ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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やっと書き終えました。久しぶりの投稿です


第9話「夜間任務と誕生会」

サーニャの部屋兼臨時夜間専従員詰め所

 

 

「・・・・・・・」朝 

 

 

眠れない・・・・・昨日の疾風の傷を見てからだ・・・・疾風のいた人間との戦争の世界・・・疾風はどんな気持ちで戦っていたのだろうか・・・・

 

「そう言えば疾風の部屋はこの部屋の隣だったな・・・・・あいつの寝顔でも見てみるか・・・・」

 

そう言い私は疾風の寝顔を見に部屋に向かった。

 

「疾風~起きてるか~?」

 

私は疾風の部屋に入った。中は質素で飾りがあるとすれば、壁に朝日のような旗が飾れていた。確かあれは疾風の世界の扶桑・・・疾風は日本て言っていたっけ。その国の海軍の旗つまり軍艦旗が飾られていた。

なんでそんなのがあるかと前に疾風に訊いたことがあった。なんでもユニットを整備しに行こうとしたらなぜかその場にあったという・・・・ベットを見るとそこに疾風は寝ていた。

 

「・・・・寝てる姿を見ると本当に女に見えちまうな」

 

サーニャよりは劣るが、それでも美少女と言ってもいいくらいの顔だ。私は疾風の頬を指で突っついた。

そして額を見てみると昨日見た傷があった。私は優しくなでた。

 

「疾風・・・・」

 

「何やってるのエイラ?」

 

後ろを見るとそこには宮藤とサーニャがいた。

 

「!? サ、サーニャ。それに宮藤もなんでここに/////」

 

「それは私のセリフですよエイラさん。」

 

「エイラが起きて疾風さんの部屋に行くのが見えたから・・・・で、何やってるのエイラ?」

 

「いや、あの、その・・・・・疾風の寝顔を見に・・・・」

 

そう言うと、二人は疾風の顔を覗き込んだ。

 

「かわいい・・・・」

 

「本当ですね・・・・本当に女の子みたいですよ」

 

「うん・・・・・」

 

「誰が女顔だって?」

 

3人「!?」

 

そこには片目を開けた疾風がいた。

 

「疾風さん。起きてたんですか!?」

 

「いつ起きてたんだ?」

 

「ん?エイラが俺の頬を突っついたあたりから。それよりどうしたんだ3人とも。こんな部屋に来て何か用か?」

 

「えっと・・・・」

 

するとサーニャが・・・・

 

「疾風さん。疾風さんは元の世界で人間との戦争をしていたんですよね・・・」

 

「・・・・・ああ・・・してたよ。たぶん今も続いてるかもしれないな・・・・」

 

「・・・・・・なんで、人と人が争うんですか?」

 

「火種はいろいろあるよ。領土、資源、中には宗教の違いで起こったこともある。」

 

するとエイラが何か思い詰めて聞いた。

 

「疾風・・・・人を殺すっていうのはどんな感じなんだ?」

 

「・・・・・・エイラ。それは知らない方がいい。ただ、言えることは一生消えることのない罪を背負うことになるということだ・・・・俺は戦争とはいえ多くの命を奪ってしまった。俺は悪人だな・・・・」

 

国を護るとはいえ、俺は殺しすぎた。あの悪夢に出てくる奴らの言ったとうり、俺は悪人だ・・・

 

「そんなことない!!疾風はいいやつだ!!」

 

「・・・・エイラ・・・・」

 

「そうですよ疾風さんは悪人じゃないです!!私も疾風さんいろいろと助けていただきました。」

 

「現に疾風さんは私たちを守ってくれました。」

 

「そうだぞ。初めて会った時も私を助けてくれたじゃないか!!」

 

「・・・・みんな・・・」

 

(そうか・・・・俺はみんなを・・・・)

 

いつの間にか俺には守るべきものが増えていた。そう感じる疾風だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方

 

「夕方だぞーおっきろ―♪」

 

無邪気な声が響き俺は食堂に向かう。そこに置かれていたのは・・・・・

 

「・・・・・肝油か・・・これ」

 

なんか嫌なこと思い出してきた・・・・

 

「はい、ヤツメウナギの。ビタミンたっぷりで目にいいんですよ」

 

ハルトマンが臭いをかぐ

 

「なんか生臭・・・」

 

「魚の油だからな・・・栄養があるなら問題ない」

 

「はーはは。いかにも宮藤さんらしい野暮ったいチョイスです事。」

 

とペリーヌは馬鹿にするが・・・・

 

「いや、持ってきたのは私だが…」

 

宮藤のではなくペリーヌが敬愛する坂本少佐のものだった。

 

「あ、ありがたくいただきますわ!!」

 

「あ、ちょっと待てペリーヌ!」

 

ペリーヌはそのまま肝油を一気飲みした。すると顔色が青くなり、そのショックで眼鏡にひびが入った。

 

「うえ~なにこれ~」

 

ルッキーニは当然の反応を出し、シャーリーは

 

「エンジンオイルにこんなのがあったな・・・・」

 

エンジンオイル飲んだことがあるのかよ!?

 

「ぺっぺっ!!まずいぞこれ」

 

エイラは完全に舌が拒絶し、サーニャは固まってしまっている。

 

「新米の時は無理やり飲まされ往生したものだ」

 

「お気持ち、お察知します・・・・・」

 

「もう一杯♪」

 

ここでまさかの中佐お代わりプリーズをした。まるで陸軍戦車隊のまほ大尉のようだな・・・隣にいるハルトマンは軽く引いて、トゥルーデ義姉さんにいたっては完全に轟沈していた。

 

俺は意を決して肝油を飲んだ・・・・・うん。やはり不味い・・・・だが士官学校時代のサバイバル訓練でカエルや蛇を口で捌いたりして料理したり、ある時はコックローチをソテーして食べたりしたな‥・・・・あの時に比べたら・・・

 

「さすが大尉・・・・飲んでも平気なんですね・・・・」

 

「まぁ・・・・コックローチのソテーに比べたら・・・・・」

 

「コ、コックローチ!?」

 

「リーネちゃん。コックローチって?」

 

「よ、芳佳ちゃんは知らなくていいことだから!!」

 

「?」

 

因みにコックローチとは長い触覚に黒いテカテカしたあの・・・・・・

 

(割愛)

 

そして夜がやってきた。最初は夜間に怖がっていた宮藤も今は平気で飛んでいる。俺はというと昔夜間哨戒を経験していたため大丈夫だった。

 

「ねえ、聞いて!今日は私の誕生日なの!」

 

「え?・・・」

 

「そうなんですか・・・・」

 

「なんで言わなかったんだよ」

 

「‥‥でもこの日はお父さんの命日でもあるの」

 

なるほどな…複雑だろうな・・・

 

「馬鹿だな~こういう日はおめでたいことを優先してもいいんだぞ」

 

「え?・・・・」

 

「エイラの言うとうりだ。こういう日はめでたい事優先させた方がいい。」

 

「・・・疾風さん・・・」

 

「・・・・宮藤さん、耳を澄ましてみて…」

 

と、サーニャは頭のセンサーに手をかざす。するとどこからか陽気な音楽が流れてきた。

 

「これって・・・・ラジオか?」

 

「‥‥雲の上だとよく聞こえるの」

 

「へ~すごいですね」

 

どうやらサーニャは一人での任務の時はこれで暇をつぶしていたみたいだ。

 

「サーニャ。それは二人だけの秘密じゃなかったのかよ・・・・」

 

「ごめんねエイラ」

 

エイラが面白くなさそうな顔をした。きっと二人で夜間任務に出ていたころに共有した秘密なんだろ・・・

 

「ん!?」

 

なんか気配を感じた。するとサーニャの魔導針が反応したがそれだけではない。

 

「なんだ・・・・・?」

 

「これは・・・・声か?」

 

 

何か唸り声のようなのが静かな夜空に響く。しかもその唸り声のリズムに聞き覚えがあった。

 

「これは・・・・サーニャさんの歌に似ている・・・」

 

「・・・なんで・・」

 

「敵か?サーニャ」

 

「え!?ネウロイなんですか!!」

 

「ああ・・来るぞ!!」

 

「え?・・・・」

 

すると雲の中から赤いビームが降ってきて光はサーニャの左足をかすめた。

 

「サーニャ!!」

 

エイラは落下するサーニャをキャッチした。

 

「サーニャちゃん大丈夫!?」

 

幸い、左のストライカーは失ったもののサーニャには怪我はなかった。しかし

 

「敵の狙いは、私‥‥みんな私から離れて逃げて」

 

そう、確かにサーニャが回避行動をとったときにネウロイのビームは確実にサーニャを狙っていた。

 

「駄目だ!!仲間を置いて逃げるわけにはいかない!!」

 

「で、でもみんなが・・・」

 

「サーニャは一人じゃないだろ!」

 

「そうだよ。私たちはチームだよ。サーニャちゃん」

 

そうだ俺たちはチームだ。誰一人も欠けてはならない。

 

「エイラ。俺が奴に仕掛けて雲の上に引きずり出す。その瞬間にあいつを倒せ!!サーニャは敵の位置の指示を頼む!!」

 

「了解しました!」

 

「わかった!」

 

「疾風さん気お付けて」

 

「よし!作戦開始!!」

 

そう言い俺は分厚い雲の中へと入った。

雲の中は何も見えないが、奴のビームがこっちに向かっていった。だが・・・・

 

「・・・・・変だ‥‥殺気があまり感じられない」

 

この世界に来てから、今まで戦ってきたネウロイは殺気を放っていたが、今は感じていない。

疾風はそう不思議な感じをしながら敵のビームを交わしながら機銃を撃った。敵の攻撃が止み、位置がわからなくなる。しかし

 

「サーニャ。敵の位置は」

 

「疾風さんのいる位置から、2時の方向。距離1500‥‥」

 

「了解。追撃する」

 

敵を発見し、機銃を撃つ。そして敵は雲の上へと出てきた。

 

「今だ!!エイラ!!」

 

「了解っ!!」

 

宮藤「私が敵の攻撃をシールドで防ぎます!」

 

「グッジョブだ宮藤」

 

集中攻撃を受けたネウロイはそのまま粉々に砕け散った。

だが、さっきの音はまだ止まない。

 

「この音は・・・・ピアノの音か・・・」

 

するとサーニャは何かに気が付いたようだ。

 

「これは・・・・お父様のピアノの音・・・」

 

ラジオから流れるその音はサーニャが歌っていたあの歌の伴奏そのものだった。

 

「心が落ち着く音色だな…」

 

ここでエイラから、今日がサーニャの誕生日だということを聞かされた。

 

「お誕生日おめでとう、サーニャちゃん!!」

 

「あなたもでしょ?・・・・誕生日おめでとう、宮藤さん」

 

「おめでとな~二人とも」

 

「おめでとう。今日は月も祝ってくれるみたいだ」

 

今日は満天の星空で、月がまるで二人を祝福するように優しく輝いていた。

月の光を浴びながら俺たちは基地へと戻っていった。

 

そして・・・・

 

 

 

全員「サーニャ!宮藤誕生日おめでとう、!!」

 

基地に着くと早速誕生日パーティーがはじまった。ふたりともうれしそうだ。そしてサーニャを見守るエイラも。

俺はソファーに座って二人を眺めていた。するとそこへミーナさんが来た。

 

「どう?疾風さん。楽しんでいますか?」

 

「ええ・・・とても、こういう安らかな感じになったのは本当に久しぶりだ」

 

「・・・・そう言えば疾風さんがこの世界に来て3か月が経つのね・・・・」

 

「そうですね。ここに来た日のことがつい昨日のことに感じますよ。」

 

「ふふ・・・疾風さん。初めてここに来たときは少し固かったけど。今は打ち解けているようで安心したわ」

 

そう言いミーナ中佐はそう言い、みんなのところにもどった。

そう、この世界に来てからもう3か月も経つのだ。この3か月間の中いろいろなことがあったな・・・・異世界に飛ばされ、その後義姉さんができたり、水訓で溺れそうになったりといろんなことがあったな。

そう言えば俺の世界では一体どうなっているのだろうか、義母さんや先生、そして源田司令は元気にしているのだろうか・・・・・

しばらくして、誕生日会も終わり、後片付けを終えて、各自部屋に戻り、俺も部屋に戻って寝た。

 

 

 

しばらくして、目が覚めた。

 

「ん・・・・・朝か…‥いや違うなまだ真っ暗だし‥‥ん?」

 

すると布団の中で何か違和感があった。布団をめくるとそこにはエイラが寝ていた。

おそらく寝ぼけて自分の部屋の隣である疾風の部屋に入ったのだろう。

 

「え?エイラ?なんでここに・・・・」

 

疾風は驚いたが・・・・・

 

「・・・・・まあ・・・・いいか・・・」

 

疾風自身も寝ぼけていたため、気にせず布団に潜り、二度寝した。

 

翌日それが見つかり大騒ぎになったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      次回「大パニックズボン紛失事件」

 

 




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