ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
ジェニファーを救うべく、黒田とカーラはリーネとペリーヌの誘導に従ってブリタニアへと亡命しようとするキーラの乗っているUボートを追っていた。なぜ元501のリーネやペリーヌがいたかというと、それはエミリアがキーラの逃亡ルートを報告した直後、疾風がグリュンネ少佐を通してペリーヌたちに協力要請をしたのだ。
「Uボートはここから先5キロのところに居ます!」
「ありがとうございますリネットさん」
「ですがわたくしたちが誘導できるのはここまでです。政治の都合上501が協力したことが分かれば問題が複雑になりますからね」
「あ、あのここまでありがとうございました。リネットさん。ペリーヌさん!」
「ありがとう!!」
黒田とカーラはペリーヌたちに礼を言い、Uボートを追いかける。そしてそれを見たペリーヌとリーネは
「楽しそうな人たちでしたねペリーヌさん?」
「ええ、でもあの子たちで大丈夫でしょうか?」
楽しそうに笑うリーネをよそに心配な表情で彼女たちを見送るペリーヌであった。
そして黒田は海の中を走る黒い影を見つけた。そうキーラやジェニファーが乗っているUボートであった。
「いた!」
黒田は水面にひょっこりと飛び出ている潜望鏡を見つけ、Mg42を海面へ向けるのであった。そして潜望鏡も黒田たちを捕らえていた
「洋上に一名!ウィッチが接近中!!」
「なにっ!?黒田か!」
潜望鏡を覗いていた見張り員がそう言いキーラは驚く。そしてキーラは見張り員をどかせ潜望鏡を除くと空に黒田がたった一人で飛んでいるのが見えたそれを見たキーラは顔を歪ませ
「くそ!流石にあいつの猟犬並みのしつこさは想定範囲外だ。こうことなら疾風同様ヤプールに頼んであのネウロイで殺させとくべきだったな!」
「・・・で、どうする?浮上して撃ち落とすか?」
「・・・・・いいや。あえてあいつの挑発に乗る必要はない。それにこっちには
キーラがそう言いかけた時、Uボートが激しく揺れた
「なっなんだ!?」
乗員が慌てる中キーラは潜望鏡を覗くと
「キーラさ~ん!いますか~!!?」
「黒田・・・・!!!」
そこにはゆーぼとに向けて機銃掃射をする黒田がいた。それを見たキーラは憎々し気に黒田を睨む。すると
「上空の攻撃とは別に艦内に火災が発生!!急浮上の許可を!!」
「なに!?」
船員の言葉にキーラは驚く。するとキーラは何かを察したのか
「このタイミング・・・・・まさか!!」
そう言いキーラはジェニファーが監禁されている部屋へ行く。そして扉を開けるとその部屋から焼け焦げた香りがし、そして焦げたベットの上でスプリングばねを片手に持ったジェニファーがいた。
「ジェニファー・・・・やっぱりお前が」
「はい。ベットのスプリングと照明のソケットをお借りしました。黒田さんたちが来てくれたんですよね?」
「お前正気か?下手をすれば感電死するか、そのまま火災に巻き込まれ焼け死ぬぞ!」
キーラがそう言うとジェニファーは首を横に振り
「私は506のみんなを信じていますから・・・・・」
ジェニファーは強い意志を持った目でキーラを見てそしてこう力強く言った
「私には絶対に信じられる仲間がいるんです!!」
どの力強い言葉に一瞬、キーラはたじろぐ。そしてジェニファーは
「ですがあなたにはその仲間がいません・・・・可哀そうな人です」
憐みの目でそう見るジェニファーにキーラは一瞬黙ってしまうが
「フッ・・・・今更生き方を変えられるほど私は器用じゃない・・・・・・来い」
そう言いキーラはジェニファーの腕をつかみ部屋を出ると、キーラは乗員に
「出撃する。上部のハッチを開けろ」
「えっ!?ですがその積み荷をどうするつもりなんですか!?」
乗員がそう訊くとキーラは
「積み荷?・・・・・もう違う。今のこいつは
そう言いキーラはハッチを開けるボタンを押しジェニファーを掴むと
「こいつは
そう言いキーラは漆黒のストライカーユニットを履きジェニファーを抱きながら空へと舞い上がり、黒田の前に立った
「ジェニファーさん!キーラさん!」
「ふっ・・・・・黒田。まさかUボート相手にたった一人で戦うとは正気とは思えないな」
「なんかガンガンやっていたらキーラさんが怒って出てくると思って」
皮肉交じりに言うキーラに対し黒田はそう返事をし、そしてMg42を捨てる
「人には決して銃を向けない・・・・・か?相変わらずの甘ちゃんだ」
武器を捨てた黒田に対しキーラは鼻で笑うと
「キーラさん・・・・・もういいでしょ?ジェニファーさんを返してよ」
「黒田さん・・・・・・」
黒田はジェニファーを返すようにキーラを説得し、黒田が自分のために助けに来てくれたことにジェニファーは涙目でそう呟くが、キーラはにやりと笑ったまま何もしゃべらなかった。そしてキーラは
「いいだろう・・・・・・来い黒田!」
そう言いジェニファーを抱えて上昇するキーラそして黒田はキーラを追う
「待ってくださいキーラさん!返してくれるんですか!?」
「ああ・・・・返そう。ほら黒田・・・・・・受け取れ!!」
そう言いキーラはジェニファーを空中から放り投げる
「ジェニファーさん!!」
黒田は慌てて海上に落下するジェニファーを追いかける
「手を伸ばして!!あともう少しで届・・・・・」
そう言いジェニファーの腕をつかんだ黒田だったが、その瞬間、彼女の背中に激しい激痛が走る。それはキーラがナイフで彼女の背中を突き刺したからだ。そして黒田の背中からは血で赤黒く染まる
「ふっ・・・咄嗟に急所をかわしたか。さすがだな。だが、どうする?手負いで一人を抱えたままじゃ、私を相手にするのもましては逃げることも無理だぞ?」
キーラがそう言い離れると黒田は痛みに耐えながらもジェニファーの手を掴んでいた。そして出血しているのおみたジェニファーは
「黒田さん。手を放して!どの怪我じゃ・・・・・」
ジェニファーがそう言いかけた時、黒田は
「ジェニファーさん・・・・・私を信じてくれる?」
黒田の言葉に最初は首をかしげるジェニファーだったがすぐに彼女は頷いた
「はい」
ジェニファーが返事をすると黒田は手を離した。それを見たキーラはにやりと笑い
「やはり貴様もわが身がかわいいか!?仲間を見捨てても自分は助かりたい!それが人間の本性だ!」
あざ笑うかのようにそう言うキーラに対し黒田は首を横に振り
「違うよ・・・・私は仲間を信じているから!」
黒田がそう言った瞬間。雲の中からカーラが飛び出てきた落ちるジェニファーをキャッチする
「邦佳!キャッチしたぞ!!一人で出て油断させる作戦成功だな!!」
「ルクシック中尉だと!?雲の中に隠れていたのか!?」
突然現れたカーラに驚くキーラ。そうこれが黒田の作戦だった。キーラの注意を黒田に集中させ、その隙にカーラがジェニファーを救出する作戦なのだ。
「カーラ!ル・アーブル空港に先に戻ってて!」
「え!?けど!!」
「大丈夫。私がキーラさんを足止めするから!」
「・・・・分かった!私たちは先に行く!だから邦佳。そいつの相手は適当にして追いつけよ」
「させるか!」
「行かせない!」
キーラがカーラたちを追いかけようとするがその前に邦佳が立ちはだかる。
「目の前のバカを仕留めてから追いかければいいか。互い時間がない、お前は出血が止まってないし私はあの二人に追いつかなければならない」
「そうだね」
すると邦佳は背中に背負ったものを取り出した。それは槍だった
「槍?」
「大尉が言ってたけど槍は騎士の魂が宿るって、だからジェニファーさんを助けたいってみんなの思いをこの扶桑号に乗せて戦う!」
槍を構え邦佳が叫ぶ。キーラはその言葉に鬱陶しさを覚え、黒田を睨む
「ふ、笑わせる。私は古き良きガリアを再興するため厳しい訓練に耐え己を制し人さえ殺め人生を捧げた!信念の無いお前に私が負けるはずない!」
そう言いナイフを手に黒田に斬りかかるキーラ。そしてナイフは黒田の背中を掠りそこから血が飛ぶ
「ほら、どうした動きが鈍くなっているぞ!!」
あざ笑うキーラに黒田は槍を強く握り
「信念なんて・・・・・・ただの言葉じゃないか!!」
「っ!?」
黒田は力いっぱい槍を薙ぎ払う。
「キーラさんはその信念で誰を笑顔にしたの!!ネウロイに大切な家を焼かれずほっとした人の笑顔!!避難先で家族と再会してみんなを抱きしめるお父さんの笑顔!!泣きながら子供に向かってもう大丈夫だよって言ってあげるお母さんの笑顔!そしてたとえネウロイであっても大切な家族として温かく接してくれる人の優しさ!!」
黒田の力強い言葉と同時に激しいやり攻撃でキーラはだんだんと押されていく
「(こいつ・・・動きがだんだん良くなって!?)」
キーラの焦りに黒田は
「そんなみんなの笑顔のためにも私は戦う!!!」
そう言いキーラのユニットめがけて槍を振りかざそうとした瞬間、二人の間からレーザービームが飛んでくる
「「っ!?」」
突然の攻撃に二人は驚くと、どこからか拍手が聞こえ二人が振り向くと
「なかなかのショーだ。ブラボー」
と、そこにいつの間にかいたのか白衣を着た金髪の女性がストライカーユニットも履かずに宙に浮いていた
「え?だ、誰!?それにストライカーユニットも履いてないのに飛んでいる!?」
黒田が驚く中、キーラは
「ヤプール・・・・・何の用だ?まさか助けに来てくれたのか?」
キーラは少し期待を込めた表情でそう言うとヤプールは付す気味悪い笑みをこぼし
「ああ・・・・・来てやったとも。だが・・・・・」
そう言いヤプールは手を振りかざすと上空から赤いレーザー光線が降り、そして海上に浮いていたUボートに命中する。Uボートはその光線を受けて爆散した
「なっ!?」
その光景にキーラは驚きそして
「ヤプール!!一体どういうつもり・・・・・」
そう言いヤプールにつかみかかろうとした瞬間、
ザスッ!!
「がっ!?」
ヤプールは手をネウロイ化させそこからレーザーサーベルに変えるとキーラの腹に差した
「キーラさん!!?」
「ヤ・・・ヤプー・・・ルな、何を・・・・・・」
キーラは血を吐きながらそう言うと
「お前ら王党派の役目は終わった。ありがとう・・・・・お前らがありとあらゆる防衛組織の高官を暗殺してくれたおかげで、ガリア侵略の攻略が順調に進んだ感謝に堪えない」
「な・・・なんだと!?話が違うぞ!!」
「ふふ・・・・・誰もが相手を信頼し合い約束を守ると思い込んでいるのは人間だけだ・・・・・我々はこのガリアの侵略をあきらめたわけじゃない」
「くっ・・・・」
「もう一ついいことを教えてやろう。お前が潜水艦に入る直前に本部に連絡を入れた時、なぜ連絡が来なかったと思う?簡単さ。我々が一人残らず抹殺したからだ。そしてあの潜水艦の破壊でお前ら王党過激派は全滅した・・・・」
「き…貴様!!」
「急所は外しておいた。お前たちにはまだ私の役に立ってもらわなければな・・・・・人質としてな!!」
そう言いヤプールは指を鳴らすと、そこから4つの中型ネウロイが現れ、そしてそのうちの一体がキーラと黒田に向けて光線を放つ。
「なっ!?」
「わっ!?」
そしてその光線は黒田とキーラを包み込み、そして体内へと吸い込むのであった。そしてヤプールは
「さて・・・・・本当のショーはこれからだ・・・・・」
と、にやりと笑うのであった
すみません!本当はここで後編にしたかったのですが、話がどんどん膨らみすぎて終われませんでした!!本当にすみません!!ズザザザッ!!!!(めり込み土下座!!)