ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
あれから数時間後・・・・・
「わぁー!!どうしたんですか疾風君のその格好!?すっごくかわいいですよ!!」
「黒田おねえちゃん。くすぐったいよ~」
黒田が目を輝かせ疾風に抱き着く。今の疾風(子供姿)の格好はおしゃれな子供服を着た状態だった。実は疾風が寝ている間に、疾風をジェニファーと黒田に任せ、彼の服を買いに行っていたのだ。普通は他の人に任せたいところであったが、変なのを買われるより自分自身で買いに行った方がいいと判断したのだ。
「姫さん・・・・僕たちがいない間・・・・何したの?」
部屋に来ていたアイザックがハインリーケに訊く
「買い物じゃ。疾風大尉に似合うかわいい子供服を探しに行っていた」
「わざわざシャンゼリゼ通りまで行ってな・・・・・まったく」
「その割には楽しそうに服を選んでたじゃろうがカール大尉?」
「そう言う姫さんこそ、真剣に服を選んでいたじゃないか?」
「当たり前じゃ。子供の服選びとて、妾は一切の手加減などせんわ。おぬしだって真剣に服を選んでいたではないか?」
と、ハインリーケとマリアンはそう言い合う。その時の二人はどことなく嬉しそうな表情であった。そして疾風の服装を見た。ズボンは黒の短パンで上は白いTシャツ。どこにでもいそうな少年の格好だった。
「ねえねえ。おねえちゃん。あそぼ!」
「うん!じゃあ、かくれんぼしよう!ヴィトゲンシュタイン大尉やマリアンさんも参加ですよ~」
「な、なぜ妾も参加しなければならんのだ!」
「私も同感だ。なぜ私が…」
疾風に遊ぼうと言われ黒田はかくれんぼを提案しハインリーケとマリアンも参加するように言うと当の本人は否定する。するとアイザックが
「ダメだよ姫さん。ちゃんと子供の遊び相手にならないと。隊長たちに言われているでしょ?」
「マリアンも隊長に面倒を頼むって言われたでしょ?」
「うっ・・・・それはそうだが・・・」
「じゃが、こんなの子供の・・・・・」
子供の扱いが苦手な二人がそう言いかけると疾風がハインリーケとマリアンの裾をくいくいっと引っ張り
「おねえちゃんたちは・・・・やりたくないの?」
「「うっ!?」」
捨てられた子犬のような目で二人を見る疾風を見たマリアンとハインリーケは物凄い罪悪感に襲われた。そして疾風の幼いきらきらした目を見て、興産なのかため息をつき
「「わ、分かった…(妾)私たちも参加するよ」」
そう言いしぶしぶ承諾するのであった。そして鬼は基地が広いため三人になり黒田とジェニファー疾風。隠れる人物はマリアン。ハインリーケ。アドリアーナ。アイザック、カーラとなった。
そして黒田が数え終わると、広い基地を三人同時で探すのは大変なので、別れて探すことになった
「おねえちゃんたちどこに隠れたのかな~?」
小さい疾風はきょろきょろと見渡し、ハインリーケたちを探す。しかし5分は隠れそうなところを探しているのに、影すら見えない
「どこだろう・・・・・」
小さい疾風は、ハインリーケがどこに隠れているか探すと、前の大爆発事故でいまだに焼け焦げが残っている格納庫に着く
「火事でもあったのかな?」
ところどころ焦げた跡を見る小さい疾風君。すると・・・・
「おい!そこでなにをしている!!」
「っ!?」
急に後ろから、誰かがそう言うと小さい疾風は驚いて振り向くと・・・・
「ここは子供が来るところじゃないんだぞ?」
そこにはキーラがいた。
「ご、ごめんなさい・・・・・・僕。かくれんぼでお姉ちゃんたちを探しているの?」
「なに?パリでの報告を終えて戻ってきてみれば・・・・・・・この基地にお前以外のも子供が?・・・・やれやれ。この基地の警備員は何をしているんだ」
キーラは呆れてそう言う。そしてキーラはじっと小さい疾風を見る
「(それにしてもこの子供・・・・・疾風大尉に似ているが・・・・まさか奴の息子か?いやいや。調べでは奴に娘はいても息子はいないはずだ・・・だが、見るからに扶桑人)君の名前はなんていうのかな?」
キーラは少し前までパリに行っていたので疾風が子供になっていたことは知らなかった。しかし今いる少年が疾風に似ているためキーラは少年の名を訊くと
「うん!はやてむらまさだよ?」
「っ!?」
疾風の自己紹介でキーラは驚く。それもそうだ今目の前にいる子供が疾風なのだからキーラはキツネにつままれたような表情をした。
「(ほんとに、こいつは大尉なのか?あり得ないどうやって子供になったんだ?まさかヤプールが?いや・・・・・だが。その顔を見るには間違いなく奴だ。ならばここで始末するか?)」
そう思い彼女は疾風を殺すかどうか考えるが
「(いや、待て。ただ名前が同じだけかもしれない。それにこど思を殺すのは流石にな・・・・・仕方ない。早くこいつのかくれんぼしている友達を見つけて帰ってもらうか)」
「お姉ちゃん。どうしたの?」
「い、いや。なんでもない。それでは探すか」
「え?おねえちゃんも手伝ってくれるの?」
「変にウロチョロされるよりはましだからな。だが、友達を見つけたらすぐに家に帰れりなさい。」
「うん!えっと・・・」
「私はクリス・キーラだ・・・・よろしく小さな疾風君」
そう言い、キーラは疾風と一緒にかくれんぼに参加することになった。
「あ、アイザック君!みっけ!!」
「カーラも見つけたわよ」
一方、黒田たちはアドリアーナ、カーラ、アイザックを見つけていた。
「まさか黒田さんに見つけられるなんて思わなかったよ・・・・・ヴィスコンティ大尉。固有魔法使った?」
「使ってないよ。黒田が絶対にここだって言ってな」
「へへ~ン!私かくれんぼで相手を見つけるの得意なんですよ!」
黒田が得意げにそう言うとジェニファーは
「あとはマリアンとヴィトゲンシュタイン大尉だけですね」
「あれ?そう言えば疾風君は?」
「そう言えば・・・・・」
カーラが疾風がいないことを訊くと・・・・・
「そこで何をやっているんだ?」
「あっ!キーラさん・・・・・それに疾風君?」
キーラはなぜか子供になった疾風を肩車した状態で訊く
「えっと、疾風君と一緒にかくれんぼしてたんです」
「なに?じゃあこいつと一緒にかくれんぼしてたのはお前たちのことなのか?」
「そうですよ?後はヴィトゲンシュタイン大尉とマリアンさんを探すだけです」
「あの二人も参加しているのか・・・・・戦闘隊長とB部隊の服台頭ともあろう人物が何をやっているんだ・・・・・」
と、頭を抱えてそう言うキーラ。
「それで・・・・・この子供のことなんだが?どういうことか説明してくれるか?」
「ああ、それがですね・・・・・」
ジェニファーがキーラに説明する。
「やっぱりヤプールの仕業か・・・・」
「「「ヤプール?」」」
「いいや。こっちの話だ」
キーラが小声でぽつりとつぶやくと黒田たちは首をかしげてそう言う。するとアドリアーナが
「それより、キーラ少佐。なぜその子を肩車しているんだ?」
「あ、そう言えば・・・・・」
アドリアーナがキーラがなぜ小さい疾風を肩車してるか訊くと小さい疾風が
「あのね。キーラおねえちゃんがね。こうすれば見つかりやすいからって♪それにおねえちゃん。僕と一緒に探してくれたんだよ?」
疾風がそう言い皆がキーラを見ると
「なんだ?私の顔をじろじろ見て?」
「いえ、あの・・・・意外だなと思って」
「うん。僕もキーラ少佐が一緒になって探してあげるなんてびっくり」
カーラとアイザックがそう言うとキーラは
「あまり基地の中をうろちょろして怪我するよりはいいと思っただけだ。それに私が一緒になればその分早く見つけられるしな。さ、お前の友達は見つかったんだからそろそろ降りろ」
「は~い!!」
そう言いキーラはしゃがむと疾風は素直に降りる
「それで・・・・・あとはカール大尉とヴィトゲンシュタイン大尉か?」
「はい…でもどこにいるんだろう?」
「基地の外や部屋は見たのか?」
「はい。全部・・・・・・あ、そう言えば疾風さんの部屋がまだでした」
「なら、そこにいるんだろ?早くかくれんぼを終わらせろ。あまりウロチョロされても困る」
ジェニファーは疾風の部屋に二人がいるんじゃないかと推測すると。キーラはそこに行くように言う
「じゃあ!そこに行ってみよー!行こう!!」
「はい!」
「うん!」
カーラの言葉に黒田と小さい疾風君は部屋に向かって走る
「あ、走ると危ないですよ!!」
ジェニファーも彼女を追いかける
「まったく…ここは遊園地じゃないんだぞ?まあ、子供が元気なのはいいことなんだがな」
キーラが小さい疾風を見て少し微笑むような表情でそう言うと、アイザックは
「ねえ、もしかしてキーラ少佐って子供好きなの?」
「・・・・・・・」
アイザックの言葉にキーラは珍しく動揺したのか目を丸くし少し呆けるが
「・・・・・そんなはずないだろ。バカバカしい。私は忙しんだ。それじゃあ」
そう言いキーラは去っていった
「図星言われて黙ったな・・・・・」
「うん。あれは図星だね」
キーラの態度にアドリアーナとアイザックが少しに奴いた表情でそう言うのであった。そして二人もまた、黒田たちを追いかけ疾風の部屋に行き捜索すると案の定、ハインリーケとマリアンは疾風の部屋に隠れており
かくれんぼが始まって黒田たちがいなくなったのを見計らって部屋に戻りマリアンはベッドの下ハインリーケはクローゼットの中に隠れていたのだ。
これで全員が見つかり、かくれんぼは終わるのであった