ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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すみません前作で書いた予告の内容がまとまっていないため特別コラボは劇場版編後になります。本当に申し訳ございません

op「INNOCENCE」

ED「Fly Away」


第4章 Extra Edition編
第91話「並行世界へ」


オラーシャ上空

 

 

「ふう~だいぶ慣れてきたとはいえやっぱオラーシャの寒さは堪えるな・・・・・」

 

「そうか?これでもまだ涼しい方ダゾ?」

 

「無理言っちゃダメよエイラ、疾風さんは寒い季節が中心のスオムス出身のエイラやオラーシャの私たちとは違って疾風さんは寒さにはあまり慣れていないんだから・・・・アイちゃんは寒くない?」

 

「ううん。大丈夫寒くない・・・・平気」

 

と、俺たち4人は今オラーシャ上空を飛んでいた。あのヴェネチア戦の後501は解散し各自自身の国に戻ったり別の部隊へ配属になったりしている。魔法力を失った宮藤や坂本さんは祖国である扶桑へ帰り、シャーリーとルッキーニはロマーニャに、義姉さんたちカールスラント組はベルギガ王国のサン・トロン基地に、エミリアはなんか自分探しの旅に出るとかでどこかへ旅立っていったが、まあ。あいつ別れる前に『ボルシチとかピロシキ、一度でいいから食べてみたい』とか、なんとか言っていたからきっとオラーシャ方面に行ったと思う。となると近いうちに会う可能性があるな。で、俺とアイ、エイラとサーニャはというと解散後、すぐに転属の書類が来た。転属先は502ブレイブウィッチーズだ。それを聞いたミーナさんは『グンドュラたら…そう言うのは行動が速いのね』と、頭を抱えたり義姉さんは『疾風、あの女たらしがアイにちょっかい出したらすぐに知らせろ。私直々に出向いてあいつの根性叩き直す』とか言ってたな・・・・・まあ気持ちはわかる。で、今俺たちは502にユニットで飛んで向かっていた。

最初は汽車で行く予定だったのだが途中の雪崩のせいで線路が通行止めになり行くことが出来ず仕方なく今は汽車の後ろに乗せてあったストライカーユニットを履いて502へと向かっていた。ちなみにアイは足をネウロイユニット化して飛んでいた。すると

 

「アイ。嬉しそうだけど、どうしたんダ?」

 

と、エイラが隣に飛んでいるアイにそう訊く。アイは何やら楽しそうにぬいぐるみを抱いて嬉しそうに鼻歌を歌いながら飛んでいる。

 

 

「うん。だって502にはアウロラ伯母様やひかりさんたちがいるから」

 

と、ウキウキしながらそう言う。そう言えばアイはひかりやアウロラさんに懐いていたっけな。アイの持っているぬいぐるみだってアウロラさんの手作りだしな。

 

「そっか・・・・それは良かったなアイ」

 

「うん♪」

 

俺の言葉にアイが嬉しそうにそう言うと、エイラは胸ポケットから煙草箱ぐらいの大きさの箱を出し

 

「あ、疾風サルミアッキ食べるカ?」

 

「ああ、ありがとうエイラ」

 

「アイもどうだ?」

 

「うん!」

 

と、俺とアイはエイラからサルミアッキをもらう。

 

「サーニャはどうダ?」

 

「わ、私は遠慮するよエイラ・・・・・」

 

「そうか・・・・・」

 

エイラはサーニャにも勧めるのだったがサーニャは苦笑しながら断るのであった。

 

 

 

 

 

 

一方、502基地では、ラル少佐が机の上に座り書類を見ていた。するとそばにいたロスマンさんが

 

「隊長。今日は疾風さんたちが502に配属される日ですね」

 

「ああ、501が解散したという情報を聞いてすぐに動いて正解だったな。聞けば疾風大尉を欲しがって各国から彼を勧誘していたらしいからな」

 

「はい。501の中で彼は扶桑の宮藤軍曹と並びヴェネチア奪還に貢献したウィザードですから・・・・・・・」

 

と、ラル少佐の言葉にロスマンが頷く。そうあの戦いの後、疾風は各国の統合戦闘航空団からウィザードとして勧誘されていた。特にアフリカや503そして502が彼に目をつけていたのだがラル少佐が一足早く、彼の転属所にいろいろと手を加え疾風の他にエイラやサーニャをゲットすることが出来たのだ。

 

「そう言えば隊長。噂では彼のことを書いた本が出版されるみたいです。確か内容は・・・・」

 

「『黒の剣士』だそうだな」

 

「隊長知っていたのですか?」

 

「ああ、ある程度のことは知っている。それに菅野がいつ出版されるかと楽しみにしていたしな‥‥…それで今4人はどうしている先生?」

 

「先ほど駅舎に迎えに行っていたアウロラ大尉からの話によると、4人を乗せた汽車が途中、雪崩に会って通行止めになったそうです。それでその汽車の車長の話によりますと4人は貨物室に置いてあったストライカーユニットを履いて汽車から飛んでいったそうです」

 

「そうか・・・・・無事にこちらに着くといんだがな」

 

「心配なのですか?」

 

「ああ、それになぜかジブリールにつけられた傷が疼いてな・・・・・」

 

「何事も起きなければいいですね」

 

「ああ・・・・・・そうだな」

 

ロスマンの言葉にラル少佐は頷きそして壁に掛けられた時計を見るのであった 

 

 

 

 

 

 

一方その頃疾風たちは・・・・・

 

「もうそろそろ502基地が見えるはずなんだけどな~それに雲行きも怪しくなっているしな」

 

「ソウダナ。私も長い間飛んでいるけど、こんな雲行き初めて見たゾ」

 

「私も初めて見た」

 

と俺たちは502基地へと目指して飛んでいた。もうそろそろ着くはずなのだが、一向に502の要塞基地はおろかあの湖も見えない。まるで同じところをぐるぐると飛んでいるみたいだ。その上さっきまでは快晴だった空も今ではどんよりと怪しい雲行きとなってところどころ雷鳴が轟ているいる。なんだろうなあの雲・・・・普通の雲と違って何やら怪しい感じだな。ここは急いで基地に向かったほうがよさそうだ

 

「とにかく急ごう。なんだか嫌な予感がしてきた」

 

「ソウダナ。確かに急いだほうがいいな」

 

「なんでエイラ?」

 

「お母さん?」

 

と、エイラの言葉にサーニャとアイが首をかしげるとエイラはいつの間に出したのか一枚のタロットカードを持っていた。そしてエイラは

 

「さっき嫌な予感してタロット占いをしてみたんダ。そうしたら逆位置の塔のカードが出てきたんだ」

 

「「「縁起でもない(です)」」」

 

俺たちはエイラの言葉に苦笑する。塔のカードって確か正位置でも逆位置でも悪い意味しかなかったけ。そう思うとやっぱり縁起が悪い。因みに逆位置の塔のカードの意味は「災難」や「受難」だそうだ

 

「まあ、タロットのことは置いといて、こんな雲行きだ案外エイラの言った通りになったりしてな」

 

「そうだろ?私の占いはよく当たるんだ」

 

「お父さん。あまりそう言うのは言わないほうが・・・・・ほんとに起きたら大変ですよ?」

 

「そうですよ疾風さん、エイラ。噂をすればなんとやらというし・・・・・」

 

「「ゴメン・・・ゴメン・・・」」

 

と、俺の言葉にエイラはうんうんと頷く。するとサーニャやアイがジト目で俺たちを見てそう言うと俺とエイラは素直に謝るのであった。

 

「それにしてもまだ着かないカナ~」

 

「ああ、それは俺も同じ気持ちだよ。もう、かなり飛んでいるけど全然、ペテルブルグが見えない」

 

「確かに少し変・・・・・・?」

 

と、サーニャが言いかけた時だった。急にサーニャの魔導針が反応し、アイも何かに反応する

 

「ん?どうしたんダ?サーニャ?アイ?」

 

とエイラが首をかしげると

 

「何かくる・・・・・」

 

とアイがそう言うと急に俺たちの頭上からゴロゴロと雷鳴が鳴り響く。するとエイラがはっと見開き

 

「み、みんな避け・・・・・っ!!」

 

とエイラが大声でそう言いかけた瞬間、雷が俺たちの真上に落ち、そして俺たち4人はその光に包まれるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1939年それはなんも前触れもなく我々人類の前に現れた。人類はそれを『ネウロイ』と名付けた。ネウロイはどこからそして何の目的で現れたのか不明であったが彼らの攻撃で生まれ育った町や国を追われたのは事実であった。それに対抗すべく人類は対ネウロイ用新兵器を開発した。魔法力を持った少女、ウィッチのみが装着でき飛行を可能にするストライカーユニットである。これを操りネウロイと戦うべく、世界各国からウィッチが集結した。そしてそのネウロイと戦うべく集められた精鋭部隊の名は第501統合戦闘航空団『ストライクウィッチーズ』であった。

 

時は1944年ガリア501統合戦闘航空団基地、

 

「はぁ~今日の坂本さんの朝の訓練、疲れたね。リーネちゃん」

 

「そうだね芳佳ちゃん」

 

と、基地の庭で宮藤とリーネは坂本さんの朝の訓練を終えて、いま基地内を歩いていたのだ

 

「そういえば芳佳ちゃん。昨日は大変だったね」

 

「そうだね。ルッキーニちゃんがみんなのズボンを取っちゃって」

 

「でも、あれ実はハルトマンさんがルッキーニちゃんのズボンを黙って取ったのが原因だったんだよね」

 

「うん。あの後ハルトマンさん、バルクホルンさんに怒られたらしいよ」

 

と、そんな話をしながら歩いていると

 

「おう、宮藤、リーネ。おはよう!」

 

「あ、シャーリーさん。ルッキーニちゃんおはようございます」

 

と、宮藤たちはシャーリーとルッキーニに偶然出会う。すると・・・・

 

「うじゅ・・・・・・」

 

と、ルッキーニは何やら元気がなく涙目で頭をさすっていた

 

「あれ?ルッキーニちゃん。その頭のたんこぶどうしたの?」

 

と、リーネがそう言う。そう、ルッキーニの頭には大きなたんこぶが出来ていた

 

「その件でさ、ちょうど宮藤を探していたんだよ」

 

「え?私をですか?」

 

「ああ、実はルッキーニの奴がさ、木の上で寝ている最中、寝ぼけて落ちたんだよ。治療してくれないか?」

 

「ああ、はい!ルッキーニちゃん。待っててね。すぐに治してあげるから」

 

と、そう言い宮藤は両手を広げルッキーニのたんこぶに手をかざすと、彼女の固有魔法である治癒魔法が発動しルッキーニのたんこぶが引っ込む。

 

「これで治ったよルッキーニちゃん」

 

「ありがと芳佳」

 

「良かったなルッキーニ。もう、落っこちるんじゃないぞ」

 

「うん!・・・・・・・・あれ?」

 

と、シャーリーがそう言うとルッキーニが空を見上げて首をかしげる

 

「どうしたのルッキーニちゃん?」

 

「あれ?何か落ちてくるよ?」

 

「「「え?」」」

 

るっきにの言葉に三人は上を見上げると空から4つの何かが降ってくるのがわかった。そしてその4つの影は宮藤たちの目の前にある茂みに落下した。

 

「落ちたぞ!?」

 

「え!?何が落ちたの!?」

 

「もしかしてネウロイ!?」

 

と、宮藤たちがうろたえていると

 

「ん?どうしたんだ宮藤、それにシャーリーたちも?」

 

「あ、坂本さん」

 

と、そこへ坂本さんがやって来た

 

「あ、あの、何かが空から落ちてきたんです」

 

「空から?それはどこにいる?」

 

「はい。あそこの茂みの方に・・・・・」

 

と、宮藤が指を指すと、坂本さんがその茂みに歩みより宮藤たちも坂本さんについていく。そして坂本はその落ちてきた物の正体を見た

 

「これは・・・・・人だな・・・・・なっ!?」

 

「どうしたんだ少佐?・・・・・・て、え!?」

 

「嘘!?」

 

坂本が見たのは見たこともないストライカーを履き黒いロングコートに黒い服を着て背中に刀を差した女性っぽい人とその隣に銀髪のサイドテールでクマのぬいぐるみを抱きしめる幼い少女とその奥には宮藤や坂本さんや宮藤がよく知っている二人が気絶していた。

 

「坂本さん。気絶している4人のうち二人は・・・・・」

 

「エイラにサーニャ!?馬鹿なあの二人は部屋にいるはずじゃ・・・・・」

 

そう、奥にいた二人は、今部屋で寝ているはずのエイラとサーニャであった。

 

「何がどうなっているんだよ。それにエイラトサーニャと一緒にいるこの二人は・・・・・・」

 

「と、とにかく。医務室に運びましょう!」

 

「ああ、そうだな宮藤。シャーリー、リーネ。悪いが手伝ってくれ」

 

「「了解!」」

 

そう言い坂本以下シャーリーや宮藤たちはその4人を医務室へ運ぶのであった。そして坂本さんは

 

「(なにがどうなっているんだ?それにあの黒服の奴とあの少女・・・・いったい何者だ?)」

 

と不思議に思うのであった。

 

 

 

 


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