ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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番外編「アイちゃんの気になる子 その3」

「「やってやる!やってやる!や~てやるぜ!嫌なあいつをボコボコに~」」

 

エイラたちが緊急会議を開いている最中、機転を利かせ、アイと一緒に外に散歩に出ていたサーニャは、アイと手をつなぎアイの歌っている歌を一緒に歌っていた。

その姿はさながら姉妹のようだった。するとサーニャは先ほど愛が気になっていた子のことを聞くのだった

 

「アイちゃん。ちょっと訊いてもいいかな?」

 

「うん。なに?」

 

「アイちゃんの気になる子ってどんな子なの?」

 

サーニャはその気になるこの特徴をアイに訊く。

 

「うん。小柄でモコモコしてて可愛い目をして、ボコに似てるの」

 

「ボコに?」

 

「うん!」

 

アイのその言葉にサーニャは首をかしげる

 

 

「(小さくてもこもこしててボコに似ている?どういうことだろ?)ねえ、アイちゃん。その子ってどこにいるのか教えてくれる?」

 

「うん!こっち」

 

そう言いアイはサーニャの手を引き、森の奥へ入る

 

「アイちゃん?この森の中にいるの?」

 

「うん!昨日はお母さんと一緒だった」

 

「お母さん?」

 

するとそばの茂みがガサガサ揺れるとアイは

 

「あ!来た。あの子だよ」

 

と、茂みを指さし、サーニャがその茂みを見る。そして茂みから何かが現れ、それを見たサーニャは

 

「この子って・・・・・」

 

少し驚いた顔をするのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・・・」

 

基地の格納庫ではサーシャとロスマンが少しため息をついていた

 

「いくら、アイちゃんのためとはいえ、あれは少しやりすぎな気がします先生・・・・」

 

「私も同じよ。気持ちはわかるわ。私にとってもあの子は妹のような感じでしたから。でも隊長もそうですがこれはね・・・・」

 

「「はぁ・・・・・」」

 

二人はため息をする。すると

 

「ただいま帰りました」

 

サーニャがアイを連れて帰ってきた

 

「あ、サーニャさん。アイちゃん。お帰りなさい」

 

「どうしたんですか?ため息をついて?」

 

「いえ、それがその・・・・・・」

 

「なんていいますか・・・・・・・」

 

「?」

 

と、二人は気まずそうに眼を泳がせる。するとサーニャは

 

「あ、それと、アイちゃんの気になる子に会ってきました」

 

「「っ!?」」

 

サーニャの言葉に二人は驚きサーシャが

 

「それで、どんな子だったんですか?」

 

「はい。皆さんが心配するようなことじゃなかったです。相手は・・・・・」

 

サーニャがアイの気になる子のことを話すと

 

「な、なんだ・・・・・そう言うことだったんですか」

 

「私たちの取り越し苦労だったようですね・・・・・」

 

と、ため息をつく二人

 

「ロスマンおねえちゃん。サーシャお姉ちゃん。お母さんたちは何処?」

 

「「え?・・・・そ。それが・・・・その・・・・」」

 

と、二人はさらに気まずい顔をする。サーニャとアイは首をかしげる。

そして二人はサーシャとロスマンに連れられ談話室につくと、

 

パパァーン!!

 

「「「っ!?」」」

 

急にクラッカー音が鳴り響き二人は驚く。すると・・・・・

 

「アイちゃん。初恋おめでとう!!」

 

と、言う垂れ幕があり、そして

 

「アイちゃん!お帰り!」

 

「ひかりお姉ちゃん?ジョゼお姉ちゃん?」

 

クラッカーを持ったひかりとじょじぇにアイは首を傾げ、サーニャも訳が分からないというような表情氏、後ろにいるロスマンとサーニャは頭が痛そうな表情をする。

 

「お姉ちゃん?今日は何かのお祝いですか?」

 

アイが不思議そうに訊くと

 

「そうだよ。今日はアイちゃんに恋人ができたお祝いだよ」

 

「・・・・・きゅ?」

 

ひかりに言われたますますわからない?という表情をするアイ。そしてあたりを見渡すと

 

「ど、どうだ?これでいいのか?」

 

「もう一時間以上も練習したんだ。ばっちりさ。ねえニパ君?」

 

「多分。そうかもしれない鏡がないからわからないけど。どう下原さん?私たち笑ってる?笑っているよね?」

 

「ニパさんとクルピンスキーさんはギリギリですけど。菅野さんの場合、目が血走ってて笑っているけど笑えない表情なんですけど・・・・・」

 

と、笑顔の練習をするブレイクウィッチーズに下原は苦笑し、下原はもういちまいの垂れ幕に

 

「ようこそ、502ファミリーへ」と扶桑語で書いていた

 

「・・・・・・・・ロスマンさん。サーシャさん・・・これって」

 

若干引いた表情をするサーニャは二人に訊くと

 

「すみません。アイちゃんに彼氏ができたと思ってみんな張り切っているんです・・・・」

 

「特に重症なのが、あちらで・・・・」

 

「「え?」」

 

二人が指さす方を見ると

 

「全員。何を気合を入れているんだか。帰って不自然に見える。こういうのは自然に行わないとな。だろ?アウロラ大尉?」

 

「まったくだ。大の大人はもっと冷静に事を構えないといけないな?それに姪っ子の彼氏だ。あまり威圧しないようにしないとな。なあ少佐?」

 

「まっったくだ。こういう時はどっかり構えておけばいい」

 

と、身長3メートル近い巨体な服装をしたラルとアウロラ。それを見たサーニャは

 

「(本当に大の大人・・・・威圧感が半端ないんだけど?というよりいつの間にかこの世界キャ〇翼な世界観になったんだけ?)・・・あれ?エイラは?」

 

「お母さんならあっちにいるよ」

 

そう言いアイとサーニャがエイラの方を見ると・・・・・

 

「今は出張中のあなた・・・・サーニャ神様。娘に彼氏ができました・・・・また新しい信徒が増えるナ」

 

サーニャグッツを集めたまるでキャラクタ生誕祭壇みたいなのを拝むエイラの姿があった。その様子を見たサーニャとアイはドン引きした顔をし、

 

「サーニャおねえちゃん…お母さん。なんか怖い・・・・」

 

「大丈夫だよ。アイちゃん。ごめんねちょっと部屋の外に行って待ててくれる?すぐに済むから」

 

「う・・・うん」

 

そう言い、アイは部屋の外に出て扉を閉める。そして愛が部屋の外に出てる間、部屋の中では、ものすごい音と、説教する声が響き渡るのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから、私たちはアイのために応援をしようと思って!」

 

と頭に無数のたんこぶを付けたエイラが涙目でそう言うとサーニャは

 

「でも、あれはやりすぎエイラ。アイちゃんむしろ怯えていたわよ。それにエイラあの祭壇は何なの?何を崇めてたの。何の宗教を抱えているの?」

 

「それはその・・・・・ダナ」

 

眼が笑っていない状態のサーニャにエイラはたじろぐ。ちなみにエイラが崇拝していたサーニャグッツはサーニャ自らの手で処分、または破壊された

 

「隊長たちもです!だからあれはやりすぎだと言ったじゃないですか!」

 

「菅野さんたちもです!502部隊を何だと思っているんですか!!」

 

「「「サーセン・・・・・」」」

 

サーニャ。ロスマン。サーシャに叱られ小さくなる。502のウィッチたち。

 

「それにアイちゃんは気になる子と言っているだけで彼氏じゃないですよ。実際にサーニャさんが言うには、彼氏じゃないことが判明しています」

 

「なっ!?本当かサーニャ!?」

 

エイラがそう訊くとサーニャは頷き

 

「そう。私もあったけど、エイラの心配することはないわ」

 

「じゃあ、その気になる子って誰なんだよ?」

 

菅野が訊くとサーニャはアイちゃんに

 

「アイちゃん。明日もあの子いる?」

 

「うん。多分いると思う」

 

と、言うことで明日はみんなでアイちゃんの気になる子に会いに行くことになった。そして朝、アイはみんなを連れて森の中に行き、そしてアイちゃんが気になっている子に出会った。

その気になる子とは・・・・・

 

「はわ~可愛い~~」

 

「もこもこしてて可愛いです」

 

「まさか、アイの気になっている子って子熊のことだったのカ~」

 

そう、アイちゃんが気になっていた子とは数匹の子熊のことだった。数週間前に出会って以来アイはこの子熊たちとどうしたら友達になれるのかが気になっていたのだ。そして昨日サーニャと一緒にいた際、仲良くなれたというわけだ

そして今現在は、下原やジョゼ、ひかりが子熊を抱きしめ嬉しそうな顔をした

そしてアイも嬉しそうに子熊と戯れていた、それを見たエイラは

 

「はぁ・・・・とんだ取り越し苦労ダッタナ・・・・」

 

「でも、アイちゃん嬉しそうだよエイラ」

 

「まあ、そうなんだけどナ?あれだけ張り切ったのがバカバカしく思ってさ・・・・」

 

と、ため息をつきつつも、愛娘が嬉しそうにしている姿を見て思わず笑みを浮かべるエイラ

 

「はぁ…この光景。疾風に見せたかったな・・・・」

 

と、ひとり呟くエイラ。彼と最後に電話したのは数日前、昨日、勇気を振り絞って扶桑のNAC本部基地に電話をしたのだが、疾風は留守で代わりに副隊長が電話に出たのだ。話によれば疾風は東京に行き、残り一人のウィッチを迎えに行ったそうだった。

エイラは副隊長に疾風に言伝を言って電話を切った。彼が自分の元を離れてからもう4か月近く経つ。早く彼に会いたいという寂しさもあった。そして彼がガリアでの戦いで右足を負傷し魔法力がなくなって飛べなくなったと聞いた時はショックで気を失いそうになった。

そして今、エイラは右足を怪我しているにもかかわらず戦闘気乗りとしてそして、扶桑防衛隊の隊長として戦っている恋人のことを思うのであった

本当は寂しくてたまらない。だが彼は約束した

 

『必ず帰ってくると』

 

そう、ペテルブルグを去る時も電話でも彼はエイラにそう約束した。だからエイラは疾風を信じ待っている。彼が帰るその時を娘と二人で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り扶桑では

 

「疾風少佐。到着しました」

 

「すまない」

 

車から降りて運転手に礼を言う疾風。そして彼の目に前にあるのは大きな屋敷であった

 

「ここが白玉楼・・・・・最期のメンバーがいるところか」

 

少し緊張した表情でそう言いからは屋敷へと向かうのであった


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