ULTRAMAN~the other universal story~ 作:アンギラスの息子
なんだよ、「どうしたお前」みたいな目でこっち見て…忘れちまったのか。俺だよ!ハンバーg…アンギラスの息子だよ!
ラブコメって難しいね…これもすべて一方通行しか経験してない自分が悪い。 初恋した幼馴染相手に中学入る前に声すらかけれずに終わったよ!こんちくせう!
時系列はパワード後ゼアス前です
では、どうぞ…
タロウ「でええええええやああああああ!」
グレート「ふっ!」
タロウとグレートの二人は模擬戦をしていた。ウルトラ姉弟と異星のウルトラ戦士の戦いということでギャラリーも多数来ていた。審査は隊長自らが打って出た。
タロウ「はあああ!」
グレート「…そこっ!」
タロウの連続パンチを避けきり、グレートが正拳を繰り出す。それを避けてタロウが回し蹴りを振るう。それを掴み、投げ飛ばす。受け身をとって再びグレートに向かっていく。
一見するとタロウが一方的に攻撃しているように見える。だが、戦い方に差がある故にそのように見えてるだけで実際は互角の勝負だ。タロウは怒涛の攻撃で相手を追い詰めるが、グレートは相手の隙を見つけて重い一撃を連続で入れる八極拳のような戦い方を好む。そのため、素人目にはグレートが一方的に責められているようにしか見えないのだ。
タロウがスワローキックでグレートを上空から襲う。だが――
グレート「甘い!」
タロウ「がっ…はっ!」
グレートはキックを左手で受け流し、靠撃をしてタロウを怯ませる。そのまま右手で肘撃、正拳突き、掌底、ソバットと連続で繰り出していく。その連撃にタロウは倒れた。
ゾフィー「そこまで! 勝者はグレートだ!」
決着がついた。ギャラリーの歓声が響き渡る。
グレート「ごめんなさい、タロウちゃん。 大丈夫?」
タロウ「いたたた… 大丈夫、これくらいならすぐに治るよ。」
そう言って二人は握手を交わした。
タロウとグレートが並んで本部の通路を歩いている。タロウも仕事が全部済んでいるため、こうして一緒にいられるのだ。
タロウ「…でさ、訓練生の一人がさーセブン兄に頭を撫でられたーって自慢しててさ。」
グレート「フフッ… 訓練生の子たちからすれば憧れだからね、セブンは。」
セブンの事で盛り上がっている。グレートがタロウをじっと見る。 年齢は自分より下にも関わらずほぼ同じ大きさの胸。天真爛漫を絵に描いたような笑顔。どこからそんなパワーが出るのかわからない華奢な体付き…
グレート(って何を考えて…!?)
思わず顔が熱くなり、心臓の脈動が速くなる。自分でも赤くなっているのがわかる。その時、前方から80が走ってきた。
80「タロウ姉さん! 報告書くらいちゃんと書けって大隊長がー!!」
タロウ「ええ!? あれでも精いっぱいなのにー!? ごめん、グレートさん!さようならー!」
グレート「え、ああ…うん。またね。」
風のように走り去るタロウの後ろ姿を呆然と見送った。
グレートは通路のガラス張りになっている場所で一人もたれかかって外を見ていた。そこにカプセルからUF-0が出てきて、グレートに話しかける。
UF-0「お姉ちゃん…大丈夫?」
グレート「UF-0…大丈夫。 私は大丈夫よ。」
そう言ってUF-0を抱きしめる。その温もりに心が救われるように感じた。
彼女がタロウを強く意識し始めたのはリュグローの件以来だ。 ジャクリーンに恋を指摘されてから、タロウを友人ではなく恋人として見ていた。意識しないようにと考えても勝手に浮かび上がり、グレートの心を締め付ける。この恋が到底受け入れられるものではないと知っている故になおさら辛くなる。
グレート(こんなに恋が辛いものだなんて…いっそやめてしまいたい…)
そう考える自分が嫌になり、思わずUF-0を抱きしめる手に力が入ってしまう。
UF-0「んうぅ…痛い…」
グレート「ごめん! 大丈夫!?」
UF-0「大丈夫ー」
そう言ってにへへと笑った。そんな二人にある人物が近づいてきた。
グレート「あなたは…ウルトラの母!」
ウルトラの母「どうしたの?こんなところで黄昏て。 悩みでしたら、私が聞きますよ。」
グレート「いえ…別に悩みではなく…」
まさかこの事をウルトラの母にいうわけにはいかない。「あなたの娘さんが好きになりました」などと言えるだろうか。そう考えていた時、ウルトラの母がグレートを抱きしめた。
ウルトラの母「懐かしい顔をしてる…恋、ね。」
グレート「!…はい。ですけど、その…」
ウルトラの母「禁断の恋、とか?」
グレートは思わず肩を震わせる。ウルトラの母はいたずらが成功した子供のように笑う。
ウルトラの母「当たりみたいね。誰が好きなの?」
グレート「…タロウ…です。 タロウちゃんの事が、好きなんです!」
言ってしまった。ついに言ってしまった。怖くなり、ギュッと目をつむる。だが、返ってきたのは笑い声だった。
グレート「…え?」
ウルトラの母「フフフ…そう。あの子は好かれやすいと思っていたけれど、こんなにはやく恋人ができてしまうなんてね。」
グレート「あれ?えーっと…その…」
ウルトラの母「誰かを愛することは大事なことよ。同性同士だとしても、よ。自分の思いに正直になって、誇りを持ちなさい。 それに…家族が増えるのはこちらとしても大歓迎だもの♡」
グレート「…ありがとうございます。 決心がつきました。UF-0、先に戻ってて。」
そう言ってグレートは走り出す。タロウを探すために。
ウルトラの母「頑張ってね…我が子…」
タロウは大隊長…もとい父親から絞られてボロボロだった。
タロウ「あんなに怒らなくてもぉ…」
そう言いながら通路を歩いていると前にグレートが現れた。何やら切羽詰まったような顔をして誰かを探しているようだ。
タロウ「グレートさん? どうしたの?」
タロウが声をかけると、グレートは安心したような顔をしてこっちに向かってくる。そしてそのままタロウを壁に押し倒し、所謂「壁ドン」の姿勢に持っていった。
タロウ「ふぇえ?エ? ちょっ、グレート、さん?」
グレート「タロウちゃん…いや、タロウ。 あなたのことが、好きになってしまいました。」
タロウ「えええ!?」
グレートの発言に思わず情けない声がでる。同性同士、まさかの方向からの奇襲だ。
タロウ「でも、ボクはセブン兄の事が好きなんだよ?」
グレート「知ってる。 だけど、その上でこんなことを言ってるの。 叶わないとしても、言わないよりははるかにマシなの。 ずっと前から…イズーで会って以来、ずっとこの思いを燻ぶらせてきたわ。ずっと…ずっと苦しかった。」
タロウ「グレートさん…」
しばらく無言で見つめ合う。何分、いや、何時間か経ったのかもしれない。もう長い間見つめ合っている。
タロウ「…グレートさん。 その…」
グレート「なに?タロウ。」
タロウ「なんて返事すればわからないけど…えっと…よろしく、お願いします。」
グレート「!…ありがとう、タロウ。よろしく、これからも。」
そう言って二人は抱きしめあった。
ちなみにその日はタロウはグレートの部屋で寝たそうな。
うん…駄文かな…いつも以上に。頑張ったんだ。けどね…
なーんの成果も!得られまへんでした!!
このざまだよ!ごめんなさい!何でもしますから!グレートが!