恐怖のサバイバル訓練を経て、六月最終週。期末テストまで残すところまで、一週間を切っていた。
「全く勉強してね―――!! 体育祭やら職場体験やらで、全く勉強してね―――!!」
「確かに」
そう、雄英ヒーロー科ともなれば行事が数多く、気づけば時間があとわずかだったのだ。
「中間はまー、入学したてで範囲狭いし特に苦労もなかったんだけどなー……。行事が重なったのもあるけどやっぱ、期末は中間と違って……」
「演習試験があるのが辛えとこだよな」
それもそうだ。彼は前回の中間試験において、クラスの中で9位という成績を収めている。喚いている上鳴や芦戸などとは違い、勉強はそれなりにできる方なのだ。
「アシドさん、上鳴くん! が……頑張ろうよ! やっぱ全員で林間合宿行きたいもん! ね!」
「うむ!」
「普通に授業受けてりゃ赤点出ねえだろ」
「言葉には気をつけろ!!」
激励の言葉を送る
やはり勉強ができる者達というのは、日々の予習復習を欠かさない者達なのである。
つまり、勉強が習慣として組み込まれている者達と、宿題などの出された課題にしか取り組まない者達は、天と地ほどの勉強時間の差が存在しているのだ。
だが、そこで
「まず、赤点のラインが六割なのが普通の高校と違うところだと思うんだけど……出久はどう思う?」
「え? それはやっぱり学校それぞれなんじゃないかな」
「……HAHA。それはそうだけどさっ」
高校で赤点と言えば、大多数が三割未満というところが多い。
しかし雄英は、六割未満を赤点としている為、三割が基準となっている学校よりは当然難易度が高い。
上鳴や芦戸の名誉のために補足するとすれば、決して彼らは勉強ができていないという訳ではなく、求められているラインが高い事と周りの者達の頭脳が明晰であることから、相対的に『できていない方』に区分されているだけなのだ。で、なければ倍率が高い雄英高校ヒーロー科などには入ることなどできない。
「でも、問題自体は奇をてらったものじゃないし、基本ができてれば六割は固いと思うよ?」
「すみませんでした」
「波動くん!?」
緑谷の発言に、なぜか自分が窘められているような気がした熾念は、すぐさま頭を垂れて謝罪を口にする。
緑谷の言う通り、問題自体は進学校のような応用問題の多い内容ではなく、凡そ半数が基本的なところを問うものであり、そこから少し難しくしたものが四割、最後にそれなりに難しい―――大学のセンター試験などに出てもおかしくはないレベルの―――問題が一割。
と、言ってもセンター試験の問題自体は、教科書と共に配布される問題集の難しめのものができれば解けるものであり、積極的に問題集を解いている者であれば、さほど悩むことなく解答できるものになっている。
そのあたりは、生徒たちに赤点を回避してほしいという教師陣の良心が垣間見えるものだ。
「テストは兎も角、まずは飯食いに行こう。早くしねえと、食堂の席埋まるぞ?」
「あ、そうだね轟くん。波動くん、一緒に食べに行こ!」
「OK。まあ、テストの話は歩きがてらに話すか」
轟の誘いを受けた緑谷は、熾念も誘ってランチラッシュが今頃あくせく働いているであろう食堂へ向けて歩き出す。
飯田や他の面々も交えながら歩む熾念たち。
各々の昼食を受け取り、席に着いた後に上がった話題は、峰田が教室で口にしていた演習試験のことだった。
「Huh、そう言えばねえちゃんが対ロボットの演習とか言ってた気がするなぁ……」
「あぁ、そうだ! 波動くんのお姉さんって雄英の三年生だもんね! 心強い味方がここに居た!」
熾念の思い出したかのような一言に、内容が不透明であった演習試験の全容が見えてきたような気がし、声を上げた緑谷のみならず、耳を傾けていた他数名もパァっと顔を明るくする。
ロボットとの戦闘であれば、今ここに居る者達のほとんどが、入試という場において数多くのロボットを屠ってきた強者ばかり。比較的やりやすい内容と言っても過言ではないだろう。
しかし、だからと言って何もしなくていい訳ではない。
対ロボットだけ……もしくは、そこになにかしらの要素が付け加えられる可能性は、無きにしも非ず。救助訓練の復習なども進んで行い、万全を期すのが最善だ。
そのことにも触れながら緑谷は、好物のカツ丼を頬張りながら、飯田を凝視する。
「……どうしたんだい、緑谷くん? そんなにも熱烈な視線を向けられても、何も言わないのであれば俺のカレーを分け与えることはないぞ?」
「あ、ごめん飯田くん! そういう訳じゃないんだ」
「……蕎麦か?」
「Hey、出久。もしかして、俺が食べてる定食のエビフライを狙ってるのか?」
「いや、違うから! 僕、いつの間にそんな腹ペコキャラになったの!?」
飯田の憶測から、勝手に自分が他人の食べている物を欲しがっていると勘違いの流れが生まれていることに対し、緑谷は大慌てで首を振って否定する。
一旦空気が落ち着くのを待ってから、水を飲んで喉を潤した緑谷は、こう口火を切った。
「……僕、足技を使ってみようと思うんだけど、どうかな?」
「足技? ああ、俺は一向に構わないと思うが、一体どういう心変わりなんだい?」
「そうだよ。デクくん、凄いオールマイトに憧れてる感じだから、パンチのイメージが強いんだけど……」
足技を使っていく意向を示す緑谷に、首を傾げながらも賛同する飯田に、驚きを表情に浮かべる
「……だけどよ、緑谷。テスト一週間前なのに、いきなりバトルスタイル変えるのもアレだろ」
「そうよ。その向上心は立派だけれども、今は自分のスタイルをしっかり固める時期だと思うの。緑谷ちゃん、ただでさえ“個性”のコントロールができてきたのが最近なんだから」
しかし、時期が時期であることから、轟と
(それもそうか……時間はないけど、耐え忍ぶことも時には必要かなぁ。二人が言ってることも正しいし……)
時間は待ってくれない。自身でも理解し、グラントリノにも言われた言葉を脳内でリフレインさせる。
「ぇ、あっ、デクくん!」
「……え? 麗日さんどうしたの?」
「そのさっ、あんまり無責任なことも言えないけどね、聞いて!」
「うん……?」
「私もガンヘッドさんの所に行って一週間で結構変われたし、ちょっとくらいは……デキるとこまでやってみるっていうのも、全然良いと思うよ!?」
「そ、そう?」
「うん! だってデクくんの凄いところって、色々ワーッと考えてソレ有言実行してく所だから! レッツチャレンジだよ!」
「おぉ……ありがとう、麗日さん!」
頬を紅潮させて、緑谷の背中を押す旨を述べる麗日。
自身のあだ名に新たな意味を与えてくれた友人の発言に、先程までの難しい顔を綻ばせた緑谷は、頭を勢いよく上げた。
「よしっ、じゃあさわりの部分だけでも身に着けて―――……あイタ!!」
「ああ、ごめん」
決意を新たにしようとする緑谷へ、水を差すようにトレーの角をぶつけてきた人物が一人。
「頭大きいから当たってしまった」
「Well……一佳の手刀喰らった奴かっ!」
「っ……物間寧人だ。これを機に覚えてくれると嬉しいなぁっ……!」
悪びれた様子もなく謝罪を口にするのは、B組の物間であった。
余裕のある笑みを浮かべていた彼であったが、一拍置いて『手刀喰らった奴』と熾念に言い放たれたことに眉を顰め、なんとか怒りを表情に出すことなく、そのまま緑谷の背後に佇み続ける。
なにかにつけてA組とB組の優劣をつけたい彼にしてみれば、A組の一人・熾念に名前を把握されていないことは眼中にないことと同義である為、本当であれば今すぐにでも激情を露わにしたかったところであろう。
しかし、グッと堪えてみせる彼は、緑谷、熾念、飯田、轟の四人を順々に見てからこのような話題を吹っかけてきた。
「君らヒーロー殺しに遭遇したんだってね」
『!』
「体育祭に続いて注目浴びる要素ばかり増えてくるよね、A組って。ただその注目って、決して期待値とかじゃなくてトラブルを引きつける的なものだよね」
『!?』
だんだん顔に影が下りてくる物間の姿に、話を聞いているA組面子は驚きや茫然、呆れなど各々の反応を見せながら、話を聞き続ける。
「あー怖い! いつか君たちが呼ぶトラブルに巻き込まれて僕らにまで被害が及ぶかもしれないなあ! ああ怖……ふっ!!」
「シャレにならん。飯田の件知らないの?」
しかし、機関銃のように次々と言葉を投げかける物間を止めるかのように、キレの良い手刀を放つ拳藤が現れた。
一瞬にして物間の意識を刈り取った拳藤は、彼が手に持っていたトレーをサッと片手で受け止めながら、崩れ落ちる物間の体もシャツを掴むことで支えてみせる。
「見たか、出久? あの手刀のキレを」
「う、うん……!」
「あれがオールマイトに勝るとも劣らない
「誰の手刀がMISSOURI SMASHだって?」
「すみませんでした」
「波動くん!?」
カッと閃く眼光に委縮し、目を小さい点に、口をωの形にしてシュンと肩をすぼめる熾念。
今日二度目の流れにデジャブを感じる緑谷は、『ああ、手刀も悪くないな』などと若干現実逃避するような思考を頭に浮かべながら、やって来た拳藤へ目を向けると、彼女は困ったような笑みを浮かべながらこう述べる。
「ごめんな、A組。こいつちょっと心がアレなんだよ」
(心が……)
クラスメイトに『心がアレ』と認識されている事実や、いかに。
緑谷が色々と驚愕していれば、先程まで母親に怒られた子供のように縮こまっていた熾念が復活し、やって来た意中の女子に合掌して笑みを投げかけた。
「Hey、一佳。俺の友達の出久がさ、足技身に着けたいって言ってるんだが、なにかアドバイスしてやってくれないか?」
「へ、私が?」
突拍子もない頼みに、拳藤は瞠目して熾念の隣に座る緑谷へ目を向ける。
「ん~……詳しい“個性”も分からんし、適当なコト言えないんだけど」
「あっ……僕の“個性”、シンプルな増強型です! 身体能力を全体的に上げたり、一部分だけ超パワー発揮できたり……みたいな」
「っていう感じさっ! 俺と一佳の仲だろ? 頼むっ!」
教えようにも教えられずに悩んでいる拳藤に、緑谷はサッと自身の“個性”を説明する。
そんな彼の言葉に続いて熾念はもう一押しした。
すると拳藤は折れたのか、手にもって居たトレーを机に、物間を椅子に腰かけさせた後に、緑谷へ振り返って快活な笑みを浮かべて語り始める。
「ちょっとしたアドバイスだから、そんなに期待すんなよ? まず、アンタの“個性”ってシンプルな増強系みたいだし、体の方も異形型って訳でもないから、フツーにムエタイやらサバットやらテコンドーとかの動き参考にしてみるっちゅーのはどう?」
「その心は?」
「……んまあ、私みたいに体の一部分が巨大化したりする“個性”と違って、まんまヒトの形のまま戦えるんだから、既存の型を流用した時に受けられる恩恵が多いってことだ。だったら、イチから型を創り上げるよか、既存の型を必要に応じて崩してった方が、様になりやすいんじゃないか? ってこと」
「だってさ、出久」
拳藤のアドバイスに合いの手を入れる熾念に、真剣に説明する彼女は何とも言えない表情を浮かべている。
一方で、緑谷は『成程……』と呟いて納得を示したことを示すべく、頷いて見せた。
「確かにそうだなあ。僕も、まるっきりバトルスタイルをイチから創り上げてるんじゃなくて、オールマイトを真似してるんだから……うん、既存の格闘術を真似するのはやりやすそうだ! “個性”での動き方は指南してもらったけれど、攻撃云々は言われてなかったし、そこはやっぱり僕自身が考えていきゃなきゃ。う~ん、なにが一番いいんだろう? 空手? キックボクシング? もしくはカポエイラ? 色々あるしなぁ……あっ! 足も視野に入れたら、柔道みたいな近接戦闘で投げ技とかも―――」
「出久、そこらへんで。なっ?」
「え? ……あっ、ごめんなさい! 一人でぶつぶつ呟いちゃって……」
いつもの癖が出てしまっていたことを熾念に窘められた緑谷は、あたふたとした様子できょとんとしている拳藤に頭を下げる。
さらに熾念もまた、彼女にとってはほとんど見ず知らずの人間にアドバイスを頼んだこともあるため、真っすぐ謝罪と感謝を口にし、再び物間を引きずっていく彼女を見送った。
すると、浮かぶ制服―――
「ねえ、波動くん! 『俺と一佳の仲だろ?』……っていうのは、どーいう関係!?」
「Huh?」
わざわざ誇張気味の声真似をしてきた葉隠に、熾念はサクサク衣のエビフライを一口頬張りながら、数秒思案する。
「……仮免?」
『へ?』
予想外の一言に、耳を傾けていた誰もが頓狂な声を上げる。
拳藤と交際するのが運転免許の『本免』としたならば、付き合う前段階である自分達は『仮免』であると例えたのだが、それを理解できる者は一切この場に居らず、微妙な空気が暫く流れるのだった。
☮
そして、演習試験当日。
「古文と漢文ができませんでした……」
「……なんの独白? 波動くん」
掌で顔を覆う熾念に対し、コスチューム姿の緑谷が慰めるように彼の背中に手を置いた。
『もしや、赤点になってしまうほどの出来の悪さだったのか?』と予想する緑谷であるが、ここで熾念が言っていたのはお祭りデートに行けるか否かのボーダーラインに届かないかもしれない、という懸念であったことは、知る由もなかった。
閑話休題。
カラッとした天候。演習試験をするには絶好の日和だ。
A組の面々は各々のコスチュームを身に纏い、学内バスのターミナルへと集合していた。
そんな彼らの前に佇むのは、九人の教師―――プロヒーローたちだ。これほどの人数が集まることは、普段であればほとんどないこと。
これからどのような期末試験が始まるものかと、皆は首を傾げてその時を待つ。
そして全員揃ったのを確認し、口火を切るのは担任の相澤だ。
「さて、諸君なら事前に情報仕入れて何するか薄々わかってると思うが……」
「入試みてぇなロボ無双だろ!!」
「花火! カレー! 肝試し―――!!」
ねじれから熾念に、そして熾念からA組の全員へ伝わった内容によって、既に勝利気分の上鳴と芦戸。
するとそこで、相澤の首下に巻かれている捕縛武器がモゾモゾし始め、小さな影が一つ飛び出してきた。
「残念!! 諸事情があって、今回から内容を変更しちゃうのさ!」
絶望。圧倒的絶望……!
固まる上鳴&芦戸を余所に、相澤から降りた校長『根津』は、これからの社会において対敵戦闘が激化することを予見し、対人戦闘・活動を見据えた、より実戦に近い教えを重視するとのことらしい。
「という訳で……諸君らにはこれから、
「Toot♪ 面白そうジャン?」
「楽観的ね、波動ちゃん」
口笛を吹く普段通りのノリの熾念と、これまた普段通り落ち着いた様子の蛙吹。
他の者達は教師と戦うことについて、若干の不安を見せているが、時間が惜しいと言わんばかりに相澤が説明を続ける。
「尚、ペアの組と対戦する教師は既に決定済み。動きの傾向や成績、親密度……諸々を踏まえて独断で組ませてもらったから発表してくぞ。まず轟と八百万がチームで……俺とだ。そして緑谷と爆豪がチーム。で、相手は……」
「私がする! 協力して勝ちに来いよ、お二人さん!!」
体育祭一位の轟と、優等生の八百万が相澤。
そして共に体育祭三位の緑谷・爆豪チームが、なんとオールマイトと戦うことになっていたらしい。
「んで次は、波動と常闇がチームだ。相手は」
「我ダ」
スッとチームになった熾念たちの前に歩み出してきたのは、一見すれば恐ろしい形相であり、両足に義足を装備しているエクトプラズムであった。
過去に敵によって両脚を奪われ、尚も立ち上がってヒーロー活動を続けるという不屈の精神が、顔とのギャップで根強い人気を得ているヒーローだ。
「体育祭ノ成績デ有頂天ニナッテイルカ否カ。若シクハ、アノ敗北ヲ糧ニシ、更ナル精進ヲ経テコノ場ニ立ッテイルカヲ、コノ場ヲ借リテ見極メサセテモラウ事トスル」
「波動、油断は微塵も出来ないぞ。幾らお前の“個性”と言えど、先生の“個性”……そして何よりも不撓不屈の精神は脅威だ」
「Hmmm……随分堅苦しい喋り方の人らとの組み合わせになったなぁ、HAHA」
相方と相手の喋り方に、唯一出来なかった古文と漢文の筆記試験を思い出して涙を流す熾念。
『祭り……』と彼が嘆いている間にも、組み合わせの発表を終えた相澤の説明は淡々と続く。
「それぞれステージを用意してある。10組一斉スタートだ。試験の概要については、各々の対戦相手から説明される。移動は学内バスだ。時間がもったいない。速やかに乗れ」
そう言われて移動を開始する生徒と教師たち。
試験開始は、もうすぐだ。
☮
熾念と常闇が連れてこられたのは、ショッピングモールを模した建物のちょうど中央辺りだ。
今回の演習試験の制限時間は三十分。
受験者の目的は、敵である教師に『ハンドカフスを掛ける』か『どちらか一人がステージから脱出』という、至ってシンプルなもの。
その根底には、敵と会敵して戦闘に入った際に、戦って勝利できるのであれば兎も角、実力差が大きすぎる場合には逃げて応援を呼ぶのが賢明……つまり、受験者の判断力を試すという真意がある。
しかし、普通に戦えばプロヒーローとヒーローの卵では勝負にならない可能性が高い為、教師陣はハンデとして自分の体重の約半分に値する重量を装着するとのこと。
「多少は動きが鈍くなっているだろうが……それでも相手が相手だ。気を引き締めて行くぞ」
「All right!」
気を引き締める二人。
そこへ、リカバリーガールの声がアナウンスで響き渡る。
『皆、位置についたね。それじゃあ今から雄英高1年、期末試験を始めるよ! レディイイ―――……ゴォ!!!』
溌剌とした始まりの声が、閑散としたショッピングモール内を反響していけば、突如としてエクトプラズム―――彼の分身が四体ほど、熾念と常闇の目の前に現れた。
「なっ……!」
「Wow、こりゃあ……」
「言イ忘レタガ……我々教師陣モ諸君ラヲ」
―――本気デ叩キ潰ス所存
にじり寄る四体の分身が、同時に全く同じ言葉を吐いている光景に悪寒を覚えながら、背中合わせになる二人。
「Huh! 派手にやろうぜ、踏陰!」
「フッ、了解した。行くぞ、波動! 黒影!」
「アイヨッ!」
期末試験―――開始。