ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「Crossing field」

ED「ブックマークアヘッド」


第7話「スピードの出しすぎにご用心」

買い物から翌日、俺は機体整備のため、格納庫に行った。

 

「久々にあいつ動かさないと、拗ねるしな・・・・」

 

実際に、そうだった。この世界に来る前、敵の襲撃がなかった時、整備を怠ったら、出撃の際、エンジンがすねちゃって本来の力出し切れなかったんだよな・・・それ以来、敵が来なくてもちゃんと自分で整備するようになったんだよな…と、そんなことを思い出しているうちに格納庫に着いたが、どうやら先客がいたらしい。

 

「お、疾風おはよう」

 

「おはよう。で、シャーリーは何をやってるんだ?」

 

「見てわかんない?」

 

シャーリーの前には分解されたシャーリーの機体があった。それをシャーリーが何かいじっている。これって・・・

 

「なるほど・・・エンジン出力の改造か・・」

 

俺が答えると、

 

「当たり!さすが疾風だな。そうさ、エンジンを調節してスピードを上げているんだ」

 

「そういえば、なんでシャーリーは音速を超えようとしてんだ?」

 

「ああ、それは・・・・」

 

と、シャーリーは自分がウィッチ隊に入った理由、そして音速を超えたいという理由を教えてくれた。

 

それからしばらく、紫電改の整備が終わったところに宮藤とリーネがやってきた。

 

「あれ?疾風さんにシャーリーさん?」

 

「お、宮藤にリーネか。二人ともどうしたんだ?」

 

「いえ、朝ごはんができたので、呼びに来たんです」

 

「そうか・・・もうそんな時間か」

 

「じゃあ、俺たちも朝飯にするか」

 

「そうだな」

 

そういい俺たちは格納庫を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食を終え、しばらくしてミーナさんにブリーフィングルームに集まるよう言われ俺はそこに向かったどうやら明日のことについてらしい

 

「え?海に行くんですか?」

 

宮藤はたんこぶ頭をさすりながら言った。俺がいない間何があった?

 

「ああ、明日の午前からだ。場所は本島東側沿岸」

 

「やったー!!海だー!!海水浴だー!!」

 

と宮藤は喜ぶ・・・・けどこれって・・・・

 

「宮藤、喜んでいるところ悪いけど、これは訓練だと思うぞ」

 

「へ?そうなんですか?」

 

「疾風の言うとうり、我々は戦闘中何が起ころうとも対応せねばならん。例え海上で飛行不能になってもだ。そこで海に落下した時の訓練が必要なのだ」

 

「なるほど・・・」しょぼん

 

「なんだ宮藤。訓練が嫌いなのか?」

 

「あ、いえ、そうじゃないですけど」

 

「そう落ち込むな宮藤。1日中訓練ってわけじゃないんだ。」

 

「ふふっ 集合場所はここ、時間はヒトマル・マルマル(10:00)時よ。いい?」

 

「「了解」」

 

朝10時か・・・・海の訓練時間としてはちょうどいい時間帯だな。夏とはいえ朝早くの海水の温度は結構冷たいからな・・・・・・

 

「わかったね宮藤さん?」

 

「あ、はい」

 

「では以上の内容をシャーリーさんやルッキーニさんに伝達してください」

 

多分シャーリ―はムスタングのエンジン改良をするため格納庫にいるだろうな。

ルッキーニは‥‥・どこかで寝てるだろ。

 

「そうそう宮藤さん。さっき疾風さんが言ったとうり別に1日中訓練ってわけじゃないわ。訓練の合間にはたっぷり海で遊べるってことよ」

 

「よかったな。宮藤」

 

「ミーナ中佐・・・疾風さん・・・行ってきます! 行こうリーネちゃん!」

 

「うん♪」

 

といい、二人は元気よく格納庫へと向かった。さて俺もいくとすっか・・・

 

 

「ん?疾風、どこへ行くんだ?」

 

「格納庫。紫電改の試験飛行ですよ。久々に動かさないといけないので」

 

そういい俺も格納庫へ向かった。

 

 

「あ、あのサーニャ?」

 

「なに、エイラ?」

 

「えっと、その、あの・・・・」

 

「?」

 

「水着選び手伝ってくれないか?//////」

 

「もしかして、疾風さんに?」

 

「え!?いやその・・・・うん//////」

 

エイラは赤信号みたいに顔を赤くする。

 

「ふふっ・・わかったわエイラ・・・私に任せて」ニコ

 

「サ、サーニャ。ありがとう!!よーし頑張んぞ!!」

 

と水着選びに燃えるエイラだった。

 

 

 

格納庫

俺は格納庫に向かう途中、すごい音が格納庫の方から聞こえた。最初は何かの襲撃かと思ったが、すぐにエンジンの音だというのがわかった。

そう思ってるうちに格納庫に着いたが・・・・・・

 

「静かにしてくださぁぁぁーいい!!」

 

キィィィィィィィン!!

 

「うぐっ!」

 

すごい声だ、頭に響く・・・・・

 

「声が大きい・・・」

 

「あ、すいません・・・あ、疾風さん」

 

「よう・・・・それにしても「ん~うるさいな~」ん?・・」

 

上から声がする。俺は声のする方向を見るとそこには猫のようにだらけて寝ているルッキーニがいた。

 

「ルッキーニちゃん」

 

「気持ちよく寝てたのに、芳佳の大声で起きちゃったじゃない」

 

柱の上で目をこするルッキーニ・・・・そして飛び降りて芳佳たちの前に降り立つ。

 

「ごめんね。でもルッキーニちゃんあの音平気だったの?」

 

宮藤が聞くと。

 

「うん、いつものことだし」

 

「え、いつもの事ってシャーリーさんいつもこんな轟音を立てて・・・・」

 

ほんと人間の慣れって怖いな・・・・・

 

「ストライカーのエンジンを改良してただけだよ。そういえば疾風はなんか用?」

 

「ああ、久しぶりに思いっきり飛ばそうと思ってッさ。」

 

「へ~そうなのか・・・そうだ疾風、お前の速さ見せてくれよ」

 

「・・・・・・?」

 

どういうことだ?

 

 

滑走路

 

「準備はいいか?疾風?」

 

「ああ、ばっちしだ!!記録係よろしくルッキーニ」

 

「うん!まかせて」

 

俺のそばには宮藤、リーネ、シャーリーそして速度計を持ったルッキーニがいた。どうやら俺の紫電改の速さが気になるようだ。まあ、実際俺も紫電改がどこまで出せるか気になっていたしな(因みにシャーリーの最高記録は800キロだそうだ。これは俺も負けてられない)。俺はエンジンを作動させた。

 

「本当にすごい音ですね」

 

「いいエンジン音だな~」

 

「ああ、そうだな。今日の紫電改は機嫌がいいな」

 

今日の相棒は本当にいい声を出している。これは前の記録を破れそうかもな。ちなみに俺の最高記録は799までだった。今回は越えられそうか・・・・・?

 

「いくぜ、相棒」

 

そういうと、紫電改もそれに答えるように、エンジン排気管が火を吹く

 

 

 

「スタート!!」

 

ルッキーニの合図とともに俺は発進し急上昇した。

 

「すごい・・・・」

 

「もう見えなくなったよ・・・・」

 

 

 

一方基地のとある部屋のバルコニーに坂本少佐とミーナ中佐、そして速度計を持ったペリーヌがいた。

 

「速いな・・・一気に上がったな疾風のやつ」

 

「高度1000メートルまで45秒。前回のシャーリーさんの50秒より速いです。少佐」

 

「うん・・・お手並み拝見だ」

 

上空

 

「まだだ・・・行くぞ、紫電改!エンジン出力全開!!」

 

そういい疾風は速度を一気に加速させた。

 

 

「疾風さんまだ加速している」

 

「今、何キロだ、ルッキーニ?」

 

「時速700キロ!・・・・780・・・790・・・・」

 

「すごい・・・・」

 

「800キロ突破!!まだまだ上がってる。すごい!シャーリーの記録を破ったよ!!」

 

「すげーもう記録破られたのか」

 

「900キロ突破!!すごい今の時速940キロだよ!!」

 

「すごい、疾風さん!!」

 

「私もあのくらい出たらな~」

 

今度、疾風に頼んでストライカー解体してもらおうかな…

 

一方バルコニーでは

 

「加速が止まりました。」

 

「どこまで行った?」

 

「940キロまでです。」

 

「さすがにすごいわね・・・美緒」

 

「ああ・・・・予想外だ。さすが異世界人といったところだろうか。」

 

「えぇ・・・・でもやっぱりレシプロじゃこれが限界かもしれないね」

 

「音速はまだ遠いか・・・・」

 

 

 

 

 

「あ!戻ってきた」

 

ルッキーニが空のかなたを指さした。その差した方角を見るとルッキーニが指さした方向を見ると。疾風がこっちに向かって降りてきた。そして宮藤たちは減速して降り立った疾風の元に向かった。

 

「いや~やっぱり思いきり飛ばすのは気持ちいいな~ でどうだった?」

 

「すごいです!!疾風さん!!」

 

「すごかったです」

 

「すごいよ!疾風!!時速940キロだよ!!シャーリーの記録超えちゃったよ!!」

 

ルッキーニが興奮しながら疾風に報告をする。むろんシャーリーも同じだった。

 

「お前の紫電改ってすごいな!速度計を見て興奮したよ!」

 

「そうか・・・900越えしたのか・・・・やったぜ」ふらっ

 

そういい俺は倒れそうになった。やば・・・さすがに力出しすぎたかな・・

 

「疾風さん!?」

 

「大丈夫ですか?」

 

と、宮藤とリーネが心配そうに駆け寄った。

 

「ああ、大丈夫だ。ちょっと気が抜けただけだよ。・・・・そういえば宮藤たちは、ミーナ中佐の報告、シャーリーたちに言ったのか?」

 

「報告?」

 

「うじゅ?」

 

と、ふたリは首を傾げた。これを見るとまだ言ってないようだな・・・・

 

「「あー忘れてた!!」」

 

やっぱり、忘れてたのか・・・・

 

その後、宮藤たちはシャーリーに明日、海に出かけることを話した。

 

「それは楽しみだな」

 

「え?」

 

「何がです?」

 

するとシャーリーはいたずらな笑みを出し

 

「2人の水着姿。あと疾風のビキニ姿もな」

 

「「えー!!」」

 

「ちょっと、待て!! 俺は男だぞ。シャーリー」

 

「冗談だよ。冗談。そう怖い顔で睨むなって。」

 

冗談にもほどがあるだろうが‥‥

 

「でも疾風さん。髪を伸ばしたら、本当に女の子と見分けがつきませんよ」

 

「おいおい・・・宮藤まで・・・・・」

 

そんな話をしながら俺たちは、格納庫を後にしたが・・・・

 

「あれ?そういえばルッキーニがいないな・・・・・まあ、またどこかで寝てるだろ」

 

そういい俺は部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

一方ルッキーニはというと格納庫のラックの上で寝ていたが・・・・・

 

「うじゅ・・・・・あれ?みんなは?」

 

目が覚めて起きてみると誰もいない。そしてルッキーニの目の前にはシャーリーがまだ仮整備中の機体とその翼にかけてあったシャーリ愛用のゴーグルがあった。

 

「ディッディッディ~ン♪」

 

ルッキーニは機体のそばに飛び降りてゴーグルを取ったが・・・・

 

ガシャン!!

 

ゴーグルを取った瞬間シャーリーの機体は音を立てて倒れ、部品が散らばりオイルが床に広がった。

 

「うにゃぎゃぁぁぁぁぁぁー!!!!!」

 

ルッキーニは雷に打たれたような悲鳴を上げた。

 

「ど、どうしよう・・・これは・・・・ここかな?・・・・」

 

と、ルッキーニは部品を適当に組み立てて形だけ元に戻した。

 

「ふ~これで良し」

 

オイルまみれの顔でそういったルッキーニだが。その適当に直したストライカーがのちに大変な事態になるとはこの時思わなかった・・・・・

 

 

 

 

翌日

 

俺たちは海岸に来ていた。しかし・・・・

 

「な、なんでユニットをつけるんですか坂本さん!?」

 

そう、今俺と宮藤とリーネは水着姿でストライカーユニット(訓練型)を履いている

この後何をするかは大体想像できる・・・・・・ちなみに水着はこの前の買い物で買った。

 

「訓練だと言っただろ。つべこべ言わずに‥‥・飛び込め!!」

 

やっぱりか・・・

 

「「「は、はい!!」」」

 

えーい、こうなったらやけだ!!

 

「えい!」ザパーン

 

「ひゃっ!」ザブーン

 

「そりゃ!」ドバーン

 

俺は海へ飛び込む。こういう訓練久しぶりだな・・・・逸見先生に・・・・

 

『海軍軍人たるもの泳げないのは致命的だわ。よって今回は水訓(水泳訓練)をする』

 

と言われ、60キロの重しをつけられて、腹をすかせたサメのいるプールに放リ投げられたっけ・・・・・あれ以来プールが嫌いになった。海は好きだけど・・・・

 

ストライカーの重さはあの時の重しに比べてそれほど重くないが、やっぱきつい。下手すると溺れ死ぬ。

俺は、海面出ようともがきながら、ユニットを外そうとするがなかなか外れない。俺は焦って必死にもがくが外れない。

 

『疾風。いつ、いかなる時も冷静さを忘れるな・・・・』

 

と、逸見先生の言葉を思い出し、俺は一瞬冷静になりもがくのをやめ、ユニットの操舵翼を下に向け押した。そうしたら簡単に抜けた。足が自由になり俺は手足で必死にもがき・・・・

 

「ぶわっはー!?」ザパーン

 

「お、早かったな疾風」

 

海面から上がり、近くの岩場にしがみつく。

 

「・・・・・死ぬかと思った・・・・けほっ・・かはっ・・・」

 

鼻で海水を吸い込んだため、咳き込む。

 

「大丈夫?上がってこれる?」

 

ミーナさんが岸に引き寄せようと手を差し伸べてくれた。俺はその手を掴もうとしたが・・・

 

「ぐわがっ!?」ザボーン

 

「「っ!?」」

 

何かに足を引っ張られ、また海の中へ、シタニマイリマ~ス

 

(あ、足に何か巻き付いて!?たこか?いや、まさか海の悪霊か!?)

 

疾風は自分の足に巻き付いているものを確認した。その正体は…

 

「~~~っ!」

 

「~~~っ!」

 

二人が絡みついていた・・・・・

 

(お、お前たちかよー!?)

 

 

 

 

数分後・・・・

 

「よし、訓練終わり!」

 

何とか生き延びた・・・・

 

「疲れた‥‥」

 

俺は首にタオルをかけ、コートオブミッドナイトを羽織る。

 

「疾風さん。お疲れ様です」

 

「おう、サーニャか。ってあれそういえばエイラは?」

 

いつも一緒にいるはずのエイラがいない。

 

「エイラなら・・・・・ちょっと待ってくださいね」

 

とサーニャは、海岸のすぐそばにある小屋の裏に向かった。

 

「ほら、エイラ出てきて」小声

 

「う~恥ずかしいよ、サーニャ~」小声

 

「疾風さんに水着姿見せるって言ったのエイラでしょ?」小声

 

「だって、もしこの水着、似合ってないって疾風に言われたら・・・・・」小声

 

「大丈夫よ、エイラ。疾風さんはそんなこと言わないわ。だから出てきて(疾風さんの前だとヘタレるんだから…)」

 

「う~わかったよ。サーニャが言うなら・・・」

 

とサーニャはエイラを連れて出てきた。

 

「お待たせしました。」

 

「えっと、その疾風。訓練お疲れなんだな…」

 

「おう、サンキュ、エイラ」

 

「それよりも疾風さん。エイラの水着はどうですか?」

 

と、サーニャが疾風の前にエイラを押し出す。

 

「ど、どうかな。へ、変じゃないか?」

 

エイラは顔を赤くして言う。今エイラが着ているのは、水色のビキニだった。

 

「いや、変じゃないよ。むしろとっても似合ってるよ」

 

「そ、そうか。あんがとな。疾風////」カァァ

 

エイラは顔をさらに赤くし嬉しそうに言う。

 

 

周りを見ていると、宮藤たちのそばにいたシャーリーが太陽を睨んでいた。宮藤と何か話していたが距離があったため何を喋っているかはわからなかった。そしてシャーリーはいきなり格納庫の方へ走り出した。俺も、シャーリーが見ていた方角を見ると。黒い影が飛んでいるのが見えた。あれは・・・・

 

「どうしたんですか?疾風さん」

 

「・・・・・ネウロイだ」

 

「え?」

 

俺は格納庫の方へ駆け出した。

 

「あ、ちょっと疾風!?」

 

俺が格納庫へ走り出した瞬間、警報が鳴り響いた。

 

「敵は高速型1機、レーダー網をかいくぐって侵入した模様」

 

と、坂本少佐は通信手から電話で報告を聞き、ミーナ中佐に報告した。

 

「まだ予定より、2日早いわ」

 

「誰が行く?」

 

「すでにシャーリーさんたちが向かったわ」

 

 

服に着替えた俺は、遅れてきた宮藤と合流し、格納庫に向かった。

するとシャーリーが発進した。

 

「シャーリーさん!!」

 

シャーリーはものすごい速さで飛んで行った。

 

(ん?今のエンジン音・・・・)

 

疾風はシャーリーのエンジン音に妙な違和感を感じた。

 

「宮藤、リーネ。急いでシャーリーを追うぞ!!」

 

「「はい!!」」

 

(俺の勘違いだといいが…)

 

  

 

 

「敵の目的地は・・・・ロンドン!!」

 

「ロンドンだ。敵はロンドンを目指している。お前のスピードを見せてやれシャーリー!!」

 

「了解!!」

 

と無線で敵の目的地を聞いたシャーリーは速度を上げた。

一方基地では・・・・・

 

 

「あ~ シャーリー行っちゃった・・・・・まさかあのままなのかな・・・」

 

「何があのままなんだ?」

 

「えとね、私昨日シャーリーのストライカーをね・・・・」

 

と、ルッキーニが何か言いかけた時、後ろから黒いオーラを感じた。

 

「あっと、えっと何でもないです・・・」

 

「続けなさ~い。フランチェスカ・ルッキーニ少尉」黒笑み

 

振り返ると。そこには顔は笑っても目は笑ってないミーナ中佐がいた。

 

「はわわわわわわわわわ」青ざめガクブル

 

とルッキーニがシャーリーのストライカーを壊して、そして適当に直したのが発覚した。

つまりシャーリーが今はいているストライカーは内部回路が滅茶苦茶になっているということだった。

 

 

 

「なんで、そんな大事なことを誰にも言わなかったんだ!!」

 

と、俺は無線で本部に怒鳴る

 

「とにかく、早くシャーリーさんに追いついてっ!!」

 

(シャーリーのエンジン音の違和感の原因はそれか・・・・となるとまずいな)

 

ど素人が機体の整備をするといつも大変な事が起きる。

 

「宮藤、リーネ何としても追いつくぞ。このままだとまずい!」

 

「は、はい!」

 

「わかりました」

 

と俺たちは全速力でシャーリーのもとに向かった。

 

「シャーリー応答せよ!シャリー応答しろ!!」

 

「疾風さん、見えてきました」

 

リーネが指さす方向に距離約3キロ先にシャーリーがいた。

 

「シャーリー今すぐ基地に戻れ!!」

 

と、何度も無線で呼びかけるが応答がない。それどころか

 

「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

シャーリーはさらに加速した。

そして彼女から円錐状の衝撃波が発生した。

 

「おいおい、シャーリーのやつ、とうとう音速を超えやがったよ」

 

そう、あの衝撃波は音速を超えたときに起こるやつだ。・・・・て驚いてる暇じゃなかった。

すると無線からシャーリーの声がした。

 

「やった・・・のか?‥‥ついに私は音速を超えたのか?」

 

シャーリーの喜ぶ声が聞こえる。おめでとシャーリー・・・て、そうじゃなくて

 

「シャーリー、応答しろ!!」

 

「疾風!!やったぞ、ついに私は音速を超えたんだ!!」

 

「止まれ!! ネウロイにぶつかるぞ!!!」

 

「へ?」

 

とシャーリーは前を見る。すると目の前に大型ネウロイが急接近していた。(本当はシャーリーが速すぎてそう見えているだけ)

 

「嘘だろぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

と、シャーリーは急停止し、シールドを張ったが、遅かった。シャーリーはそのままネウロイに突っ込み、そしてネウロイを貫き白い破片へ変えた。

 

「シャーリーさんは!?」

 

俺はあたりを見渡すとゆっくりと上昇していくシャーリーの姿があった。

その顔は満足そうな顔をしていた。

 

「あっ! あそこにいました。シャーリーさんは無事です」

 

よかったと思ったが、なぜかシャーリーは返事をしない

 

・・・・・・・・・まさか・・・・・・・・・

 

「リーネ!宮藤!シャーリーを確保するぞ!!」

 

「えっ?それってどういう・・・・」

 

するとシャーリーの上昇は止まり、ユニットが脱げ彼女は落下し始めた。

 

「あわわわわ」

 

「全然無事じゃなぁ~いっ!!」

 

シャーリーは水面に叩きつかれる寸前、宮藤とリーネに確保された。

 

だが・・・・・

 

「えぇ~な、なんで!?」

 

そう、シャーリーの水着はさっきの衝撃波のせいでボロボロになりほぼ裸同然であった。

しかも・・・・

 

「うわ~・・・・・おおきぃ・・・・・」

 

宮藤がシャーリーのバストを堪能していた。その顔は至福の笑顔だった・・・・

 

「きゃ~っ!?芳佳ちゃん何やってるの!?それと疾風さんは見ないでください!!」

 

「見てないよ…・後リーネこれを使え・・・・」

 

俺は手で顔を隠して、コートオブミッドナイトを脱いでリーネに渡した。

 

「あ、ありがとうございます」

 

そういい、コートをシャーリーにかぶせた。

 

「おい、どうした報告しろ!!」

 

「少佐、任務完了。シャーリーは無事確保しました。これから基地に戻ります」

 

と、俺は無線で報告し残りの3人を連れて基地に戻った。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・で、ルッキーニ。他に言いたいことは?」

 

基地に戻り、俺がまずしたことはこの事件の元凶の説教だった。

 

「・・・・・ありません・・・グスン・・・・」

 

「まあ、今回は死人が出なかったからよかったけど、今度またこんなことが起きたら、隠し事しないで正直に誰かに言うんだぞ。わかったか?」

 

「・・・うん、わかった・・・・」

 

ルッキーニの頭にはたんこぶが出来ていた。これは痛々しい・・・・

 

「さて、説教はこれぐらいするか、あとルッキーニ、部屋に戻る前に宮藤にたんこぶ直してもらってけ」

 

「うん、わかった」

 

と、ルッキーニは部屋に戻った。

 

「さて・・・・俺も部屋に・・・・・」バタン

 

さすがに、無理にスピードを出しすぎたためその反動と疲労で俺は意識を失った。

 

「疾風!?どうしたんだ!?大丈夫か!?」

 

「落ち着いてトゥルーデ。疲れて気を失っただけよ」

 

「今日は、無理させたからな・・・・バルクホルン頼めるか?」

 

「ああ、任せろ」

 

疾風はバルクホルンに背負われ部屋に運ばれた。

 

 

 

義理の姉に背負われながら疾風は

 

(やっぱスピードの出しすぎはまずいな・・・・)

 

そう思うのであった

 

 

 

 

 

                        続く

 

                     次回「夜間任務と額の傷」

 




どうも疾風海軍陸戦隊です。予想以上に長くなってしまいました。誤字脱字の報告や感想お待ちしてま~す。

ぺリーヌ「ちょっとよろしくて?」

あ、はいなんでしょう?

ハルトマン「私たちほとんど出番ないんだけど」

あ、いや、あの、それは・・・・・・(冷や汗)

ぺリーヌ「ちょっと楽屋まで来てくださる?」

ハルトマン「ちょっと、お話ししようね♪」

え、ちょっと・・・・・(ズルズル)



ぺ・ハ「トネール!!」「シュトゥルム!!」

ドガァーン!!


うぎゃぁぁぁぁl!!

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