ULTRAMAN~the other universal story~ 作:アンギラスの息子
第十話「銀の巨人」
地球は凄まじい環境汚染に冒されていた。公害や違法な農薬の使用、大気汚染に過度の森林伐採。それに担い、様々な超常現象や災害、さらには過激な自然保護団体によるテロが起きていた。それらに対応すべく世界は「Univesal Multipurpose Agency」…通称UMAを設立した。
本部をアメリカに置き、世界中様々な場所に
さて、国連はこの環境汚染に対して地球外惑星――特に火星のテラフォーミングを計画した。その調査のため、一隻の調査船が火星に着陸していた。パイロットは二人…一人は男性、スタンレー・ハガード。もう一人は女性、ジャクリーン・シンドーである。彼らは共に優秀な科学者であり、宇宙飛行士として度々火星に調査に来ていた。だが今回は様子が違った。着陸した先には――
ゴーデス「GUUUUU…」
グレート「はぁぁぁぁ…」
巨大な生命体がいたのだ。それも二体。スタンレーはすぐさまビデオを持ち出して動画を取り始めた。
ジャクリーン「そんなことしてる場合じゃないぞ!調査船に戻ろう!」
スタンレー「待ってください!こいつは大発見です。映像に収めないと!」
ジャクリーン「でも、生きて帰らなかったら全て無駄になるんだ。」
そう言い争っている間に戦闘が開始されてしまった。
ゴーデス「邪魔をするな!小娘!」
グレート「するに決まってるでしょう! はぁっ!」
ゴーデスが触手を振るうも、グレートはそれらを防ぎ、接近していく。そして一気にゴーデスを乱打する。ゴーデスは怯み、距離を取る。
ゴーデス「ぐぅぅ… 貴様ぁ!」
グレート「くっ」
ゴーデスが触手を縦横無尽に振るう。グレートはそれら全てを避けるが、ジャクリーン達はそうはいかない。
ジャクリーン「きゃあああああっ! ああっ!」
スタンレー「! ジャクリーンさん!今助けます!」
ゴーデスの一撃で飛んできた岩がジャクリーンの足を挟んだ。
ジャクリーン「スタンレー…先に調査船に戻りなさい。地球の人達にあなたの映像を見せてやりなさい。」
スタンレー「しかし、あなたを置いて行けません!」
ジャクリーン「これは命令よ! …また、会いましょう。」
スタンレー「…はい。」
そう言ってスタンレーは調査船に戻った。ジャクリーンも調査の際に地球を離れる時に渡されたビームガンで足を挟んでいる岩を破壊しようとする。だが、自体は悪化していた。
グレート「でええぇぇぇぇやああああぁぁ!!」
ゴーデス「があぁぁぁぁ! っなめるなぁ!」
グレート「くっ きゃぁぁ!」
ゴーデスに連続で拳や蹴りを入れていたが、ゴーデスの触手に跳ね飛ばされ、岩山に激突する。しかもあたり所が悪かったのか、気を失ってしまう。
ゴーデス「…あの矮小な生命体を先に潰すか。あの時のように、増援を呼ばれると面倒だ。」
そう言うとゴーデスはスタンレーの調査船に接近していった。ジャクリーンもなんとかなビームガンで岩を破壊し、ゴーデスに狙いをつける。
ジャクリーン「化け物!私が相手だ!」
ゴーデスに向かってビームを撃つが、まるで効果が無い。ついに触手が届く距離まで来てしまう。そして――
スタンレー「うわああああああああああ!」
ドガーン!
ジャクリーン「スタンレー!」
調査船を破壊されてしまった。だが、その爆発でグレートが目を覚ます。
グレート「…っは!? 何が!?」
グレートは調査船の残骸を発見し何が起きたかを理解した。
グレート「ゴーデス…お前!」
ゴーデスに向かって飛び蹴りを当て、ひじ打ち、正拳、回し蹴り―ひたすら殴打をしていく。
ゴーデス「グゥゥ…オオ…」
グレート「これで…終われ!」
両手にエネルギーを貯め、一気に打ち出す。だが、それだけでは決定打にならなかった。
グレート「ならば、もう一回!」
ゴーデス「GAAAAAAAAAAAA!」
もう一撃くらい、ついにゴーデスは倒れた。だが次の瞬間、ゴーデスから緑色の細胞が一気に放出された。
グレート「あれは…ゴーデス細胞!このままじゃ地球に!」
だが行くわけにはいかない。まだやるべきことが残っている。
グレート「ねぇ、私はグレート…ウルトラマングレート。あなたはなんて言うの?」
ジャクリーン「! わ、私?私はジャクリーン・シンドー。」
グレート「ジャクリーン・シンドー…なら、ジャクリーン。あなたを今から地球に送るわ。」
ジャクリーン「いいの?でも、その前にしたいことが…」
そう言うと、ジャクリーンは調査船の残骸からスタンレーのビデオを回収した。彼の遺品になりそうな物はこれしかない。
ジャクリーン「…これでいいわ。お願い。」
そうして、グレートとジャクリーンは火星を飛び立った。
グレート「ねぇ、ジャクリーン。お願いがあるの。」
ジャクリーン「? どうしたの?」
グレート「あなたの力を貸してほしいの。」
ジャクリーン「力になれるなら、だけど。 具体的にどうすればいいの?」
グレート「あなたの体を貸して。いえ、あなたと私で一体化させてほしいの。」
ジャクリーン「!? なんで!?」
それもそうだ。急にそんなことを言われても困惑するだろう。
グレート「戸籍の無い人が町をウロウロしてたらおかしいでしょ?嫌なら嫌って言っていいけど…」
ジャクリーン「じゃあ、一つ聞かせて。あの化け物は何だったの?」
グレート「あれはゴーデス。宇宙の破滅を企む凶悪な生命体よ。」
ジャクリーン「そんなものが地球に…!?」
グレート「ええ。だからお願い。」
ジャクリーン「…良いわよ。あなたに協力するわ。でも、どうやって?」
グレート「私をエネルギー化させて、あなたの一人格として一緒にいさせてもらうの。」
ジャクリーン「oK。一緒にゴーデスを倒しましょう!」
そうしてグレートとジャクリーンは地球に降り立った。だが既にゴーデス細胞はオーストラリア中に飛び散っている。ここから二人の戦いが始まるのだ。