ULTRAMAN~the other universal story~ 作:アンギラスの息子
では、どうぞ!
タイトルは…わかる人はわかるかな?
アリアの泣き声が洞窟に響き渡る。彼女の嘆きも最もである。今まで彼女は様々な怪獣と戦い、分かり合ってきた。その心を忘れ、修羅と化して無慈悲に怪獣を倒してきたのだ。その変わり果てた姿を誰が味方とおもうか、誰がウルトラマンと信じるか、これが父の願った姿なのか――
エース「だったら戦えば良いんですよ。」
アリア「え…?」
エース「守れなかった分だけ命を救うために戦うんです。」
アリア「守れなかった分だけ…救うために…」
アリアから受けたダメージからある程度回復したエースが言う。
タロウ「アリアさんならきっと出来る!大丈夫だよ!」
アリア「タロウ…」
タロウもアリアを励ます。だが彼女の心は燻ったままだ。そこに名乗りを挙げたのは──
ピグモン「KYUUUUU!」
アリアに殺されようとしていたピグモンだった。
エース「ピグモン…いいのですか?」
ピグモン「KYUUUUU!KYUUUUU!」
エース「…わかりました。ありがとうございます。」
そういうとエースとタロウはアリアをピグモンに任せてパンドンとゴーデスを捜索しに行った。
アリア「…どうして?」
ピグモン「KYU?」
アリア「どうして私を気遣うの? 私はあなたを殺そうとしたのに…」
ピグモン「KYUUUU KYUUUUU!」
アリア「私のことが心配…人を愛するのに理由はいらない…?」
ピグモン「KYUUUUU!」
ピグモンがアリアにこたえ、サムズアップみたく右手をあげる。
アリアの心には決心の炎が灯され始めていた。だが完全と言うには程遠い。もうひと押しだ!その時だった。
???『アリア…アリア…!』
アリア「! だれ!?」
マリーメイア『久しぶりだな…少し見ねぇうちにすっかり変っちまって…』
アリア「マリーメイア教官…! 私は…」
マリーメイア『皆まで言うな。 理由くらい知ってるさ。 すまねぇ…お前につらい思いさせちまってよ…』
アリア「違うんです! 私の心が弱かったから! だから…!だからぁ!」
アリアは泣きじゃくる。相手が生きていないとわかっていても、かつて頼り続けた先輩だ。彼女に心の内を吐き出さなければ自分が壊れてしまいそうだった。
マリーメイア『すまなかったな…だけど、安心しろ。あたしらは死んだわけじゃない。』
アリア「え…?」
マリーメイア『お前の心の中で生き続けるんだ。今までも、そしてこれからも。 お前は一人じゃない。それを忘れるな。』
アリア「マリーメイア教官…」
マリーメイア『あたしらは見守ってるよ。お前のことを、いつまでも。だから立て!アリア! …いや、ウルトラマングレート!』
アリア「ピグモン…ありがとう。私も行くよ。」
ピグモン「KYUUU」
アリア「ねえ、ピグモン。」
ピグモン「KYU?」
アリア「ゴーデスを倒して、必ずあなたを元に戻す。その時には私はここにもう一度来る。だから…約束してくれる?私を、笑顔で迎えてほしいの。」
ピグモン「KYUI!」
肯定の意を示してピグモンは右手をあげる。それに合わせてアリアも笑顔でサムズアップをし、外に出ていった。
時間は少し戻り、エース達がゴーデスの捜索をし始めた時。
タロウ「ピグモン大丈夫かな?」
エース「大丈夫。あの子ならアリアさんの心を取り戻してくれるはずよ。」
タロウ「そこじゃないんだけど…ま、それもあるよね。アリアさんが優しさを取り戻してくれることを祈るか…」
エース「…! あれは!?」
エースが見たもの。それは――
イアン「ああ…来たな…ウルトラ戦士ぃ!」
ザラブ星人のイアンだった。その体にはエースたちの姉シルことウルトラマンのスパークアーマーを模したアーマーを纏っていた。違いは模様の淵の黒い線と悪い目つき、そして姉譲りのおおきな胸だろう。
イアン「ああ?アリアとかいうのは居ないのか?」
エース「残念ながら不在ですよ、ニセモノさん。」
イアン「可愛げのないガキだなぁ…まあいいや。この力でお前から引き裂いてやる!」
エース「へぇ? ならば私はあなたを真っ二つにしてあげましょう。」
イアン「ほざけ!」
そういうとエースとイアンは戦闘を始めた。
タロウ「エース姉!いまいく…っ!」
援護に行こうとするが、突如現れた
イアン「丁度いい!そいつを足止めしてろ!」
Gパンドン「PGYAAAAAAAA!」
そんなこと分かっていると言わんばかりに咆哮し、タロウに向かって突撃していく。
タロウ「くっ…エース姉!」
エース「タロウはそっちをやって!私がこの年増をやる!」
エースとイアン、タロウとGパンドンがぶつかり合う。
イアンとエースは一進一退の攻防戦を繰り広げる。ウルトラナイフを決めようとするも防がれ、逆に殴ろうとするとカウンターをもらいかける。
イアン「だああああああ!まどろっこしい!」
そう言うと右手を後ろ、左手を前にてを十字に組んだ。スペシウム光線を放つ気だ!
エース「撃てもしない光線で!」
にせウルトラマンは光線が使えない。それはエースもシルから聞かされていたので、エースは一気にイアンに接近した。だが――
イアン「バカめ!」
エース「ぐああああああああ!?」
イアンは手から緑色の光線を発射する。その火力はジャックのキネラマショットにも劣らないほだだった!そんなものをエースは至近距離で食らってしまい、吹き飛ぶ。
タロウ「エース姉! っきゃ!」
エースに気をとられた瞬間にGパンドンからの攻撃を受けてしまい、その上火炎放射を真正面から受けてしまう。二人のカラータイマーが赤く点滅し始めた。残されたエネルギーは残り少ない。
イアン「てめえ…さっき真っ二つにするとかいってたよなあ…そっくりそのまま返してやるよ!」
タロウ「まて…エース姉じゃなくて…僕からやれ!」
イアン「姉妹愛って奴か? いいねぇ…こいつを目の前で殺したらどんな顔が見られるかなぁ!」
タロウ「やめろおおおおおお!」
イアンの右手がエースの心臓を貫こうとした瞬間だった!
アリア「はああああああああああああ!!」
アリアが飛び蹴りをして、イアンを吹き飛ばした!
イアン「ぐっああああ! くそっ!てめえがアリアか!」
アリア「…違う。」
タロウ「…え?」
アリアはファイティングポーズを構え、名乗った。
「私は…ウルトラマングレートだ!」
はい、第八話でした。 ええ、マリーメイア教官復活(してない)です。 え?退場て言ったよねって? あれは嘘だ。cv大塚氏
長くなってしまった気がするので、ここまでにしておきましょう。本家様共々よろしくお願いします。では、次回またお会いしましょう!