ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
ED「鋼鉄ノ鳥」
「なかなか出口が見つからないな・・・・」
プレディは研究員ヴァネッサを連れて、辺りを警戒しながら研究所の出口を探していた。するとヴァネッサは
「そう言えば、あなたは、先ほどノーブルウィッチーズの・・・・軍の方と言いましたけど。なぜここに?」
「実は、この研究所近くの国道・・・・そう先ほど私とあなたが乗っていたバスが事故を起こした場所なのだが、そこの原因を調べるためにあのバスに乗っていたんだ。まあ事故の原因の正体は大体わかったのだけどね」
「ええ、おそらく・・・・いえ、十中八九あのネウロイの仕業だと思います。事故が起きたのは数日前、この研究所との連絡が取れなくなった日です」
「そうか・・・・そう言えばまだ名前を聞いていなかったな」
「あ、はい。私はカールスラント技術省に所属している。ヴァネッサ・ブラウン技官と言います。実は私、ここの資料の受け取りに来たんです」
「資料?」
「はい。この研究施設はウィッチの魔法力の他にネウロイについて調べていたんです」
「ネウロイ?」
「はい。1939年に突如現れたネウロイは何者なのか?何の目的で人類を攻撃したのか?また彼らは宇宙人かはたまた人類が秘密裏に作り出した機械生命体なのか?などの研究をしているところだったんです。ほら敵と戦うにはまず敵を知らないといけませんから」
「なるほど・・・・・・で、何かわかったのか?」
「ヴェネチアにいる一人の科学者の協力のおかげで少しずつ、わかってきているわ。ネウロイには私たち人間のような知性のある個体がいること。ほかには私たち人類を攻撃する個体たち通称過激派と人類との共存を考える穏健派、そして過激派だが武力を使わず穏便に済まそうと考える革新派の三つのタイプがいることがわかったわ」
「ネウロイにそんなタイプがあるとは・・・・・」
「まあ、最近まで極秘だったみたいだしね。ほかのウィッチや上層部もできるだけその穏健派を保護しようと動き出して来ているみたいなのよ」
「それより、その情報のもとであるヴェネチアにいるという科学者というのは誰のことだ?」
「私もあんまり面識はないけど、主任であるウルスラさんとは仲がいいみたいで、今はヴェネチアの506統合戦闘航空団にいるらしいわ」
「そうか・・・・それにしても人類との共存を考える穏健派か・・・・・一度会ってみたいものだ」
「難しいかもしれないわね・・・・・この前の春に開始された『トライヤヌス作戦』以降穏健派と呼ばれる個体のネウロイは姿を現していないから、でも噂ではペテルブルグに穏健派ネウロイがいるっていう話を聞いたけど、所詮噂だからね・・・・・」
「そうか・・・・もし出会ったらヴァネッサさんはどうするんだ?もしかして人体実験とかする気じゃ・・・・」
「そんなことしないわよ。第一、保護対象の穏健派のネウロイを人体実験やら解剖なんかしたらそれこそ本末転倒よ。」
そう言いながら、二人は角を曲がろうとしたが、そこは行き止まりであった。
「行き止まりね・・・・・」
「そのようだな。いったん戻ろう」
そう言い、二人は元来た道を戻ろうとしたその時、その背後にはビーム銃を持ったネウロイ、ダダがネウロイ特有の奇声の声を上げ二人に銃口を向け迫ってきていた。ジーナはからの拳銃をダダに投げつけるがダダは投げつけられた拳銃を交戦中ではじき返し、どんどん迫る。するとジーナは
「お前・・・何の目的でこの研究所を支配した!」
と、そう言うとダダはピタッと足を止める。するとダダは
『我々の目的は、戦況を打開するためウィッチのデーターが必要だからだ』
スピーカーから発せられるような声でダダは話すと最初ネウロイが喋ったのに驚いた二人だったが、ヴァネッサは
「ウィッチのデータ?どういうこと?」
『・・・・・まあ、君たちはこれからミクロ化されカプセルに入れられるんだし、話ても問題ないわね。私は過激派研究諜報員ダダ。私たちの目的は戦況を打開するため、ウィッチをこのミクロ化機で小さくし標本として本国に持ち帰り敵の性能を知る。さすれば次こそはヴェネチアでの大敗北の汚名を返上し、我が軍の勝利は近くなる』
「そうは私がさせない」
『あはは!あなた今の状況がおわかり?話はこれまでよ。武器もないあなたたちは何も抵抗できないままこのままミクロ化され標本にされるのよ』
そう言いダダはミクロ化機を二人に向け引き金を引こうとした瞬間。
ピーピーピー!!
「「「っ!?」」」
急にどこからか、アラームが鳴るとダダは
『まったく、これからという時に・・・・・』
そう言うと、ダダは姿を消すのであった。そして残された二人は
「な、なんだったのでしょう・・・・・」
「わからない。・・・・が、とにかくチャンスだ。早くこの施設から出よう」
「え、ええ・・・」
そう言い二人も出口を探すべく動き出すのであった。
一方、ダダは先ほどの連絡室にいた。すると画面からダダの上司らしきネウロイが
『戦闘ウィッチがこちらに向かっている。直ちに迎撃せよ。因みに向かっているウィッチはあのレッドリストに乗っている疾風大尉同様、異世界から来たウィッチだ十分気を引き締めろ』
「了解。直ちに迎撃します!」
そう言い無線を切るとダダは舌打ちをするかのようなしぐさをし
「あの馬鹿上司・・・・あの連絡が無ければあの二人を捕獲できたのに・・・・!」
そう言うと彼女は窓から飛び出すのであった。
一方、エミリアは
「もうすぐ研究所ね・・・・あ、あそこね」
刀を差し、地図を見ながらそう呟くと目的地である研究所が見える。エミリアがその施設に向かうとその施設から、突如赤いビームが飛んでくる
「っ!?」
突如の奇襲によりエミリアはそのビームを避ける。その瞬間、彼女の背後から人型ネウロイダダが現れ彼女を羽交い絞めする。しかしエミリアは羽交い絞めにしたダダを背負い投げをする。そしてエミリアは放り投げたダダに向かって構え
「・・・・・あんたが施設を襲ったネウロイか?」
そう訊くがダダは無言のまま彼女に向かってビームを放つ
「どうやら問答は無用ってところのようね。まあいいわ」
そう言いエミリアは刀を抜くとダダはエミリアに向かってビームを放つがエミリアは数々の修羅場を経験したエミリアは相手の弾道を読みそれをよけダダへと接近する。それを見たダダは焦ったのかエミリアを接近させまいと必死にエミリアに向かって放つが、エミリアはその攻撃もよけ、ダダに向かって刀を振り下ろし袈裟斬りをするがダダは必死によけるがその隙を見たエミリアは宙返りをし、そして足に装着しているユニットの一番固い部分をダダの頭部に思いっきりぶつける
「?✖△☆っ!!!???」
ぶつけられたネウロイダダは言葉に出せないほどの悲鳴に近い声を出し、くらくらとよろめいたと思ったら急にエミリアの前から姿を消すのであった。
「・・・・・消えた?」
急に消えたダダにエミリアは首をかしげる中、ダダは先ほどの連絡室に戻りそして無線のスイッチを押すと
「だめだ・・・・・・強すぎて歯が立たないわ」
そう言い上司に報告すると
『ならば、ウィッチ標本5,6二体をすぐに捕獲し転送しすぐに離脱せよ』
「了解。直ちにターゲットを捕獲しこの施設から離脱します」
そう言うのであった。そして施設内を逃げ回っていたジーナ中佐たちはようやく外に出ることができたのだが、そこは屋上であった。
「よし、まずは外に出られた。ヴァネッサさんここに非常階段とかはあるか?」
「確か、あそこを登ったところにあります」
「そうか」
そう言い二人は非常階段のある方へ向かうと二人の目の前にミクロ化機を持ったダダが立ちはだかっていた
『ふふ、ここが年貢の収めど・・・・・』
「邪魔だっ!!」
『へぶっ!?』
銃口を向けペラペラいうダダにジーナは体当たりしダダを突き飛ばし、ダダは倒れる
「さ、今のうちに!」
「はい!」
そう言い二人は走り抜けようとしたとき倒れたダダがヴァネッサの足を掴み、ヴァネッサは転倒する。驚いて振り向くヴァネッサにダダはネウロイ特有の金切り声で威嚇の声を上げる
「っ!?」
威嚇声に驚くヴァネッサにジーナはすかさず彼女のもとに行き、彼女の腕をつかんでいるダダに膝蹴りを喰らわすと、ダダはその蹴りで手を離し、その隙に二人は非常階段へと走り出す。それを見たダダもすぐに立ち上がり二人を追いかける。そしてジーナたちは非常階段のある場に着く。しかし非常階段があるのはその場から少し梯子を上ったところにあった。そして二人はヴァネッサを先頭にその梯子を上りその頂上へ着こうとした瞬間、彼女の目の前にダダが現れ、銃口を向けるが、それを見たジーナが梯子の傍にあった足場に乗り移ると腕で、彼女の前に立っていたダダの足を思いっきり払いのけるとダダは悲鳴を上げながら真っ逆さまに落ちるのであった。それを見たジーナは
「思ったよりは強くないな・・・・・・」
「そ、そうね・・・・・・」
二人はダダのあまりの弱さに苦笑してしまう。そんな中二人は梯子を上り、やっと非常階段へ着く
「よし、この階段を下りれば・・・・」
そう言い二人は階段へと近づこうとした瞬間、瞬間移動したのかはたまた先回りしたのか目の前にダダはミクロ化機を手にし立ちふさがりじわりじわりと二人を追い詰める。しかもダダの表情‥‥といってもネウロイなので顔なしなのだが、それでも二人が見ても怒っているのがわかる。そしてダダは二人をどんどん建物の端へと追い詰める。逃げようにも後ろは地上から離れているためこれ以上は動くことができない。そんなことをお構いなしにダダはどんどん二人を追い詰めるとヴァネッサが思わず足を踏み外し、それを見たジーナが手を掴むが、その時ジーナ自身も足を踏み外し屋上から落下してしまう。しかし間一髪のところで空の上でダダを探していたエミリアが落下する二人を見つけ、全速力で二人をキャッチする
「中佐、大丈夫か?」
「エミリア大尉。すまない助かった」
「あのネウロイはどこですか?」
「ああ奴なら屋上にいる」
「わかりました。後は私に任せて」
そう言いエミリアは二人を下におろし、エミリアは屋上へと飛びあがると
「さて、少し気分を上げるために音楽でもならそうかな?」
そう言いエミリアはポケットからスマホを出し、音楽を鳴らす。その音楽は某怪獣退治の専門家の戦闘bgmに似た音楽であった。そして屋上へ上がるとダダがエミリアにミクロ化光線を放つが、エミリアはシールドを張り防ぐ
「残念だけど私は巨大化能力を持っていないからシールドを張らせてもらうよ!」
そう言うと、ダダは光線技が通用しないことを悟ったのか、また消える
「また消えた・・・・・」
また消えたことに驚くエミリアだがちょくぞ背後に消えたダダが現れエミリアに築かれないようにそっと近づこうとしたのだが・・・・・
「バレバレだ!」
と、彼女は得意の中華拳法の回し蹴りでさっきダダに回し蹴りをしたところと同じ場所に蹴りを入れるとダダは悲鳴を上げふらつく。するとダダはもう戦ってもかなわないと悟ったのか急いで逃げ出すが
「逃がすか!」
そう言いエミリアもダダを追いかける。そしてエミリアはホルスターから拳銃を取り出しダダを狙い撃つと銃弾はダダのコア付近に当たりダダは爆発を起こし煙を上げながら地上へと落下しその姿を消すのであった。そしてエミリアはダダを撃墜したことを確認するとジーナたちのいる研究所に戻るのであった
一方、ちょうどその頃、研究所では完全武装したマリアンたちが到着した頃であった
「あ、隊長!無事でしたか!」
「ああ、カール大尉。私はこの通り無事だ」
「そうですかよかったです。ところでネウロイはどこですか!?」
そう言うとジーナは笑って
「それならエミリアがやっつけたよ」
「え!?」
「あちゃ~一足遅かったか~・・・て、あエミリアいつ戻ったの?」
「ついさっきよ。それよりも残念だったねマリアン」
「ああ、・・・・まあ隊長が無事ならそれでいいか」
と、そう悔しそうに言うのであった。その後、ダダによって捕まった研究院たちも無事に元の姿に戻り、こうして研究所を襲ったネウロイとそのネウロイが引き起こした自動車事故は、エミリアが撃破したことでこうして幕を閉じたのであった
森の中では
『・・・・・まだ、やられてないわよ!』
森の中ダダはそう叫び
『第一、ただの研究員の私が軍人に勝てるわけないじゃないのよ。ああ、もうこのブラックな職業やってられない。残業も出ないし、休暇も取れないし、もう過激派・・・いや、こうなったらネウロイを止めて人間の姿になってひっそりと暮らそう・・・・・』
そうため息交じりにそう言い暗い森の中をとぼとぼ歩くダダの姿があったのであった・・・・