ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「Ignite」

ED「Los! Los! Los! 」


第41話「漆黒の鉤十字」

2016年12月16日アルデンヌ上空。その空では多数の戦闘機による激しい空中戦が繰り広げられていた。その中を飛ぶのは日本国軍の紫電改。対するのはナチス第四帝国の戦闘機fw190(ヴュルガー)だった。機関銃に機関砲。いろんな弾丸が飛び交う中、三機のfw190が一機の紫電改を襲う。その紫電改には赤い二本のストライプ模様があった。

 

「レッドファイターくだばれっ!」

 

「Fahr zur Hölle yup!!(地獄に落ちろ!ジャップ!)」

 

そう言い三機のうち二機が紫電改に向かって機銃掃射する。しかしその紫電改はすらりとその攻撃をかわし、相手の背後を取りそして・・・・

 

ドドドドドッ!!!

 

紫電改の20ミリと機首の13㎜機銃が瞬く間に二機の戦闘機を撃破した。

 

「くそっ!レッドファイターめっ!」

 

一機のfw190のパイロットが悪態着く

 

「二人の敵討ちだぁ!」

 

そう言いそのパイロットはレッドファイター・・・・疾風の乗る機体に突撃しようとする。しかし・・・・

 

『待ちなさい』

 

急にパイロットの無線から声が流れるするとパイロットの乗る戦闘機の横に一機のfw190が現れる。そのfw190は黒とダークグレーの迷彩柄で尾翼には頭部に短剣が刺さった髑髏マークがあり胴体には白縁取りのハーケンクロイツが印されてあった。

 

「隊長っ!?」

 

「クラリッサ。ほかの皆も手出しは無用よ。あのレッドファイターは・・・・・ヤーパンのエースパイロット疾風村正は・・・・・この武装親衛隊301戦闘隊隊長のエミリア・ハルトマンが落とすっ!」

 

そう言って彼女エミリアハルトマンは疾風気に突っ込む。そして疾風はそれをかわし得意の巴戦に持ち込む。エミリアも負けずとその巴戦に入った。そして互いまるで犬が自分のしっぽを追いかけまわすかのようにぐるぐると回る。

 

「くっ・・・・」

 

「うっ・・・・」

 

二人の身体は強力なGがかかる心臓や内臓を抉り出されるような痛みが二人を苦しめる。しかしここでやめるわけにはいかないやめれば待ち受けるのは死ただそれだけだった。だが二人は互いに右と左に分かれる。そして互いの機が正面に向かうような態勢になった。いわゆる正面撃ちだ。

 

「「今度こそ決着をつける!」」

 

そう二人はそう思いそして二人は機銃の引き金を引くのだった・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥て・・・・疾風?・・・・・・疾風!」

 

「はっ!?・・・・」

 

気が付くと疾風はあの戦場ではなく。ブリーフィングルームの席に座っていて目の前にはエイラが心配そうにのぞき込んでいた。

 

「あ、ああ・・・・エイラか」

 

「ああ…じゃないよ。一体どうしたんだ?今朝からボーとして会議終わった後も居眠りしてるっと思いきやうなされてたし・・・・」

 

「だ、大丈夫ですか疾風さん。顔色もあまりよくないですけど・・・・」

 

宮藤たちも心配そうに言う。

 

「え?ああ。大丈夫だよ。少し昔の夢を見ただけだ」

 

「昔の夢?因みにどんな夢だったんだ?」

 

シャーリーも興味本位で聞く。俺は今朝見た夢の事を話した。

 

「‥…武装親衛隊?」

 

「ああ・・・ナチス第四帝国・・・・こっちのの世界のカールスラントの陸空軍の中の精鋭軍で幾度となく戦った一番の宿敵だよ。」

 

「カールスラント・・・・疾風お前はカールスラントと戦争をしていたのか?」

 

「正確に言えばドイツを乗っ取ったテロリスト集団と戦争をしていたって言ったほうが正しかな?」

 

武装親衛隊。旧ナチスドイツによって始まった武装親衛隊をさらに強化した軍団。漆黒の軍服に白文字のssが特徴で陸軍空軍の精鋭の中のさらに精鋭を選りすぐったまさにナチス最強部隊。卓越した腕と死をも恐れない闘志で連合軍から恐れられた。

 

「そんな部隊がいたのか・・・・」

 

坂本さんも俺の話を聞きそう言う。

 

「ええ、特に戦闘機部隊の第48航空隊301戦闘隊の隊長は文句なしに強かった。その隊長機とは幾度か一対一で闘ったが 結局 決着はつかずじまいだったな・・・・」

 

俺はそう言うと

 

「疾風大尉。なぜか親しみそうに言いますね・・・敵じゃなかったのですか?」

 

「ああ、確かに敵ではあったが私怨はなかった。立場は違えど互いに己の命と信念を懸けて闘った事に変わりはないよ。そのこと考えるとともに戦った仲間と同じくらい親しみを感じているのかもしれないな・・・・」

 

そう言い俺は窓の外を見る

 

「(それにしてもなんでそんな昔のことが夢に出てきたんだ・・・・・・?)」

 

 

 

 

 

 

 

それからその午後、坂本少佐の指導の下で俺も含め宮藤たちと一緒に訓練をした。しかし・・・・

 

「「「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」」」

 

ペリーヌ・リーネ・宮藤の三人は最初のウォーミングアップである基地周辺の10周ランニングの3週目でばてていた。

 

「どうしたんだ三人とも疾風より4周遅れているぞ!」

 

「明らかに体力不足ね・・・」

 

「北欧の前線で戦っていた疾風はともかく、あの三人はブルタニアの戦いの後、軍から離れていたからな・・・・半年以上のブランクだな・・・」

 

ミーナさんと坂本少佐は困ったような顔をしてそう言う

 

「昨日の飛行訓練でもあの三人は問題が多かったぞ」

 

確かにこう宮藤たちは何度も接触衝突など問題が多かった。このまま実戦に出すのは危険だな・・・・・すると坂本さんは三人の所に向かってそしてこう言った。

 

「宮藤、リーネ、ペリーヌ!お前たちは基礎からやり直しだぁ!」

 

「「「は、はい!」」」

 

と、言うことで三人はとあるところに修行しに行くことになったのだった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロマーニャ上空。三人はストライカーユニットでとある場所に向かっていた。すると、小さな小島が見えてくる。ただその小島はヴェネツィアの大陸に行けるための石橋がかかっていた。坂本から預かった指定場所の地図をペリーヌが見る。そこに書かれた地図の目的地は先ほどの小島を指していた。

 

「……あそこですわ」

 

そう言い三人はその島に向かって降下する。降りてみるとそこはなんも変哲もないのどかな自然がありその中で遠くに一つの家がポツンっと立っていた。三人はあたりをきょろきょろ見渡す。

 

「本当にここが訓練所なんですか?」

 

「少佐から頂いた地図だとここで間違いありませんわね」

 

リーネの言葉にペリーヌは地図を見ながらそう言う。そう実は三人の目的地っというのはウィッチの訓練所のことだった。しかしどんなにあたりを見渡しても訓練所らしきものは見当たらなかった。

 

「誰もいないよ・・・・・・あっ!」

 

「どうしたの芳佳ちゃん?」

 

「あそこに人がいるよ」

 

宮藤が指さしたところに人らしき人物が歩いていた。

 

「あの人に訊いてみよ。もしかしたら訓練所の場所知ってるかもしれないし」

 

「そ、そうですわね・・・・」

 

そう言い三人はその人物のところに向かいそして声をかける

 

「あ、あの!すみません」

 

「‥…何?」

 

声をかけられた人物は振り返り答える。その人物は金髪の長い髪に青色の瞳をした女性だった。しかも変わったことに彼女は女が着るズボン(パンツ)じゃなく男物のズボンをはいていてハルトマンと同じような黒い軍服みたいな服を着ていた。

 

「すみませんちょっと聞いてもいいですか?」

 

「何を訊きたいの?」

 

「あの、ここいら辺にウィッチの訓練所があるって聞いてきたのですが・・・」

 

リーネがそう言うとその女性は目を細める。そして3人にこう聞き返す。

 

「もしかして……501のウィッチさん達ですか?」

 

その言葉を聞き二人は驚くがペリーヌは

 

「あ、あのもしかしてあなたアンナ・フェラーラさんの関係者ですか?」

 

アンナ・フェラーラとは歴代のウィッチ達の多くを育てて来たという有名な訓練教官のことで、三人が会いに行く人物だ

 

「ええ、そうだけど?あなたたちのことはあなたの上官やアンナさんから聞いているわ」

 

「あ、あの・・・あなたは?」

 

「私はここでアンナさんのお手伝いをしているものよ。そういえば、くそば・・・・アンナさんを探しているんですよね?」

 

「ええ、そうですわ。行方をご存知で?」

 

「はい、アンナさんでしたら・・・・・・」

 

そう彼女がそう言い指一本を上に向ける。三人は上を見上げると丸い何かが落ちてくるのだった。

 

「「「うあああああああっ!!?」」」

 

三人は驚いて急いで避ける。落ちてきた物の正体は馬鹿デカいたらいだった。

 

「惜しい…あともう少しでドリフ大爆笑だったのに・・・・」

 

三人に聞こえない声で彼女がそう呟く

 

「ネウロイ!?」

 

振り向きざまにブレン軽機関銃を向けるペリーヌだが、

 

「誰がネウロイだ!」

 

落ちてきたたらいから声がする

 

「ひゃっ!喋った!」

 

「どこを見てるんだい上だよ上!」

 

そう言う声が聞こえ三人は上を見るするとそこには箒にまたがって宙を飛んでいる一人の老婆がいた

 

「挨拶もなしにうちの庭に入るなんて、近頃の若いもんは躾がなってないねぇ」

 

彼女はやれやれっという風に首を左右に振る

 

「おかえりなさい。アンナさん。お客さんが来ているわよ」

 

「おや、ご苦労だねミリア。で、あんたたちは?」

 

「あ、あの・・・もしかしてアンナ・フェラーラさんですか?」

 

「そうだよ」

 

リーネがそう尋ねると老婆は不機嫌そうにそう言う。すると宮藤が彼女の前に出て

 

「私達、坂本少佐の命令で訓練に来たんです!ここで合格をもらうまでは帰るなって言われました!」

 

宮藤が真剣な目でそう言うとアンナはめんどくさそうにため息をつき

 

「はぁ……とりあえず、その足に履いてるもん脱ぎな。ミリア。ユニット置き場の場所、案内しておやり」

 

「あいよ。じゃあ、三人ともついてきて」

 

「は、はい。」

 

そう言い三人は彼女についていきしばらくして納屋につくそこで三人はユニットは脱いで干し草の上に置く

 

「あ、あの。案内してくれてありがとうございました」

 

宮藤が案内してくれた少女にお礼を言う

 

「いいよ。お礼なんて私はこれから水くみに行ってくるわ。それよりもあなたたち訓練を受けるのでしょ?」

 

「は、はい」

 

「アンナさんの訓練は厳しいから頑張ってね」

 

そう言い三人の肩をポンっとたたき納屋から出ようとする。すると・・・

 

「あ、あの!」

 

「何?」

 

すると宮藤が呼び止める

 

「まだ名前を聞いていなかったので、そのできればでいいんですけど名前を教えてくれませんか?」

 

宮藤がそう訊くと

 

「私?私は・・・・・・・・・」

 

彼女は少し間を置くそして・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥……私の名前はエミリア・ハルトマンよ」

 

 

そう答えるのだった・・・・

 


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