ゲス提督のいる泊地   作:罪袋伝吉

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 港湾さんのおっぱいに埋もれたい。ほっぽちゃんを甘やかしてみたい。

 大淀さんのパンツは黒(本日)。

 


土方と沖田とナガモンとほっぽ・港湾さん。

 大発に、四人の女性が乗っているのが見える。

 

 二人は軍服、そして他は巨乳タテセタワンピーススカート。もう一人はロリなワンピーススカートの幼女だった。

 

 軍服の二人は、土方歳子中将と沖田総美少将、その向かい側に座っている、巨乳タテセタワンピーススカートのナイスバディなおねぇさんが港湾棲姫、ロリで可愛い無邪気そうなワンピーススカートのロリ幼女がほっぽちゃんこと、北方棲姫である。

 

 なんでこの一行が大発なんぞに乗って海に浮かんでいるのか。非常に謎である。

 

 そしてその大発を牽引して全力前進で引っ張って居るのは長門と戦艦ル級フラッグシップの二隻。本来敵同士であるこの二隻が何か幸せそうな笑みをぐぇへへと浮かべつつ、鼻から鼻血だしつつ、ワイヤーで大発を引っ張る様はもうカオスですらある。

 

「うへへへへ、ほっぽちゃんの為ならえーんやこーらーっ!」

 

「ワタシ、ほっぽチャンの為なら死ンデモイイ!」

 

 ダブルナガモンであった。

 

 

 謎が謎を呼ぶこの状況、誰か解説してくれ、などと思ったその時に港湾棲姫が口を開いた。

 

「……救助、タスカッタ」

  

 と。

 

 見れば港湾棲姫の肩の部分には大きな傷が付いており、それはさらによく見れば何かの歯形であるとわかる。さらに、タテセタワンピースの所々が破けたり焼け焦げており、なんらかの攻撃を受けていたのがよくわかる。

 

 破れたワンピースから、ぽろりと言うよりはモロりしたおっきいおっぱいを隠そうともせず、港湾棲姫は土方中将と沖田少将に頭を下げた。

 

 ゆさふるん、と揺れるおっぱいを見ながら土方歳子は内心ぐぇへへとよだれを垂らしたが、表面は全く真剣な感じで言った。

 

「いえ、おっぱいありがとうございます(いえ、おきになさらずに)」

 

 本音が建て前を越えて出た。

 

 ずべしっ!!

 

 横から沖田少将がどこから出したのかハリセンで土方を殴った。

 

「……対話が出来て、さらに穏健派のあなた達を今失うわけにはいきません。北方並びにオーストラリアの海域の深海棲艦の守護者であるあなた達は、我ら人類の盟友。助けるのは当たり前です」

 

 港湾棲姫と北方棲姫の二人は突如として現れた『マヨイ』や『ハグレ』の一団に襲撃され、その結果自分の領海を逃げ出さねばならないという事態にみまわれたのである。

 

 この二人は深海棲艦としてはかなりの力を持つ有力者である。生半な兵力ではビクともしないはずだったのだが……。

 

「……アノヨウナ小型艦ガ、ヨモヤアレホドノ強力な力を持ってイルトハ……」

 

 彼女の領海に侵入し、そして襲ったのは『戦艦レ級』である。ただしそのレ級はただのレ級ではない。かつて小島基地壊滅事件で確認された『特B級危険深海棲艦指定五号』と呼ばれる個体である。

 

 すなわち、元小島基地所属・暁型三番艦・雷が怨念を抱いて沈んだ際に深海棲艦となった『マヨイ』であった。

 

 その『雷のレ級』の戦闘している記録は特に確認されてはいなかったのだが、今回の一件でもはや鬼姫級を超える力を宿す存在になり果てているようである。

 

 しかしそのレ級が何故オーストラリアに現れ、港湾棲姫を襲撃したのか、原因は不明である。

 

「アイツ、変っ!力オカシイ!!」

 

 同じようにほっぽちゃんこと北方棲息も怒りを露わに涙目で言った。

 

 こちらは正体不明の『戦艦タ級』と思われる艦に襲撃されており、やはりそのロリワンピースは焼け焦げている。

 

 怒ってもなんか可愛いのがほっぽちゃんのほっぽちゃんたる所以と言うべきか。とはいえ、その怒りのオーラは常人ならばかなりの恐怖を感じるはずなのだが、ここにいる者達は平然としていた。

 

 二人は命からがら日本海軍に救出されたのだが、しかし領海を奪われて逃避行中なのである。

 

 なお、大発に乗っているのは二人が陸上型の深海棲艦で自力で海上に出られないためである。よって、土方中将の所の長……いや、ナガモンと港湾棲姫の所のル級が大発を牽引しているわけなのである。

 

 なお、その後ろをこれまたワ級やチ級などの深海棲艦や、不知火やあきつ丸、加賀、陸奥などが付いてきているが、深海棲艦達は港湾棲姫とほっぽちゃんの所の敗残艦達であり、艦娘達は土方と沖田の部下である。

 

「とりあえず、お二人を最も安全な所へお連れ致します。おそらく日本のどの鎮守府や基地よりもそこは安全で平和な所です」

 

 沖田はそう言い、この無表情な女にはめずらしく微笑んだ。

 

「パラオはねぇ海が綺麗よぉ?豊かだし、設備も整ってるし、ご飯も美味しい!至れり尽くせりな所なんだから!!」

 

 土方はこんな状況であるのにものすごく明るく言った。

 

「イイトコロ?」

 

 ほっぽちゃんは少し首を傾げつつ、パラオが気になったようだ。

 

「良いところよ?少し暑いけど」

 

 しかし港湾棲姫はどうも何かを考えているようで、

 

「……ニホンはコノ事件ヲ、単なる我らノ内紛とシテ、扱イ、介入シテ巻きコマレルのヲ恐レテ、遠イトコロヘ厄介バライシタイ、違ウカ?」

 

 港湾棲姫は沖田を少し睨みつつ言った。だが、港湾棲姫が疑うのも無理は無い。昔の日本軍に彼女の前身はかなりの攻撃を受けたという記憶がある。

 

 彼女の前身は文字通り港湾、つまりは港であった。彼女はかつての大戦で日本軍の攻撃対象として徹底的に攻撃されている。それは戦争だったので仕方のない事だったと彼女も理解してはいるものの、やはり信用仕切れないのは致し方ないのである。

 

「たしかに、大本営ならばそう思っているでしょうね。でも、今から行く所は『パラオ泊地』。私の部下が守り、そしてあなた達同様、穏健派の深海棲艦と共存する場所です。彼ならばきっとあなた達をも守るでしょうし、私が守らせます。大丈夫、そこの提督は一人で『特SSS級危険深海棲艦一号』と戦い、生き抜いた正義のスーパーロボットなのですから!」

 

 土方は胸を張り、自信満々にそういってのけた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 その頃、パラオ泊地では。

 

 ぶえっくしん!!

 

 床に正座して座っているゲシュペンスト提督は、ロボットの癖に大きなくしゃみをした。

 

 正座しているここは、事務室。大淀のいる事務室であり、明石とともに大淀の説教を食らっている最中である。

 

「提督、聞いているのですか?」

 

「いや、聞いているとも。うむ」

 

 大淀の説教は長く、そしてゲシュペンスト提督にとっては非常に、こう、落ち着かないものの一つである。

 

 説教が長いのはまぁ、良いわけはないのだが、大淀はやたらと説教をしている時は話をしながら右へ左へと動く。身振り手振りを加えつつ、じっくりねっとりと説教を垂れる。

 

 おわかりだろうか。

 

 彼女の格好を想像していただきたい。

 

 まぁ、上はセーラー服であるし、長袖なので、まぁ、良い。いや、それも問題があるかもしれない。しかし問題はそのスカートである。

 

 横にスリットが開いたプリーツのミニスカなのである。

 

 動くたびに、ひらひらっ、ひらひらっ、とするわけである。 

 

 なお、ゲシュペンスト提督は正座していてもまだ背が高いので、そのスカートの中が見えるわけでは無い……ように大淀は思っているだろうが、ゲシュペンスト提督はロボットである。全てのカメラを駆使するとほら不思議。

 

 見えちゃうのである。

 

 また、彼の動体センサーは非常に優秀であり、動いている物をとりあえずは察知し、画像でその詳細を分析する。

 

 つまり、ゲシュペンスト提督には今、大淀の履いているパンツなど文字通りお見通しなのである。お見通しなのであるが、はっきり言って見るつもりなんて無いのに見えてしまうのである。

 

 そう、仕方ない事なのである。

 

 この、知的で文学少女のような大人しそうな事務任艦娘が、こんな大胆で大人びたパンツを履いているのが見えるなんて、俺、見る気はなかったんだ!!【REC】

 

 いやー、落ち着きませんね?

 

 説教が長いのがいけない。この前の説教の時はベージュの淑女的なパンツだったし、その前はピンクだった。

 

 全て録画している辺り、ゲシュペンスト提督は絶対に枯れてないと思うのは書いてる人だけではあるまい。

 

(うーむ、やはりこう、大人になった文学少女が、こう、図書館の司書とかになったような、そんな女性に説教されるというのはこう、ちょっと萌えるものがあるよなぁ。うん。というか、高校の図書室の司書の先生とか、俺の高校じゃオッサンだったからなー。大淀があの頃の司書の先生だったら入り浸っていたな。うん)

 

 うん、ただのバカである。

 

 ガミガミガミガミと説教を食らいながら、ゲシュペンスト提督は変な妄想を捗らせつつ、それでも並列作業で事務仕事をしつつ、いろいろやったりなんだりしていた。

 

 と、その時である。

 

「提督、松平元帥閣下から連絡が!」

 

 と、扶桑が事務室に入ってきた。こうなると、大淀も説教を続けられない。

 

 ゲシュペンストはすかさず自分に組み込まれている通信端末に送ってもらうように扶桑に言って、電話に出た。

 

「只今代わりました。パラオ泊地指令室、ゲシュペンスト大佐であります」

 

 そういえば、全くゲシュペンスト提督の階級は出て来てませんでしたが、ゲシュペンストは大佐です。

 

「今、良いかね?ゲシュペンスト大佐。火急、パラオ周辺海域に第4種警戒態勢を敷きたまえ」

 

「はぁっ?!いや、何事でありますか?元帥閣下?」

 

「うん、君も知っての通り、パラオを初めとして、日本は九州坊之岬沖近海、オーストラリアのポートワイン周辺海域、北方のウラナスカ島近海海域、インド洋モルディブ周辺海域の深海棲艦は穏健派であり、それぞれが我々と和平、ならびに不戦条約を結んでいる」

 

「ええ、空母水鬼、南方棲戦姫、港湾棲姫、北方棲姫、あとは最近条約を締結した泊地水鬼、この5人ですね」

 

「そうだ。だが、このうち、港湾棲姫と北方棲姫の領海を他の深海棲艦が侵攻、襲撃し占拠するという事件が発生した。詳細は不明で現在状況を確認しているが、他の海域でも同様の事件が起こるのではないかと本部では推測している。なお、この事件によって港湾棲姫と北方棲姫は土方中将と沖田少将が保護し、君の統括するパラオ泊地へ向かっている途中であると今、報告があった」

 

「緊急事態ですね。了解です。受け入れ準備を早急に行います。とはいえ、確か港湾棲姫も北方棲姫も陸上型だったはずなんですが、海上を移動できましたっけ?」

 

「無理矢理大発に乗せて、長門達に牽引させて運んでいるそうだ。で、だ。出来ることなら君の所から何人か出して迎えを送れないだろうか?というか君がいけないかね?なんというか……今回はとても嫌な予感がすると、妻が言うのでな」

 

 松平元帥の細君は叢雲である。この叢雲は日本海軍が最初に接触した艦娘の一人であり、駆逐艦ではあるがかなりの実力を持っている。

 

 『槍の叢雲』と異名をとっており、かつて松平元帥の命を狙う暗殺部隊10人をたった一人で打ち倒し、そのリーダーであった『薙刀姫』の異名を持つ龍田を生け捕ったことからもその強さが伺えよう。

 

 また、松平元帥の叢雲は非常に勘が鋭い事で知られており、その彼女が言うのである。ゲシュペンスト提督もそれに従ったのが良いと判断した。

 

「わかりました。では早急に。事件の経緯等は出来ましたら詳細なデータを逐一いただけますと……」

 

「わかっている。場合によっては今回のように君に出撃要請をする事になるかも知れない。その時の為と『VIP』の二人のお世話要員として土方中将と沖田少将をそちらに駐留させるつもりだ。よろしく頼むよ」

 

「……え゛?!いや、それは、あの元帥?!元帥閣下っ!!」

 

 ぷつっ。つーっ、つーっ、つーっ、つーっ。

 

 電話は、切れてしまった。

 

「つまり、この事件が解決しなければ、土方さん達はパラオに居続けるってことか?!」

 

 ガクリ、とゲシュペンスト提督はうなだれた。とはいえやらねばならないことは山盛りだ。

 

 とりあえず秘書艦の扶桑に伝達する。

 

「かくかくしかじか(中略)」←詳細な説明。

 

「まるまるうまうまうしとんとん」←理解して手筈を整える段取りを始める。

 

 阿吽の呼吸である(書くのが面倒なわけではない)。

 

 どういう内容であったか、と言えば。

 

「扶桑、長門及び戦闘集団各員に通達!第四種警戒態勢発動、それに付随して空母水鬼の所に連絡頼む。『港湾棲姫』並びに『北方棲姫』が謎の深海棲艦の襲撃を受け、パラオに避難してくる、とな!」

 

 この場の艦娘達に緊張が走る。

 

「明石、今から五分以内で俺のアサルト装備と加速ブースターを用意!!ぼやぼやするな、緊急事態だ!!」

 

「大淀、すまんが説教はまた後でな。どうも俺が出撃せにゃならんようだ。というわけで、またな」

 

 ガションガションガション、とゲシュペンスト提督は駆け足で事務室を出て行き、出撃ハンガーへと向かったのであった。

 

 




 
 雷のレ級再び。

 穏健派を襲う謎の深海棲艦。その背後に見え隠れする、深い闇。

 黒い亡霊は海を駆ける。闇を切り裂けスラッシュリッパー、敵を貫けサンダーボルトスクリュー(違っ)。

 次回、深海の乳。君はおっぱいの質量を知る(嘘)。

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