カルディアさんバージョンアップ。
目を覚まして『知らない天井だ……』ならまぁ人格破綻DQNネグレクトオヤジに振り回されてろくでもない大人達のせいで死にかけたりする少しネクラな某中学生の子供である。
だが『知らないおっぱいだ……』なら、それは本編の主人公の玄一郎の今の状況だ。なおそれは、ふくよかです。ええ。
だが、知らないおっぱい、というのには語弊がある。
これは昨晩に知ったばかりのとっても大きくて柔らかいのに形のいい、ぽいんぽいんでふわふわで、さらりとしているのに程よくしっとりな間宮さんのおっぱい。
これね、間宮さんプルーンおっぱい。ジスイズ間宮さんおぱーい。
なお、間宮さんは優しかった。すんごく優しかった。襲われる事はなかったが結局は精神的にじわじわとそのような雰囲気にどんどん持って行かれて気がついたら、初夜だった的に。
特別な絆に結んでしまった。身も心も。
あれから間宮の部屋で飲みなおす事になって、普通に飲んでて、あれっ?と思ったら口移しでワインを飲んでた。それから、いや、全て覚えているが、自分でもびっくりだと思うほどにすんなりと玄一郎はやらかしていた。
何をされたというよりも、ナニをしちゃってたという感じで、自然にそうなってしまっていた。学研のなになぜ図鑑もびっくりだ。
いや、逃げたいとかそういう意識も起こらなかった。
酔っていたのと疲労が溜まっていたせいで、えーと何回目で気を失ったんだっけな?と玄一郎はおっぱいに顔面を挟まれて埋もれさせながら、ヒイフウミイと数を数えるが、この状況から考えるにともかく気絶するように眠ってしまった玄一郎を間宮はお気に入りの抱き枕のように抱えたまま眠ってしまったようだ。
なんとか呼吸は谷間で確保しているが、さてはて、おぱーいに挟まれたままでは視界がふさがっていてなーんも見えない。
とはいえ、このおぱーいの感触はかなーり良い。ディモールトおっぱい気持ちいい。
心臓の緩やかな音に癒される。まるで催眠術だなぁ。とくんとくん。とくんとくん。
二度寝しよう。そうしよう。
玄一郎はその柔らかくては心地よい感触に再び落ちていくのであった。おっぱいは安らぎ。
なお、二人とも昼まで寝こけてしまって、間宮は慌てて食堂を開けに、玄一郎は急いで提督室へと走る羽目になって、扶桑と秘書艦の大和、研修秘書のアイオワに思い切りしかられたのだが、まぁ、そういうこともある。
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一方その頃。
狼が潜んでいた。
まだかまだかと待ち構える。王子様を待つのはお姫様の役目だが、餓えた狼の役目じゃない。
夜から提督の自室に忍び込み、アンブッシュを仕掛け、提督のベッドでずーっと待っていた。
酒を断ち、ベストコンディション。立ち技、寝技、投げ技全てベストコンディション。開幕超必だって出せそうな仕上がりだ。
さぁ、帰って来るが良い!この長きに渡る婚活にエンディングのベルを鳴らしてやるわっ!!
と、足柄さんは頑張っていたわけだが、しかし。
待てど暮らせど提督は帰って来ず、精神を張り詰めていたので気力も保たず。
ついには、くかーっくかーっとついには提督のベッドで、全裸のまま大の字で寝てしまったのであった。
なお、足柄さんは本日休みである。
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本日の提督の業務は、わりかし忙しい。ダイジェストにだーーーーっと流すと。
外に出張っての業務が多く、まずはパラオの公共放送のニュース番組にて、厳戒態勢を解除したと発表し、その足でパラオセントラルホテルに向かい、那珂ちゃんライブコンサートに出演する予定だったが、今回の一連の厳戒態勢でイベントが一時中止になり、さらにパラオに足止めを食らっていた深海側のアイドル軽巡棲鬼の『ジュン』ちゃんと駆逐棲姫の『ハル』ちゃん達を訪ね、厳戒態勢解除の報を伝えて足止めをしてしまった事を詫び、さらにさらについでで元明石のアマンダの工場に向かい、バイクの件やウォーダンとソースケ用のカタパルト増設などについて話をしたりと、いろいろと対外的な活動をして提督室に帰ったらもう時刻は夕方になっていた。
生身の身体での公用だったので移動は大和の運転する公用車を使い、かなり楽だった。研修秘書のアイオワとも交流出来て良かったといえば良かったが、朝寝坊のツケはきつかった。それに連日の疲労がパ無い。駆け足でだーーーーっと全て処理してようやっと夕方である。
「俺が寝坊したせいで今日はすまなかったな。疲れたろ?うし、大和とアイオワはこのまま解散して良し。特に重要な案件も報告も無いからな。書類は明日で。ほい、労いにRJのクレープ券をあげよう」
「……じとーっ」
「む、どうした?大和。何かあったか」
「いえ。やっぱり間宮さんの所でお泊まりだったんだなぁ、と。みんなお嫁さんになるんだって思ったら、なんだか変な気持ちになります。私だけの提督じゃないって思ったら、嫉妬したくなっちゃいます」
「……そうか。ふーむ、へぇ?ほーぅ?」
玄一郎は大和の顔をじーっと覗き込むようにして、その頭に手を乗せて、くしゃくしゃっと撫でてやった。
「あっ……」
「旦那としては嫉妬してくれて喜ぶべきか、大和にそんな気持ちにさせた自分を不甲斐ないと思うべきか。だが、俺はお前も、みんなも愛すると腹を括った。こんな亭主で悪いな」
「いえ、自分の嫉妬深さに自己嫌悪したくなります……」
「嫉妬は俺に向けろ。言いたいことも何もかもな。我慢すんなよ?夫婦なんだからな。それと嫁同士は仲良く、な?」
「……はい。努めます」
「おーぅ、アドミラルとヤマート、ラヴラヴね!ふうーん、いいわネ!」
「うっ……からかわないでよ、アイオワ。恥ずかしいじゃない」
「ノーノー、仲の良いことは、一番だワ。ふうん……イイジャナーイ!アドミラール、ミーもユーに興味湧いてきたワ!」
少し、うっ、と玄一郎は退きそうになったが、お得意のポーカーフェイスで顔に出さなかった。
新たな嫁を迎えるのはやはり少しかなりちょっと、とか思う。アイオワの性格とかは少しづつわかって来たし悪い子では無いのもわかってはいるが、ここはやはりもう少し信頼関係をだな、とか思って本心はやはり逃げりゃっ!!
「まぁまぁ、それはさておきだ。今日はいつもと違って外回り仕事だったからな。艦隊での出撃任務と違った疲れだったろ?早い目に休んで疲労をとって明日に備えろ。俺はゲシュペンストと打ち合わせがある」
玄一郎はそう言い、二人を退出させた。
大和はやはり側に居たそうな感じであったが、しかし玄一郎にはまだまだ彼を待っている艦娘達がいるのだというのを彼女も知るが故に引いてくれた。
「では、また明日」
「またトゥモローね!シーユー!」
二人はそう言って退出していった。
二人が去ったあと、ふぃぃーっ、と息をつき、そして気分的に濃いのが飲みたくなり、いつものコーヒーメイカーではなく、エスプレッソマシンのスイッチを入れる。
ギャギャギャ、ガリガリガリ、とコーヒーメイカーのモーターがコーヒー豆を挽く音を立てて、そしてじゅおおおおおっ、とドリップ。
泡立つようなエスプレッソがカップに入っていく。
「ん~っ、やっぱ疲れた時は飲みたくなるな」
カフェインよりも何よりも、その苦味と香りで頭を冴えさせようとするが、どうもすっきりしない。それはそうだろう。実際、常人だったらとっくにぶっ倒れているほどの疲労だ。強化された玄一郎でも流石にキツいものがある。
執務室にゲシュペンストはいない。おそらく、泊地にカタパルトを増設する件で明石達の所へ行くと言っていたのでまだかかっているのだろう。
ふわぁぁぁ。
コーヒーを飲んでもあくびが出る。
(……扶桑と山城は加賀赤城組とシロガネの運用の検証に行ってんだっけか)
妻達も、いない。
ふと、先程の大和の軽い嫉妬心を思い出す。俺は何故、大和のあの発言に安心したんだろな、と玄一郎は思う。
いや、わかりきった事だ。
大和には悪いが、扶桑や山城からそういう言葉が出ない事に玄一郎は少し不安と不満を持っていた。
初めて好きになった女達がそういう嫉妬も無く、というのは非常に男としては色々と……。
いや、無いはずは無いのだ。
(いかんな。いくら疲れているからと言って、元凶の俺が扶桑と山城を疑ってどうするよ)
扶桑達の事は長い付き合いの中でよく理解している。いつかこのような時の為にと扶桑達は覚悟を決めて我慢しているのだろう。彼女達はああ見えてとにかく我慢に我慢を重ねるタイプの女達なのだ。
だが、今はその扶桑達のその我慢に甘えるしかない。
しかし、彼女達がストレスを溜め込んだ時が恐ろしいのでその為のガス抜きをどこかで必ず作らねばなるまい。溜め込んだ後の臨界点突破が怖い。
「……いかん、少し休むか。仮眠をとって今は体力の回復をせにゃ』
急な眠気が来ていた。エスプレッソを飲んだ程度ではおさまりそうにない。
玄一郎はスマホのアラームを設定し、自室へと向かった。
……ベッドの上で、大の字で眠る全裸な足柄ねぇさんの姿がそこにあった。ぱっかーっ、とお股が大股開きだ。ぱっかーっ。
見ないように、そして起こさないようにタオルケットをかけてやり、無事18禁回避だ。
危険かつ魅惑的なものを隠して玄一郎はこそこそと回れ右して執務室に戻り、デスクの隠し引き出しの指輪を確認し足柄用の指輪を用意し、胸ポケットにそれを忍ばせると冷蔵庫から精力ドリンクを取り出し、グイッとあおる。
脳裏にノーワンエスケープ、という言葉が思い浮かんだが、ここまで来たら逃げも隠れもしないが、ちょっと体力回復しないと流石に身体が持たない。
(というか、誰でも忍び込み放題な提督室って問題あるよなー)
その辺、近藤大将とかどうしてんだろな?とか思いつつ、長ソファーに横たわって少しでも体力回復に努めようと、目を瞑る。
襲われるにせよ何にせよ、HPとか気力値とかは回復しないと戦えない。来るだろう夜戦に向けて、戦士は寝る。
男寝りに寝る。ねるねるねるねはこうして……うまい!!てーれってれー。
まだねるねるねるねって売ってんのかな?とか思いつつ、落ちるように玄一郎の意識は薄れていった。
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一方、その頃のカルディアさんと重アンドロイド兵AB。
「なんじゃこれーーーーーっ?!」
レモンから渡された新装備、外部装着型テスラドライブユニットのフィッティングを行ったカルディアは思わず叫んだ。
元々は空が飛べない陸上白兵戦型のアンドロイドだった三人に対してレモンとクエルボは工廠の一角を借りてせかせかとテスラドライブユニットを作成していた。
また、射撃兵装やミサイルコンテナ、あと射撃管制用のCPUなどのチップなどの部品をゲシュペンストに頼んで作成してもらい、空戦用兵装としてテスラドライブユニットに組み込んで、カルディア達用として完成させていた。
そして、レモンは三人を呼び出し、身体は子供頭脳は大人な某探偵な少年の腕時計型麻酔針射出機で眠らせ、カルディア達に非人道的な肉体改造を施し、ユニットとの同期が出来るようにしただけでなく、その兵装などもパワーアップさせてしまったのである(特にカルディア)。
カルディアが叫んだ理由。
①勝手にちちしりふともも増量されていた。
②コードDTDが組み込まれてた。
③テスラドライブユニットの形状。
④自分ではなく、重アンドロイド兵ABのコスチュームが限り無く変。
さあ、答えはどれっ?!
……残念ながら、その答えは、待て!次回っ!!
という引きで今回は終わる。
まぁ、レモンさんにはラミアの件で前科があるからねぇ。
足柄襲来と言いつつ寝てる足柄さん、可愛い(多分)。
レモンさん、なんつう改造をやらかすんや……。
次回、コードDTDはちちしりふとももばいーんばいん。で、またあおう!(???)