ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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第215話「ゆりかの悔しさ、麗央の特訓」

ネウロイの襲撃により、ゆりかは負傷し宮藤診療所に運ばれた。そしてその知らせを受け、疾風とガーディアンウィッチーズの主治医である永琳もやってきた。

幸いなことにゆりかの命に別状はなかったが、深手のためしばらく宮藤診療所に入院することになってしまう

そして疾風はゆりかの見舞いに来ていた

 

「すみません隊長。情けない話です」

 

「いいや。虹野が謝ることじゃないよ。それにこれくらいの怪我で済んでよかった」

 

「ですが隊長。私は本当に情けないです。ネウロイも倒せず・・・・私何もできませんでした…私っていつも役立たずで、ここに来て以来一度もネウロイを倒せてません・・・・いつも怖くなって逃げて・・・・・そしてこんな怪我をして・・・・・私情けないですよね?」

 

うつむきそう言うゆりかに疾風は

 

「そんなことはないと俺は思うぞ。少なくともガーディアンウィッチーズのみんなはそうは思っていない」

 

「でも・・・」

 

「確かに虹野軍曹の個人での撃墜スコアはない。だが、他のみんなが攻撃できるようにサポートしたり、そして誘導射撃をして敵をキルゾーンへ誘導したり影ながらもみんなとともに戦っているじゃないか」

 

「隊長・・・・」

 

疾風は宮辺の戦果報告以外に戦闘機に乗り彼女の戦いを見ていた。確かに虹野はネウロイを単機撃墜はしていないが仲間が撃墜しやすいようにサポートに回っていた。その行動を疾風はちゃんと見ていた

 

「それにな俺は虹野軍曹が役立たずとは思っていないよ。それはみんなも同じだ。それに虹野のおかげで命を救われた人もいる」

 

「・・・・え?」

 

疾風の言葉に虹野は首をかしげるとドアが開き

 

「ゆりかさん。怪我の状態は大丈夫ですか?」

 

そこへ宮藤が入ってきた

 

「宮藤さん・・・・・はい。今のところ大丈夫です」

 

「そうかーよかった」

 

と、宮藤は安心し笑顔でそう言うとゆりかの隣にいた疾風は

 

「もし、虹野が咄嗟に宮藤のことを守らなければ今頃、宮藤の命はなかった。君が救ったんだぞ。大丈夫だ。君は役立たずなんかじゃない。俺が保証するよ」

 

「隊長…」

 

そう彼女を励ました

 

「宮藤。俺の部下が世話になったな。あと虹野軍曹の手当てをしてくれて本当にありがとうな」

 

「いえ。助けられたのは私の方です。私は何もできませんでした」

 

「いや。そんなことはないよ。宮藤が止血し手当してくれなければ、虹野はかなり危ない状態になっていたと君のお母さんと永琳先生が言っていたぞ」

 

「でも・・・・」

 

そう言う宮藤の顔は少し暗かった。あの場にいて自分は何もできなかった。もし魔法力があったらと思うと・・・・宮藤はそう考えていた。

その表情を見たゆりかはすぐに話題を切り替えた

 

「あ・・あの。そう言えば麗央さんは?麗央さんも怪我をしていたはずですけど・・・・」

 

そう言うゆりか。確かに麗央はあの戦いで怪我を負った。その麗央がこの場にいないことをゆりかは訊いた

 

「ああ・・・麗央なら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

診療所近くの森の中

 

「はあぁぁーーーーー!!!」

 

森の中で麗央は先を尖らせた丸太に向かっていく特訓をしていた。気に釣り振り子ののように飛んでくる丸太に向かい真正面から捌き敵の突進に対するコツを掴もうとする特訓をしていた

だがよけきれず杭が体をかすり生傷が増える

 

「(このままじゃダメだ!早くこれを捌けるコツを掴まないと・・・・ゆりかさんの仇が取れない!)」

 

麗央は焦っていた。仲間を傷つけたネウロイに手も足も出ないまま負けてしまった。そして突如現れネウロイを倒した女。のちに疾風からキーラという名前の女のように向かっていくためにはこの方法しかないと思っていた。

麗央が特訓をする中、その場に疾風がやってきた。そして疾風はその特訓を見ると

 

「(・・・ダメだな。その方法だとあのネウロイは倒せない・・・だが、まずはそれでいい。負けた相手に何か対策練ろうとする心構えは立派だ。まずは立ち上がり、前に進むことだ。それがたとえ間違っていようと・・・・だが、そろそろ止めないとな)」

 

そう思い静かに見守っていた疾風は麗央のところに向かおうとすると、そこへ宮藤がやってきた

 

「鳳さん!何をしているんですか!?」

 

怪我をしているのにも関わらずに危険な特訓をしているところを見た宮藤は慌てて麗央のもとに行こうとする。

 

「あ!宮藤さん!それに隊ちょ・・・・」

 

二人の存在に気づき、振り向いた瞬間・・・・

 

グサッ・・・・

 

「「あ・・・・・・」」

 

麗央の額に先のとがらせた丸太が麗央の額に直撃した

 

「ぎゃああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーー!!!!!」

 

麗央は悲鳴を上げて丸太が直撃した額を手で覆いのた打ち回る

 

「お、鳳さん!?」

 

「今のは完全に頭を射抜いたな・・・・」

 

「そんなこと言っている場合ですか疾風さん!」

 

「そ、そうだったな!お、おい麗央!しっかりしろ!!」

 

二人は慌てて麗央を診療所に運ぶのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び診療所

 

「まったく。せっかく怪我の治療をしたのにあなたはまたこんな怪我をして…私と清佳が治療しなかったら死んでいたわよ。それ以前にあなた馬鹿ですか?」

 

永琳先生と清佳の治療で何とか一命をとりとめた麗央。そして永琳先生に説教をされていた

 

「うう・・・・・すみません」

 

「それに麗央。危険な特訓をするときによそ見をするのはお前の自業自得だ。逆に考えろ。これが実戦だったらお前は死んでいるぞ?」

 

「返す言葉もありません・・・・・・」

 

二人に注意され頭に包帯を巻き反省する麗央。そして疾風は軽くため息をつき

 

「まあいい・・・・・麗央。少し話があるから少し来い」

 

「は、はい」

 

そう言い疾風晴れを連れていったん部屋を出た

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・え?そ、そんな・・・」

 

「俺は事実を言っているだけだ。お前の特訓にどうのこうのいう気はない・・・・・ただあのやり方じゃそのネウロイを倒すことは出来ない」

 

「で、ですが隊長。アイツに挑むには真正面か挑まなければいけません!それならまずは・・・・」

 

疾風が麗央を呼び出した理由はその特訓法では麗央を襲ったネウロイを倒すことは出来ないという物だった

 

「別にそれは否定しないよ。ネウロイの倒し方なんて千差万別だ。だがお前のそのやり方じゃダメなんだ。麗央。お前が捌いていたあの丸太には意思があったのか?」

 

「い、意思?」

 

「お前たちを襲ったネウロイはお前を殺す気で向かってくるんだ。だがあの丸太はお前を殺そうとする意志はあったのか?」

 

「・・・・・・・」

 

「あの丸太に、お前を憎しみ突き刺す心はない・・・はっきり言ってそれでは実戦では何も役に立たない」

 

と、はっきりそう言う疾風。確かに意思を持ち本気で殺そうとするネウロイに対し、麗央が特訓していたのはただの丸太。振り子のようにただ動いているだけで本気で麗央を殺そうとする心はない。そんな特訓は役に立たないと疾風はそう言うと麗央は

 

「じゃあ、どうすればいいんですか!道具相手では絶対にできない訓練ですよ」

 

そう言うと疾風は

 

「安心しろ。その特訓については俺がもう思いついている。だが麗央。この特訓はかなり危険だそれでもやるか?」

 

「はい!ゆりかに怪我をさせたアイツをどうしても倒したいんです!」

 

「・・・・わかった。だが今日はもう遅い。特訓は明日やる。それまでに診療所で体を休め・・・・いいな?」

 

「は・・・・はい(あれ?前回でもこんな展開があったような・・・・ちょっと嫌な予感がしてきた・・・)」

 

麗央は疾風の用意する特訓に若干の嫌な予感を感じるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、その翌日、麗央の予感は見事に的中するのであった・・・・・・・

 


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