ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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第168話「ウィッチの星、光るとき」

「(俺は・・・・・・・負けたのか?)」

 

何も見えない暗い空間の中、俺は漂ていた。いや、視線の先に中型ネウロイや小型ネウロイが見える。そして周りをよく見ると俺は何かのカプセルに閉じ込められていた。俺はここから抜け出そうとしたが体が動かない・・・・いや、そもそも俺の体を見たら半透明だった。そして俺は先ほどの戦いを思い出した。

 

『そうか俺は負けたのか・・・・』

 

確かにディジョンの皆を救うことはできたが、だが、ヤプールの送ったキングジョーダークを倒すことができなかった・・・・・俺は無力だったのか・・・・そう思っていると

 

『貴様はこの世界の守護者になるつもりなのかね?疾風村正』

 

突如、あいつ・・・・ヤプールの声が俺の頭の中に響く

 

『貴様はこの世界で勇者のような気分で戦ってきたつもりだと思うが、今まで元の世界で大勢の命を殺めてきたお前が。おこがましいとは思わないか?貴様はキングジョーダークに敗れ、そして魂だけの存在になった。貴様は一人では何もできない無力なウィザードだ』

 

嘲笑うかのような笑い声が俺の頭の中に響き渡る。

 

『そうだ・・・・ヤプールの言った通り俺は無力だ・・・・・俺の強さなんて所詮は見掛け倒しの物だったんだ・・・・それなのに俺は力の限界を超えなんでもできると思っていた・・・・・・何が黒の剣士だ・・・・何がレッドファイターだ・・・俺は結局何もできない無力な人間だったんだな・・・・・』

 

そして俺の頭の中によぎったのは今までの戦いの記憶であった。元の世界でのナチスやテロリストとの空中戦、そしてこの世界でのネウロイとの戦い・・・・

 

『俺は誰も助けられないのか・・・・誰も守ることはできないのか・・・・・』

 

俺は何もすることができず、ただこうして死を待つだけなのか・・・・そう絶望感が俺を襲った。すると・・・・

 

『彼方は一人じゃないわ。正ちゃん』

 

『Это право!そうですムラ-シャ。最後まで諦めないで』

 

「っ!?」

 

突如聞こえた懐かしい声、すると小型ネウロイたちが騒ぎ始める。そしてその瞬間、多数の機銃弾が降り注ぎ小型ネウロイを倒す。その瞬間、二機の戦闘機が急降下するのが見えた。その戦闘機は零戦とLa7戦闘機だった。しかもただの戦闘機じゃなかった

 

「っ!?あ、あの二機のパーソナルマークは!!」

 

疾風は目を見開く。すると二機の戦闘機は小型ネウロイたちを倒した後、また急降下して疾風のほうへ向かう。すると中型ネウロイニ機は二機を近づけさせまいと光線を撃つが二機は可憐に避け、そして中型ネウロイ…ではなく疾風を閉じ込めている十字架のカプセルを繋ぐ鎖に向かって機関銃を放つ。そして十字架を吊るす鎖の二本の内、一本を破壊する。そしてまた旋回しニ機はまた十字架を吊るしている鎖に向かって機銃を放ち、最後の鎖を破壊する。そして鎖の切れた十字架カプセルは空間を漂い。それを見た中型ネウロイは十字架カプセルを再び回収しようと向かうが、

 

「そうはさせないわ!」

 

「да!!」

 

そう言いニ機の戦闘機は中型ネウロイに向けて機銃を発射。

そして弾丸はネウロイの装甲を削り。そして運よくネウロイのコアを貫き破壊した。そして二機は疾風を閉じ込める十字架カプセルを追い。そして零戦が着艦フックを使いカプセルを回収しどこかへ飛び去るのであった

 

 

 

 

 

 

 

「姉さん・・・・アナスタシアさん・・・・・」

 

十字架から解放された俺の目の前には死んだ姉さんと姉弟子のアナスタシアさんが立っていた。

 

「正ちゃん。無事でよかったわ。すぐにあの世界へ戻りなさい。あなたを待っている人たちがいるわ」

 

「Это право。今あの世界は危険にさらされているわ」

 

「姉さん。アナスタシアさん・・・・俺は・・・・・俺は負けたんだぞ。今こうして姉さんたちみたいに幽霊になっているし・・・・・・無力で何もできない俺が行っても・・・・・」

 

弱気になっている俺にアナスタシアさんが俺の傍により

 

パアァーン!!

 

思いっきり平手打ちをする

 

「しっかりしなさいムラ-シャ!!あなたはそんな弱い子じゃないでしょ!あなたはどんな苦難に会っても諦めないそんな子でしょ!」

 

「アナスタシアさん・・・・・」

 

「アナスタシアさんの言う通りよ正ちゃん。たった一度の敗北・・・・・いや、あれは敗北とはいいがたいわね。あの勝負はどっちかというと引き分けよ。相手も負傷…いや、あれはロボットみたいなやつだったから故障で合っているかな?」

 

「どっちだっていいでしょ圭子。今はそういう話じゃないでしょ?」

 

「え?ああ、そうだったわね。コホン。正ちゃん。あなたはまだ、負けてはいないわ。たとえ負けたとしても敗北は強くなるための試練の一つ。負けても生きていればまた勝つことができるわ正ちゃん。さ、あの世界に危機が迫っているわ。すぐに戻りなさい。あなたを待っている人たちがいるわ」

 

そう言うと空間に一つの映像が映し出される。それは俺の大切な家族・・・・エイラとアイの姿だった

 

「アイ・・・・エイラ。・・・・・そうだ。何を弱気になっていたんだ俺は。すぐに戻らないと・・・・・だが、姉さん。アナスタシアさん。俺はこの通り半透明で足が無いんだぞ。これって幽霊ってことだよな?」

 

「正確には違うわよムラ-シャ。あなたは幽体離脱した状態なのよ。戻りたいという気持ちがあればすぐに戻れるわ」

 

「アナスタシアさん・・・・俺。アナスタシアさんに言いたいことが・・・・・」

 

疾風は生前のアナスタシアを撃墜としたことを謝ろうとしたが、彼女は首を横に振り

 

「いいえ、何も言わなくていいわムラ-シャ。あの時、あなたに残した遺言にも言ったけど。私はあなたを恨んでいないわ。もしかしてそのことをずっと気にしていたの?」

 

アナスタシアがそう訊くと俺は黙って頷くとアナスタシアさんはにこっと笑い

 

「あなたは本当に優しい子ね・・・・・姉弟子として誇りに思うわ。でも私は大丈夫よだから気にしないで」

 

「実の姉としても誇りに思っているよ正ちゃん。正ちゃん。あなたは一人ではないわ。大切な仲間がいつもそばにいる。そして私たちもたとえ姿が見えなくてもあなたの心の中にいるわ」

 

二人がそう言い俺は

 

「姉さん。アナスタシアさん・・・・・それじゃあ行ってくるよ」

 

そう言い俺は行こうとすると姉さんが呼び止める

 

「正ちゃん。一応、使い魔さんからも警告受けていると思うけど、戻ってもあなたの体力は・・・・」

 

「わかっている姉さん・・・・でも放っておくわけにはいかない・・・・放っておけば俺は必ず後悔する。だから俺は行くよ。エイラやアイたちが幸せに暮らせる世界を作るために・・・・・・」

 

「そう・・・・やっぱり正ちゃんは正ちゃんね・・・・・気を付けてね正ちゃん」

 

圭子がそう言うと疾風は頷き、そして二人に敬礼すると疾風の姿は消えるのであった。そして残された二人は

 

「・・・・・・これでよかったの中尉?今なら無理やりにでもあの子をもとの世界に戻せたのに・・・・・」

 

「それじゃあ聞くけど少佐。あなたはあの子を強制的に元の世界に戻せると思う?」

 

「・・・・・・無理ですね。あの子は何を言っても絶対に留まるでしょうね・・・・・たとえ、傷だらけになっても自分の命が危険にさらされてもね・・・・・」

 

「あの子はそういう子だから・・・・・・たとえ父さんや母さんが止めても・・・・いやあの子を育ててくれた華琳やかおりが止めてもあの子は行くでしょうね・・・・でもそれがあの子の強さよ。」

 

「да。そうですね・・・・・私たちができるのはここまでですね後は・・・・」

 

「あとはあの子次第わ・・・・・頑張りなさい正ちゃん」

 

そう言い二人も光となって消えるのであった。

 

 

 

 

 

そして疾風は

 

「待ってろ。みんな・・・・・すぐに戻る!それまで耐えてくれ!!」

 

そう言い疾風は光りの見える方角へと走り出すのであった

 

 


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