ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

107 / 244
今日は疾風とエミリアの共闘です



op「INNOCENCE」

ED「Fly Away」


第102話「超空の要塞」

あれから翌日が経ちⅤ2の試験飛行が明日に迫った日のこと俺はいつものように朝の散歩を終え部屋に戻ると

 

「お父さん。おかえり」

 

と、アイが俺に抱き着くそして俺はアイの頭を撫でて

 

「ただいまアイ。いい子にしていたか?」

 

「うん♪」

 

俺がそう言うとアイは嬉しそうに頷く。なんだろう。この無邪気な笑顔を見ると小さな不安が消えていくな・・・・これも父親になったせいかな?って言うより16歳の父親か・・・・・なんかなんかのラノベのタイトルとかに出そうだな・・・・・

 

「お父さんどうしたの?」

 

「あ、いいやなんでもないよ」

 

と、俺はベットに座りアイは俺の隣に座る。するとアイは

 

「ねえ、お父さん・・・・・・・」

 

「なんだアイ?」

 

「あれ・・・・・あの設計図に書かれていたの私、嫌い・・・・・」

 

設計図?・・・・ああⅤ2試作ロケットのことか・・・・・

 

「あれ、物体だけど爆発したらなんか過激派ネウロイのまき散らす瘴気と似たようなことが起きるような感じがする・・・・・・」

 

と、アイはぬいぐるみをぎゅっと抱きしめ不安そうにそう言う。もし書いてアイは核爆発の後に降り注ぐ死の灰・・・・放射能のことを言っているのか?俺は震えているアイの手をそっと握り

 

「大丈夫だアイ。Ⅴ2は何が何でも止めて見せる・・・・・もう悪魔の火を生み出させるようなことは絶対にさせやしないよ」

 

と、俺はアイを安心させるためそう言うのであった。Ⅴ2の発射実験は何が何でも阻止しなければいけない・・・・もう核の悲劇の被害者は俺たちの世界で十分だ。そう俺は心に誓うのであった。

 

 

 

 

 

 

アイと話したその後、急に俺たちはブリーフィングルームに呼び出された。そしてみんながブリーフィングルームに着く。だがそこにはエイラとサーニャの姿はいなかった。実は二人は夜間哨戒のため夜に備えて寝ているのだ。

 

「みんな、集まったな・・・・先生」

 

「はい」

 

と、ラル少佐の言葉にロスマンは頷き

 

「先ほど、この基地に向かっていたⅤ2の弾頭を運んだ汽車がネウロイに襲われました」

 

「「「っ!?」」」

 

その言葉にみんなが驚く中、ロスマンさんは話を続ける。

 

「そして、先ほど偵察機が汽車を襲ったネウロイを撮った写真がこれです」

 

と、そう言うとスクリーンにそのネウロイが映し出された。そのネウロイは大型で爆撃機のような形をしていた。しかもそのネウロイはエミリアや特に疾風がよく知っている形であった。

 

「疾風・・・・あれは・・・・」

 

「ああ、忘れもしない・・・・B29スーパーフォートレスだ」

 

と、小声で話す。そう、その写真に写ったネウロイの姿は第二次大戦当時最大の爆撃機で「超空の要塞」の異名をとるあのB29だ。B29爆撃機・・・・日本人ならこのB29を知らない奴はいないだろう。東京大空襲や広島、長崎の原爆投下などの無差別爆撃をした日本の因縁の飛行機だ。その中ロスマンさんが

 

「さらにこのネウロイは観測班の調査の結果、周囲に霧みたいなのをまき散らしている模様です」

 

「霧?なんで?」

 

「もしかしたら、前のグリゴーリみたいにシールド見たな感じでしょうか?」

 

「恐らくな・・・・」

 

「それだけではありません。このネウロイはそのⅤ2の弾頭を取り込んでいます」

 

「なんだって!?」

 

「それは本当か、曹長!?」

 

「ええ、本当です」

 

と、疾風やエミリアがそう訊くとロスマンは頷き、そして別の写真をスクリーンに映す。その写真に写るネウロイの腹のあたりに先ほど汽車に積んであったあの核弾頭が入った箱がネウロイの体内に移っていた。それはⅤ2の核弾頭を襲ったネウロイだという決定的な証拠であった。これは本当に厄介なことになった。もし銃撃して迎撃している最中、誤って核弾頭に命中すれば被爆する可能性がある。

 

「B29に核・・・・・何という皮肉ね・・・・」

 

とエミリアが帽子を深く被りそう呟く。そしてラル少佐はため息をし

 

「下手に銃撃して、新型弾頭に命中すればひとたまりもない・・・・・これは慎重に攻撃しないといけないな」

 

「そうですね・・・」

 

そしてその後、このネウロイと交戦した時はその弾頭に命中しないように攻撃をするということになり今回の会議はお開きとなった。そして俺は格納庫に行き俺の愛機である紫電改を見ていた。

 

「紫電改。次の相手はあのB29だぜ・・・・・・俺やお前にとっては因縁の相手だな」

 

と、俺は一人で話しかけていた。すると・・・

 

「疾風、なに紫電改に話しかけているの?」

 

と、そこへエミリアがやって来た

 

「ああ、エミリアか。まあちょっとな。特に理由はねえけどなんか話しかけたら返事をしてくれそうでさ。・・・・・で、お前は?」

 

「私も似たような物よ。ちょうどフォッケウルフと話すのも悪くないと思ってね・・・・・」

 

と、そう言い彼女はしゃがみ自分のユニットであるfw190Exを撫でる

 

「今思えばこのフォッケとはメッシャーよりも長い付き合いだったわね・・・・・・あなたの紫電改もそうなんでしょ?」

 

「まあな・・・・・・さて、きちんと調子が出るように整備しとくか。なんせ相手は超空の要塞だからな」

 

「そうね。それなら私もそうするわ」

 

と、俺とエミリアはユニットの整備をするのであった。そして整備が終わり俺たちは部屋へと戻ろうとした瞬間、いきなり基地内にサイレンが響き渡る。これはネウロイが現れたというサイレンだ。

 

「エミリア!」

 

「ええ!」

 

そう言い俺とエミリアは格納庫へ戻りそしてユニットを履いて先に出動する。そして少し遅れてみんなも出撃するのであった。

 

「今、誰が先に出撃したんですか?」

 

と上空でフリーガハマーを持ったロスマンがそう言うと下原が固有魔法でその姿を見る

 

「はい、疾風さんとエミリアさんです。ふたりのユニットとても速い・・・・・もう豆粒くらいまで引き離されている・・・・」

 

「今更思うけど疾風君たちのユニットってなんか規格外すぎるよね~」

 

「それは同感だ。俺やひかりと同じ紫電改なのになんであんなに速度が違うんだ?」

 

「それにエミリア大尉のfw190もよ。あの速度・・・まるで噂に聞いたジェットストライカーのようね・・・・これも異世界の技術かしら?」

 

と、みんながそう言うのであった。すると無線から・・・・

 

『こちら疾風!Ⅴ2を襲撃した大型ネウロイを発見!!これより交戦する!!』

 

というのが聞こえるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・いた!B29だ!!」

 

先に出撃した俺とエミリアは全速力で飛んでいると向こうの山の陰から一つの物体が見えた。まるで巨大な怪鳥のような漆黒の姿。間違いないブリーフィングルームの写真に出ていたB29の姿を模した大型ネウロイだ。俺は三式機銃の安全装置を外し、エミリアもMg42の安全装置を外し攻撃態勢に入るため奴より高めに上昇する。これは相手の死角に入るためと腹についている核爆弾に弾丸を当てないためだ。そして攻撃態勢を整えると俺はインカムを取り

 

「こちら、疾風!Ⅴ2を襲撃した大型ネウロイを発見!これより交戦する!!」

 

と、報告すると俺は得意の前上方背面垂直攻撃を繰り出しネウロイの攻撃を躱しながらB29に13ミリ弾を叩き込む。それを見たエミリアは

 

「ふっ、疾風にだけいい格好はさせられないわね!」

 

と、そう言いエミリアも急降下して攻撃をし二人の放った銃弾はB29に命中し装甲を削る。するとネウロイは悲鳴を上げて若干速度が下がる

 

「よっし!行ける!!」

 

と、エミリアがそう言うと・・・・・

 

「ん?」

 

と、急にB29の動きに変化があったそれは機銃座が付けられている部分から急に灰色の煙を吹きだしたのだ。

 

「なんだあれは・・・・もしかしてあれは灰か?」

 

「・・・・まさか!?」

 

と、エミリアはスマホを取り出しあるカプセルみたいなものをスマホのイヤホンジャックにつける。するとスマホの画面から3桁の数値が表示されそれを見たエミリアは・・・・

 

「間違いないわ・・・・・・疾風、あれはただの煙じゃない。放射能よ!」

 

「何!?」

 

俺はその言葉を聞いて驚く。恐らくあのネウロイはⅤ2に含まれる放射能を霧という形で放射し自身の身を守っているというわけか。ただでさえ核弾頭を取り込んでいるというのに厄介なことになった。だが、ここで退くわけにはいかない。ここで退いたらペテルブルグは放射能で汚染された死の街になる。するとエミリアは無線で何かを話すと

 

「疾風、今、ロスマン曹長に報告したけど、援軍が到着するまであと15分掛るみたいよ」

 

「15分!?それじゃあ間に合わない!」

 

援軍を待っている間、相手は500以上の速度で飛んでいる援軍を待っていれば街に入られる。何もない山のあたりで何とかしなければいけない。

 

「だがどうやってやつを倒す。いちいち銃弾を叩き込んでは時間が・・・・・・・・・っ!?」

 

すると俺の脳裏にあることが浮かんだ。それは危険な賭けだがもはやそれしか方法がない

 

「エミリア・・・・」

 

「・・・なに?」

 

「お前・・・・・賭け事は好きか?」

 

「え?・・・・ええ、それが・・・・・・って、あなたまさか!?」

 

「ああ・・・・・奴の腹に突き刺さっている核弾頭を爆発させる。あまりこういうのは好きじゃないが幸いここは誰も近寄らない山や崖のある場所、爆発させても問題はないはずだ」

 

「っ!?あなた!それ本気で言っているの!!確かに核爆発がこれば奴を倒せるかもしれないけど奴は放射能の霧を出しているのよそれをどうやって近づくのよ!」

 

「エミリアは奴の上から射撃して注意をそらしてくれ、その間に俺が真下から突っ込んで近距離射撃をし全速力でこの空域を離脱する。いまのところはそれしかない」

 

「・・・・・あなた死ぬ気?」

 

「いや、まだ死ぬ気はねえよ。少なくともエイラと一緒に天寿を全うするまではな」

 

と、俺は不敵の笑みでエミリアにそう言いエミリアはじっと俺を見るとはあ~とため息をつき

 

「まったく日本人(ヤーパン)は本当に命知らずのド阿呆ばっかりね。カミカゼなんて言葉はこういうことを言うのかしらね?」

 

と、あきれたようにそう言い

 

「わかったわ。でも死ぬんじゃないわよ」

 

と、そう言い上昇するのであった。そして俺はB29を睨み

 

「さて・・・・・いっちょ派手にやりますか!」

 

と、そう言い俺は距離を取りつつ急降下してB29の真下の入る。そしてエミリアは

 

「ほら!こっちだこっち!!」

 

Mg42を連射させながらそう言う。すると大型ネウロイB29はエミリアの方へ向けてビームを発射させるエミリアはそれを躱しながら撃ち

 

「かかったわね!私は囮よ!!」

 

と、そう言うのと同時に疾風が最高速度で核弾頭がある箱に目掛けて急上昇する。それに気づいたB29はビームを発射するが疾風は固有魔法である弾道予測でこれを回避、核弾頭まで約500を霧機銃を構え引き金を引こうとした瞬間。

 

「ぐわっ!」

 

急に俺に向かって放射能の霧が吹きかかる。無論シールドを張る余裕がなかったため俺はそれをもろに喰らう。それを喰らった瞬間俺の口から血が零れる。そして体の内側が焼けるみたいな熱さと激痛が俺を襲う。

 

「くっそ・・・・・」

 

俺はその痛みに耐え照準を核弾頭の入った箱に狙いを定め、そして魔法力を込めて引き金を引いた。そして無数の13ミリ弾はその箱に命中し俺は全速力でその空域を脱出しようとしようとしたが体に力が入んない。恐らくさっきの放射能のせいだな・・・・すると誰かが俺の体を抱き上げる。持ち上げたじ人物はエミリアであった。

 

「この大馬鹿!あれだけ無茶するなといっただろうが!」

 

と、そう言いそして全速力でその空域を出るのであった。そして次の瞬間、激しい爆発音にそして核特有の閃光と衝撃波が起きる

 

「「うわっ!?」」

 

その衝撃波に俺たちは吹き飛ばされそうになったが何とか耐え、そして先ほどのB29がいた所を見る。するとそこには巨大なキノコ雲が立ち上がるのが見えそして煙が晴れた時にはB29とそのそばにあった山が消えていた。それは疾風たちのもとに向かうロスマンたちにも見えた。

 

「何あの光は!?」

 

「あれって前にエミリアが見せた核爆発によって起きるキノコ雲か!?」

 

「とにかく急ぎましょ!!」

 

と、そう言いロスマンたちは全速力で疾風たちのいる所へ向かうのであった。

 

 

 

そして疾風たちは・・・・

 

「・・・・・威力・・・ありすぎだろうが・・・・」

 

「おい!?しっかりしろ疾風!?疾風っ!!」

 

と、エミリアがそう言う中、俺は安心したのか気を失うのであった。

 

 




命を懸けて放射能をまき散らすネウロイを倒した疾風、さて次回はⅤ2の生みの親である彼女と、ウルスラとウルスラと一緒に来たヴェネチアの科学者が登場します!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。