った弾丸に撃ち落とされたのだ。
「ビリヤードってんだ。見た事ないだろ。」
そう言って、彼は不敵に笑う。
「ま‥まぐれだ!まぐれに決まってる!」
男達はそう叫ぶと持っている銃を打ち続ける。
でも、その都度彼等の弾丸は、彼に撃ち落とされる。だが、当たり前だが、先に彼の銃の弾が無くなる。
それをチャンスと見たのか、男達が撃ってくる。
彼は、すぐさまベレッタを仕舞い、小型のナイフを取り出して一閃。飛んできた弾丸を切った。それからも、彼は次々と飛んでくる銃弾を続けざまに斬っていく。
夢でも見ているのかと思った。
でも、次の瞬間彼が取りこぼした一発の銃弾が私の方めがけて飛んで来た。
「はっ‥はははははは!これで俺達の勝ちだ!」
リーダー格の男は、勝ち誇ったかのように笑う。
「チッ!クソ野郎が!」
彼は高笑いをしている男達には見向きもせずに、真っ直ぐこちらの走ってくる。
私はこちらに走ってくる彼を見て、叫ぶ。
「ありがとう‥」
そして、私は眼を閉じる。少しでも、死を見なくて済むように。だが、来るべきはずの衝撃が襲ってこない。
「‥生きるのを諦めるなよ。ことり。何がありがとうだって?」
彼の声がすぐそばで聞こえる。私が閉じていた目を開くとそこには、何かを掴んだような手があった。
(もしかして)
カラーン
彼が、手を開くと床に一発の銃弾が落ちた。
「さて、この落とし前つけさせないとな。」
彼がそう言うと、
「ひっ‥ひぃぃぃぃぃぃ!ばっ化け物ぉぉぉぉぉぉ!」
男達はそう叫びながら、すぐさま逃げ出した。でも彼は追いかけなかった。
「逃げられるわけないだろうに。あれだけ派手に銃撃戦しておいて、とっくに警察きてるっての。」
彼は、逃げ出した男達を横目に見ながらそんなことをぼやく。手に持っていたナイフで、私を縛っていたロープを次々と斬っていく。
「大丈夫だったか。ことり。怪我はないか。」
彼が、心配そうな顔で聞いてくるので私は、
「ことりは大丈夫。」
胸を張ってそう答えた。そんな時、銃弾を掴んでいた手から血が流れるのが見えた。それはそうだ。人が銃弾を掴んで無事なわけがない。
「その手!」
その言葉で彼は自分の手を見て、すぐに手を振って
「大丈夫だ。気にするな。それより、ことりは大丈夫か?」
そんな事を言うので
「私は大丈夫だよ!そんな事より、手当しないと!」
その言葉を聞いて彼は、安心したように
「そうか。」
と答えて、私の顔の前でポケットから出したハンカチを振った。すると、私は急に猛烈な眠気に襲われた。その睡魔に必死に抵抗していると、彼の声が聞こえて来た。
「チッ、いくらことりを助けるためとは言え、やりすぎた。ここまで派手にやらかしてしまうと、どうしようもねぇな。この地を離れなきゃ。この場所結構気に入ってたんだけどな。」
私は声を出すために抵抗する。
(やだよ。居なくなっちゃ。やだよ。まだ助けてくれたお礼も言えてないのに。)
思うだけが限界だった。私は、眠気に負けて眠りの中に沈んでいく。そんな私に、彼の付け加えたような呟きが聞こえて来た。
「化け物扱いは、もう勘弁だ。」
私は、暖かい何かに包まれながら眠りに落ちていった。
この小説を読んでくれた方全ての方に初めまして。暁幸村です。
何気に初投稿です。なにかといたらないこともあるかと思いますがご了承ください。
これから直してまいります。さて、本編についてお話ししましょう。
これは、ことり目線で描いた、恋愛小説です。
この世界では、基本原作と同じですが、一般に銃が解禁されていたりします。
多分この話は、ことりと彼が結ばれて幸せな生活を送り始めるところまで書いていこうと思います。
1話の長さが2000文字程度と少なくしているので、少ない時間でもすぐ読めると思います。
1週間に出来れば2話程度投稿していきたいです。
ここまで読んでくれた人は、ありがとうございました。
皆様の意見も、どんどん取り入れていきたいと思っています。
これからよろしくお願いします。