子は親に似るという言葉がある。
それは遺伝的要因もあるだろうけど、生まれてから育つ生活環境によるものも大きい。
生まれたばかりの赤子では自ら環境を整える事は不可能であり、多くが生活基準は両親やその所縁の人物により形成され構築される。
ゆえに
それが普通なのだと。
これが当たり前の事なのだと。
自分が培ったものが常識なのだと。
しかし常識などは個々が生み出すものではなく、ある一定の人数による多数決交じりの共通認識から創り出されるもの。
自身の常識が一般的には非常識なんてことは多々起こり得る事であろう。
それは一時期親を嫌っていた志穏―――バットにとっても同様である。
一匹の犬が唸る。
犬は大昔から人間のパートナーとして人の世界に溶け込み、生活を共にする家族であったりと今も昔も身近な生物である。
だからと言って危険性がないのかと言われれば否と答えよう。
獰猛な牙に俊敏な脚力、鋭敏な嗅覚を持つ肉食獣であり、優秀なハンターであるのだから。
生活を共にするように訓練を施されたものや、気性の大人しいものならいざ知らず、野生で育ったり
中でも狩猟で用いられるような犬種は非常に危険で、犬の中でも高い身体能力の有して敵対者や
そして軍用犬はさらに戦闘や警備を任せる為の訓練を施しているだけに戦闘能力は恐ろしい程高い。
狩猟犬ではないが労働・警備の為に品種改良が施されたドーベルマン。
細身でありながら筋肉質で高い身体能力、賢い頭脳に忍耐力を兼ね備えて警察犬や番犬だけでなく軍用犬としても用いられる。
言わずとも一頭だけでも厄介だというのに集団となれば、武装していても油断すれば確実にこちらがやられる…。
捕虜として捕らえられていたレジスタンスの面々はわざと捕まったスネークの後を追い、最下層である地下へと足を踏み入れるとすぐさま後悔した。
敵兵の姿こそないものの、あちこちで待機しているドーベルマンが牙を向いたのだ。
犬歯を露わにして唸る様子に銃を持つ手が震える。
これが一頭であるならまだ何とか出来たかも知れないが、それが複数頭もなれば対処は難し過ぎる。
唯一の幸運だったのはこちらも複数人で集団行動していた為に、向こうも囲って唸るばかりで襲って来ない事だろう。
しかし誰かが発砲しようものなら開かれる戦端に恐怖と不安が募る。
そんな中、集団の輪からバットがゆっくりと抜け出す。
止めようにも囲まれている状況から動けず、レジスタンスは見守る事しか出来ぬ。
怯える様子もなく微笑を浮かべながら目を合わせ、ゆっくりと近づくバットにドーベルマンたちが反応する。
群れより離れた小柄な者…。
敵対しているドーベルマンからすれば狙うべき弱者であろう。
けれど様子がおかしい。
正面切って唸っていたドーベルマンが見る見るうちに犬歯を引っ込め、唸り声は徐々に小さくなっていった。
最終的には手の届く距離まで近寄ったバットは後頭部から背中の辺りまで撫でながら、そのドーベルマンを座らせて大人しくさせた。
「おー、良し良し。良い子だなお前」
「それ…どうやったんだ?」
一頭を手懐けると囲んでいたドーベルマンが次々とバットに懐いていく。
野犬でもそうは上手くいかんというのに訓練を施された軍用犬が意図も簡単に手懐けられる筈も無く、レジスタンスの面々はどんな手品を使ったんだと問う。
ドーベルマンからこちらに意識を向けたバットは頬を掻きながら答える。
「あー…昔っから動物には懐かれやすいんだよ」
(((懐かれ易いで片付くか!!)))
当たり前のように返されて誰もが同じ思いを心の中で叫んだ。
けれどバットにとってはそれが普通なのだ。
寧ろ自分は大したことないと思っている程。
なにせ昔連れて行って貰った動物とのふれあいが可能な娯楽施設にて母さんは猫に非常に好かれ、親父は多種多様な動物に好かれるばかりか動物園などでは危険な動物すら言う事を聞くという
ゆえにバットはそういう答えを取った。
「さて、どうすべきか…」
ドーベルマンに囲まれるバットはいつまでも撫でてやる訳にはいかないので、意図せずとも連れだって地下を歩き回って何処に秘密の独房があるのかと探すも扉が一つあるだけ。
しかしながらその扉はカードが必要な電子ロックが掛けられているので、カードをスネークに預けていたが為に手が出せずにいた。
レジスタンスも何処かに隠し扉がないかと探すも吉報は無い。
スネークを見捨てる選択肢はないので、次はどうすべきかと頭を悩ましているとドーベルマン達が裾を優しく噛んで引っ張るのだ。
何かしら伝えたそうなドーベルマンに続くとある壁の前で立ち止まり、ここだと言わんばかりに吠え始めた。
おかしいと思って軽く叩くと他に比べて音が軽い。
「隠し扉…じゃないけど壊しやすい壁ねぇ…」
手持ちのアイテムの中にはプラスチック爆弾などの爆発物を所持しているので、破壊する事は可能であるも心配事がないわけではない。
爆発物を使うとそれなりに音が響き渡る。
さすれば侵入者たるこちらの居場所を晒し、敵兵を呼び集める事になる。
そうなればスネークを助けに向かうどころの話ではなくなる。
考え込むバットにレジスタンス達は口々に意見を口にする。
それは構わず爆破すべきだという事。
ここは地下で上までは届かないだろうという推測。
『危惧は理解しました。要塞内の構造から階そのものを吹き飛ばす程の爆破をしない限りは気付かれないかと』
「なら気兼ねなくやらせてもらうよ」
一応無線で聞いてみると問題ないとの太鼓判を頂いた。
正直釈然としないけど爆破しなければ先に進めないのも事実。
「壁を破壊するよ」
そう言ってはレジスタンス達に壁より離れさせ、プラスチック爆弾を取り出して設置する。
爆破方法は時限式。
設置すれば後は時間が着たら勝手に爆発してくれる。
見た目だけは大層立派な簡易な壁は、プラスチック爆弾一つで粉々に砕け散った。
そして広がった景色は秘密の牢獄ではなく左右に続く道と高い壁…。
「要塞内に迷宮か。ただのFPSじゃないと思っていたけど…謎解き要素もあるとは…面白いな」
バットの呟きに大概の者が“FPS”という単語に首を傾げるも、すぐさま続けて爆破できる壁の捜索を続ける。
自身もノックしながら探し続けてそれから数か所の爆破をしてゆく。
迷宮のような高い壁で仕切られた奥には“ボム・ブラスト・スーツ”という服と、外周の壁には隠された秘密の小部屋に敵兵の制服が置かれていた。
何かしら使い道はありそうではあるけども、探している
深いため息を漏らして電子ロックされている扉へと視線を向ける。
「
「
「天の岩戸って知ってるか?正攻法じゃなくとも開けれる可能性はある。要は知恵次第さ」
アイテムを覗き込みながらバットは笑う。
ドーベルマンを撫でて親父みたいに非常識に手を出そうとする自分に苦笑する。
アイテムの中にあるのは
ハンドガン―――ベレッタM92。
デザートイーグルに比べて見た目は黒一色で派手さはない。
けど軽く上にコンパクトで持ちやすく感じ、何度か握りを確かめて感触を確かめる。
「なんか良いな…あとで
爆発物を並べた横でバットは新しい玩具を手にしたように微笑む。
その頃、スネークは冷や汗を垂らしながら、物陰から様子を窺っていた。
本来ならば手鏡でもあれば反射で覗く事も出来たが、手荷物が一切ない状態では詮無き事…。
あまり顔を出さなように気を付けながら覗き、すぐさま物陰に引っ込む。
その直後に頭を出した辺りの位置に散弾が叩き込まれた。
「厄介な…」
グレイ・フォックスを救出した俺はこの秘密の独房より脱出し、バットと合流を目指すべく動き始めたのだが、その矢先に門番を務めていた兵士の猛攻を受ける事に。
兵士の名前はショット・
ここまでに見かけた兵士とは違って、動きが非常に機敏で腕も良い。
比較的遮蔽物の狭い一室で出入り口を護るように立ち塞がり、
中々突破は難しい。
他に退路は無く、休むと言って独房に残っていたグレイ・フォックスは戻ったらもう居ないし、一体全体どうなっているのやら…。
「諦めろ!ここから脱走できたものはいない!!」
「なら俺が最初で最後の一人だ!!」
向こうに呼応して叫んで飛び出す。
銃口が向けられ銃声が響くもお構いなしに向かいにある唯一の遮蔽物であるコンテナの裏へ隠れる。
相手が散弾銃を使用している以上は近接戦に持ち込むのは難しい。
銃があればまだ何とかなるかも知れないが…。
三発の散弾がコンテナに叩き込まれる中、スネークは扉を見つけた。
壁際に二つの扉。
一つは独房の区画とコンテナの間ぐらいで入ろうとすれば間違いなく散弾でミンチにされる。
もう一方はコンテナに隠れているか居ないかぐらいの位置。
離れているもののその扉には電子ロックの類や鍵穴が見当たらない事から開けられる筈…。
入ったかとて状況が変わるかどうかは怪しいものだが、ここは一か八かで賭けてみるしかないだろう。
覚悟を決めると次に発砲が止む瞬間を待つ。
駆け出して扉を開けると中へと飛び込み、壁を背にするように転がる。
無論散弾が入り口周辺に着弾するも運よく当たってはいない。
安堵しながら自身の幸運を噛み締める。
そしてその幸運はまだ自分を見捨ててはいないらしい。
近くに袋が置いてあり、そこにはデザートイーグルや煙草、カード類など捕まった時に没収されたアイテム類が詰まっていた。
とは言ってもほとんどの武器は預けたのでデザートイーグル一丁のみではあるが…。
大口径ハンドガンとライアット・ショットガンでの一騎打ちか。
無謀だなと解りつつも弾数を確認して大きく深呼吸を行う。
袋には装備していないアイテム。
つまりは向こうが俺が脱出すると踏んで仕込んでおいた発信機が含まれていたので放り捨てる。
ショット・ガンナーは何かを投げられた事に警戒して身を隠すと同時にコンテナ部に駆け出す。
まだ奴は扉の中にいると思い込んでいる筈だ。
「諦めろ!お前に勝ち目はないぞ!!」
ショット・ガンナーのリロード技術は異常だ。
ライアット・ショットガンを三連射すると僅かな間を置いてまた三連射するという撃ち方をしており、すぐに弾切れを起こしそうなものだが弾切れをしないかのように撃ち続けて来るのだ。
三発撃った瞬間には素早く三発リロードしては撃つを繰り返しているのだろう。
僅かな間はリロードする弾を指の間に挟んでいる時間か…。
先ほどまで居た扉付近にまたも三発ほど叩き込まれる。
一発一発の弾数しっかりと確認して三発目を撃ったタイミングで、飛び出してショット・ガンナーに銃口を向けた。
まだ部屋の中にいると思い込んでいたショット・ガンナーは、予想外の所から出てきたスネークに驚愕する事になるも、銃口が向けられている状態で動きを止める事はしなかった。
身体を小さく丸めるような体制を取りつつ、横へと転がって移動したのだ。
被弾面積を格段と少なくすると共に、素早い移動により大口径の銃撃を見事回避して、さらに反撃すら行ってきた。
移動中の銃撃である事で命中率は低く、さらに転がるという動きから余計に低下していたものの、銃器がショットガンだっただけに銃口がだいたい向いていれば散弾の範囲に収まるという武器も含めて見事な動きであった。
元スぺツナズで今までの蓄積した経験からなる判断と行動力の成せる業。
目を見張る事であるがスネークとて立ち止まって案山子になる訳も無く、有利な状況を覆されたのをすぐさま理解して身を隠しつつ反撃する。
「やってくれるな。だがまだまだだ!!」
まだ余裕のありそうな声に多少焦る。
向こうもだがこちらも弾薬が無限にある訳ではない。
さらにここは敵地と言う事で援軍を呼ばれる可能性だってある訳だ。
勝機であった機会を失った事でこれまでの幸運も使い切ってしまったかと回収した煙草を咥える。
けど諦めた訳では決してない。
火を付けるのは生き残ってから。
またもタイミングを計って残弾を確認したデザートイーグルを片手に飛び出す。
「残念だったな。
銃口が向き合った一対一の戦場。
終止符を打ったのはどちらかの弾丸―――などではなく、ショット・ガンナーが立ち塞がって護っていた出入り口の扉だった。
響き渡る爆発音の後に吹き荒れる風圧と共に、電子ロックされていた扉が吹っ飛んできたのだ。
そして運悪く飛んできた鉄の扉が付近に居たショット・ガンナーに直撃。
扉によって吹っ飛ばされたショット・ガンナーは衝撃で片腕を骨折した上で気絶してしまったのだ。
「…お前は何してるんだ?」
何が起こったと出入り口には撃ったであろうリモコンミサイルの発射装置を担いだバットがそこに居た。
周囲には敵が配置したであろう
「どれだけ爆弾使っても敵兵来ない感じだし、カードはスネークが持ってるでしょ?」
「力業か。まぁ、状況をよく考えているだけマシか。言っておくが好んで使うなよ」
「分かってるって。そう言うのは
どこか疲れた様子で遠くを見ている瞳を目にして「…そうか」としか返せなくなった。
預けていた
●ちょっとした一コマ:シオンと動物園
シオンが訪れて数日が経った。
最初は強面の兵士達に泣き喚いた子供だったが、日が経つにつれて慣れて今や普通に会話できるぐらいにはなった。
進歩としては上々。
だけどここは子供が楽しむ娯楽というのが少ない。
それは兵士達に対してもだが…。
ヴェノムとエルザはシオンを連れて動物保護プラットフォームに訪れた。
今でも紛争地帯や絶滅危惧される動物を保護する団体などに渡す仕事を請け負っている。
ただ以前と違って言わずともやって来たバットがいないので、確保が手間取っているのもあるがそれ以上に多く捕獲過ぎて困る事も無くなったけど。
「すごい!こんなに鳥がいるんだ」
保護された鳥類が飛び舞う鳥かごの中でシオンは嬉しそうに呟いた。
見上げたまま興奮したように笑みを浮かべてはしゃぎまわる様子に、本当に子どもらしいなと二人微笑む。
ダイヤモンド・ドッグズにいる子供は戦争に関わった結果、動物保護プラットフォームに訪れてもここまで良い反応をする事は無い。
寧ろ草食動物のエリアでは食料と認識する者が出たほどに。
「皆、自由そうで…」
ポツリと漏らした言いかけの言葉に二人はそれぞれに何かしらを想い、エルザはそっと手を差し向ける。
何かしら縛りを彼は感じているのだろう。
解き放つことは難しいけど一時だけでも飛び回らせる事は出来る。
「えっ!なになに!?」
「少しだけ自由に飛びなさい」
エルザの力によって浮遊する感覚に戸惑いながら、彼の極表面的な思想を感じ取って行きたい方向へ動かす。
人の都合によって創り出された鳥籠の中でシオンは自由を身体で味わっている。
「私達はあの子ほど自由を謳歌出来ればよかったのにね」
「そうだな。あの頃はまだそれがあった。あの人が居た
「詮無き事だったわね」
エルザは自身の力とそれを取り巻く環境に、ヴェノムは偉大過ぎる蛇に雁字搦めに縛られて最早公に動く事すらままならない。
だからこそシオンがとても眩しく感じてしまう。
あの子のようでありたいと…。
昔ならばと…。
「駄目ね。あんな小さな子に嫉妬なんて」
「歳を重ねれば若さが羨ましくなるというが本当だな」
「私が若い頃はある人に十年後が楽しみだなんて当時の私にしてみれば馬鹿にされてたりしたけどね」
「失礼な奴も居たもんだな」
「…そうね」
ふふっと笑いながらもシオンを気にかけ、降りたいと願うよりも先にはしゃぎ過ぎて疲れが見えた為にエルザが、頃合いを見て地上へと戻した。
興奮冷め止まぬ様子にヴェノムは他の動物も見せて回る事にした。
草食動物エリアでもはしゃぎまわっては、世話を見ている兵士から餌を分けて貰って餌やりを体験しては喜んで駆け回る。
無尽蔵のような子供の体力に二人は苦笑し、偶然居合わせた兵士はほっこりとその様子を眺めるのだった。
鳥類に草食動物を見て回れば次は肉食獣のエリアに差し掛かる。
…ただここであのようにはしゃがれたら危険極まるので注意はしておかなければならない。
ヴェノムが少し咳き込み真顔でシオンに視線を向ける。
「ここから先は少し危険だ」
「危険?」
「そうよ。ここのエリアは肉食動物が居るの。一応柵で区切っているけど乗り越えたりしたらぺろりと食べられちゃうわよ」
「ペロリなんて事は無い。まずは喉元にかm―――」
「危険の注意喚起しているのに何リアルな事を言っているのよ」
ゴズッとヴェノムの脇腹にエルザの肘打ちが決まって、小さな呻き声を漏らしてよろめく。
さすがに慣れもあって
その様子を遠巻きながら眺めていた女性兵士が可愛らしいと騒いでいた。
「シオンは
「…うん、大丈夫!」
「いつまで痛がっているの。ビッグボスでしょ?」
「柔らかい横腹を突かれるというのは誰も弱いもんだ」
そう言葉を交わしながらシオンを連れて中へと踏み込む。
保護しているのは狼やジャッカル、フォックスも何頭も居る。
中にはバットが世話をしていた狼の群れも、今はここが寝床で戦場を駆けずに静かに過ごしていた。
以前の蝙蝠の狼達を知っている連中は、バットが再び巣立ってから彼らを相棒にしたいという者が多く出たが、どうやら彼らは蝙蝠以外の言うこと以外は聞く気がないらしい。
オセロットの躾すら受け付けない。
なのでバットの置き土産となった狼達は待ち人を待ち続ける忠犬のように静か。
…それが一斉に立ち上がり、こちらをジッと見ては吠えだした。
急な異変に驚き、何事かと警戒する。
襲ってくる事はないと思いつつも、自衛出来ない子供がいる分こちらも気が立っている。
「シオン、分かっていると思うが動くなよ」
「この子たちがこんなに興奮するなんて………シオン?」
すぐそばにいると思っていたシオンの気配がない事に気付き、振り返ると少し離れた所にビィがシオンを抱えて座り込んでいた。
熊に抱き締められた事に怖がってガチガチに固まるシオンであるが、ビィは嬉しそうに抱き締めて頬ずりする。
呆気に取られていると大人しい狼達が柵を飛び越えてシオンを囲むと頭を擦り付けたり、ぺろぺろと舐めたりし始めた。
「…た、たすけて…」
「あー、大丈夫だ。そいつらお前に懐いているだけだから」
「本当?」
「本当よ。以前もみくちゃにされていた
もしくはシオンの衣類にバットの匂いがついていたのかも知れないが。
恐る恐る撫でるとそれに答えて嬉しそうにする狼達にビィ。
危険だと脅した肉食獣エリアがこうも和気藹々とした触れ合い場になるとは思わなかった。
本当に嬉しそうな
その後、バットには物凄く劣るが動物たちに語り掛け、仲良くする光景を多くの兵士が目にしては摩訶不思議そうに見るのだった。
●バット(志穏ver)
スキル:言霊(ことだま)※動物のみ
両親が動物に好かれる(オールドバットはスキルで)事から発現したスキル。
言葉によって相手にバフorデバフ効果を与える。
まだスキル的には弱い。