ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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第211話「炸裂!必殺燕返し!!」

麗央が滝の水を斬ることに成功した麗央。そして基地に戻った後・・・

 

NAC基地、格納庫

 

「よしっ!隊長!!燕返しを教えてください!!」

 

「もう大丈夫なのか?」

 

「はい!暖かい飲み物や食べ物をいっぱい食べましたので!!」

 

普通の人なら凍死するレベルだったのだが、麗央は永琳先生の勧めた温かい飲み物や食べ物を食べて体力が回復。そして今、頭に白い鉢巻を巻き、疾風に燕返しの技を教えてほしいと頼んでいた

 

「麗央・・・・俺から燕返しについて教えることはもうない」

 

「え?それってどういう意味ですか?」

 

「言葉の通りだ。あの滝の水を斬ることで燕返しの技の伝授は終わっている。後はお前次第だ」

 

「でも隊長。伝授って言っても私まだどうやって風を斬り裂いて瞬間移動みたいな動きが取れるのかまだ知りませんよ?」

 

「大丈夫だ。風の流れが見え、そして滝の水を斬る特訓・・・・それをよく考えれば風の流れを斬るコツはすぐにわかる。そうだな・・・・あともう一つ言えることと言えば・・・」

 

「いえば?」

 

「自分の翼を信じろ・・・・かな?」

 

「え?」

 

疾風の言葉に麗央はあっけにとられる。それはそうだ。技を会得するための特訓はただ滝の水を斬るということだけで、飛行訓練は一切していない。そんな状態で疾風は麗央に翼を信じていればできると言われて、彼女はいまいちピンとこなかったのだ。

そんな不安そうな麗央の顔を見て疾風は

 

「まあ、あの滝の特訓だけではいまいち納得できないと思うけど、技の発動は飛んでいれば自然と気づく。かつての俺もそうだった。あれは言葉や訓練では理解できない技だ・・・・」

 

と、少し遠い目でそう言う疾風に麗央は首をかしげると、急にシャッター音がし、二人が振り向くと

 

「NACの隊長と隊員のネウロイ対策の会話の写真。一枚撮らせていただきました!」

 

と、この基地に滞在している扶桑のカメラマン記者。銀城がカメラを手にニッコリと笑っていた。そしてその隣にはナツオ整備長が油まみれの顔をタオルで拭き

 

「隊長。応急処置程度だが、一応はアローの修理と整備終わったよ」

 

「すまない。急がして」

 

「まあ、ジェットは数が少ないからな。しかも部品もこれまた貴重品ばかりだ。・・・・で、鳳軍曹はこれから出撃で?」

 

「は、はい!」

 

ナツオ整備長は、ちらっと麗央を見る

 

「あんた今回のネウロイ倒せるのか?聞けば三人負傷したみたいだが?」

 

とナツオは少し、威圧的に麗央に言うと麗央は

 

「私は・・・・・・」

 

少し不安げな声だったが・・・・・

 

「大丈夫さ。鳳ならできるよ」

 

そこへ腕に包帯を巻いた森がやってきた

 

「森中尉・・・・」

 

「お前があのネウロイを倒す特訓をしていたことは隊長から聞いたし、それにお前なら必ず倒せると信じているわ・・・・・で、鳳自身はどうなの?できるの?」

 

森が麗央をじっと見る。それは彼女に少し期待した目であった。その目を見た麗央は。その期待に応えなければならないという気持ちと何より・・・・

 

「(そうだ・・・・私がNACに入ったのは・・・・あの特訓をしてきたのは、扶桑をネウロイから守るためだ。もう二度と私のように故郷を・・・家族を失う人を増やさないために私は戦うことを決めたんじゃない!)」

 

麗央は力強い目で頷き森を見て

 

「できます!必ず私が倒して見せる・・・・いや、絶対に倒します!大事な仲間を守るため、私は飛んで戦います!!」

 

力強く言う麗央に、森はニっと笑い

 

「よぉし!!よく言った!!」

 

「うわっ!?」

 

森は麗央の肩を叩き嬉しそうに言う

 

「その気持ちがあれば、大丈夫だ!お前なら勝てるよ凰!」

 

と、ニコッと笑ってそう言う。すると、基地内に警報が鳴る

 

『ネウロイ出現!ネウロイ出現!』

 

と、ネウロイ出現を知らせる警報が鳴り響き、それを聞いた麗央は

 

「出撃します!」

 

そう言って、ストライカーユニットの元へ行こうとしたとき

 

「待ってください!私も行きます!!」

 

そこへ虹野が出てきた。

 

「虹野さん・・・・」

 

「私も出撃します!私も戦えます!私にも何かできることがあるはずです!!」

 

ゆるかが強くそう言うと、疾風は

 

「誰も麗央だけ出撃させるとは言っていないだろ?出撃できるウィッチはすぐに出動するように・・・二人もアローで行け」

 

疾風がそう言うと、二人は笑顔で

 

「「はいっ!!」」

 

と、返事をするのであった。そして出撃したのは三人。森、鈴仙、犬走は負傷しているため出撃できず、今回出撃したのは麗央、ゆりか。そして副隊長の宮辺だった

そして三人はジェットストライカーアローに乗り出撃し、ネウロイが現れた地点へと向かうのだった。

そして出撃し、空を行く三人の空の勇士たちを地上で見る者がいた

 

「どうやら、特訓とやらが終わったみたいだ・・・・・・さて、私も行くとするか」

 

キーラはそう言い、どこかへと歩き始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「いたわ!敵ネウロイ発見!」

 

宮辺がそう言うと、正面の山岳に例の土星型ネウロイがいた。

 

「宮辺さん!私行きます!!」

 

「一人で大丈夫なの!?」

 

「はい!」

 

「・・・・わかったわ。でも危険と判断したら私と虹野さんで援護するから」

 

「了解しました!」

 

「麗央さん気を付けて!!」

 

二人の言葉に麗央は強く頷いて、土星型ネウロイに向かっていく。そして土星型ネウロイも麗央に向かって素早い速さで迫ってくる。それを見た麗央は旋回し、その攻撃をかわすが土星型ネウロイはすかさず麗央の背後を取り、輪っかの赤いビームがランランと怪しく輝き麗央に向かってくる

 

「まずい・・・・追いつかれる!?」

 

麗央がそう言った瞬間だった。またも彼女の目から川qの流れのような気流が見え始めた

 

「(出た・・・・風の流れ。でもどうやって燕返しを・・・・)」

 

麗央は疾風に肝心の燕返しの技を教えてもらっていない。教えてもらったのは滝の水を斬ることだけ。それが技の発動になんの関係があるのか考えた。すると疾風の言葉が頭の中によぎる

 

「(滝ノ水の特訓を思い出せ・・・・それと自分の翼を信じろ)」

 

「・・・・はっ!?」

 

すると麗央は何かに気づいた

 

「(・・・・え?ちょっと待って。よく考えたら・・・・滝の水の流れ・・・・風の流れ・・・・同じじゃない。二つとも斬ればいいだけの話じゃない・・・・・・・・なら私の体自身を手刀して風の流れを斬ればいい!!)」

 

そう思ったとき、土星型ネウロイが麗央に突っ込み、麗央の体をビームで斬り裂いた・・・・・・かに思えたが。目の前にいたはずの麗央の姿はどこにもなく土星型ネウロイは戸惑った動きを始めた。すると・・・・

 

「こっちだっ!!!」

 

と、声とともに、まるで水から飛び出たかのように突如、ネウロイの背後から麗央が現れた

 

「っ!?」

 

ネウロイは麗央が急に現れたことに驚き素早い動きでまた背後を取り攻撃しようとしたが、麗央は右旋回をした瞬間にまた姿が消える

まるで麗央の姿が陽炎のようにゆらりと消えたのだ。

急に消える敵に動揺する殺人ネウロイは驚いて手あたり次第にビームを乱射するが手ごたえがない。すると

 

「私ならここだっ!!ネウロイ!!!」

 

「っ!?」

 

急に上空から声がした瞬間。麗央がネウロイの頭上にいる位置にいてそして急降下をしていた。そして

 

「はあぁぁぁぁーーーー!!!」

 

掛け声とともに機銃をネウロイに向かって撃ちまくり。無数の銃弾を浴びたネウロイの装甲はところどころ砕け散り。そして赤いコアが露出される

 

「そこだ!!」

 

そう言い麗央はコアに向けて機銃を撃つ。そして弾丸はコアに命中し、土星型ネウロイは白い破片となり飛び散ったのだった。

こうしてウィッチを殺害したネウロイは麗央に退治されるのであった。

 

「やるじゃないか・・・・・あのウィッチ」

 

そしてその戦闘を森の中で見ていたキーラは軽く拍手をしていた。

 

「さて・・・・・あんたとも決着をつけないといけないな?」

 

そう言いキーラはあるところを見るとそこには両手をビームの刀に返還させた人型ネウロイが立っていた

 

もう一人の依頼主(・・・・・・・)の情報通り、あのネウロイにはそれを操る人型がいるとはな・・・・さて?君は彼女たち(・・・・)と同じオリジナルか?それともヤプールらに作り出された人工の奴か?」

 

キーラがそう言うとその人型は身構える

 

「やれやれ・・・・問答は無用ということか・・・・なら私も遠慮なくいかせてもらおう・・・・」

 

そう言うと彼女は黒いスティックを両手に持ちスライドさせると。彼女の体が暗い光に包まれるのであった

 

「っ!?」

 

そして人型ネウロイは光に包まれた彼女の姿を見て驚くのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やった!!やりましたよ宮辺さん!麗央さんが勝ちました!!」

 

「ええ。勝ったわね・・・・」

 

麗央が勝ったことに、ゆりかと宮辺が嬉しそうに笑う。

すると近くの山で爆発が起きる

 

「え!?爆発!?」

 

「虹野さんはここで待ってて。私が見てくるわ」

 

「あ!宮辺さん!!」

 

爆発を見た宮辺は虹野に待機するように言い、その爆発した場所へ向かう。

そこは森があったのであろうか?半径50メートルくらい木々は燃えて枯木になっていた

 

「いったい何が・・・・・・・ん?」

 

宮辺はその彼たち展の中央に何かいるの気づく。そして降下するとそこには・・・・・

 

「っ!?ネウロイ!!」

 

そこには黒い人型ネウロイが立っていた。そのネウロイはまるで悪魔を彷彿させる姿だった

 

「あなたは・・・何者!!」

 

銃を構えそう言う宮辺にそのネウロイが振り向き

 

「ダーク・・・・・メフィスト・・・・」

 

女性のような声でそう名乗った

 

「ダーク・・・・メフィスト?」

 

「安心しろ・・・・・お前と争うつもりはない・・・・ここに過激派ネウロイの残党がいたから始末した・・・・それだけだ」

 

そう言った瞬間。そのネウロイは煙のように消えたのだった

 

「消えた?・・・・・あのネウロイは一体?」

 

突如現れ、そして突如と消えたそのダークメフィストと名乗るネウロイに、宮辺はただ呆然と立ち尽くしかなかったのであった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いが終わり、NAC基地では・・・・

 

「ダークメフィスト・・・・・そう名乗ったんだな?」

 

「はい。確かにそう名乗りました」

 

戦いが終わり、麗央たちが無事に戻った後、宮辺はすぐさま戦闘の報告と例の人型ネウロイの報告をしていた

 

「隊長・・・・・あのネウロイは敵なんでしょうか?」

 

「まだわからない。が、一応は警戒しておこう」

 

疾風はそう言うと

 

「ところで麗央はどうしている?」

 

「はい。今。自室で休憩しています。恐らく特訓と戦闘の疲れが出たのかと?」

 

「まあ、経った半日であれほどやったらな・・・・・」

 

「その特訓をするように言ったのは隊長じゃないですか?」

 

「そ、そうだったな・・・・・・」

 

ジト目で見る宮辺に疾風は苦笑いをする。すると電話が鳴る。

 

「ん?誰だろう?」

 

疾風は受話器を取る

 

「はい。こちらNAC本部・・・・・あ、はい。・・・・・ええ。わかりました。では明日。お伺いします・・・・ええ。はい。わかりました」

 

電話で誰かと会話をする疾風。そして会話が終わり受話器を置くと

 

「誰からですか?」

 

「大本営からだ。明日。ここに配属になる予定のウィッチを迎えに行くことが決まった」

 

「とうとうあそこも折れたんですか?で、場所は大本営海軍部で?」

 

宮辺がそう言うと疾風は首を横に振り

 

「いや。彼女が所属する近衛師団の司令部庁舎のすぐ近くにある屋敷・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           「白玉楼だ」

 


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