ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

136 / 244
OP「~たった1つの想い~」

ED「あさきゆめみし」


第129話「rage of Berserker」

ペテルブルグ

 

「はぁ・・・・・」

 

「エイラ。大丈夫?」

 

「お母さん?」

 

502統合戦闘航空団基地では疾風の恋人であるエイラとその娘であるアイ。そしてエイラの親友であるサーニャがテラスにいた

 

「ああ、私は大丈夫なんだけどさ。疾風のことが心配でさ。もうかれこれ数日たっているし手紙も来ないし、まさか何かあったんじゃないかなって思ってサ」

 

「エイラ・・・・・」

 

エイラの心配そうな顔にサーニャが心配するとアイが

 

「お母さん。大乗です!お父さんならきっと元気にしてますよ!きっと手紙が来ないのはきっと何か訳があると思う」

 

「アイ・・・・」

 

私はアイの顔を見る。元気そうにそう言うが若干不安そうな顔をしていた。だがその目はきっと疾風が帰ってくるという希望を込めた目をしていた

 

「ソウダナ。疾風はきっと元気だよナ」

 

と、そう言い。私は部屋に忘れ物をしたとサーニャたちにそう言い部屋に向かう。

 

「(そうだ。アイが我慢しているのに私は何をくじけそうになっているんだ。ここは疾風の婚約者としてアイの母親としてしっかりしなと!)」

 

私がそう思って外を見てみると・・・・・

 

「うわっ!?」

 

「あ、菅野さん。靴紐のひもが切れましたよ!?」

 

外にいた菅野とひかりを様子を見ると菅野の靴の紐が切れたり・・・・・・

 

「きゃ!?お皿が!?」

 

「大丈夫ジョゼ!?」

 

「う、うん。ちょっとお皿を割っちゃった・・・・」

 

ジョゼが持っていた大量の皿を落として割ったり・・・・・

 

「ギャァーギャァーギャァー!!」

 

「なんかこの基地烏がたくさん集まっていない?」

 

「そうね・・・・・今までこんなことなかったのに」

 

基地の電線や頭当たりに大量の烏が止まってギャァーギャァーギャァー!!とせわしなく鳴いたり

 

「あなたと言う人はまた勝手に私のキャビアコレクションをつまみ食いしたわね!!」

 

「ごめんってば先生!?」

 

ロスマン先生がクルピンスキーを追いかけたり・・・・・最後のはいつも通りの出来事か。まあとにかく今基地内では不吉の前兆みたいな出来事が起きている。大丈夫・・・・ダヨナ?

 

「(疾風・・・・・)」

 

私は心配になって疾風の運勢をタロットで占ってみた。そして出たタロットカードは

 

「(死神・・・・・)」

 

そのタロットに表示されたのは不吉を表す死神のタロットであった。私は

 

「(疾風・・・・・無事でいてくれヨ・・・・)」

 

私はただ最愛の人の無事を祈るしかなかった。

 

 

 

事情徴収が終わった後、プレディ中佐やグリュンネ少佐、キーラ少佐以外の他のメンバーは談話室にいた。因みにハインリーケも夜間哨戒があるため部屋で寝ていて談話室にはいない。

 

「それにしても驚きです。まさか大尉たちが異世界から来たなんて・・・・」

 

ジェニファーがそう言うとエミリアは頷き

 

「まあ、信じられない話だけど。誰が何と言おうと事実だからね~」

 

「でもちょっと、信じにくいよな?エミリア。なんか異世界から来た証拠ある?」

 

「証拠?そうね・・・・・」

 

エミリアは懐から、ある物を取り出す

 

「エミリアさん。なんですかその黒い板?」

 

「疾風も持っているけど。これはスマートフォンと言ってね。まあ平たく言えば携帯できる電話よ」

 

「え!?これが電話なんですか!?」

 

「そんな馬鹿な!?」

 

スマートフォンを見せられこれが電話だというエミリアに黒田とマリアンは驚き

 

「へ~大尉たちの世界ってこんな便利なものがあるんだね~」

 

「そうだな。これがあればいろいろと生活が楽になりそうだな」

 

アドリアーナとアイザックが感心してスマートフォンを見る。するとカーラが

 

「なあ、なあ。じゃあこれで誰かと話しできるのかよ!?」

 

と、興奮した状態で聞くと

 

「え?そうね・・・・・この世界じゃあ衛星が使えないし、電波も違うから通じないと思うよ。でもこれ音楽とか保存した映像とかなら出せるよ」

 

「え?ほんと?」

 

「ええ。ほら」

 

と、そう言いエミリアはスマートフォンを操作するとスマートフォンから音楽が流れ出す。因みにエミリアが流している曲はエミリアの時代に日本で流行ったアメリカンな曲であった

 

「うわぁ!ナンダコレ!?音楽が流れているぞ!?」

 

「すごい!」

 

「どう?これで私たちが別世界の人ってわかっただろ?」

 

エミリアはそう言いみんなは納得したように頷く。するとジェニファーが

 

「あれ?そう言えば疾風大尉はどちらに?」

 

「そう言えばそだね~さっきまでここにいたのに」

 

ジェニファーの言葉に黒田が気が付きし当たりを見渡すと確かに先ほどまでいた疾風の姿はいなかった。するとエミリアが

 

「あいつなら、なんかあの殺人鬼の戦いに備えて集中したいからとか言って庭の方へ行ったわよ。あいつ・・・・変な気を起こさなきゃいいんだがな」

 

「え?」

 

「あいつのあの目。少し危ない気がしてね。あいつ、ああ見えて結構無茶するからね。それにあいつなんか昨日のことがあってか少し元気がなかったというか焦りみたいなのが見えたからね~」

 

と、そう言うと黒田が

 

「じゃ、私は疾風大尉のこと励ましに行ってきます!!元気がないなら励ますのが一番ですから!!」

 

黒田はそう言うのと同時にまるで鉄砲玉のように部屋を飛び出したのであった。それを見たみんなは苦笑して

 

「やれやれ黒田は相変わらずこういう行動は早いな」

 

「そうだね・・・・」

 

アドリアーナの言葉にアイザックは頷くとカーラはマリアンの方を向き

 

「マリアン。本当はあんたも疾風大尉の所に行きたかったんでしょ?」

 

「どういう意味だカーラ」

 

と、マリアンはコーラを飲みながらそう言うとカーラはにやって笑って

 

「え?だってマリアン疾風大尉のことが好きなんだろ?」

 

「ぶっ!!おまっ!?い、いきなり何言い出すんだ!?」

 

カーラの言葉にマリアンは吹きだし顔を真っ赤にして言うとジェニファーが

 

「そう言えばマリアンは疾風の話になると顔を赤くしたり、やたらと嬉しそうな顔をしていたけど・・・・」

 

「ち、違う!?私はあいつに一目惚れとかそう言うんじゃ・・・・・」

 

「誰もそこまで言っていないぞ?大尉」

 

「あ///」

 

「そうか~一目惚れか~女の子にはよくある話だね」

 

「ねえねえマリアン。一目ぼれって言っていたけど疾風大尉のどこに惚れたわけ~」

 

「あ、あの出来たら私にも教えてくれませんか?」

 

「あ、僕もいいジョークのネタになりそうだし教えてくれる?」

 

「お、お前ら・・・・・」

 

と三人がマリアンをからかっている中、アドリアーナはエミリアと話していた

 

「姫さんに続いてカール大尉もか・・・・疾風大尉は天然の女ったらしだな。ハルトマン大尉あの男は昔からああなのか?」

 

「私の知っている範囲では、あいつは優しさに境界線が無いから、誰も彼に好意を持っちゃうのよ。本人は自覚がないけどね」

 

「なるほど。少し厄介な性格なんだな・・・・・・ところで疾風大尉には彼女はいるのか?」

 

「彼女と言うか婚約者と言うか・・・・・あいつ嫁さんがいるわよ。後、娘も」

 

「・・・・・・・マジか」

 

「ええ、マジよ」

 

と、そう言うとエミリアは談話室の窓を見ると

 

「(夕暮れでもないのに空が赤い・・・・いやな天気だ・・・・・・不吉な事が起きなきゃいいが・・・・・)」

 

と、そう思うのであった

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ!はぁ!はぁ!!」

 

疾風はあの事情徴収の後、基地の庭で素振りをしていた。そして素振りをした後疾風は自分の剣技の技を繰り出し。いずれ来るレイナーレとの戦いに備え集中力を高めていた。だが、それと同時に疾風は一つの焦りを感じていた

 

「(あいつのナイフ術に身のこなし・・・・・ラフコフの暗殺技術の腕はまったく衰えていない。それに対し俺は長い間、ネウロイと言う謎の敵と戦ってはいたが、その反面、人との戦いはこの世界に来てから一度もしていない。果たして今の俺の腕で奴を倒せるのか・・・・)」

 

疾風は、昨日の夜レイナーレと交戦した時に彼女の腕が今の自分より高いことがすぐにわかった。疾風は戦闘機のパイロットではあるが、幼き頃、家や士官学校時代で銃剣術や剣術、格闘技などの白兵戦をみっちり叩き込まれたので他のパイロットと比べると少しばかりか腕が立つ。しかし今の自分は確かにレイナーレの言った通り腕が落ちているかもしれない。けど・・・・・

 

「・・・・・勝つしかないな。この命に代えても」

 

俺は刀を鞘に戻した疾風はそう言うのだが、その目は若干、光りを失っていたのであった。だが、疾風は顔を両手でパアンと叩き、寝っ転がると

 

「しっかりしろ俺。命に代えては駄目じゃないか。少なくとも二人の顔を見るまでは」

 

そう俺はまだ死ぬわけにはいかない。エイラやアイに約束したんだ。必ず戻るってだから俺は死ぬわけにはいかない・・・・・そう思って起き上がると。何かの気配を感じた。そして

 

「つっかまえた~♪」

 

無邪気な声とともに視界が真っ暗になり誰かの手が、自分の顔を覆っている事を悟る。

 

「ふふ。私があれだかわかりますか?」

 

最初俺はレイナーレかと思ったがすぐに違うとわかる。第一奴ならこんなことはせずにすぐに俺を殺しているはずだ。だとするとこの声は

 

「・・・・もしかして黒田中尉か?」

 

そう言うと、俺の視界が急に晴れ、後ろを振り向くと

 

「大せいかーい!!」

 

と無邪気な笑顔を見せた黒田がいた。そして黒田はにこっと笑って

 

「疾風大尉。基地内にいないですから探しましたよ?あ、隣座っていいですか?」

 

「あ、ああ・・・」

 

俺は彼女の笑顔にただ頷くと黒田は俺の隣に座ると俺は

 

「黒田さん。俺を探していたって言っていたけどなんか用だったのか?」

 

「うん。なんか疾風大尉元気がなさそうだったから、なんか元気の出る言葉でもかけようかな~って」

 

「そ、そうなのか・・・・俺は別に元気だぞ?」

 

「そうですか?その割にはなんか顔が怖い顔になっていますよ?」

 

と、少し心配そうな顔をして

 

「もしかして例の殺人鬼のことですか?」

 

黒田にそう訊かれ俺は黙ってうなずくと黒田は

 

「大尉。そんなに自分だけ全部背負いこまなくてもいいんですよ?そんなに自分ですべて抱え込んだら大尉の身が持たないですよ。うちの実家の宮崎のじっちゃん言ってましたよ「人間一人でできることは限られているから、みんなで協力してやればどんな困難でも乗り越えることができる」って。だから大尉。そんなに自分を追い詰めないでくださいね」

 

そう言うと黒田は「それに」と付け加え

 

「それに疾風大尉のその怖い顔に合いませんよ。まるでヴィトゲンシュタイン大尉のようですよ。こう目ぇーが吊り上がって顔がビキビキて感じになっていますよ」

 

と、変顔をして俺に言う。その素振りやハインリーケ大尉の真似なのか変顔をする(実際にはよく似ている)彼女に俺は

 

「あはは・・・それはハインリーケ大尉に失礼だぞ黒田」

 

そう言い俺は笑うと

 

「あ、やっと笑ってくれましたね。そうそう、そうでなくっちゃ。疾風大尉は笑顔が一番似合ってますよ。」

 

と、満面の笑みを浮かべる黒田に俺は笑って

 

「黒田。すまないな。励ましてくれて」

 

「いいんですよ。私たち戦友じゃないですか」

 

と、そう言う黒田は

 

「それはそうと大尉は彼女さんとかいるんですか?」

 

「ああ、ペテルブルグの方に婚約者がいる」

 

「じゃあ、その人のためにも大尉は笑顔でいなきゃいけませんよ!」

 

「ああ、そうだな」

 

と、ニコッと笑ってそう言うと黒田は立ち上がり

 

「じゃあ、大尉。そろそろ戻りましょう。もうすぐ夕食の時間・・・・」

 

と、黒田がそう言いかけた時、彼女の背後から突如、黒い影が彼女に覆いかぶさりそして木の上に飛び上がる。その黒い影の正体はレイナーレであった。そしてレイナーレは

 

「疾風!貴様の仲間を預かったぞ!」

 

レイナーレは最初に現れたガリア諜報部でも黒服でもないかつての武装親衛隊の軍服姿の姿であった。そして俺は黒田を見たが彼女は、気絶していた。黒田の口元を見るとレイナーレにガーゼみたいなので口をふさがれいる。恐らくあれに眠り薬を仕込まれているのであろう。いや、そんなことより

 

「レイナーレ!!」

 

「怒りな疾風!!お前が怒ればあの時の殺戮者に戻る!憎め!私を憎みな!私を憎んで元のお前に戻れ!あの時の日本海軍の疾風に戻れ!!人殺しに戻れ疾風!!」

 

と、そう言いレイナーレは俺に何かの手紙みたいなのを投げるのと同時に黒田とともに姿を消すのであった。

 

「レイナーレ・・・・」

 

その瞬間、疾風は怒りの表情を見せ。それと同時に彼の中の何かが壊れた・・・。そして、疾風の中の何か黒いものが覚醒する・・・・・

 

 




次回はとうとう疾風が・・・・・・・
次回もお楽しみに

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。