ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
ED「Fly Away」
「ねえ、美緒。あの4人はどうなの?」
「ああ、宮藤が言うには幸い外傷がなくただ気絶していたとのことなんだが、問題はあの黒づくめの少年と少女、それに・・・・・」
「エイラさんとサーニャさんのことね」
ミーナの言葉に坂本が頷く。
「ああ、確認のためエイラとサーニャの部屋を覗いたんだが、部屋には二人が寝ていた・・・・・まったくもって理解できん」
「同じ人物が二人・・・・・まさかドッペルゲンガーそれともネウロイが人に化けているのかしら?」
「わからない。とにかくその4人に訊いてみないとわからないな・・・・」
そう言い坂本さんはお茶を飲み二人は医務室へ向かうのであった。4人を医務室へ運んだあとその話は基地中に広まる。そして医務室ではその話を聞いて部屋で寝ているエイラとサーニャ以外の人物が医務室に集まって墜落し気絶した4人を見ていた。
「まさかこんなことって・・・・・」
「なんでエイラとサーニャが?二人は確か部屋で寝ているはずだろ?それにこの男は誰なんだ?それにこのぬいぐるみを持った少女も?」
「まさかネウロイが人に化けているのか?」
「いや、いや確かに一人は黒ずくめだけどさすがにネウロイじゃないんじゃない?」
「いいや、ハルトマン。お前も少しは疑ったらどうだ?それでもお前はカールスラントの軍人か?」
「そだよ?」
と、部屋の中、ペリーヌとシャーリーがそう言い、バルクホルンが警戒した目でそう言う中ハルトマンはそれを否定する。すると・・・・・
「ん・・・・・・」
ベットに寝ていた4人のうち一人、アイが目を覚ます。
「あ、目が覚めた・・・・」
「大丈夫?」
と、宮藤とリーネがそう言うが、アイは自分の手にぬいぐるみがないことに気付くと
「・・・・・ボコが無い・・・・・」
「え?ボコって・・・・ああ、あのぬいぐるみのことかな?はいこれ」
宮藤はベットの横の机に置いたアイのぬいぐるみを取りアイに渡す
「ありがと・・・・・・・キュ?」
アイはぬいぐるみを受け取るが、その時ぬいぐるみを渡した二人を見て目をぱちくりさせ
「・・・・・・宮藤さん?リーネさん?・・・・・あれ?宮藤さん。坂本さんと一緒に扶桑に帰ったんじゃないの?あ、あの・・・・それとここはどこですか?」
と、そう訊くと
「え?なんで私とリーネちゃんの名前を知っているの?それに扶桑へ帰ったって・・・・?あ、あとここはブルタニアの501統合戦闘航空団の基地だよ」
アイの言葉に宮藤はきょとんとする。するとアイは
「え?だってオペレーションマルスが終わってロマーニャにいた501は解散したんじゃ?それにブルタニア?また新しく結成されたの?」
「ロマーニャ?」
「オペレーションマルス?なんだそれ?」
アイの言葉に宮藤やシャーリーがきょとんとする
「501が解散!?それにロマーニャって何を言っているんだお前は!」
と、バルクホルンがそう言うとアイはその言葉にびくっと体を震わせると
「はいはい、落ち着いてトゥルーデー。こんな小さな子に 怒鳴ったらダメだろ?ごめんね~怖かったわかったでしょ?で、君の名前なんていうの?」
「・・・・・・アイ」
「アイちゃんかいい名前だね」
と、ハルトマンがバルクホルンをなだめて優しくアイにそう言うがアイは違和感を覚える
「(なんか変・・・・・みんな私のことを知らないみたいな言い方だし言葉も噛み合わない・・・・・)」
そう言いアイはきょろきょろとあたりを見ると隣のベットに疾風やエイラにサーニャが寝ていた。そしてアイは三人に近づき
「お父さん。お母さん。サーニャお姉ちゃん。起きて」
と、アイは三人の体を揺さぶり起こす
「え?お父さん?それにエイラさんがお母さんって?」
アイの言葉に宮藤が首をかしげていると
「「「ん・・・・・」」」
アイに揺り起こされて三人は目を覚ます
「あれ?・・・・・ここはどこだ?」
「確か私たちオラーシャ方面を飛んでいたいて・・・・・・」
「それで確か変な雷に打たれたんだよナ・・・・・」
と、三人はあたりをきょろきょろと見渡すと疾風が
「あれ?この部屋どっかで見覚えが・・・・・」
と、疾風がそう呟くと・・・・・
「あれ?芳佳ちゃん?なんでここにいるの扶桑に帰ったんじゃ?それにみんなも・・・」
「あ、ほんとダ。それにここは何処なんダ?」
と、サーニャが宮藤に気付き。首をかしげそう言う。確かにサーニャの言う通りだ宮藤は今、坂本さんと一緒に空母天城に乗って扶桑へと帰国しているはずだ。そしてほかのみんなもだ。数日前に分かれたばかりなのに?それにこの部屋やっぱりどこかで見覚えがあるんだよな・・・・・すると
「おい貴様。一体何者だ?」
と義姉さんが俺をものすごく睨んでいた。
「何者って・・・・・義弟の顔を忘れたのか義姉さん?」
「何を言っているんだお前は!私に扶桑人の弟なんていないぞ!!」
「代わりに妹がいるんだよね~ねえ~トゥルーデ?」
「ああ、目に入れても可愛い妹が・・・・・て、ハルトマン茶化すな!」
「おろ?」
いきなり怒鳴られ俺は驚く。顔の表情からして冗談を言っているようには見えないし、みんなを見るとなぜか警戒したような目で見ている。何かが変だ。まるで俺やアイのことを知らないのような感じだ。
「み、みんなどうしたんダヨ。疾風のこと睨んで・・・・」
と、エイラもみんなの様子に違和感を感じそう言うが
「この人疾風さんって言うんですかエイラさん?」
「宮藤何言ってんダ、お前?もうずっと一緒に戦ってきた仲間じゃないかよ?」
「え?エイラさん。何言っているんですか?私その人と初めて会ったんですけど?」
「ハアァ?」
宮藤の言葉にエイラはきょとんとする。なぜだか話が噛み合わない。すると・・・・
「もしかして・・・・・」
サーニャが何かに気付いたのか
「あ、あの・・・・・・今何年ですか?それにここは?」
「え?サーニャ?」
サーニャの言葉にエイラは首をかしげると・・・・
「今は1944年だよ?それにここはブリタニアの501の基地だよ?」
「「「っ!?」」」
ルッキーニの言葉に4人は驚くそして
「ちょっとタイム!!」
と、俺がそう言い俺とエイラ、サーニャ、アイは円陣を組む
「おい、エイラ。これって・・・・・・・タイムスリップってやつか?」
「み、みたいダナ。それにこの部屋、ブリタニアに会った基地と同じダ。いや、同じというよりはそのまんまダナ」
「でもこんなことって起きるの?」
「起きるんじゃないか?俺だってもともとは別の世界の人間だし・・・・・・」
「そう言えば疾風さんは異世界の人でしたよね・・・・」
「でもなんで私たちが過去の時代に来たんダヨ?アイ何かわかるか?」
「恐らくですが、あの時、私たちの真上に落ちた雷が原因かもしれませんお母さん」
「あの雷がかアイ?」
俺がそう言うとアイは頷き
「はい。あの雷が私たちに落ちた直後、何か次元の歪みみたいなものを感じました。恐らくあの雷が落ちた後次元が歪んで、その歪みに私たちは吸い込まれたんだと思います」
「なるほど・・・・・・・それで過去に・・・でもちょっとおかしいぜ」
「ん?何がだ疾風?」
「さっきルッキーニが言っていた年月と日付だよ。その日て確かルッキーニがみんなのズボンを盗んだ日の数日後だよな?」
「ああ、それがどうしたんダヨ?」
「1944年ごろのみんながアイのことを知らないのはいざ知らず。その日は俺もいたはずだ。なのに今の皆の表情を見るからには俺のことを知らないのは変だ」
「確かにちょっと変?その頃には疾風さんが501のメンバーだったはずなのに・・・・・」
「言われてみればちょっと違和感があるナ?」
と、俺たちが小声で話していると
「何をこそこそ話している!怪しい奴めまさかネウロイじゃないだろうな!!」
と、姉さんがものすごい殺気立ち警戒した目でそう言う。すると・・・・
「なんか騒がしいナ~どうしたんだよ?」
「眠い・・・・」
「「「っ!?」」」
と、向こうのドアから眠たそうに眼をこすりながら入ってくる二人組を見た。いろいろと覚悟はしていたがその二人は俺がよく知る二人であった。
「お母さんとサーニャお姉ちゃんが二人?」
「ああ・・・やっぱりタイムスリップかな?」
と、アイが驚き。俺はなぜか納得したような顔をしエイラはというと
「ん?・・・・・・・うぇい!?ナナナナ!?サーニャが二人!?それになんで私がいるんダヨ!?」
「あまり驚くなよ。私だってびっくりしてんだからナ。でも自分と会うのはやっぱちょっと気味悪いナ~」
とエイラが自分の顔を見て驚いた表情をし、サーニャは
「・・・・・・こ、こんにちは」
「・・・・・・こんにちは」
と、なぜか普通に挨拶している。たぶん頭の中ではパニックになっていると思うけど・・・・・そして
「一体どうなっているんだ。おい、そこの黒ずくめの貴様!説明しろ!!」
「く、苦しい~目、目が回る~!!」
と、義姉さんは少しパニック状態になり俺の胸ぐらを掴みブンブンと振る。あ、ヤバイ意識が・・・・・
「やめなさいバルクホルン大尉。」
「しかしミーナ!!」
「いいからやめなさい」
と、ミーナさんにそう言われてバルクホルンは渋々俺を下ろす。やばい、彼女なりに手加減してはくれていたみたいだけどあと数回シャッフルされていたら完全に意識が飛んでいた。
「で、お前は達は一体何者なんだ?」
と、今まで黙っていた坂本さんが刀を突き付けてそう言うのであった。
「それが少しややこしい話になるんですが・・・・・・」
と、そう言い俺は坂本さんたちに今までのことを説明するのであった。こうして