話の大筋を大幅に変更したのもあって時間かかりました。すみません。
目を覚ますと、カルディアは四肢を拘束されて初期の頃の仮面ラ○ダーの悪の秘密結社の改造手術台のような台に寝かされていた。
ぴこーん……ぴこーん……。
「くっ、ここはどこだっ?!くっ、私を自由にしろっ!」
『ふはははは!カルディア・バシリッサ君ようこそ、よく我がネオ・シャドウミラーに来てくれた。君が求めている力を授けてやろう、ふははははははは!』
「いや、何のことかわからん!というか、くっ、身動きできん!」
『遅いのだカルディア・バシリッサ君。君の意志に関わらず、君はもうシャドウミラーの一員にほぼなってしまっているのだ。君が意識を失って既に30分。その間に、シャドウミラーの科学グループは君の肉体に改造を施した。君は今や改造人間なのだ!!』
「いや、というかとっくに前々からシャドウミラーの戦闘用アンドロイド兵だが、そのネオ何たらってなんだ?というかレモン様、そこにいるのにマイクでわざわざ喋って何してるんだ。つか離してくれ」
「あらん?そこは『ヤメロォー、ぶーっとばすぞぉぅ?』ぐらいのリアクションぐらい欲しいところねぇ」
黒いフードを被っていたレモン・ブロウニングがフードをバサッと後ろにやって笑いながら顔を見せた。
ちなみにそのセリフだと仮面ノ○ダーだったりするが、異世界のテレビとかでやっていたかどうかはわからない。
「というか、クエルボ博士、あんたも悪ふざけし過ぎだ!」
「いや、何というか様式美、とか言われて無理矢理につき合わされたんだ。すまんね」
クエルボは毒々しい黒地に赤いラインの入った医療用の手術衣を着て妙な鳥の嘴のようなマスクを被っていた。まんま悪の秘密結社の秘密基地内の改造手術の医者といった風体である。
「で、なんなのだ、この悪ふざけは」
カルディアは憮然とした顔をしつつ、この茶番の仕掛け人であろうレモン・ブローニングを睨んだ。
「え?言ったじゃない。改造を施したって。改造終わってもなかなか麻酔から醒めそうになかったから、サプライズに悪の秘密結社っぽくセット作って寝かしてたんだけど?」
レモンは悪びれない態度でカルディアにそう言うと、手をワキワキさせつつ、
「あほーれ、もーみもみ?」
と、カルディアの乳を鷲掴みして揉んできた。
「なっ?!何をするかっ!!」
「ん~、とりあえずおっぱい増量したから今のうちに揉んどこっかなーとね?」
揉み、揉み、摘み、押し、撫で、揺らし、頬ずり。
「んん~っ、張りがありつつ適度に柔らかく、さらに形崩れなく、大きすぎず小さすぎず、カットインでも存分に揺れるおぱーいを目指してみましましたっと!うんうん、嫁入りカウントダウンだからねぇ、お母さん頑張ってみました!」
揉み揉みぷるん、ぽよんぽよん、ゆさゆさつんつん、ふるんふるん、ふもっふふもっふ、すりすりなでなでつまみつまみ、すりんすりん。
「やめっ、やめろっ、くっ、動けんっ!」
「感度良好、うんうん」
「揉むな摘まむな撫でるなつつくな頬ずりするなぁぁぁっ!!あっ、いっ、だめっ、そこはっ……」
「やめなさいっ!」
クエルボのプラスチックバインダーの角による突っ込みがゴスッ!と入った。角は痛い。しゃれにならん痛い!
「あぐっ!」
頭を抱えてうずくまるレモンに代わって顔の緑色のペイントを落としたクエルボがカルディアの拘束ベルトをはずした。
「とりあえず、改造とは言っても艦娘の近代化改修と同じく、手術とかではないから安心したまえ。あー、その、豊胸とかそういうのもしていない。改修したのは妖精さん達だ。……まぁ、基本コンセプトというか設計図は渡したねどね」
ひょこっ、と妖精さんがクエルボの肩に乗っかり、カルディアにVサインをかまして見せて、胸を張ってニヤリと笑った。その笑みには、いい仕事したという満足感が現れていた。
「痛いじゃないのクエルボ。ったく、母と娘のスキンシップなのにっ!」
「たとえ君の娘であってもセクハラは悪いよ。すまないねカルディア。拘束をしていたのは、君の前にカルディア隊のAとBの近代化改修したときに少し暴走してね……。念のために、だよ」
「……あいつらが暴走?」
腕をさすりながらカルディアが怪訝そうに言う。アンドロイド兵A、Bは確かにマッチョな変態のように見た目から思われがちだが、その性格は温厚かつお人好しな優しい性格をしている。暴走というものとは無縁に思えたのだが、一体何をすればあいつ等が暴走するというのだ。
「テスラドライブ展開させたら、いきなりすっ飛んで倉庫の屋根突き破って行ったわ。あいつ等に空戦用プログラム入れ忘れててね。エキドナがアンジェルグで追っかけてインストールして事なきを得たけれど、いやー、失敗失敗」
あっはっはーとレモンは笑って答えた。
要するに空戦用ユニットを組み込んだのは良いが、制御用プログラムをレモンが入れ忘れたせいで暴走した、というわけである。
「……テスラドライブ、ということは飛べるのか?」
「もっちろん!A、Bの失敗を糧にして、カルディアちゃんには空戦用プログラムをすでにインストールしたわ!テスラドライブモジュールはもちろん、外部追加装甲のおかげで防御力もアップ!それに、近代化改装のおかげで武装も想定外のものが追加されていたりしているわ!」
「想定外?」
「ん~、これは見てもらった方が早いかしら。クエルボ、モニターに今のカルディアのスペック表出して」
「ああ、とりあえず一つずつ説明していこうか。なかやか興味深いパワーアップになってるよ」
ヴン、と壁のモニターに様々な数値と共にカルディアの武装等のデータが映し出され、人体図にそれぞれの兵装の名称が矢印付きで示された。
カルディアはモニターに羅列された武器や装備などを目で確認すると、たしかに武装が追加されていた。
スザクブレードとピアレスアックスは流体金属による可変型のスザクブレード改、ピアレスアックス改となり、青龍鱗を撃てるようになっていた。
さらにテスラドライブユニットを装備した追加装甲とブースターはアンジェルグに似た形になっている。各部の緑色のクリスタルは光学ステルス迷彩プリズムファントムであり、隠密活動も可能になっている。
「……ハイスペックなアップグレードだ。だが、悪くない」
クールにそう言うカルディアだが、しかしその顔はにやけていた。そう、彼女の悩みは玄一郎、つまりパラオ提督である黒田准将に戦闘に役に立たない穀潰しだと思われているのではないか?という、ある種の取り越し苦労であった。
なにしろ元は戦闘用のアンドロイドであり、戦うために創り出された身なのである。それが戦闘の役に立たず、さらに現在はこのパラオ泊地で支給される遭難者手当てという、遭難者に対する支援金を支給されて無駄飯食いとなっている。
しかも、同じ難民であるはずのウォーダンや亡命者であるエキドナや日本から来たアインスト・カグヤなどは空戦出来る機体を持ち、さらには黒田准将の結婚騒ぎに乗じて自分達を役に立つ女であると売り込み、嫁になろうとしているのである。
海で戦えない、空も飛べないカルディアはそれに劣等感を抱いていた。
だが、空が飛べれば何の問題もない。
今まで空(ー)だったのが空(A)。さらに水(ー)も水(B)と属性がつき、相変わらず水は苦手だが今まで属性すら無かったものが戦闘可能になったのだ。しかも陸(A)が陸(S)。
「ふふふふふ、これで……勝つる!!」
しかもモニターの身体のスリーサイズを見ればバストもヒップもサイズが上がり、ウエストそのまま。女としての魅力もこれで上がっているのだ。
ふははははは、そう、あのアインスト・カグヤには負けるが、なに、あのような極端な乳はいらぬ。このぐらいのサイズこそ、奴の好みのはず!!多分!!
「なお、コードDTDの上位コード、コードETEってのが付いたわよ?」
喜び勇むカルディアに、レモンが釘を刺すように言った。
「……は?」
「コードETE。Execution To Enemy。超必殺技みたいね。負荷をかけて熱暴走して、その高出力による乱舞系の殲滅モードって所かしらね。もちろん、放熱の為の装甲パージもあるみたいよ?」
レモンはリモコンを操作してモニターにコードETEの外部装甲のパージ図を出した。
ご丁寧にも3DのCGのカルディアの鎧のような装甲がパッカーン!と割れて、胸の一部と股間の一部のみを残したほぼ全裸な姿になって『まいっちんぐぅ!』な姿になっていた。
しかもそれが繰り返し繰り返しぱっかぱっかと装甲をパージしたり着けたりを繰り返しており、その恥ずかしい感じのモーションにカルディアは叫んでしまった。
「な、な、な、なんじゃこりゃあああああああああっ!!」
倉庫の中に、カルディアの叫び声が響き渡った。
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さて、その頃。カルディアがそんな風になっているとは知らない玄一郎はベッドの上にいた。
はて、確か執務室の長ソファで寝ていたはずなのだが、と考えるも自分の横でしがみついて眠っている餓えた狼さんこと足柄さんの姿を見て納得した。
足柄は一度起きて来て、玄一郎がソファで眠っているのを発見し、そして起こさないようにベッドまで連れて来て寝かせたのだろう。
襲われる?いや、それは無い。
足柄の性格は玄一郎は良く分かっている。
そもそも足柄はとても世話焼きな女だ。基本的に面倒見が良く、優しい性格をしている。姉御肌で気っ風も良く、疲れている者を見れば自分が疲れていようが業務の肩代わりをしてまで休ませようとするような所がある。
そして察しが良い。自分の事以上に人の事を状況で判断して力になろうとしたりする所がある。
今回もおそらくは自分がベッドに居たから気を使って玄一郎がソファで仮眠を取ったのだと察して、そして気遣ってベッドに運んだのだろう。
それに、ベッドのサイドテーブルの上に置いてあるのは足柄用の婚約指輪とケッコンカッコカリの指輪の箱、二つである。
玄一郎は上着のポケットに入れておいたのだが、それがそこに出ているという事は足柄が出して、そして見たという事だろう。
状況から考えるに、それはつまり襲ったり迫ったりするような必要は無い、と足柄は判断したのだろう。
そして何より、足柄を男勝りな勇ましい艦娘だと大抵の男は思っていたりするのだが。
足柄はロマンティストであり、そして根は乙女っぽい。確かに長年の軍生活で荒事に慣れ、ある種体育会系な部分は大いにあるし、婚活が今まで上手く行かなかった為にこじらせた何かはあるが、それでも女性によくある理想のプロポーズのされ方とかそういうものはかなーりこだわったりする方なのである。
それに関しては玄一郎も良く理解というか、身内に足柄そっくりな性格の実姉がいたのでよくわかっている。
だが、顔や姿は全く違うのに、話していると足柄はかなりの部分で姉に性格がそっくりなので、玄一郎も親近感を覚えつつもいつまで経っても拭えぬ姉の怖さと恩義の板挟みというのか、そういう刻み込まれた弟の本能から避けたくなっていたのである。
しかし、足柄は玄一郎の姉とは違う。それは理解しているし、何より違う部分も当たり前だが多くあるのも知っている。とはいえ。
(……姉さんと足柄が会ったら、めちゃくちゃ気があうだろうなぁ。無理な話だろうけどな)
前の世界は核の炎に包まれ、それによって玄一郎は死んでいる。その後にこの世界に来ているのだ。その後、玄一郎のいた世界の事はわからない。家族が生きているかすらもわからないし、今までゲシュペンストの世界の人間がこちらに来ているのはわかっているが、玄一郎の世界の人間が来ているという事は、少なくとも玄一郎は知らない。
「ん……ぁ。あ?あんた起きたのね」
「ああ。ベッドに運んでくれだのは足柄か。……つか、おっぱい当たってる」
「……え!?いや、うん、その……こっ、これは当ててんのよっ!」
いや、そういう意図は無かったのはバレバレだ。おそらく玄一郎をベッドに寝かせてから二度寝して無意識に抱きついていただけだろう。
「……うん、当ててんなら仕方ない」
むにむにと感触の良い足柄ぱいの感触は何かこう、気持ちいい感じだったので振り払わずにそのまま平然と玄一郎は動かなかった。
寝たまま動かないが、一部分は起きた。
「……まぁ、そうなるな」
日向のセリフを言いつつ、玄一郎はどうすっかなーと悩んだ。
まぁ、どうしてもR-15である。
この後の展開は、書けるわけは無い。
カルディア改も悩みましたけど、それ以上にABも超兄貴化は笑えないという感想もあり、どーすっかなー、と。
まぁ、メンズビームは外せないんですけどね。
次回、足柄さんの尻に顔面騎乗してもらってすはすはしたい!!(嘘)でまたあおう!!